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さぶ
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【この小説が収録されている参考書籍】
さぶの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 81~100 5/6ページ
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まさしく人間社会。世の中には善悪で二分するほど単純な事はなく、自分と他人との人間関係から、国と国との高いレベルでも矛盾がある。いつしか私の父が「人生ではどんな人間であれ、ほんの些細なことでも、自分を誘惑するものであったり、人生を投げてしまいたくなるようなことがある。そこでふんばれるかどうかで人生が決まる」と言っていた。この本を読んで、その意味が本当によくわかった。小説なのでもちろんフィクションであるが、自分が生きる上で出会うこと、忍耐、誘惑、怒り、友情全部含まれており、たかが小説とあなどれない。決して堅苦しくなく、登場人物一人ひとりに生い立ちを彷彿とされる書き方だと思う。悩み多く、誘惑多い若者に読んでほしい。 | ||||
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いきなり私事で申し訳ないが、私はどうしても人を信用することができないままでいる。 傲慢の極みながら「自分は今まで誰も頼らず、誰にも甘えず、自分ひとりの力で生きてきた」。 何事にも感謝できず人間関係を築くこともないまま生きてきた私の人生は行き詰まりを迎えている。 「人を信じるとは一体どういうことなのだろう」と悩みながら本作品を手にした。 読み始めて間もなく、栄二が自分と瓜二つな感じがした。 能力はあるが独善的、理想家で正義漢であるが他人の好意を受けることを拒み自分自身のことは見捨てている。 読者である筈の自分自身のことを書かれているような、嫌な感じがした。 また、さぶに何とも言えない愛着を感じた。 この二人の関係がどうなるのか、気になって気になって一気に最後まで読んでしまった。 さぶが栄二を慕う場面で、その純粋さ、不器用さに心を打たれた。 栄二がそんなさぶを疎ましくはねのける描写に、読者である自分自身の今までの行いを深く深く恥じた。 多くの人から支えられている事実に栄二が気づかされつつも、それでも彼が頑なに否定を続けている姿、我が事のように人を信じられない悔しさを感じて泣きながら読んだ。 彼が新しい価値観を受け入れていく場面では、もう少しだもう少しだとエールを送りながら読み進めた。 そして、何よりもさぶが栄二に一生に一度のお願いを強い決意で訴える場面、そのシーンの衝撃はくっきりと映像になって自分の頭に焼きついている。 栄二に代わって、さぶに伝えてやりたかった。 「さぶ、おめえの気持ちはわかったよ。ついてきてくれてありがとうよ」 自分にとって、これはもはや読書ではなく、生涯忘れることのできない体験となった。 読み終えてからしばらく頭がボーッとなってしまったが、冷静になってみて思うことは、 こんな信頼関係は実際に存在するのだろうか、あまりにも理想的ではないか、ということ。 ・・・それでも、やはり信じたい。 現実でなくとも、私にとってのさぶは、確かにこの本の中に居る。 再び不信感が募ってきてしまったら、この本を開いてみようと思う。 私にとって、人間関係のなんたるかを教えてもらったような、そんな本。 | ||||
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才次のことがきっかけになり、この寄場にいる人間がみな、世間からのけ者にされた、という事実に気づいたのだ。ここにいるのは自分のなかまなのだ。世間のやつらは敵だが、この寄場にいる者は自分と同じように、世間から痛めつけられ、騙されたりぺてんにかけられたりしたのだ。 栄二は、寄場でたくさんの人と出あう。「あらゆる物事を、金銭の高で評価する癖」を持つ、万吉。口は悪いが、ほんとは優しい「赤鬼」。周囲からは、「手に負えない乱暴者」と恐れられるが、ほんとは「極めて温和しい小心者であり、愚かしいほど善良」な清七。……そして、岡安。 