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青の炎
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青の炎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全265件 181~200 10/14ページ
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正直、変だと思われるかもしれないが、凄く綺麗な作品に感じた。 殺人ながら全くそう言うグロいシーンも無く、 主人公の葛藤と心情を繊細ながらも大胆に書かれていたと思う。 でも、何処か複雑で、謎めいた所もあった。 活字では書ききれない物語。枠に納まらない。 優しさ故に、彼は人を殺めることになった。 それは一体、どの様な気持ちだったのだろうか。 そしてその殺人がバレたから、過ちがあったから、 またその過ちが繰り返されてゆく。そして自らの人生を、 家族の人生をぶち壊しにしてしまった。自分が良かれとした事が、 逆に最悪の結果となってしまった。 あぁ、何て切ないのだろう。思わず涙が溢れた。 その後は私の愛読として一ヶ月に一回は読んでいます。 | ||||
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湘南を舞台にした青春小説として読んだ。 高校二年生の主人公、櫛森秀一と、彼の友人や恋人とのふれ合いが、 その年代にしか判らないような、みずみずしいタッチで書かれている。 窪田僚が書いていた青春小説のようだった。 そんな主人公が、突然の闖入者のため完全犯罪を目論む。 その動機は、私利私欲では無く、純粋に家族のためを思っての事である。 英語や国語、数学物理など教科書からの題材や、龍恋の鐘等、小道具 の使い方が上手い。 ただ、ミステリーとしては、事件を追う刑事側の視点が無いのが物足りない。 勿論作者は犯罪を犯す少年の心理を書きたかったのだろうが、倒叙物では 刑事側が事件の矛盾点に着目し、謎を解明して行く過程も重要な見せ場 であると思う。 それに、大人の目で見ると、主人公の行動は動機が純粋とは言え、未熟な、 ケツの青い少年が、思い込みで一人突っ走ってしまったようにも思える。 やはり青春小説として読むべきである。 それも、読み手の感性が新鮮なうちに。 | ||||
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私はもともと、罪を犯した側が主人公となる物語が好きなのですが、 その中でもこの話は非常に読み応えがあったように思います。 主人公の櫛森秀一は、何でもこなせる優等生。 母と妹と3人で幸せな生活を送るも、 母が以前結婚していた曽根という男が突然現れ、 家に居座り、我が物顔で傍若無人な態度をとります。 警察も法律も助けてはくれない状況で、 いつ終わるとも分からないこの悪夢のような現状に絶望した櫛森少年は、 完全犯罪を決行することで家族を助けようと思い立ちます。。 最初から最後まで息を抜けない展開で、 終盤などの警察とのやり取りはかなり緊張します。 福原紀子とのラブストーリーも良い息抜きになっていると感じます。 貴志祐介さんの作品は初めて読んだのですが、 読みやすいし心理描写もうまい。他の作品も読んでみようと思いました。 ぜひ読んでみてください!! | ||||
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映画の後、すぐに原作を読みました。 どちらのほうがということもなく、 どちらもすばらしかった。 ただ、原作の方が長いだけあって、秀一の青春が書き込まれていて、 そのはかなさ、切なさが読後に蘇り、さらに辛い思いをしました。 人生には思い通りにならないことはたくさんあり、 そういう時の選択肢はさまざまあるであろうに、 秀一の人生はなぜ、こんな結果にしかならなかったのか。 家族も友人も周囲には味方がたくさんいたのに、 どうして彼一人こんな重責を背負うことになってしまったのか。 若かったからこその行動と言われるであろうけれど、 17歳という年齢のもつべき以上の責務を果たそうとした、秀一。 その責任感と正義感は賞賛に値するものであろうが、 その犯してしまった罪は、自分でも許しがたいものであったと思われ、 彼のとった最後の選択は、彼の家族に対する愛そのものでした。 読後に何日も何日も秀一のことを考える日が続きました。 それほど私に影響を与えた1冊です。 | ||||
