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からくりからくさ



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【この小説が収録されている参考書籍】
からくりからくさ
からくりからくさ (新潮文庫)

からくりからくさの評価: 4.03/5点 レビュー 58件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 21~40 2/3ページ
No.23:
(5pt)

受け継がれるもの

受け継がれるものは、世代を超える。
一見淡々としていて、実は、壮絶な内容が語られる。
この作品の真価は、じっくりと、噛み締める様に読まなければ、とらえにくい。
受け継がれるものは、りかさんと呼ばれる人形を媒介とする。
物語はりかさんの不思議さが、多くの示唆を与えている。
受け継がれるものは、日本的な世界観と伝統のもとにある。
しかし、マーガレットの存在と、その成り行きは、読者に客観性を与える。
外国人の目を通すと、気付かない様な事も浮かび上がる。
そして、壮絶としか言い様の無い最終場面だ。
その結末により、受け継がれる。
何が受け継がれるのかは、読者の解釈による。
透明な文体が美しい。
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No.22:
(4pt)

手仕事と伝統が織り成す話

個性豊かな女性達が一つの家で暮らしている.
彼女たちには,手仕事をするという共通のものがある.
その彼女たちの生活はどこか素朴で,外界と遮断されているよう.
季節の草花を食し,植物で染物をし,機織をして・・・.
うらやましくも思える生活をする.
そんな生活をおくる中で,彼女たちは意外なところで結びついていたことに気づく.
手仕事や伝統が絡み合いながら,ストーリーが進んでいく.
『りかさん』を読んでいると,より楽しめる.
ただ,登場人物が多いので,頭の中が混乱するのが難点.
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No.21:
(4pt)

これは良いです

梨木香歩さんの小説を読んだのは四冊目ぐらいではないかと思う。
こんなわずかな作品しか読んでいないのに比べられる物かと思うけれど、その中では一番面白いと感じました。
印象に残ったのは染色や織物、草木の話がたくさん出てくるのだけれど、
その一つ一つの色の鮮やかさ、爽やかさが、文字を通して目に見えるようでした(もちろん想像なのですけども)。
女性達の心の葛藤も上手く描かれていると思いました。
あとは人と人との縁を深く感じました。
けれどもそのせいで、物語全体はとても良いのに登場人物がとても細々としたものになり、ちょっと混乱してしまったのでそこが少し残念でした。
でもとても良かったです。お薦め。
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No.20:
(5pt)

丹念に織られたストーリー

作中にも機織のことがでてきますが、この話は本当に丁寧に織り上げられたという感じがしました。一人一人が深く書き込こまれているわけではないですが、さらりさらりと交差しあう想いや人物模様、文化や民族までが心地よい機を織る音のようにかたりつむがれていく。
それらを包み込むように古い家があって自然が季節がやわらかく取り巻いて過ぎていく。
重く暗い因縁も因習もすっと溶け込まして昇華させてしまう,そのやさしい柔らかさは読んでいて心地良いものでした。
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No.19:
(5pt)

きれいな話

はじめは読んでいて良くわからなかった。いろんな人間の関係を、なんども読み返した今でも理解しきれていないと思う。でも、人の中にはたくさん過去から持ってきたものがあって、意図せずにそれを伝えていこうとする。苦しみも喜びもすべて大きな流れのなかでひとつになっていくんだと、それがたくさんの糸が絡まった織物のように美しいと言いたいのかな、とは思った。わくわくするような話ではないけど、自分が生きていることが、生きていくことが美しいことだと思える話だと思う。
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No.18:
(5pt)

不思議な味わい

染色と織物の知識がふんだんに盛り込まれています。そのため、物語に不思議と奥行きが生まれ、読み応えがありました。ぜひ、美術大学の染色や織物を専攻されている方に薦めたいです。
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No.17:
(5pt)

心に残るお話でした

一気に読みきってしまうような面白さではなく、しずかに心に響いてくるような本でした。この本に登場する女性はみな手仕事が好きで楽しんでいる。私の今までの生活には無いものがたくさん織り込まれていて、それだけでも刺激されました。
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No.16:
(5pt)