「おまえは気がつかなくとも」と岡安は一息ついて云った、「この爽やかな風にはもくせいの香が匂っている。心をしずめて息を吸えば、おまえにもその花の香が匂うだろう、心をしずめて、自分の運不運を考えるんだな、さぶやおすえという娘のいることを忘れるんじゃないぞ」 本書には石川島の人足寄場のシステムの説明があり、そのシステムに感心した。一方で、システム、形式だけではダメだ、ということも感じた。 本式にやってもらうより、たとえへたでも祝ってやろうという、友達の気持ちのほうがよっぽど有難い、万さん有難うよ さぶの名前が、三郎、であることが明かされるのは、小説の終盤に登場する、おせえによってだ。このように、さぶは、前面にはあまりでてこない。自己主張が、薄い。作者は、自己主張の薄いさぶに、しいて物語を語らせることをよしとしなかった。栄二の視点に寄り添いながら物語を語り、さぶの魅力を浮き彫りにさせた。 れいによって、まとまりのないレヴューになった。現物をご確認のほどを。 | ||||
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えっ、この本は「えいじ」が主役なの? 読み進めているうちに疑問に思っていましたが、読み終えてなるほどと納得。「さぶ」がいてこそ、英二が存在する。「さぶ」がいてこその作品でした。英二が罪をきせられて心がかたくなになっていくのが「さぶ」と対照的に描かれています。というか、「さぶ」はぶれない人間なのです。読み終わり、「友」のありがたさをしみじみと実感させられました。 | ||||
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先ず、「山本周五郎」先生の名を耳にしてご想像されるのは、多くの方々は『樅の木は残った』ではないでしょうか。私もご多聞に漏れず、『樅の〜』を思い浮かべた一人です。 然しながら、本作『さぶ』も、『樅の〜』に負けず劣らずの一級品と断言出来ます。 内容をご一読されると、間も無くお分かりになることと思いますが、表舞台の主人公は、三郎こと、「さぶ」の同輩である栄二で、それを陰で懸命に支え、支えられするのが、「さぶ」という流れで、お話は進みます。「さぶ」は、裏方役の主人公という設定と言っても、良いかも知れません。 二人は、表具師です。 その栄二が、云われ無き理由で、奉公先と馴染みの仕事先から咎を受け、遂には、二十三〜二十五歳のあしかけ三年間、かの、松平定信の「寛政の改革」時代に盛んであった『人足寄場』にて、艱難辛苦を味わいつつ、見事に逞しく成長する下りが出て来ます。 さて、ここでも、裏方「さぶ」や、栄二の(半ば)許婚の「おすえ」、栄二を恋い慕う、飲み屋の女中「おのぶ」が、陰日向となって、栄二の凝り固まった怨念の心を解きほぐそうと、懸命に奔走するのです。 周五郎先生の人間描写に関する図抜けた才覚は、もはやここで取り上げることは無いでしょう。本文のそこここに、人間の持つ心の美しさと、相反する醜さが相俟って、見事としか表現しようのない筆さばきです。 これは、余談ですが、私のハンドル・ネーム「しゅう。」は、周五郎先生の「周」から頂戴致しました。母が、名付けてくれました。母と私の心の絆を結ぶ、周五郎先生の『さぶ』。 人が生きるとは何か。まさしく、人生の、教科書であります。 | ||||
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学生時代以来、二度目の「さぶ」である。 そのときは、読後泣けて泣けて仕方なかった。 当時の自分が置かれた状況なども影響しているのだろうが、 本当のところ、なぜあんなにも泣けたのかはわからなかった。 その理由を求めての、二度目の「さぶ」である。 今回は泣かなかった。 ただし、大泣きした理由はわかったような気がする。 「人が生きる」ということの困難さ・困難さの逆の幸福・友情・我慢など 「生きる」上でのすべてのことがこの本に詰まっているからだろう。 今風に言えば、サブも英二もいわゆる「負け組」であるが、 「負け組」にも人生はある。 まっとうに生きていれば、何人たりとも恥じることはないと教えてくれる作品である。 人によっていろいろ感じることがあるだろうが、 私にとっては、小説の教科書とでも言うべき作品である。 もし続編があったとしたら、主要登場人物4人の幸福を願わずにはおれない。 | ||||
