海辺のカフカ

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海辺のカフカの評価:

3.76/5点 レビュー 521件。 D ランク

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平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全571件 561〜571 29/29ページ
No.11
(5pt)

マッコイ・タイナーの右手が積み重ねるダークなコードのように

2002年9月発表。まず精神分析的評論家スタイルから論ずれば作品のベースはソポクレスの『オイデイプス王』なのは間違いのないところだろう。ソポクレスの『オイデイプス王』は村上ワールドの中に飲み込まれ、再構成され、2つの希有なコードとともにすばらしい長編となった。まずは、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』でも用いられた奇数と偶数の章ごとのパラレル・ワールド的な構成が素晴らしい。登場人物は皆一様に濃く、既に荒木飛呂彦の生みだすスタンド使いたちのようである。(とくにナカタさんは天候を操るスタンド使いウエザー・リポートみたいだ(●^o^●))とわずがたりの物語にどんどん吸い込まれる。驚異的な筆力に生みだす波動に圧倒されあっという間に読了した。ジョニー・ウォーカーとカーネル・サンダースの吐き出す毒気も最高だ(●^o^●)。そして音楽。いつも村上氏の作品には後ろにすばらしい音楽が常に流れている。最近はクラシックも大分うんちくが深くなったのだなぁ、と思い、『大公トリオ』のスーク・トリオやシューベルトのソナタの解釈論にやっぱり『ポートレイト・イン・ジャズ』の時のジャズの好みの傾向と変わらないなぁ、と思い。やっぱり唸ったのはジョン・コルトレーンの『マイ・フェイバリット・シング』のソプラノを持ってきたところだった。『ポートレイト・イン・ジャズ』の中にただ一人登場しないジャズ・ジャイアント、ジョン・コルトレーン。確かにあの本にコルトレーンは似合わない。でもこの本にはピッタリくる。『マイ・フェイバリット・シング』でマッコイ・タイナーの右手が積み重ねるダークなコードというのが『海辺のカフカ』の2つのコードでは、と思える。主人公の聴くプリンスやレディオ・ヘッドも忘れられない。全ての音楽が適役で響く。シーツ・オブ・サウンドのコルトレーンのソプラノのように、シューベルトのピアノ・ソナタニ長調のように、夏目漱石の『坑夫』のように、不完全さを武器にしてこのすばらしいとわずがたりのいつまでも無限に続きそうな世界に痺れつつ、30冊目となった氏の本を読了した。これが村上さん『メタファー』でしょうか(●^o^●)。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.10
(3pt)

青年ホシノ

どこか不思議な村上ワールドと、そこに住むこれまた少し不思議な人たちが作り出す話です。その不思議さになじめない人には、まったくダメな話でしょう。その不思議さとは、きっちりとしたSFが作り出す「現実とは異なるけど小説の中での論理的には筋が通っていて矛盾のない世界」とは異なり、読者に与えられる材料は少なくて全体としてどんな風になっているのか良く分からない不思議さのことです。私自身は、村上春樹のこうした世界は嫌いではなく、その一つの典型である「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」などは高く評価しています。しかし、「海辺のカフカ」は残念ながら「世界の終わりと…」ほど好きにはなれませんでした。世界観は別に不思議な世界であってもかまわないのですが、物語の展開そのもの、主人公のカフカ少年、に引き込まれませんでした。カフカ少年については、全然キャラが立っていない感じがしました。むしろもう一人の主人公、そして主脇役である、ナカタさん、ホシノさんの動きの方が滑らかなように感じました。ひょっとしたらそれは書き手である村上氏自身そう感じていたのではなかろうか、という気さえしました。ホシノさんのことはなんだか楽しんで書いているような感じがしたのです。単なる気のせいかもしれませんが。こうした結果、カフカ君が織り成す物語は、どこかいかにも話を組み上げたという印象がして、物語にもカフカ君にも感情移入ができませんでした。一方、物語が象徴するものもよく分かりませんでした。「世界の終わりと…」では、この象徴性がもっと強くあったように思います。「世界の終わりと…」を読み終わった後では、物語が意味するところは一体なんだったのかを考えずにはいられませんでした。これに対して、「海辺のカフカ」では、その意味を考えようという気にはまったくなりませんでした。そもそも何かを象徴しているのかどうかも分かりませんでした。読んで損したとは思いませんでしたが、私の中での村上氏の作品ランキングの中では、トップクラスとは言えない話です。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.9
(5pt)

18歳の視点

カラスと呼ばれる少年に導かれ、15歳の誕生日に少年カフカは旅にでた。かっこよく言えば旅だけど、実際にはただの家出である。18歳の僕ですら、これから家を出ての一人暮らしが不安なのに、カフカはやるな~。小説中で繰り広げられる2つの世界、さまざまな予言。その繋がりがおもしろいと思った。「ある場合に運命というのは、絶え間なく進行方向を変える砂嵐に似ている。」 これから僕にもどんな砂嵐があるか分からないけど、世界で1番タフな18歳になろうと思った。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.8
(5pt)

