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樅ノ木は残った
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【この小説が収録されている参考書籍】
樅ノ木は残ったの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 21~40 2/5ページ
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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本にはまっています。これは名作だと思います。いつの世でも中間管理職の厳しさを思い涙がこぼれるようでした。 | ||||
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平幹二郎の訃報を聞いて、去年読み返したが、なぜかふと投稿してみたくなりました。これ、日本のハードボイルドの最高傑作と思いました。原田甲斐が善人か悪人かとか、どこまでが事実でどこまでが創作かを論じるのはあまり意味がなく(司馬遼太郎でも同じことは言えるでしょう;ただ、彼の場合なぜかわたしは、なんとなくずるく創作しているような印象がぬぐえません)、このような自己犠牲の作品にしたてた作家の力量に感嘆するばかりです。また、宇乃との交流も、あまりほかのコメントにはありませんが、読みどころであり、泣かせます。人間通の山本周五郎ならではの幅の広さです。いろんな賞を断っている彼の人柄も、無論会ったことはありませんが(笑)、なにか偲ばれて、深く感じいるところがあります。 | ||||
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何かを見て故人を想い出すのは、その者が立派に使命を果たしたからであろう。周五郎氏もまた本書を残した。 | ||||
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確か40代に読んで、大変面白く、感動した思いが、あるので、65歳になった今よみかえした、やはり面白い、人間の持つ普遍的なテーマは、永遠になくなりはしない。 読書好きな人たちにぜひ勧める一冊。 | ||||
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本来、自然をこよなく愛し、優しく人間味にあふれる原田甲斐。 その人物が、「伊達騒動」に巻き込まれ、悪人の汚名を浴びせられながら、仙台藩六十二万石を護り抜く。 従来は、極悪人の烙印を押されてきた原田甲斐を全く違った解釈で描き切った大作である。 政治的な駆け引きの複雑さを描きながら、原田甲斐という、魅力的な人物像を浮かび上がらせている。 あえて悪評を引き受けながら、藩を護り通すために、孤独に耐え抜く原田甲斐。 原田甲斐と、自然のシンボル的存在である「樅の木」と、たった一人の女性「宇乃」。 権謀術数渦巻く権力と闘い、呻吟する一方で、この三者が、深く静かに、しかし強く結びついている。 下巻のことになるが、ラストシーンには、しみじみとした深い感動が用意されている。 壮大な構成力、心理描写の細やかさをはじめ、人間の可能性の極致を描き切った文豪の筆力に、ただただ圧倒された。 | ||||
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樅木は残った上中下は、古書ですので、カバーが統一できませんでしたが、ぜひ読んでもらいたい人がいたので、買いました。手に入っただけで満足です。 | ||||
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OK。 これは保存状態が良かった。 これならば、まだ大丈夫ですね。 | ||||
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知っておきたい日本の名著百選に採り上げられあらすじが書いてありました たまにはこのようにして本を選びます43年前と今が結びついた瞬間でした 高校生のころから山本周五郎は好きな作家でさぶあかひげ正雪他 天と地とで大河ドラマデビューした小学6年にとって翌年の樅ノ木は難しすぎたし興味の対象ではありません 最後の場面で暗い雪の中の樅ノ木に佇む原田甲斐の情景が脳裏に焼き付いていました 圧倒的な筆力ただただ素晴らしい 伊達騒動を題材にした読み応えのある悪人という通説を覆す原田甲斐の死に様を描いた大作です 侍は自分のしたことを弁明したり釈明したりするものではないと思う孤高の人です 言い訳するなと一言です見苦しいと 非難めいたことを言われても甲斐は静かに会釈した 見たこともない雪の中の樅ノ木が今も心に浮かび上がってきます | ||||
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体調が悪くなり身辺整理をしだしたところ〔下)しかなくあわてました 車があるときはbookoffであつめたのですが てばなしてからは 諦めてました お陰様でもう一度読むことができました 本当に有難うがざいました 本はアマゾンさんのほうがぜんぜん綺麗です 私も大切にしていたつもりですが 本職は素晴らしいです 御縁ができ感謝します有難うがざいます | ||||