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苦難、不当と思われる出来事での心のありようが描かれている。思い、考えが行動を決める。また、その考えを見つめている自分がいる。栄二の心の変遷を通して「人の成長」が語られている。何とは無しに助けたい、側にいたい、よくしたい人がいる。人は自らが知りえない多くのもう1人の自分に支えられているのだと思う。周りにいる人、身近に接してくれる人、何気なく声をかけてくれる人、その眼差し、一言に今こうしていることが有り難く感じられる本です。終わり方も最高ラウンド級の技で、着地もピタッと決まり、一瞬場内が静寂に包まれるようです。 | ||||
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時代劇といってもチャンバラではありません。 血気盛んな若い男性や少年に特にお勧めしたい一作です。 おそらく作者もそう考え、若く賢くたくましくも「苦労知らず」と言われてしまう栄二を表側の主人公として書いているのでしょう。 あるときまで世の中を理解したように斜に構えていた栄二は、周囲の人の思惑によってどん底に落ちます。 ひどい仕打ちを受けたことで憎悪に燃え、世間を敵と見なし復讐を誓います。 しかし親友さぶの変わらない友情と地味な性格、そしてそれまで深く関わることのなかった不幸な人々と近づき支えあって生きることで真に成長していきます。 「自分一人が強く賢いだけではやっていけない」 はたして栄二は、自分にとって“さぶ”がどういう存在であったのかを悟るのです。 人の心は、いつ、何がきっかけでどう変わるのか、まるで分からない。 親しい人やただの顔見知りにいつのまにか何故か憎まれていることもあれば、いけすかない奴と思っていた人から恩を受けたり、ふとしたことで親友というほどの仲になっていることもある。 そして変わったように見えても、実は初めからずっと変わっていないのかも知れない。 知らず知らずのうちに親しくされているのかも知れない。それは決して理屈だけで計れるものではない。 この人間ドラマは生きていく上で大切なことを幾つか教えてくれます。 ---ちなみに解釈の分かれそうな最後の場面ですが、疑わしい真偽のほどは、さほど重要ではないのでしょう。 おすえがどういうつもりだとしても、彼女を拒絶したなら、きっと不幸は繰り返されたでしょう。しかし栄二はそうはしませんでした。 物語をそこでスッパリと終わらせた作者の潔さに感嘆します。 | ||||
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青春小説と言ってしまっていいでしょう、青春小説の名作です。時代小説だから、と敬遠しないで下さい。現代の物語といっても通じる普遍性をもった作品です。みんな栄二のような気持ちを抱いているのです。そしてその気持ちは年と共に無くして行くのです。しかし栄二はみんなのお陰でその気持ちを無くして行くのです。その変化の兆しは青年にしか理解できません。そうなのです、この作品は青春時代に読まなければならないのです。でも中年の皆様もOKです。そのまま山本周五郎の「物語」に身を預けましょう。 | ||||
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主人公は「さぶ」ではない。というのが一般的な見解だが、それでもやはりタイトルが「さぶ」だけに、サブの存在が強く効いている。どう効いているかというと、さぶというそんざいがあるからこそ、栄二(主人公)の人間的なところが引き立つし、さぶ自身の存在も引き立つ。 さぶの地味で不運な生き様。最近ならそこからいかに脱却して成功を納めるかだけが注目されるだろうが、決してさぶは成功したといえない。むしろ栄二ですら成功を収めたといえない。面白いのは、さぶの不幸な人生を基準に栄二の人生・考え方が右へ左へと動くところじゃないかな。 始め、さぶを救う立場の栄二が、ある事件からさぶ以下の人生に転落。しかしそこでもさぶは決して栄二を捨てず、むしろそんな栄二のために生き、栄二のためにさぶも転落。しかしその苦労を栄二はすぐには知らない。自分が腐ることによって自分のみならず人の人生をも狂わせる。そのことに気づくのは、いろいろと自分自身を見直す機会があったから。 立ち直った栄二の人生はすぐには上手くいかないが、それ以降もまださぶという存在が大きなものに。そしてまた、「おすえ」に、「おのぶ」という女性の存在。みんな栄二という人柄を早くから認め、ともに人生を生きていく。みんな栄二のために生き、そして栄二は栄二で気づかないが、栄二もまたみんなのために生きる。この精神、忘れてはならないが、自然に出来ることの方が何よりも大事なのかもしれない。 | ||||
