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枯葉色グッドバイ
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枯葉色グッドバイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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嫌いではない作家なため、どうしても初期の佳作と比べてしまう。魅力的なキャラクターやユーモア混じる軽快なセリフは健在だが、マンネリ化していたのか?駄作ではないが何かが足りない。元刑事であるホームレスという主人公は上手く描かれている。しかし展開は先が読めそうな部分も無理矢理感ある部分もあり、またラストシーン付近の展開と最後の一文には陳腐さが否めない。 | ||||
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現役ばりばりの若き女性刑事と、今はホームレスとして暮らす「元敏腕刑事」の、何とも言えない組み合わせの面白さにひかれて時を忘れますが、時折顔を出す、この作家の人間描写の機微もどきんとします。読書仲間大絶賛で、「私も読む」という声が増えて感想が楽しみです。男を逃す女の典型がよく出ていて少し可愛そう。いい男の話でもあります。 | ||||
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この著者の作品は、どれも会話が皮肉とユーモアに富み、題名の付け方が上手です。 特に本書では、主人公が(金銭的には全く余裕がありませんが)常にゆとりをもって会話を楽しんでいるのがよく伝わってきます。 一番感心したのは、主人公がある人物に自首を勧める場面でした。正義を振りかざしたり押しつけたりせず、実にうまい。 残念なのはご多分に漏れず謎解き部分。マンションの中の殺人事件で捜査本部があそこをノーチェックというのはいただけません。 いっそのことミステリやアクションから離れた小説を書いてほしいなあ。 | ||||
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ハードボイルドなのでしょうが、本家チャンドラーやロスマクやパーカーのニュアンスを残しながらも、なんともいえず優しい世界です。 かなりリアリズムな犯罪捜査ものなので、最初から陰惨な殺人で幕を開けます。 つづいて、不幸な事件でわが子を死なせて離婚した刑事、椎葉がホームレスとなって暮らしている、そんな代々木公園のホームレス世界の場面になります。 きれい事はありませんが、彼らと椎葉の世界には自然体のぬくもりがあって、リヤカーをひく椎葉の生活も自嘲や自虐とは無縁です。 家族三人の惨殺事件を調べていた吹石夕子刑事が、偶然椎葉を見かけ、かつて世話になったことを思いだし、彼の辣腕ぶりに賭けて、日当2000円で彼の協力を仰ぐことに。 スモーカーの夕子の捜査ぶりのほうがよほどハードボイルドかも知れませんが、何となくつっぱっている彼女と椎葉のあいだに漂うものが、とてもいいのです。 殺害された家族の中で、ひとりだけ生き残った少女美亜のすさんだ生き方も、椎葉との交流の中で癒され、本来の一七才の少女に戻ってゆきます。 美亜をいたわりつつ、現場検証に出かける椎葉の動作に、夕子がいちいち小さな嫉妬心をあおられる場面が何ともいえません。 全編に椎葉のワイズクラックが効いていますが、夕子も負けていません。 「こうなったら椎葉さんと一蓮托生、わたしも辞表をデスクに入れてあります」 「吹石くん、君の頭にブレーキはかからないのか」 「はあ?」 「おれなんかと蓮の上にのって、どうする」・・・ どんでん返しの犯人も、名推理からというより美亜を信じての現場検証の結果で、地道な刑事の生きかたの物語です。 最後、仲間のホームレスの遺骨を故郷に帰すため、沖縄へと自転車で出発する主人公。汗や無精髭や焼酎の匂いにまみれた世界なのに、なぜか終始やさしい風を中に抱いている物語でした。これはなんなのだろう。 夕子と美亜のたわいないやりとりの上に、しっとりとエンドマークが浮かびあがってくるラストでした。 | ||||
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ハードボイルドなのでしょうが、本家チャンドラーやロスマクやパーカーのニュアンスを残すものの、なんともいえず優しい世界。 かなりリアリズムな犯罪捜査ものなので、最初から陰惨な殺人で幕を開けます。 つづいて、不幸な事件でわが子を死なせて離婚した刑事、椎葉がホームレスとなって暮らしている、そんな代々木公園のホームレス世界の場面になります。 きれい事はありませんが、彼らと椎葉の世界には自然体のぬくもりがあって、リヤカーをひく椎葉の生活も自嘲や自虐とは無縁です。 家族三人の惨殺事件を調べていた吹石夕子刑事が、偶然椎葉を見かけ、かつて世話になったことを思いだし、彼の辣腕ぶりに賭けて、日当2000円で彼の協力を仰ぐことに。 スモーカーの夕子の捜査ぶりのほうがよっぽどハードボイルドかも知れませんが、何となくつっぱっている彼女と椎葉のあいだに漂うものが、とてもいいのです。 殺害された家族の中で、ひとりだけ生き残った少女美亜のすさんだ生き方も、椎葉との交流の中で癒され、本来の一七才の少女に戻ってゆきます。 