偶数章はメルヘン:ナカタさん、また何度も読みます

村上ファンならわかる「世界の終わり...」スタイルで奇数章と偶数章でそれぞれのストーリーが進んで行きます。奇数章は昨今起きる少年犯罪を現在の特殊なケースとするのではなく、佐伯さんの時代(70年代でしょうか)から若者の心の中にあったこととして、その苦悩が書かれていきます。偶数章は私はメルヘンとして読みました。読了後、下巻の偶数章だけをもう一度、読んでみました。なんだか昔、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」「グスコーブドリの伝記」を読んだ時のような、なんだかあったかい気分になりました。ナカタさんのキャラがそうさせるのだと思います。宮沢賢治をその後何度も読み直したように、下巻の偶数章はこれからも何度も読み直したくなるでしょう。てのひらで短い髪をごしごしなでるナカタさん、愛すべきおじさんです。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.7
(5pt)

私は好きだけど

大昔に「ハードボイルドワンダーランド」という作品があった。ピンク装束のなんとも色っぽいお姉さんと、骨の音を聞くのが仕事のお兄さんがでていたが、最後には収束して、私はとても面白いと思った。当時としては☆5つだった。
が、「ハードボイルドワンダーランド」に関しては、「なにこれ」という人も多かった。
この本も多分評価が分かれるだろうなと思う。でも私は☆5つ。「ハードボイルドワンダーランド」と同じように最後に一つになって、納得できたときは嬉しかった。
詳しく書きたいけれど、それを書いたら愉しめなくなるので書けないのが残念です。
村上ワールドを面白いと感じた人なら愉しめると思うよ。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.6
(1pt)

村上春樹という青年

作者は本質的に厭世的で、それに陶酔するような青年期特有の自己愛を未だに引きずっている。私はこのような誰しも通る道を「ガラスの感性」と表現しているが、村上春樹はそれを作品で露呈している。だから、一時期に村上春樹に好感を持つことはあっても、その作品にずっと浸っていられるほど、世界はガラスの感性の保持者達で満ちてはいない。主人公の名前である「カフカ」、これを村上は一体どういうつもりで名付けたのだ?誰しもが実存主義文学の先駆であるフランツ・カフカを想起する。名の一致は其の作品が、カフカの「変身」「城」「審判」などと比較されるということである。村上春樹に、カフカのような「時の風化に耐えた作品」を産み出す魂があるか?否である。村上春樹は所詮、狭い日本という島国で育った、「ガラスの感性」の流布者に過ぎない。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.5
(5pt)

ついに・・・

 やっと「海辺のカフカ」も文庫化されました。単行本が出てから三年というのが文庫化の基準らしいです。でも村上さんは「少年カフカ」で出来るだけ早く文庫化するって言ってたような・・・?結局三年かかってしまったようです。 「海辺のカフカ」は賛否両論ある作品です。それまでの村上作品とはちょっと変わった物語の持っていき方をしているせいでしょう。カタストロフィをカタストロフィらしく捉えることの出来ない人も多いかもしれません。 しかし、これは明らかに村上春樹の一側面を強く反映させているし(これ以前のようにはっきりとした形ではないにしろ)、村上さんの作品を年代順に読んでいけば納得のいく傑作であると僕は思います。 
海辺のカフカ (下) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.4
(5pt)

父殺しと近親相姦などの評論はなくても読者一人一人が個人的感慨をもって終読できます

堅いレビューはぬきにして楽しめるのは、カーネルス・サンダースが現れて、サブ主人公を快楽のお楽しみに連れていくくだり。戦時中の事件がきっかけで精神的に、知恵遅れとなってしまった老人ナカタさんの言動。そして父を殺した幻想と、高松の図書館で母に再会し、夢の世界で若き日の母と恋に落ちる主人公。文芸評論家は父殺しや母との近親相姦にオィデプス神話や精神分析を駆使して本書を研究論文にでもするかもしれないが、そんな事はどうでもいいじゃないかと感じさせ、それぞれの読者がそれぞれの深い感慨を持つ事と思う。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.3
(2pt)

文庫か・・

まあ、単行本はちょっと高くて手が出せないという人にはよかったのかもしれません。意外とこの作品人気のようですしね。でも、この作品。何が面白いか、と訊かれると何も面白くないと自分は言うしかありません。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.2
(5pt)

見事なストーリー構成に村上ワールド健在

単行本ですでにたくさんのレビューがでていると思うが、文庫化されたのでレビューしたい。村上さんの小説の中では極めてテクニカル、技巧的な構成になっていて、2つのストリーが最後に収束されている点が見事なストーリー展開になっている。また、その2つのストーリーが1つが初期のハードボイルドワンダーランドのような純文学的な象徴に満ちた幻想的世界を描き、もう1つのストリーがそれと対比するように通俗的、現実的ストーリーとなって、結末で話が見事に完結している。初期作からのファンもノルウェーの森からのファンも楽しめる一冊であり、1つの転換点の作品のように感じる。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.1
(3pt)

うーん

カフカ君に感情移入できなかったので、どうも読後がすっきりしません。評価が別れるのでは、と思います。装丁が可愛いので星3つ。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545