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イーハトーブの幽霊
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【この小説が収録されている参考書籍】
イーハトーブの幽霊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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面白い!浅見光彦シリーズの中でも5本の指に入るくらい好きです! 私は宮沢賢治をまったく読んでないのですが、賢治は面白い人ですね。自分の故郷である岩手県の北上川の岸辺を「イギリス海岸」、自分にとっての理想郷を「イーハトーブ」。内田氏も作品中で「宮沢賢治は時代を50年近く進んだ人」「当時の社会には理解されなかった不遇の天才」と評価。そんな賢治の作品が本書では度々紹介され、賢治の作品の舞台で人が死んでいくんです。光彦だけは「事件の解明のカギは・・・宮沢賢治にあるのでは」と気づく。 本作は、ヒロインの登場無し。雪江未亡人とのコミカルな掛け合いなし。ですが、被害者が殺される直前の会話で「幽霊を見た」「まただよ」など、ホラー要素も加わり、本作の魅力を高めています。 光彦は、事件の被害者が殺される直前の会話・行動に着目し、事件の謎解きをしていくパターンが多い。「勘ですよ」「だが、他に手がかりがない以上は追いかけるしかない」。本作もこのパターン。警察がまったく見向きもしない情報に重要性を見出し、無能な警察のはるか上をいく。ここに爽快感がある。 地元警察との協力もシリーズの魅力の一つで、本作はやや異色ですね。捜査主任にのみ刑事局長の弟と知られるんですが、なぜか他の警察連中には伝えない。そのうえで、所轄の部長刑事・小林に「浅見さんに密着して行動し、浅見さんの指導を仰いで、捜査を進めてくれたまえ」と極秘に伝える。「身辺警護の必要もあるだろう」とも。 小林刑事は「何か分からないが、葛西警視(捜査主任)には不純な魂胆がありそうな気がするのだ」と、最後まで刑事局長の弟とバレませんでした(笑)。この展開はあまり見たことがないですね。葛西捜査主任はちゃっかりしており、その後も、捜査本部に光彦が現れるたびにヨイショしまくる。周囲の刑事連中は「???」。 いったん事件が解決したと思いきや、そこからまたひっくり返る。こういう難しい事件は、大抵は地元の無能警察がだらしなく、光彦自身がお兄さんに連絡し、なしをつけてもらうことがあります。 ですが、本作では、ヨイショ葛西捜査主任が全面的に光彦を信頼し、手足となり動いてくれるので、その点もサクサク進む。葛西捜査主任はエリートだけあり、他のぼんくら刑事連中よりかは頭がキレます。一方で、相棒役を務めた所轄の小林刑事は、事情が分からないものだから、いつも置いてけぼり感があり、そこがまた良い味を出している。 | ||||
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❆❆ 浅見シリーズのなかで、思い入れだけでいったら1番強い作品かもしれません ☃ ☃ ☃ 本放送でドラマを、秋にさむ~い実家で見たので、この作品に流れる冷たい空気感がより一層、身に染みました。 ❆ ❆ ❆ 特に寒い地域の方々は、やはりそのように感じられたのではないでしょうか。=^_^= 故に私はこれでこのシリーズを知り、インパクトも大きく、若いヒロインも入りやすかったです! 私自身も共感できる、競争世代の大変さや社会問題も、文豪たちが描く「人間の心」がベースになっている気がします。でも、人はどんな心をもっていても、どんな世代に生まれても、時代に応じてそこは折合いをつけていかなければなりません。 私は、とにかくこの独特の空気感にサスペンスの面白さが加わった、個性的な作品だと思います! いじめの「正義」を完全にはき違えている犯人は、自分と正反対の行動と考え方で、許せません。(なぜか教育論には賛同しますが) ただ余韻として、津々と降り積もる雪や、刺さるような寒気が‥私に「切なく」背中を押してくれました。立場は逆のはずなのに、「犯人のこういう境遇も、乗り越えていこう」と思ったのは私だけかもしれませんが。なぜかそんなふうに思えた深みのある作品になったのは、私には作者の宮沢賢治へのプロ意識の凄さが、伝わったと思います。。。。 あっ!! 品がありとても洗練された作品ですが、 賢治さんが好きな方だけは、あまり読まない方がいいかも‥‥しれません(';ω;`) 、 | ||||
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安くても品質はとても良く満足しました。お買い得。お奨めします。 | ||||
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大好きな宮沢賢治を舞台にした事件ですが、岩手県=イーハトーブ と言う命名がすてきですね。賢治の発想の見事さをを感じます。 花巻市へ経ちよったとき記念館へもおじゃましましたが、駐車場隣の「注文の多い料理店(山猫軒)」「ことに太ったお方や若いお方は大歓迎いたします」というレストランには恐ろしくて入れなかったネ。 以下チョッピリネタバレですがゴメンナサイ。 さて、この事件は賢治の作品に見立てての3つの連続殺人を追う展開ですが、風の又三郎をキーに設定して「まただよ・・・」「幽霊を見た」の残されたメッセージから推理を展開する見事さは冴えてますね。 30数年前のいじめにが今回の事件の元凶で、転校して来ていじめられた男が、当時風の又三郎からとって「また」と呼ばれた少年が母を殺され故郷を捨て、落ちぶれ果てて花巻に戻ってきたことで、「まただよ」「幽霊を見た」という被害者の言葉から見つけ出す経緯は凄いな。 2人目の被害者が「毒もみのすきな署長さん」に見立てたのも面白い。 現代の課題の一つのいじめ問題を絡めたストーリー展開は見事ですし、ラスト近くで花巻市のいじめフォーラムでの大杉の講演内容を数頁に渡って書いていますが、この内容は内田氏のいじめ問題への考え方を述べているのかなと思います。 若かりし頃の失敗が殺人へと行かざるを得なかった犯人は可哀想ですね。まあ、嫁さんの方が原因ですか。 | ||||
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宮沢賢治の故郷、花巻が舞台。 マドンナらしき女性は登場せず、浅見家の家族もほとんど登場しないシリーズ中珍しい作品。 花巻が情感豊かに描かれており、浅見光彦も東京に1度帰ってくる以外は作品中ずっと岩手県に滞在している。 作者である内田康夫さんの宮沢賢治へのこだわりが生んだ作品といえる。 | ||||
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