「和」の心を改めて

「和」といっても平和の和ではなく、日本古来の伝統の「和」です。学生年代の4人の女の子達が古民家で同居をはじめますが、それぞれの専門分野が染色だったり織物だったりするためもあり、「和」の心、手仕事へ対する愛情がたっぷり感じられます。どの人種であっても人の住まうところ必ず歴史があって、伝統文化があるもの。それらを彼女達が教えてくれます。そして歴史の中で隠そうとする事柄があっても、代々怨念という形で引き継がれていく・・・最近流行の小説のように大きな事件がどんと起こるわけではないけれど、とても静かな穏やかな時間の流れる家でゆったりとした生活は憧れるものもあります。忘れてはいけないのが主人公蓉子の大事な人形「りかさん」。(これは同作者で『りかさん』という作品も出ています)脈々と流れる血というもの、伝統や文化、このあわただしい流れの時代だからこそ大切にしたいと思うのです。
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No.15:
(5pt)

慈愛に溢れる美しき小説

とても美しい小説。ラストでは悲しみや感動とは違う、今まで味わったことのないような素敵な涙がこぼれました。いい出会いをしたような気がします。日本的な古い家で若い女性たちが共同生活をします。染色の修行をする蓉子、鍼灸の勉強中の外国人・マーガレット、美大生で織物の研究をしている紀久と与希子。そして、その家のもう一人の家族が古い人形のりかさん・・・。この4人と1人が織り成す物語は感銘を受けることばかりでした。野に咲く植物に自然に目を向けられる心の余裕と優しさ、自分のアイデンティティーを受け入れ、先祖を重んじる心、古くから伝わる手仕事の伝統を敬う心、忘れたくない素敵な心に溢れている作品。彼女達の生活スタイルは私の理想とする形にも近いことから、より親近感を覚えたというのもあると思います。この本を素敵だと思える気持ち、大切にしたいです。
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No.14:
(5pt)

からく「りか」らくさ?

梨木香歩の作品の中で一番のお気に入り。物語については、他の人が既に書いているので、面白かったとだけ書いておく。高校生か、20歳前後以上の人に勧めたい。こういう生活に憧れる。学生の頃、気の会う友人達と同居しようと話し合った頃もあった。それは実現されなかったけれど、今もかすかに憧れる。それ以上に憧れるのは、野草生活! 身の周りにある植物をはじめ、鳥や石や、一つ一つの名前をどれだけ知っているだろうか。博物学は流行遅れかもしれないが、生活を豊かに彩るものであるように思う。知っているだけじゃなく、食べる、染めるなど、生活に取り入れられたら素敵だろう。いつもどこかに、生活を楽しむヒントを織り交ぜているのが、梨木作品の妙である。りかさんの物語は、もっと読んでみたかった気がします。
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No.13:
(5pt)

癒し?

癒しブームに乗ってよく見かけるようになった本です。騒がれる前から好きだった私としては、この本はほんとに癒しなのか?と思ってしまいます。もっと、読む人に生きることとは何かを問うているような気がするのですが。何らかの形で織物と縁のある4人の女性と市松人形のりかさんの共同生活が描かれています。その中には恋愛や人種の問題が織り込まれています。それらを彼女たちが乗り越えて行った先には何があるのかを考えさせられます。
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No.12:
(5pt)