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他の小説でも、もちろんそうなんですが、客観的に内容を見るとどうしてもこの主人公がおかしな人物に見えてしまう。個性と言う意味では正解かもしれませんが、やはり言動のズレが所々にあったりと少し興ざめしてしまうのも否めません。ただ私の場合、この主人公にかなり感情移入できたのでそれほど気にはしませんでしたが。 主人公の心情の根の部分、憎悪、嫌悪、憎しみそれが強調されていて良い意味でも悪い意味でもそれだけの部分に頼りすぎかなと感じました。また身分が学生と言う部分でのリアルティはかなりのものだと思したが、少し難しい言葉を無理くり並べていった感じもまた、否めません。 犯行を催す以前から覚悟していたのにもかかわらずに、殺人を重ね、日々加速していく殺人と言う罪、そして事実の重み、それにもがみ苦しむあたりはいくら秀才とはいえ感性豊かな高校生ですね。あの辺もまたリアリティがありました。 私も主人公が言ってた、殺人者側の観点で書いてある小説を好んで読むのですが大体そのジャンルにはある一つの常識が付きまとってきます。しかしこの小説には黒い家、天使の囀り、などにも見られた貴志氏独自の常識が主観となっています。見方によってはそれは歪なものかも知れませんがそれが彼のサイコリズムではないでしょうか。 まぁそれを否定したら小説なんて読めませんけどね。 | ||||
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家族のために完全犯罪を目指す高校生が主人公です. 家族を守るために殺人を計画し,家族を好奇の目にさらさないために完全犯罪を目指す. そんな少年の殺人に至るまでから決行後の心情が描かれています. 感情を出すなと自分に言い聞かせ, それでもハイになったり鬱になったりし, なにかが違っていればよかったのにと考える.. 殺人は短絡的な発想で,決して許されることではないけれど, つい主人公を応援したくなりました. 完全犯罪がテーマの本ですが,切ないです. | ||||
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いかなる理由があろうとも、殺人は厳罰をもって裁かれるべき罪であることは疑いがありません。しかし家族を救うためにそれを犯した秀一がその報いを受けることが哀れでならず、なんとか都合良くハッピーエンドにならないものかと思いつつ頁を繰りました。秀一が重要参考人として警察に尋問されるシーンは、息詰まる緊張感があります。 大人の私の目から見れば、未熟な青年ならではの秀一の身勝手さも目に付きます。ある重要なアイテムを託された紀子は今後良心の呵責に苛まれはしないでしょうか。大型トラックのドライバーは人生に重い十字架を背負うことになるでしょう。そして秀一を信用した山本警部補は、職責を問われることになるのは間違いないでしょう。しかし青春時代とはきっとこんなふうに身勝手で、やたらめったら周りに迷惑をかけるものなのでしょう。 この小説の最終章は、最後の一行までほんとうに美しいです。 | ||||
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この本、結構前に読んだんですけど、本当に泣いたのは後にも先にもこの本しかありません。 序盤は殺人の動機。ここで、殺人も止むなし!と、主人公に共感してしまう。次に、完全犯罪への孤独な戦い。そして殺人。主人公の緊張感が伝わってきます。次に罪悪感。だったかな?本当に殺人をすると、こんな感情に襲われるんだろうな〜って感じで怖いです。 第二の殺人の時のあっけない程の感情も、なんとなく解る気がします。 そして刑事によって追い詰められる主人公。そして最後の選択。 物語の終盤は辛くて切なくて、もうこの先は見たくないって感じで読むのを止めようかと思った程です。 最後の一行を読み終わった後の、あの余韻は今でも忘れられません。 貴志祐介作品は全部読んでみましたが、私の中ではこれがダントツですね。 | ||||
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まるで運命づけられてきたかのように、事件の計画に執念を燃やす少年。 彼に感情移入できるかどうかで、本作が楽しめるかどうかに影響してしまうかもしれません。 それにしても、貴志先生が描く、病める悪人の描写は、相変わらず見事というしかありません。 本作は、ホラーではなく、ミステリーに位置づけられる内容ですが、悪の描写の巧みさは、本当に背筋が凍りつきそうになりました。 終盤に明かされる真実には、作者から肩透かしを食らわされたような脱力感を感じざるを得ませんでした。 しかし、少年期の有り余るエネルギーが負の方向へと放射された結果、こうした事件は、実際に起りうる話でしょう。 一味違ったミステリーを求めているというお方には、特におすすめします。 | ||||
