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新世界
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新世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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商品にも、配送にも問題ありませんでした。 | ||||
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史実を背景に架空の事件を挿入して筋書きを作るというトーキョー・ブリズンに似通った展開の話。 今回はマンハッタン計画を基にしてやっているが、歴史的事実の部分は面白いのでまあまあ読ませる。 全て架空の物語として構築するとこの作家の場合、文筆家として力量の無さが顕著に表れる為 ライトノベル級の酷さだったジョーカー・ゲームと比べればまだ救いがある。 小説は所詮虚構であるが読み手にそれを感じさせない技倆を持ち合わせない本は読んでいてシンドイ。 小松左京は部屋の中で百科事典を頼りに訪れた事の無い国を完全に描写してみせた。 船戸与一の小説からは諸外国、何処であろうとも現地に住んだ経験があるに違いないと思わせる程にその土地の臭いや温度まで伝って来る。 2氏と比べるのは酷かもしれないが・・・ | ||||
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原爆を開発したロスアラモス研究所を舞台にして、オッペンハイマー博士の友人が主人公のミステリ小説。 すごく読ませる文章で、ただの娯楽読書用としてもクオリティが高いが、戦争と原爆をテーマにして登場人物たちに語らせる内容は重く深く、考えさせられる。ネタバレになるのであまり書けないが、原爆投下直後のヒロシマ・ナガサキの様子が描かれている章があり、そこではひたすら暗澹とした気持ちになった。 子どもたちに読み継がせたい、すごく良い小説である。 | ||||
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柳さんのD機関シリーズを読み、面白かったこと、テーマも興味があり、読みました。アメリカの原爆開発チームの祝勝会での殺人事件の解決を軸にストーリーが進められます。 ミステリと謳っていますが、D機関シリーズほどのワクワク感がなく、ミステリとしてはイマイチでした。 ただ、原爆や戦争を振り返るきっかけとしては良く出来ており、原爆開発者たちの苦悩や歪みが良く描かれています。そこで描かれる被爆者の描写も生々しく、「はだしのゲン」や当時の被爆者写真を想起させるような内容です。これを読み、原子爆弾の文献や「はだしのゲン」を読み直し、原子爆弾はもちろん、原子力発電についても本当に人の手に負えるものなのかも考えさせられました。 犯人が原爆をソドムの天罰に例える箇所がありますが、当時の広島の写真を見返しても最近の東北巨大地震・津波と同等かそれ以上の被害であり、原爆が開発されるまでは神(自然)のみが起せた規模の災害です。それを人の手で起こせるところまで人の技術が発展してしまったとき、その「新世界」に対して人はどのように望むべきかを問題提起させる作品であると思います。 ミステリとしてはイマイチでしたが、原爆小説としては秀逸でしたので★4つを付けました。 | ||||
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原爆を開発したロスアラモス研究所が舞台であります。 はっきりいってミステリ部分はトホホ…なのですが、全編にわたって濃密に描かれるのは戦争によってもたらされる人間の狂気。正気なのは他の人々か、それとも犯人だったのか。終盤、ある登場人物が幻視するヒロシマのビジョンが圧巻です。 天才科学者揃いの登場人物たちの描き分けがいま一つだったり、原爆に関する科学方面の解説が難解だったり、唐突に数年後の時点から事件を振り返ったりで、読みづらさはかなりのものなのでその点は心して読んでください。 | ||||
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ハード版がほしくて探しに探して購入。もっと早く気がついて新品を購入しておきたかった。図書館で借りて読んで手元にほしくなり購入。なんだか色々考えさせられる面もありとても印象に残った作品。 | ||||
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開明的な意味が全くない、新世界。 原爆を研究開発をした天才達は、 とてつもない大きな狂気に自からも飲み込まれているよう。 この後、核開発戦争にまで進む世界は、 「科学の世紀」を誤った方向に導いているのでは。 過剰は異常、次の世紀の世界事象が、その答えを教えてくれるはず。 世のバランスとは、と真剣に考えさせてくれる一冊です。 | ||||
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原子爆弾を開発したロスアラモスで起こった殺人事件。その事件の犯人の独白と科学者たちの迷いとの決別。 果たして、どちらが狂っているのだろうか。 作品は、まず最初に原子爆弾の製作総指揮を行った天才科学者オッペンアイマーの書いた小説を柳広司が訳したものとして書かれている。 内容的には、柳広司の味が出ていて面白いが、彼の著書である「ジョーカー・ゲーム」や「トーキョープリズン」のような真相に迫っていくときのドキドキ感はあまりなく(最後にちょっとあった程度)、ただただ陰湿な感じがした。 ひたすら、救いようがなく重い作品を読みたいのであればいいかもしれない。 ただ、今回の東日本大震災が起こった後にもし、同じように原爆の作品を書いていたらもっと違うものになっていただろうなとも思う。 | ||||