四人の女性とりかさんが、壮大な機を織り上げていく物語

内側から光が輝くような個性を持った四人の女性。蓉子、与希子、紀久、マーガレットの四人。彼女たちが、ひとつ屋根の下で生活を共にし、あたかも弦楽カルテットのように、ひとりひとりが自分を主張しつつ、静かにハーモニーを奏でていく姿が素敵でした。さなぎから美しい蝶に変身する如く、お互い同士の心の交流を通して、彼女たちは変容し、再生していく。その様子が、生き生きと作品の中に描き出されていたところ、本当に素晴らしかった。話の経糸に、人形師にまつわる彼女たちを結ぶ宿世の縁を、話の緯糸に、織物の文様にまつわる東と西の国の繋がりを織り込み、ラストに収斂させてみせた手際の鮮やかさ。織物のある絵柄が、眼前に出現した瞬間の息を呑む見事さ。あれとこれとがそういう風につながっていって、こーんな壮大な絵が出来上がるのかあ、うわあっ! と声を上げたくなった感動が、最後の場面で押し寄せてきました。りかさんが関わる話ってことで、新潮文庫の『りかさん』の二篇と合わせて読むと、味わいもひとしお。話の時系列的に言うと、「りかさん」「からくりからくさ」「ミケルの庭」とつながっていきます。なので、りかさんが蓉子にとってどれほど大切な存在かといったことが分かる『りかさん』を読んた後に、本書に向かうのが良いのではないでしょうか。
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No.11:
(5pt)

今と同じ過去、未来

恨みを解いていく話。人が生きていく中でたくさんの人と関わってお互いに影響されて、人は死んでしまっても、見えないけど解かれないまま残ってしまった気持ちを解くために新しい出会いがある。解かれなかったものは個人的なことだったり国や世界を動かすような大きなものだったりして、解いていくためにはやっぱり何かしらの犠牲が必要になる。日常を生き抜くためにどれだけの見えない力、底力が必要なのか。。。自然と一緒に暮らす4人とりかさん。自然はただあるがままを受け入れて、昨日の続きの今日を育んでいく。自分自身の内側に向かっていく心。自分でも気づかなかった自分の気持ち、それまでの自分と違う自分を発見して、折り合いをつけるまでの苦しい時間。逃げたいくらいつらくても見つめて見つめ抜いて、受け入れていく。それを通過して成長していく。日本の深く美しい植物とともに。。
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No.10:
(5pt)

人生最高の1冊だと思う。

初めて読んだ時よりも、2回目、3回目、4回目の方が更に奥深く、面白い。これ以上の小説を私は読んだことがない。言葉の断片に、ストーリー一つ一つが全て伏線となっている。それは、登場人物の感情までも巻き込み、繋がり、流れ、流れていく壮大なもの。静かな家の中での生活が、ついには過去、現在、未来をも巻き込む。本当に何回読んでも鳥肌が立ちます。あまりの深さに圧倒され、涙がでます。何か、心の中心を大きく揺り動かされるような力があるように思う。その力が、生活という日常を通すことで、実にすがすがしくこちらに伝わってくる。心の闇や悲しみや、人間の持つ負の部分も多分に扱った作品ですが、それを見つめていく(乗り越えるというと薄く聞こえてしまう)過程は、本当に素晴らしいです。読み終わった後は凄く満足感というか充足感がありますね。「りかさん」も「からくりからくさ」の伏線的なものが多いので、是非一緒に読むことをお勧めします。本当に面白いです。
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No.9:
(5pt)

私の宝モノの本です

本当に久しぶりに、心から「いい!」と思える本に出会うことができたと思います。私の宝物の一冊となっています。市松人形のりかさんの独特な描かれ方といい、日常を細やかに描写する様といい、どれも素晴らしく、独特の趣がある。何度読み返しても飽き足らないくらい素敵な言い回しがたくさん。思わず読み終わった後辞書を沢山引いてしまいました。自分は日本人なんだなあ、日本語は美しいなあ、と再認識しました。日本語はいいですねぇ・・・。ストーリーは、あまり関連性のない話が連なっているのかと思いきや、題名の「からくりからくさ」のように不思議と自然とひとつのまとまりになっていて、最後に全体がすーっと身体に入ってきます。染めの事がでてきたり、織物、人形、蛇、能面、キリムもでてくるなあ。どれも4人の主人公(&りかさん)の生活と何となく密接に絡まりあって、謎解きの要素も入っている不思議な話を形作っています。え? 人形? 織物? 蛇~?と思われたあなた、どんな物語を想像されましたか?多分、そのどれをも遥かに上回るすんばらしい物語なのです、これは。是非、一度よまれてみて下さい。
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No.8:
(4pt)