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クライマックスの原田甲斐の伊達藩を幕府取りつぶし策から守るための深謀遠慮の結末は感動を与える。 | ||||
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いくつかの挿話を綾にして組み立てた仙台藩の内紛と幕政との間での深謀遠慮の原田甲斐の葛藤の物語で、非常に重苦しく込み入った暗い話であると過去に読んだときにはそう思っていた。当初、紛争の内容が複雑で、裏表のある登場人物も多く解りづらかったが、下巻まで読み続けるに従い、徐々に事件の全貌が理解することが出来る。茫洋として何を考えているか解らなかった原田甲斐の真意が最後のクライマックスで爆発する筋立ては感動を読者に与えるだろう。 | ||||
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上巻について書いた書評と同じく、重い内容の歴史書で、読後重苦しい感動を与える | ||||
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山本周五郎さんの作品を読むのは初めてなんですが、重厚さとドラマ性、さまざまな人間の生き様、もちろん主人公原田甲斐の生き様がずしりとした読み応えある、傑作歴史小説。 時は大阪夏の陣から45年ほど経った1660年代、四代将軍家綱の御世、老中酒井忠清が権勢を振るう時代。 伊達一門の重鎮兵部宗勝と老中酒井忠清により、伊達62万石の分割の陰謀が画策される。 藩主綱宗に対するでっちあげの「不行跡」による逼塞、次いで幼君の後見となった兵部宗勝の専横による藩政の乱れ、数々の家臣への無実の罪での断罪、幼君毒殺未遂、それに対して重臣や若手の間に湧き上がる「兵部許すまじ」の不穏な空気。 「藩政不行き届き」を口実とした幕府の介入と大藩分割を目論む兵部と老中酒井の挑発・画策に乗せられる形で、もはや止められない流れにも似た激しさで動いてゆく政局。 これに対して、国老原田甲斐は、一人ことの本質を見抜き、悪人の汚名を着ることを覚悟し、兵部の懐に飛び込み。。。 方々に張り巡らされる内通者の目・耳、何回か繰り返される老中酒井との直接対決、藩を思う激情の余り詰め寄る重臣・若手や友との対話。 凄まじく張り詰めた緊張感、次第に狭まる包囲網、生命の危険、そんな中で常に冷静に、温厚に、時に大胆に、時に人の善意に支えられ、ことに対処する原田甲斐の動きが、息を呑むほどの切迫感で展開します。物語の中にも少しはその苦悩が描かれますが、「これほどの難題に一人で立ち向かわなければならないとしたら」ということを現代に置き換えて考えると、言葉がないほどです。 本当はそんな政治の世界を激しく疎み、自然の中で孤独に生きたかった甲斐。 時折帰国した際に一人山ごもりし、何日も猟に明け暮れる姿、そのときの夢中になっている、あるいは世捨て人気分で酒を楽しんでいる描写からもうかがい知ることができます。 他にも多彩な登場人物の生き様が絡まりあい、幾重にも重なって織り成す時代絵巻が見事。 実は開祖政宗の貪欲さを彷彿とさせる兵部宗勝、彼は政宗の第十子だそうですが、悪役として描かれていますが、きっと生まれる時代を間違えたんですね。 そして侍としての生き方に疑問を抱き、長い紆余曲折の末に己の道を見出す新八とそれを支えるおみや。 侍としての「死に方」に忠実でありたいと信じ、慫慂として自己を犠牲にする伊東七十郎、塩沢丹三郎、そして黒田玄四郎。 甲斐に命を助けられ、成長にする従い、深く甲斐を敬愛する宇乃。 江戸の別宅で甲斐をいつも暖かく包んだおくみ。 幼い甲斐を厳しく養育し、不憫に思いながらも深いところで常に理解しあっていた母、慶月院。 山間の湯治場で出会い、一夜の座興に二弦琴を奏で小唄を歌いつつ、己の生涯を語る盲目の老芸人。 若くして藩主の座を追われ、幽閉状態となり、狂乱と悔恨を繰り返す綱宗。 などなど。 清清しい話ですが、もう少し、あと少しだけ原田甲斐の生き様に触れていたかった、もうあの樅の木しか甲斐の生きた証となるものは無いのはさびしすぎる。そんな感じです。 | ||||
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10年以上前に読み、久々に読み返してみた。自分の年齢も上がりこの中で原田甲斐が直面する運命、彼が語る言葉に初読時とはちがう思いをもった。彼は目立ちがりやで勇ましい人間でもないし、スタンドプレーは大嫌いで出世欲、名誉欲などは微塵も感じられない。すべからく淡々としている。(内面はともかく表面的にはそうみえるタイプ)自分で大切に思う世界があり、こうしたややこしいお家騒動などには本当はかかわりたく無かったのであろう。しかし運命はそうさせなかった。運命に巻き込まれてからはそれから逃げることがなく(実際は逃げたかったという気持ちはあったであろう)知恵も使いながら耐えて耐えて出口を探す。物語の中で語られる「侍の本分というものは堪忍や辛抱にある。