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今年もまたヒロシマの日が近づいてきました。 文体が分かりやすく、中学生でも十分理解可能な内容です。 科学が生み出すものの利用方法を再考するきっかけになるでしょう。 | ||||
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以前NHKの海外ドキュメンタリーで原爆開発にからむスパイの話や、オッペンハイマーの不遇な晩年を知った。 本書は事実をうまく織り込んでいるのでフィクションなのにそれ以上の重みを感じながら読んだ。 圧巻は終盤の原爆被害の描写。これでもか、というくらいに凄惨な場面が続く。 正直に言えば被害の側の話はつらいので最初からそうなるとわかっていたら読まなかった。 でも、読むことができてよかった。今だから読み通せたのかもしれない。 人間が手にしてはいけないもの、使ってはならない技術、「あれは結局、間違いだった」という犯人の悲痛な叫び。 頭のいい人たちが寄ってたかって命令したのに、間違いだったなんて。 「民主主義」を「豊かさ」に、「原爆」を「原発」に置き換えれば、66年前と今は同じ。 そして、フクシマ以降も原発をあきらめないたくさんの人たちがいる。 読後感は重いが、多くの人に読んでほしいと思う。 | ||||
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この人好きなんだけど、 冒頭からのつかみは面白いんだけど 途中から御都合主義になっちゃうんだよな。 オッペンハイマー博士が発表しなかった小説とかいう 筒井康隆的手法を用いるのだけど・・・ って感じです。 | ||||
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「はじまりの島」に次いで本作を読んだ。歴史上の人物の事蹟とミステリの組み合わせに特徴を持つシリーズだが、本作には作者の特別の思いが込められているようだ。オッペンハイマーと原爆と広島。ミステリ的趣向もあるが、作者の思惟がそのまま綴られていると言って良い。科学の進歩は人類に幸福をもたらすのか ? 原爆のような兵器を産み出す科学者は神に等しい存在なのか ? 目的のためには手段を選ばないと言うマキアヴェッリ的思索は常に肯定されるのか ? 個人の感情の上位に位置するかのような国家の利益とは何なのか ? こうした問題が真摯に綴られている本作には重みがある。原爆の開発秘話についても周到な調査をした跡が窺える。ミステリの枠を越えて多くの方に読んで頂きたい秀作。 | ||||
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40歳以上の本読みのかたなら、この分野の作品を何冊か読まれたでしょう。これは再構築の作品です。内容は他の小説や技術書から持ってきたものが大半を占めるのではないでしょうか。それを若い読者にも興味を抱かせるようわかりやすく、かつテンポ良くまとめあげています。ミステリーとしてはかなり脆弱です。 わたしは戦争中の原爆をあつかう小説は、娯楽作品としてでも十数年に一冊は出版されることを願う者です。わたしたちの国がそれを行わずにどの国が声を上げるのでしょう。 そんな意味で挑戦された作者に敬意を表します。 | ||||
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原爆開発の指揮を執ったオッペンハイマーが、ロスアラモスで起きた奇怪な事件をフィクションとして記録した、という体裁のミステリ。 原爆に対する強いメッセージがうかがえる作品です。事件の謎解きは主軸ではないのですが、ミステリというジャンルでなかったら私が出会うこともなかったかもしれないので、形式として筆者がミステリを選んだことに感謝したいと思います。 原爆を開発した科学者たちは、それを投下した軍人たちは何を考え、何を求めて動いていたのか。 新世界とはどんな世界なのか。 非常に重たい問いですが、取りつかれたように夜中まで読んでしまいました。 ロスアラモスの部外者からの視点で描かれていること、時折入れ替わる時間軸、そしてまさに翻訳調なのに読みやすい文章が、リーダビリティに貢献していると思います。 広く、長く読まれてほしい小説です。 | ||||
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柳広司を読むのもこれで三冊目。この作品は、「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーを主人公に、第二次大戦終結直後、つまり広島、長崎に原爆を落とした後、ロスアラモス研究所で起きた奇妙な殺人事件を描く。 謎ときがメインというよりは、彼の作品は、その時代背景や思想などを丁寧に描き、人間とは何か、歴史とは何かといったことを考えさせてくれる。 この作品も、ストーリーよりも原爆を生んだ科学者たちの苦悩の筆致が優れていると思う。しかし、日本は原爆を落とされた唯一の国なんだということを改めて意識させられた。忘れちゃいけないことだ。 | ||||