手仕事の美しさ

 梨木香歩さんの作品を読むのは「西の魔女が死んだ」に続き2作目ですが、どちらの作品にも「手仕事の美しさ」がしっかりと描かれていると思います。労をいとわず手間暇をかけて作ることのすばらしさがよく伝わってくる作品です。 もちろんストーリーもとてもおもしろく、4人の女性たち、そしてそこにたどり着くまでの祖先たちをはじめたくさんの人々の結びつきをひもといていくストーリーは、読むごとに引きつけられていきます。 この作品を読んだ後に同じく梨木香歩さんの著作「りかさん」を読むと「からくりからくさ」という作品をまた違った角度から楽しめると思います。  
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No.7:
(5pt)

読みおわるのが惜しい

「西の魔女が死んだ」を読んで購入しましたらば、こっちは大人味。主人公たちに起こる出来事は、一人一人それなりにハードなんだけど、それをお互いが中和して、融和させていくような、夢みたいにさわやかで、やさしい暮らしだな~と、いつかこんな家庭を作れたらいいな~と思ってしまいます。「絆」がテーマなんだろうけど、薄っぺらではないです。彼女たちのその後が、「りかさん」(新潮文庫)に収録されています。こちらもまたある意味うらやましい暮らしです。
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No.6:
(4pt)

野心作

これまでの彼女の作品は子供&老人の世界へのノスタルジーを超えるものがなかったように感じていましたが、本作品では、よくある言い方ですが、新境地を切り開いているように思いました。「もののけ姫」を思い起こさせるような難しいテーマをこれでもかと詰め込んでいるところが良し悪しだとは思いますが、少なくとも「野心作」と呼ぶことはできると思います。日本人としてのアイデンティティーについて考えて見たい人、能や染物、和人形、野草の食べ方などに興味のある人などにおすすめです。
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No.5:
(5pt)

輪郭のやわらかさ

女性ばかりが登å 'する物語では、その対æ¯"のため、あえて両極の特性ã‚'際立たせて書かれるã"とが多いように思う。とã"ろがã"のお話では、登å 'するï¼"人の女性は多くのå...±é€šç‚¹ã‚'有ã-ている。ã'れど、彼女たちの性格や考えæ-¹ã¯ã‚‚ちろã‚"それぞれに独立ã-ていると感じるので不思議。思うに、小説に描かれる人物は往ã€...にã-てきっちりとã-た人物設定がなされ、その規範に反する行動はã-ないという「おç'„束」があるようだが、梨木さã‚"の描く人物は、その人の性格や特性のほかに、育ったç'°å¢ƒã‚„é-¢ã‚ã£ãŸäººç‰©ã®å½±éŸ¿ã¾ã§ã‚‚折り込まれている。登å 'するï¼"人が異なった性格や判æ-­åŸºæº-ã‚'持っているのになぜか似ていると感じるのは、彼女たちのまわりにふわふわとたゆたうã"の「やさã-い輪郭」部分がå...±é€šã-ているのかã-らã!€ã¨ã€‚そã-て、ã"の「やさã-い輪郭」に触れると、なぜだか読ã‚"だわたã-もやさã-いきもちになれるのです。
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4101253331
No.4:
(5pt)

今までにない魅力

「からくりからくさ」は、「西の魔女は死んだ」「裏庭」の中のやわらかさ・透明感・命の温かな存在感をそのままに伝えながら、それ以上の力強さとの美しさを持った作品である。人間が、女が、民族が、生きることの、怨念や情念、祈りや慈しみを重層的に描きながら、それらが澄んだ一つのトーンを創っていく。梨木香歩の作品は、独特の世界があり、体と心にしみるように入ってくる文章なのだが、そこにどこか手作りの初々しさがあるように思う。それは、この作者の登場人物達がみな「手仕事」を愛おしんでいるからであろうか。文庫版390ページの老婆の温かさが、忘れられない。
からくりからくさ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:からくりからくさ (新潮文庫)より
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