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頭が良いとか、実力があるということが評価される現代社会ともすると自分中心主義に陥る危険性がそこにはある。人間に揉まれながら大人として成長してゆく「栄二」人から馬鹿にされながらも、ひたすら誠実を貫く「さぶ」「おすえ」「おのぶ」は男女の恋愛を越えた友情を教えてくれる。個性的なキャラクターの振る舞いが現代社会に忘れかけた大事なものを語りかけてくれる一冊でした。 | ||||
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私はあんまり本好きではないんですが、あるきっかけで読んでみました。私はどの本も読むのが遅いのですがこの小説だけは気になって気になって・・あっという間に読み終えました。感動はしますが泣いたりするものではないです。でも読んでよかった~っと心から思いました。 | ||||
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題名にもなっている「さぶ」は主人公ではありません。主人公は「さぶ」の同僚と言うか兄貴分である「栄二」です。 しかし、やはりこの作品は「栄二」ではなく「さぶ」なのです。 内容は簡単に言えば「栄二」が成長する過程の話。「さぶ」はあくまで脇役ではありますが、「栄二」にとっての「良心」であり、「手綱」のような存在です。 何をやらせても人並み以上には出来ない「さぶ」ですが、人にはまねの出来ないような真っ正直で、どこまでも「栄二」を信じる心には、ひどく馬鹿らしいようで、この上なく感動的です。「栄二」の荒んだ心をほぐした「さぶ」の存在こそがこの小説におけるミソなのです。 山本周五郎入門書としては最適なものなのではないでしょうか? | ||||
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うすのろだけれども心やさしい・さぶと頭の回転の速い・栄二の二人の友情を綴る。また、栄二を通してさぶの心情も綴られている。 途中まで題名は『栄二』の方が良かったのでは?と思うが、最後になってなぜ題名が『さぶ』になったのか分かる、気持ちの良い作品。 因みに、この本は祖母が母親に勧め、母親が私に勧めてくれた本です。まさに、代々伝わる本です。 ソレデハ… | ||||
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とても読み応えのある作品で、気付いたらすでに終わっていたと思うような作品である。 著者はこの本で、人間が生きる上で大切なことを、男前で器用な栄二とその周りを取り巻く人々を通して、人は一人ぼっちでは生きていけなく、支えあって生きていくものであると主張している。 私はこの物語において、二つ程重要な点があると思う。第一に、『さぶ』という題名についてだ。この本は『さぶ』という題名ながら、栄二が中心となって描かれている。さぶは正にサブキャラ(笑)である。しかし、ここには栄二ではなく、栄二を取り巻く人たちが重要であるということから、『さぶ』という題名を付けたのではないかと考えられる。 第二に、栄二は無実なのにも関わらず、人足寄場という場所に送られた。これも、この物語において、非常に重要な著者のメッセージであると考えられる。人足寄場、つまり監獄の一歩手前のような場所に栄二は送られるわけだが、栄二はここで人間的に大きく成長する。寄場に送られる人は、やはり人には知られたくない過去を背負っている人が多い。そういった癖のある人達と付き合うことで、他人に対する優しさを知るのである。 また、それ程重要ではないが、作品中のおのぶは現代の女性像を投影しているようだ。活動的であるが、裏側にある隠されたもろさを備えたおのぶの姿はまさにピッタリである。 この二点+αを踏まえて見るときっと面白く読めるに違いない。文庫のサイズにしては少々厚いかもしれないが、人に対して信じられない出来事があった時には、この本を読み、もう一度人を信じてみてはいかがだろうか? | ||||