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2003年に新潮社から出た単行本の文庫化。 人類史上最大の犯罪に挑んだ作品として知られるミステリ。明確なメッセージ性があり、政治的な話が盛り込まれ、著者のミステリというものへのスタンスが強く伝わってくる。 そういうところが、私はちょっと苦手だが、これはこれでありなのかも知れない。 もちろん、ミステリとしてもしっかりと面白い。意外な犯人、ミス・ディレクションと、きっちりとつくられているのだ。ただ、テーマの重さの前に、かすんでしまっているような気も。 物語の全体に仕掛けられた「謎」も興味深い。結局、解決は与えられないのだが、考えさせられる構成になっている。 | ||||
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原子爆弾。 その響きは様々な意味を持つ。 この本は、原爆を生み出した科学者たちと投下した軍人を描いています。 戦争を早く終結させるため、ロシア・ドイツに対向するための兵器開発。 でも、彼らにとって口実だったのではないか。 科学者にとっては自分の能力と自然界の現象の可能性との挑戦し、軍人は英雄になりたかったのではないか。 一人の力では何でもないことが大勢になると大きな力になることがある。 そのことをミステリー形式で私たちに訴えている。 後味も悪くなく読みやすいけれど、奥は深い作品。 | ||||
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島田荘司氏についての評論で、彼は隠れ社会派であるとするものを見た。その時私は、本格であり社会派であることは、別に矛盾しないと思った。その後思いついたのが、まさしく柳広司がそれではないかということだ。 この小説は本格推理であり、原爆についても非常に論議がつくされ、そして、幻想的な場面によって、原爆を追体験してしまう。もちろん、これは小説であって、ノンフィクションではないのだけれど、優れた小説はもしかしたらある点で、フィクションであることによって、本質を伝えられるのではないかとさえ、思ったのだ。 リアリティを売り物にするのではなく、実際にはあり得ないものを、その本の中でだけあり得るように見せてしまうことを追求していると、かつて、有栖川有栖は書いた。もちろん、これは引用ではなく、私の解釈だけれど。 それなら、柳広司を有栖川有栖はどう読むのか、というのがずっと気になっていたことで、今回、有栖川氏の解説も興味深く読んだ。 本格推理としての面白さはいうまでもない。しかし、柳広司の著作の内、かなりの割合で幻想的なシーンが含まれ、そして、視点人物の価値観が揺さぶられる。大抵はその後に本格推理としての解決があり、元の価値観へ回帰していくわけだけれど……。 本格推理であることと社会派であることは矛盾しないと、以前、私は考えていた。しかし、本格推理であることによって、それを追求することによってのみ描ける「社会的」なものというものが、存在するのではないかと、今は考えている。 もっともこの論議もどきは、「柳広司の小説の面白さ」とは全く関係がないだろうけど。ただ、「読めばわかる、面白いから読め」ではレビューにならないから。 | ||||
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島田荘司氏についての評論で、彼は隠れ社会派であるとするものを見た。その時私は、本格であり社会派であることは、別に矛盾しないと思った。その後思いついたのが、まさしく柳広司がそれではないかということだ。 この小説は本格推理であり、原爆についても非常に論議がつくされ、そして、幻想的な場面によって、原爆を追体験してしまう。もちろん、これは小説であって、ノンフィクションではないのだけれど、優れた小説はもしかしたらある点で、フィクションであることによって、本質を伝えられるのではないかとさえ、思ったのだ。 リアリティを売り物にするのではなく、実際にはあり得ないものを、その本の中でだけあり得るように見せてしまうことを追求していると、かつて、有栖川有栖は書いた。もちろん、これは引用ではなく、私の解釈だけれど。 それなら、柳広司を有栖川有栖はどう読むのか、というのがずっと気になっていたことで、今回、有栖川氏の解説も興味深く読んだ。 本格推理としての面白さはいうまでもない。しかし、柳広司の著作の内、かなりの割合で幻想的なシーンが含まれ、そして、視点人物の価値観が揺さぶられる。大抵はその後に本格推理としての解決があり、元の価値観へ回帰していくわけだけれど……。 本格推理であることと社会派であることは矛盾しないと、以前、私は考えていた。しかし、本格推理であることによって、それを追求することによってのみ描ける「社会的」なものというものが、存在するのではないかと、今は考えている。 もっともこの論議もどきは、「柳広司の小説の面白さ」とは全く関係がないだろうけど。ただ、「読めばわかる、面白いから読め」ではレビューにならないから。 | ||||
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本書は原爆開発にまつわる秘密プロジェクトと言う閉鎖空間で発生した殺人事件をそのテーマとする。オッペンハイマーやフェルミなど、有名人が登場するが、特にフェルミは特徴的な行動が多いことで有名な人だったので、その描き方が読んでいて微笑を誘う。 殺人事件はその原爆の開発と投下に深く関係する。そしてもし実際にここに描かれている事件が起こっていたなら、それは我々日本人への、そして被爆してなくなった方々へのレクイエムになると言えよう。 | ||||
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