美亜をいたわりつつ、現場検証に出かける椎葉の動作に、夕子がいちいち小さな嫉妬心をあおられる場面が何ともいえません。 全編に椎葉のワイズクラックが効いていますが、夕子も負けていません。 「こうなったら椎葉さんと一蓮托生、わたしも辞表をデスクに入れてあります」 「吹石くん、君の頭にブレーキはかからないのか」 「はあ?」 「おれなんかと蓮の上にのって、どうする」・・・ どんでん返しの犯人も、名推理からというより美亜を信じての現場検証の結果で、地道な刑事の生きかたの物語です。 最後、仲間のホームレスの遺骨を故郷に帰すため、沖縄へと自転車で出発する主人公。汗や無精髭や焼酎の匂いにまみれた世界なのに、なぜか終始やさしい風を中に抱いている物語でした。これはなんなのだろう。 夕子と美亜のたわいないやりとりの上に、しっとりとエンドマークが浮かびあがってくるラストでした。 | ||||
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2003年に出た単行本の文庫化。 ノン・シリーズの長編ミステリ。 とある事故をきっかけにホームレスに落ちぶれた元敏腕刑事が、一家惨殺事件、女子高生殺人事件を追っていくという物語。 かなり入り組んだ事件で、主人公の推理も錯綜する。しかし、最後にはすっぱりと事件が解決され、後味もさわやか。樋口作品のなかでも傑作といっていい一冊だろう。 主人公のもてもてっぷりはいつもの樋口作品のとおり。また、気取った口調はいかにもアメリカン・ハードボイルド。本当にこの男はホームレスなのか。 | ||||
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樋口有介といえば、柚木草平や木野塚佐平のシリーズが有名だと思いますが、今回の主人公はなんとホームレス。 それも元刑事、しかも敏腕刑事だったというから驚きです。 悲しい過去を持ちながらも、現実から目を背け、ホームレスという怠惰な生活を送っています。 それが女性刑事からたった1日2,000円という料金で雇われ探偵に。 相変わらずの洒落た会話に、独特の空虚な雰囲気。 樋口有介という作家がますます好きになりました。 | ||||
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刑事が単独行動はしないから、ホームレスに仕事を依頼ができるわけないとかいわないの。 前提が多少違っててもいいじゃん。 推理が組み違い前後賞的に外れてみたり、今までぜんぜん出てこなかった人がイキナリ犯人だったり、 多少無理はあるような気がしたけど、それをさっぴいても十分あたしは楽しめた。 考えるホームレス、と、名付けられた主人公はひねくれた言い回しながら、ときに鋭く、ときに醒めていて、なかなか面白いキャラ設定。 後半一気に加速するからね、途中で止めようってのはあきらめて。 開いたら最後まで行った方がいい、この加速度はなかなか、よいです。 最後がハッピーエンドじゃないという意見もあったけど、そうかなぁ。 すごく現実的でやさしい、あたしは素敵なエンディングだと思ったけど。 最後まで読んでタイトルを見返すと、ちょっとしんみり? バイバイしちゃうの? いやいや沖縄に、ブルーのまぶしい色にて展開希望。 | ||||
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相変わらず謎解きとかサスペンスの構成は一級品とは言えないのだけど、もう、この人に対してそれを指摘するのは「イチローは長打力抜群とは言えない」とかいうようなものなのかなあ、という気がする。既に起こってしまっている事件の捜査だけで五百頁というのは、何ぼなんでも長すぎるのだが、そのテンポの遅さをも受け入れてゆったりと樋口節を楽しむ人のための小説かも知れない。 ただ、事件と背景はそうとうに深刻だし、題名どおり哀感と切なさも漂っているが、基調は前向きな明るさとユーモアである。美女と美少女がプンプン匂うホームレスの主人公を奪い合うような後半の展開など爆笑と言ってもいい。会話の楽しさも抜群、ラストもさわやかなぼかし方で後味がいい。 | ||||
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偶然とはいえ、 この作家のほんの2冊目にこれをとったのも、 幸運かも。 初めて読んだのは、 評判の高いデビュー作、 『ボクと僕らの夏』。 これが、ボク好みで、 おもしろかった。 で、次どれ読もうかと、 古本屋で手に取ったのがこれ。 なぜかというと、厚かったから。 厚みのある本を読みたかった。 そして、その読後感は、 厚み相応の読み応えでした。 プロローグは、 いきなりグロテスクな一家惨殺のシーン。 お・・・と思いきや、 その後は、 ゆるい感じで話が進む。 偶然、唯一人生き残った女子高校生、 進展しない捜査に頭を抱える女刑事、 ホームレスとなった元敏腕刑事、 ある事件が、 3人を出会わせる。 日給2,000円で雇われるホームレス刑事??? 迷宮入りかと思われた事件は、 意外な結末へと向かう・・・。 刑事役がホームレスで、 社会から切り離されたところで、 事件にかかわっていくところが、 なかなかゆるくて、いい感じ。 登場人物たちの魅力的な躍動感と、 グロテスクな犯罪とが、 一見そぐわない感じがするが、 重層的につながっていく。 謎解きの要素もあるけど、 それよりも、 それぞれの登場人物たちの、 ギャップが、おもしろかった。 ハッピーエンドとは言えないし、 希望なんてものはないけれど、 それでも、 生きていくんだよなぁ。 なんとなく読み終わったあとに、 ほほえましい気分があるのは、 やはりハッピーエンドなのかなぁ。 オススメです! | ||||