いつの世でもしんじつ国家をささえもり立てているのは、こうした堪忍や辛抱ーー人の目につかず名もあらわれないところに動いている力なのだ。」 という言葉には普遍性があると思う。彼が巻き込まれた様な自分ではどうにもならない運命は、姿、形を変え、その大小はともかく現代社会でも我々の前に転がりでてくる。そして、好む好まざるを問わずそれに巻き込まれている人は耐えて行かざるえない。人が生きていく本質は耐えながら運命に向き合うことにあるのかもしれない。彼のように強く、淡々と(諦観して)美しく運命に向き合えるかどうかはわからないが。自然を愛し、孤独を愛する/孤独とならざるえなかった彼の生きようが、樅の木に託されて随所に描写される文章はとても美しい。この小説が呼び起こす感動の本質をうまく表現できないが、何回読んでもラストシーンは涙がでる。 そして樅の木は残った のである。 | ||||
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山本周五郎氏の樅の木は残ったはすばらしいです。伊達藩騒動を違った角度から取り上げていて、興味深いです。 40数年前にNHKで放映された大河ドラマをもう一度見てみたいです。 | ||||
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江戸時代初期、仙台伊達家を舞台として繰り広げられた御家騒動「伊達騒動」を題材としています。 伊達騒動は江戸歌舞伎の題材にもなるなどしており、 一般的に原田甲斐は御家乗っ取りをたくらむ小悪党として描かれる傾向にあります。 作者の山本周五郎は、史料を読むうちに原田悪人説は誤りだと確信し、 酒井雅楽頭の伊達家取りつぶしの策謀にひとり暗闘する物語を描いています。 本作では、主人公原田甲斐をはじめとして多彩な人物の物語がひとつの物語に集約していく本筋パートがあります。 このパートでは、事情を知らない周囲からの批判と軋轢、味方の裏切りや無理解などに耐えながら 愚直に伊達家を守ろうとする原田甲斐の行動が重要なウエイトを占めて描かれます。 原田甲斐は寡黙で、感情をあらわにせず、鉄のような精神をもって伊達家を守るために行動しています。 上記のような本筋パートだけでも魅力があり、心を揺り動かされる悲喜劇なのですが 本書では、本筋パートとはべつに仙台、阿武隈山地、北上川の雄大でやさしい自然への回帰の物語 自然の激しさを象徴するかのような鹿くびじろとの命をかけたバトルの自然パートも書かれています。 基本的に艱難辛苦に耐え続け、愚直寡黙優しい温和な人間と描かれる本筋パートにくらべ 自然パートでの原田甲斐は寡黙ではあるものの非常に獰猛な印象ももちます。温和さとはべつの、原田甲斐という人間の内に秘める激しさがよく表現されていています。 「原田甲斐による伊達家取りつぶしを防ぐための孤独で絶望的な暗闘」 本作の大きなテーマは上記のとおりです。 ですが、本筋と自然、この二つのパートが描かれることで、テーマに還元されない物語の厚み、および物語の筋書きに従属しきらないく生身の原田甲斐、がよく書かれている作品だと思いました。 | ||||
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《 傾いた陽が斜めからさして、透明な碧色(みどりいろ)にぼかされた山なみの上に、蔵王(ざおう)の雪が鴇色(ときいろ)に輝いていた。朝見たときの青ずんだ銀白の峰は、冷たくきびしい威厳を示すようであったが、いまはもの静かに、やさしく、見る者の心を温めるように思えた。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』上巻(新潮文庫) 《山の尾根へ登ると、空は鼠色(ねずみいろ)の厚い層雲に掩(おお)われ、西のほうに一とところ、低く、朱と金色に縁取られた雲の切れ目があって、それが、丘陵のうち重なる広い山なみを、その稜線(りょうせん)だけ錆(さ)びたはがね色に、染めていた。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』上巻(新潮文庫) 《「そうだ、対等ではなかった」と甲斐は口の中で云った。「追う者と追われるものに、対等の条件ということはない、今日の勝負はおまえが勝っていた、おまえはみごとにやった。あのばか者がいなければ、おまえはおれを仕止めたかもしれない、くびじろ、さぞ無念だったろう、勘弁しろ、くびじろ」 甲斐は眼を拭(ふ)きながら、躯をずらせて、大鹿の上へうち伏した。そうして、強いけものの躰臭に顔を包まれたまま、やがて、甲斐は気を失った。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』中巻(新潮文庫) 《馬を曳(ひ)いた農夫がゆきちがい、三頭の黒い牛を追って来た牛方(うしかた)とゆきちがった。三頭ともみごとな黒牛で、埃(ほこり)をあびているのに、その毛はびろうどのように艶(つや)つやと光り、そしてどの牛もずっしりと重おもしく、王者のように重おもしく、ゆっくりと歩き、通りすぎるときに、その一頭は、小さな眼で、七十郎を見た。