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<<小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、 さぶが泣きながら渡っていた。 >>心に残る冒頭の一行から始まる山本周五郎の『さぶ』。職人として同じ店に奉公するさぶと栄二。ひどい仕打ちに遭って心を閉ざし、自分の人生をめちゃくちゃにした者たちに復讐を誓う栄二。栄二のことを心から気にかけて、損得勘定抜きで、無償で奉仕するさぶ。さらに、人足寄場の住人たちほか、栄二の周りの人間たち。彼らを結ぶ心の絆が、かたくなだった栄二の気持ちを少しずつ和らげ、救っていく物語だと思います。彼らを結ぶ細い線が、今にも切れそうになるところにはらはらしました。また、冷たい世間の仕打ちに対して復讐を誓う栄二の気持ちが次第に変化していくところに、不安と期待を感じながら読み進めていきました。ラストは胸がじんと熱くなって、強く心を揺さぶられました。栄二がある行動をとった、そこに至るまでの長くて辛い道のり。栄二と周囲の人間たちとを結ぶ心の絆、それが切れることがなかった、そのことを思うと……。涙がこぼれてきて、しばらく止まりませんでした。 | ||||
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すばらしい。いい話、です。他の皆さんと同じような感想になってしまうので、ストーリーそのもには多言を労すまい。ここではちょっと違うことを言いたい。周五郎職人ものは大概に気分のいい人物が出てくるものであるが、さぶはまた、その点でもいい。寄場の英二の仲間たちだけでも、口と柄の悪差が愛嬌に見える根は優しい差配赤鬼こと松田権蔵を筆頭に、黄昏感の中に優しさがにじみ出る与平さん。気の小さな怪力男こぶこと清七。何でも金銭に勘定する調子のいい万吉。誠実な官僚で英二を見守る岡安喜兵衛や青木功之進。すみよしのおのぶもするどくっていい。そんな中、ヒロインのおすえはちとキャラが弱い感じがするのだが、最後にばっちり見せ場を作ってくれます。ちょっと鼻につくのが英二が男前で頭も腕も切れ、喧嘩も勝負も強い上に内省的で人間的にも優れすぎている点(もちろん傷つきながら成長していくわけですが)「ちいさこべ」の若頭領ほどではないが、鮮やかすぎるのである。はっきり言って嫉妬である。うーん、いい話だ | ||||
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男前で器用な『栄二』を中心に、『さぶ』やその他の人物が出てきて展開されて行く人情物語。順風満帆な栄二に突然襲いかかる不幸。そこから、その苦悩との戦いがあり、栄二はそれを乗り越える。その中に、さぶの不器用ながらも、誠実・無私の人格が輝きを放つ。そして、折々にそれぞれの人物から、語られるメッセージが金言の趣きを呈している。序盤はつまらなく感じたが、トラブルが起こってからは、物語にグイグイ引きこまれていった。そして、読み終わる頃には、自らの人生にとって大事なことをいくつも学ばせてもらった喜びと感謝に満たされていることだろう。オススメの一冊である。ぜひ、読んでいただきたい。 | ||||
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たまたまドラマに取り上げられたことを嬉しく思います。これを機にあらゆる人の手に渡ってほしいです。 | ||||
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時代劇ファンではありませんが、何人か読み比べてみたうちで読みやすいほうに入ります。そして何より、著者の人間好きを感じさせる温かさがいいです。栄二は確かにかっこいいけど、さぶみたいな地味な人間をあえてタイトルに持ってくるところが、やっぱりいろんな人間に目を向けられる視野の広さなんでしょうね。ただ一人後味の悪い女がいます(笑)。誰とは言わないけど・・・。 | ||||
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