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ホームレス(といっても元刑事だが)に探偵を頼むという発想は面白いが、内容はかなり粗削りで首をかしげる部分が多くあった。 まず大前提として刑事は捜査では単独行動しないから女性刑事が一人でホームレスに接触、探偵業を頼むのは無理。何らかの事情でホームレス探偵が事件に関心をもって、調べていくという方にした方が自然。 さらに謎解きもありきたり。ネタ晴れになるから詳しくは書かないが、伏線もなく唐突感は否めない。 ホームレスの生態描写は取材に基づいているのかなかなか面白かった。 | ||||
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この筆者は、少し世を拗ねた男が主人公で、いつも美人で口の達者な女性たちが脇役として出てきて・・・というミステリーを得意としているのですが、今回も基本的にはそのパターン。 しかし主人公は、なんとホームレス。(もちろん、ただのホームレスではないのですが) ホームレスが女刑事にアルバイトとして雇われて、事件を解決するという、ちょっと珍しい題材。主人公の転落ぶり、そしてダメ男ながらどこか筋の通った硬骨漢ぶりに、アメリカのハードボイルド小説を思わせます。 筆者の持ち味である主人公の減らず口、それを対する女性たちの見事な切り返しという会話の楽しさは、今回も健在。 枯葉色グッドバイというタイトル通り、ほろ苦く、どこか優しい小説です。 | ||||
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実際に主人公が事件に絡みだすまでがやや遅めで, なかなか進まない流れに,序盤は少し退屈かもしれません. ただ,動き出してからは二転三転で考えさせてくれますし, メインとなる事件の真相にいたってはこれでもかというほど. 気を抜いたところでまたグッと引き寄せられるようです. また,主人公の軽妙なセリフまわしは皮肉も効いていますし, 元部下である女刑事との使い使われの関係もなかなか楽しく, 残忍な事件や緊張した雰囲気の中でもクスリとさせてくれます. あと,しっかり書かれた(解説より)というラストについては? すべてがハッピーエンドにならないのは現実的でよかったのですが, そのあとの主人公の行動についてはちょっと締まらない印象で. | ||||
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大宮帰りの新幹線用として購入。解説が池上冬樹さんだったから手にとってみたけど、これがなんと大正解。設定に少し無理があると思うけど、正統派ハードボイルドの流れをくむ佳作です。久しぶりに新幹線を降りて、帰宅したあと一気読みです。設定に無理があるといったけれども、舞台が日本なので感覚的に「都合よすぎない?」と思ってしまうが、海外のハードボイルド作品だって同じかも知れません。読み手側に描かれている設定が「非日常」であるからあまり気付かないかもしれませんが。流れ的には解説にもあるが、ロス・マクドナルドの世界観に近いと思う。ある土地の家族の問題について探偵が入り込み、家族の問題を解き明かしていく。その問題はどろどろしていて外側には現れない。探偵は薄皮をはがすように核心に迫っていく。その結果、犯罪が暴かれる。こちらの探偵?の椎葉はアーチャーほどクールではない。女の子にモテ過ぎるぐらいである。でも彼には憎めないところがあるし、世捨て人へのいわば「憧れ」のよなものを我々に呼び起こします。そこにこの小説に心ひかれてしまう理由があるのです。ラストのたたみかけるような展開もよかった。総合的に完成されています。枯葉が色ずく秋の夜長にオススメです。 | ||||
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樋口有介の最新作である。柚木草平シリーズでも木野塚佐平シリーズでもない。新主人公は椎葉明郎。元刑事のホームレス。それを現役所轄刑事である28歳巡査部長が1日2000円で雇って…。て、話。興味湧くでしょ。代々木公園のホームレスの日常や所轄刑事の毎日がうまく書かれてる。ぺダンチック&諧謔に富んだ会話はいつもの通り。ホームレスのくせに、女刑事と女子高生にもてちゃう主人公が可笑しい。ホームレスって結構自由で気楽かも、と思っちゃ駄目よ。 | ||||
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とあるマンションで親子3人の惨殺事件が起きた。その後唯一難を逃れた長女の友人の女子高校生が代々木公園で他殺自体で発見される。惨殺事件を担当する女性刑事は、代々木公園で見かけた、かつて敏腕刑事といわれたホームレスを日当2000円で雇い、事件を追うことに……。 樋口有介の新作で期待して読みましたが、やや期待ハズレのミステリーでした。事件へのトリックらしさもなく、刑事がホームレスになるという設定は面白いとは思うものの、登場人物の存在感もそれほど感じず、事件も簡単に解決しているのは物足りなかったです。 | ||||
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