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』中巻(新潮文庫) 《「……刺客というものには、多くのばあい扇動者(せんどうしゃ)がある、なにが真実であるかをみきわめる能力がなくて、血気にはやる人間は少なくない、そういう者はたやすく人に動かされ、すぐ壮烈な気分になって、どんなことでもやってのけるものだ」》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』中巻(新潮文庫) 《 人は誰でも、他人に理解されないものを持っている。もっとはっきり云えば、人間は決して他の人間に理解されることはないのだ。親と子、良人(おっと)と妻、どんなに親しい友達にでも、――人間はつねに独りだ。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』下巻(新潮文庫) 《 眺めているうちに、白いものはしだいに多くなり、そのため、くろぐろと枝を張った樅ノ木が、はっきりその姿をあらわすように思えた。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』下巻(新潮文庫) 《 雪はしだいに激しくなり、樅ノ木の枝が白くなった。空に向かって伸びているその枝々は、いま雪を衣(き)て凛(りん)と力づよく、昏(く)れかかる光の中に独り、静かに、しんと立っていた。》山本周五郎『樅〔もみ〕ノ木は残った』下巻(新潮文庫) お家大事という愚かしいイデオロギーがいっさいを支配する、崩れゆく封建社会のなかで、時代のヒーローとみえた七十郎さえもむなしく斃れてゆく、そんな重苦しい世の中のなかで、甲斐だけが独り、みごとにその愚かしいイデオロギーを生ききった、美しくさえある。そのことでお家大事というイデオロギーの愚劣さをこれでもかとばかり、みごとに易刔してみせた。愚劣といえば、尊王攘夷、現人神、……血気の若者ばかりか老若男女を使嗾する愚かしいイデオロギーは枚挙にいとまがない。しかし、独り作者だけが醒めているわけではない。現代人の読者をも決してそんな場所に安住させておかない、山本周五郎という作家はやはり大変な作家だ、まさに、樅ノ木は残った、のである。 | ||||
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やっと、この作品に辿り着いた・・・・という感じです。 山本周五郎・・・・この大家の作品を読むのはこれが初めてです。 先立って村上元三氏の「田沼意次」を読了しました。良かったですね。 主人公の田沼意次は貪官汚吏の代名詞として、日本史上では永く悪役の 扱いを受けていた人物です。しかし実際は疲弊する米中心の経済を転換し 対ロシアとの外交をも射程に入れるという実に慧眼の政治家。 明治維新の魁とも言うべき施策を正当に評価した作品でした。 本作の原田甲斐も田沼意次のように、後世の評価は甚だ芳しくないものでした。 4代将軍家綱の時世、島原の乱も収束し徳川幕藩体制も根付いて来た頃の事です。 藩祖は「遅れてきた信長」伊達政宗。その3代目綱宗に騒動が起こります。 世に云う「伊達騒動」に取材した作者畢生の名作であると共に、人気、内容共に 時代を超えて、必ず上位にランキングされる出色の歴史小説でもあります。 穏やかで寡黙な人柄にも関わらず人を惹きつけて止まない原田甲斐宗輔。 どうも作中の人物の台詞が‘口語体’なので少し違和感があるのですが、 緻密に伏線を張り巡らせ読み手を巻き込んでゆく構成力は見事なものです。 心情描写は最小限に抑えつつこの伊達騒動に絡む人物たちの配置も絶妙です。 山本氏の解釈と筆力で原田甲斐がどのように描かれてゆくのか・・・・ 次巻以降が楽しみです。 | ||||
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やっと、この作品に辿り着いた・・・・という感じです。山本周五郎・・・・この大家の作品を読むのはこれが初めてです。先立って村上元三氏の「田沼意次」を読了しました。良かったですね。主人公の田沼意次は貪官汚吏の代名詞として、日本史上では永く悪役の扱いを受けていた人物です。しかし実際は疲弊する米中心の経済を転換し対ロシアとの外交をも射程に入れるという実に慧眼の政治家。明治維新の魁とも言うべき施策を正当に評価した作品でした。本作の原田甲斐も田沼意次のように、後世の評価は甚だ芳しくないものでした。4代将軍家綱の時世、島原の乱も収束し徳川幕藩体制も根付いて来た頃の事です。藩祖は「遅れてきた信長」伊達政宗。その3代目綱宗に騒動が起こります。世に云う「伊達騒動」に取材した作者畢生の名作であると共に、人気、内容共に時代を超えて、必ず上位にランキングされる出色の歴史小説でもあります。穏やかで寡黙な人柄にも関わらず人を惹きつけて止まない原田甲斐宗輔。どうも作中の人物の台詞が‘口語体’なので少し違和感があるのですが、緻密に伏線を張り巡らせ読み手を巻き込んでゆく構成力は見事なものです。心情描写は最小限に抑えつつこの伊達騒動に絡む人物たちの配置も絶妙です。山本氏の解釈と筆力で原田甲斐がどのように描かれてゆくのか・・・・次巻以降が楽しみです。 | ||||
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