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主人公の行動・思考を切ないと思ってしまい、主人公の 行動を肯定的に見てしまうようなストーリー展開がとても 上手だと思いました。女性として、母親として、主人公の 気持ちがとても痛々しかったです。 また女性として、主人公の頭の良さに淡い恋心を抱いたり。 貴志さんの作品の中では、この青の炎が一番お勧めです。 | ||||
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以前に買っておいたのだがなかなか読む気になれず放置しておいた。 昨日、電車の中で一時間ほどあいたので読み出したら止まらない!! 黒い家やクリムゾンの迷宮のようなぞくぞくするような描写はないものの、 主人公の秀一の思考の中に引き込まれた。 事件を解いていくほうから見た小説は多いが、事件をおこす人間の心理を 垣間見たような気がした。 映画化されて秀一はジャニーズの二ノ宮君が演じたようだが、 本を読みながら山田孝之君の雰囲気がぴったり当てはまってしまいました。 | ||||
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映画は私はまだ見ていませんが、アイドル映画ということで、少し興味をそそられたかな?どんな風に殺しの道具を扱うんだろうか、と。 最初、曽根が物凄く悪人に見える。コイツなら殺しても――死んでもいいんじゃないか、と思わせるくらいに。人を殺したい、と、昔思った事がある私には、思わず感情移入してしまうところがある。ただ、起承転結の承の部分で、コイツは本当の悪人なのか?と思わせるような描写である。 昔TVや雑誌で話題になった少年、酒鬼薔薇聖斗。彼は、3人の子供を殺し、血文字のような怪文書を送りつけ、学校に対する不満から日本を震撼させた。彼と同い年の私は、あの事件を思い起こさずにはいられない。 ラストの意外にあっけない終わり方に、少し同情心も沸く。 | ||||
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読み終えたあと、すごく切なく、痛々しい余韻がしばらく残った。本当にこうするしかなかったのか、他に方法はあったんじゃないかと、考えずにはいられなかった。家族を想ってした事が、次第に自らを追い詰めていき、最後に主人公・秀一が選んだ選択は、あまりに悲劇的だった。 ただ、どうしても違和感を感じた点は、秀一の喋り方だ。普通、小説やドラマでは、自分の事を「僕」と呼ぶ男と「俺」と呼ぶ男の喋り方がある程度固定されている。なのに、秀一はそれらが混ざった感じの喋り方をするのだ。正直、聞いてて「何だ、コイツ?」と思った事がある(後半はある程度統一してきた感じはしたけど)。 意外とこの点が突っ込まれてなくて、「何で???」と思ったけど、それはおそらく、この作品がそういった小さな欠点を気にさせないほど、強く訴えかけるものがあるからだと、僕は解釈した。 細かい点で突っ込みたい部分はいくつかあったけど、それでもこの作品は、僕の中で3本の指に入れても良いぐらい、余韻を残したものだ。 | ||||
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たまたま家にあって読んでみたら 一気に引き込まれて厚い本にもかかわらず一気に最後まで読んじゃいました!! 主人公と同年代で、この子は歳の割には冷静で落ち着いてて頭がすごくいいなぁと思ったけど・・・・ やっぱり切ないです。 紀子も主人公も・・・・・ なんかみんな可哀想で。 誰一人幸せになれなかったから もっといい終わり方はなかったのかなぁと思ってしまいました。 まぁあれはあれで傑作ですけど・・・。 でも最後のあの終わり方は「アレッ?」って感じでした^^; ちょっと拍子抜けw でも、、リアルですね。やっぱり。 こっちまでドキドキしてしまいました。 あと女として、紀子にも少し感情移入してしまいました。 ホント可愛くていい子で。。。。それでこんな別れ方なんて悲しすぎますよ。。。 紀子のその後が気になりましたが、幸せになって欲しいです。 遙香ちゃんも、お母さんも。 読むたびに切なくて胸が苦しくなるけど でも読んでしまうんですよね。 一生横に置いておきたい本かもしれません。 超オススメです!! | ||||
