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1973年のピンボール



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1973年のピンボールの評価: 3.82/5点 レビュー 135件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(3pt)

青春の哀しみはもう理解できない

二十数年ぶりに読んでみたものの、理解不可能なまま終わってしまった。
大人になればもう少し理解できるのかな?と思ったけど、若くなくてはわからないこともあるのだということを知った。
大学生でこの本に初めて出会った時に、あまりに気障な文章に生理的嫌悪感を感じたものだけど、やはり今読んでも鼻につく感じがある。
逆に、最近の作品ではあまり感じることがなかったのだけど…。世の中が村上春樹的に洗練されてきたということだろうか?
基本的に、この人の作品に出てくる男の欲望に都合良く作られてるような人形っぽい女の子が好きになれない。
そして、主人公の一見紳士的でソフトでありながら、冷笑的で内向的な卑屈っぽさがどうも共感できない。
要するに、どこか納得できないものを感じてしまうのだ。
でもまぁ、この人の独自の世界ってすごいなと思うし、ストーリーも面白いし、アフォリズムにも感心させられる。
嫌いじゃないんだけど、やっぱりちょっと鼻につく、村上春樹。
何が言いたいんだ?っていうのが素朴な疑問です。
読んでいて少し不愉快になるのは、若い日々の自分の愚かしさを思い出してとても哀しくなるからだろうか。
そういう意味では、タイムリーに青春の哀しみを描いて、若者の支持を得た優れた作品といえるのだろう。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
4061168622
No.4:
(3pt)

他の作品に比べると・・・

 村上氏の他の作品と比較してしまうとどうしても見劣りしてしまった。巧みな文章力は初期の作品と言えど健在だが、文章の構成や、登場人物の心理描写に甘さを感じた。
 しかし同じ初期の作品でも『風の歌を聴け』の方が断然楽しめたのはなぜだろうか。私は構成や心理描写の点で難があると感じたが、それは他の読者にとってはそうでないのかもしれない。読む人によっても違う捉え方ができるのも、村上氏の小説―私は特に他の作品においてそう思うが―の魅力なんだと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.3:
(3pt)

心の隙間

1973年。ちょうど親と同じくらいの年代の人の青春時代だ。仕事が軌道に乗り社会人としてうまくやっていっているように見える「僕」と、すべてから取り残されたかのような「鼠」の姿が交互に描かれていく。
そして乾ききった青春とでも呼びたくなるような、やるせない空虚さが漂っている。
犬か猫のように拾ってきた双子の女の子と暮らし、翻訳の仕事を忙しくこなしている日常があまりに感情がなさ過ぎる。それを埋め合わせるかのように、「僕」が熱心に探すのは過去を象徴しているかのようなピンボール台だ。
ピンボールと言われても、球を打ち出してゴールにいれていくゲームだったっけ?と思うデジタル世代の人間だけど、生産性が何もないのに熱中したゲームという意味ではよく理解できた。
冷蔵庫のような倉庫で3フリッパーのピンボールと再会する「僕」。置き忘れてきた心を探していたかのように思えた。
1973年のピンボール (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.2:
(3pt)

詩的雰囲気を味わうカフェみたいな作家

村上春樹という作家は多くの詩的情景をもっている。その詩的世界観を共有
できるかどうかで、好みは分かれる。頭2、3ページ立読み、独特な比喩に僕は
ピタッと来たので購読した。■短文と色とりどりの比喩を散りばめ、細かい
場面をつなげてくモザイクみたいな構成。読者にうったえてくるモノはやはり
希薄だが、とても気軽で安心して読める。
こんな感じの初期の春樹作品を読んでると。■父親のTVリモコンを思い出す。
今でゆうザッピング。気まぐれに次々とチャンネルを変える奴いるでしょ?
大人のクセに CM一本辛抱できねえのか、とイラついてた。もちろんウチの
親父と違い春樹アンテナは、高性能で読者ニーズに敏感だ。■フィーリング
さえ同調なら、没入しなくてもサラサラ読める。待合せ中でも、雑踏の中、
ウェイターがウザくてもね。さすが元ジャズ喫茶経営者、自然にもてなす
雰囲気作り・演出は秀逸だ。何度でも気軽にリピート可。なぜかって?
読み終えても直ぐに忘れちまうから。
同じ村上でも龍さんとは、やはり対極だな。ギラギラ感にひきこまれメリメリ
はまってく予感が冒頭からない。ホント苦もなく自分のテンションで読める。
春さんは遠く憧れる風景画だが、龍さんは緻密にリアルすぎる人物画だ。
PS●ええ僕はどっちも程よく読み漁るコウモリ野郎ですとも。ただ両者とも、
現在日本で最も無視するのが困難な作家と言えよう。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
4061168622
No.1:
(3pt)

現実に向き合う僕と、旅立つ鼠

本作品では「風の歌を聴け」で登場する二人の人物のその後が描かれている。相変わらず思いもかけぬ唐突な現実に巻き込まれていく「僕」。そう、いつもの村上作品と同じく唐突である。不可解な出会いとさらりとした別れ。でも登場するモチーフは、それなりに必然性を感じさせてしまう。一方、変わることがない日常、繰り返される会話の中にいた「鼠」。しかし日常に決別して「鼠」はついに旅立っていく。何処へ? それは三部作の結びである「羊をめぐる冒険」に引き継がれる。
1973年のピンボールAmazon書評・レビュー:1973年のピンボールより
4061168622

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