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貴志祐介の本は「黒い家」以来いくつか読んでいるが… 謎解きより、主人公の少年の心理状態に読み手も引き込まれていく。 最初からムリな完全犯罪の挑戦ではあるが、どんどん吸い込まれていく、 構成が旨いなあ、くどくない表現で登場人物がイメージできる文章には 感心する。完全犯罪を目指す登場人物が…するのが、前置きで書ききって いるのも映画の構成の世界である。 | ||||
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貴志 祐介さんの作品の中でもすばらしく心に響きました。憎い父親、何もしてはくれない警察。愛する母と妹を守るために、一人で完全犯罪に挑む青年。孤独で一人で、普通に過ごすこともできたはずなのに。読み終わった後そう強く感じた。彼の狂気が彼を動かしていたのか、それとも彼自身の意思で行動していたのか。「そこまでして家族を守らなくてはいけないのか・・・・。」やはり犯罪者の末路は決まっていますが、彼にはそうしてほしくなかった。不器用でもいいから生きてほしかった。心にべっとり今でも張り付いる。なんでそっちを選ぶのか、なんでそっちを選んでしまうのか。彼の選択一つ一つにそう不安を抱きながら読んでいくうちに、本の世界に知らぬまに入っていく作品だと思う。 | ||||
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何かと物騒な世の中になったものだ。テレビの画面、新聞の文面に表れる「青少年の非行」の文字にも、慣れてしまっていて、そんな自分がイヤになることもしばしば。秀一も「青少年の非行」に該当してしまう訳だが、私は、何故かしら、同情に似た感情を抱いてしまう。勿論、彼は罪を犯したのだから、許されるべきではない。ただ、本書で描かれ続けた秀一の心の揺れ動きを見ている内に、「皮肉なものだなぁ」などと思ってしまう。家族という、守るべきもの。それを守るために、今の私にはなにが出来るのだろうか。間違ったことをしてまで、家族を守れるだろうか。そんなことを考えさせられた。 | ||||
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主人公、高校生なの?と疑いたくなる精神年齢。こんな高校生いるのかな?でも、なぜかぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み終えた。とても「痛い」感じがのこった。あれから、さびれた、有名でないコンビにを見かけたり・・・、高校生らしき青年がかっこよく、自転車で通り過ぎる姿をみたりすると、また、ざわざわと胸がさわぐ。爽快感はない内容。でも、ずしん、といつまでも残っている内容。久々に心に重くのこった作品。 | ||||
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読み進むにつれ、完全犯罪を遂げさせてあげたい、と主人公櫛森秀一に対する思い入れが大きくなっていきました。大人っぽい印象と、幼さをまだ残す彼・・・そんなアンバランスな少年が試みる完全犯罪。殺人を企て、実行するまでの彼の心情といい、全てにおいて、17歳という絶妙な年齢設定が大きな意味を持った作品だと思いました。 | ||||
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初読から3年以上経ちますが、はじめてこの作品を読んだ時の衝撃と感動は忘れられません。昨今各所で取り上げられる「切れる少年達」。しかし、本作の主人公である秀一は、高校生とは思えない豊富な知識と斬新な発想を持って完全犯罪を計画します。愛する家族を守る為に。全編を貫く切なさとやりきれなさは、彼の殺意が私利私欲のためではなくひたすらに大切な存在を守ろうとするためであったという一点に終始します。殺人が悪いことであることは重々承知しながら、それでも主人公に同情し、ともすれば共感さえ読んでしまうのは、ひとえに筆者の心理描写の巧みさに起因します。その共感性の高さゆえに「殺人を肯定するのでは?」という議論さえ読んだ問題作ですが、筆者自身の立場は、この作品のラストで秀一が辿った運命に端的に表現されています。犯罪の実現性や上記のような本作の主旨を取り違えた議論より、1人の少年の「心の軌跡」を追った「青春」ミステリとして、本作に触れて欲しいと思います。 | ||||
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