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国銅
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国銅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
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苦役の中で人として生きていくために、「人との出会い」がいかに大切なものであるか、「人の生きがい」とは何か・・・多くの出会いと別れを描きながら、物語は「自然」に流れてゆく。大仏造りの材料となる「銅」はどのようにつくられるか?大仏はどのように造られるのか?奈良時代の「旅」とは?人々の「食べ物」とは?薬草とは?病気とは?障害とは?・・・時代考証というおおげさな言葉は必要ないが、当時の人々の生きる姿がありのままに描かれており、興味をそそられる。まもなく平城京遷都1300年を迎えるが、この物語をヒントに「奈良時代の健康と食」などという歴史体験ツアーが企画されることを期待したい。 | ||||
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「人は死んでもほかの誰かの心のなかで生き続ける」という考えはあまり好きではなかったが、本書を読み終えて、いくばくかの真理が含まれているかもしれないと思うようになった。 奈良の大仏造りに従事する人足、国人(くにと)の出会いと別れを繊細な筆致で描いた作品。緻密な構成と情感豊かな表現力は、雰囲気だけで浅薄なきれいごとを並べるだけの流行小説作家とは一線を画している。 おそらく膨大な資料を下敷きにしているのだろうが、帚木氏の力量はそれらを巧みに文学として示し、読んでいて倦むことがない。素晴らしい。 国人は多くの人々と出会い、その魂を受け継ぎ、過酷な生を懸命に生き抜く。決して人生に絶望しない。悩み、苦しみ、字を学び、詩を読み、病者を助け、同胞を慰撫し、女を愛す。人間の生はこうあらなければならないと思った。 | ||||
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この小説を読んだのがきっかけで、修学旅行以来15年ぶりに奈良の大仏を見に行ってしまいました。小説自体はややご都合主義的な部分も感じましたが、当時の賦役に従事した人々の生活と苦労はひしひしと伝わってきて一気に読めました。 | ||||
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1200年以上も前、あの巨大な仏像を人の力だけで作り上げる。その労働がどんなに過酷だったことか!また、たとえ無事に労役を終えたとしても、国元にもどれる保障はどこにもない。国を離れて労役に就くということは、もう生きて国元に帰ることができないかもしれないということなのだ。何百人、何千人の男たちが作り上げた仏像。その体内には、男たちのさまざまな思いが、今も渦巻いているような気がする。巨大な仏像を、人々はどんな思いで見つめていたのだろうか?そこに見えるのは、悲しげな顔の人たちばかりに思える。 | ||||
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本書はNHKの某テレビ番組と違います。希望の星なんかありません。ただただ、苦役に耐える人足達の物語。けれど、そんな中にも救いはある。男達がいちいち立ち上がってヒーローにならなくても、喜びや感動はあるものです。 奈良時代の一市民にスポットをあて、不条理な苦役を通して考えること、愛することの喜びと悲しみを描く感動の歴史巨編。 | ||||
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この時代に生きていた人々が何を食べ、何を着て、また何を考えて生きていたのかがその息遣いと共に伝わってくるような名作です。この時代の、庶民、それも底辺に近いところで生きていた人々をこの様に書いた本は始めて読みました。大仏さまは本当に、屋根がないところで、遥か彼方をじっと見据えて座っていらっしゃるほうが仏の心にかなっていたのかもしれません。奈良へもう一度行きたい、大仏さまにお会いしたいと思っています。きっと、今までにない感動が得られると思います。生きていく力をこの本から頂きました。 | ||||
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著者の作品は「三たびの海峡」「閉鎖病棟」「ヒトラーの防具」など独特のヒューマニズムが感じられて好きで読んできたし、本作品もそういう意味での「エンタテインメント」(とオビにもある)を期待したのですがちょっと、というか大分期待ハズレでした。本作品で著者は大仏建立という稀有壮大なプロジェクトの裏側の名もない(数え切れない)使い捨て人足を描きたかったといいます。その通り描かれています、救いようのない幾人もの人足たちが。しかしそれ(人足の目線からみた古代日本)以外の場面展開が全くと言っていいほどなく、食うや食わずの時代、人間の現代の千分万分の一の重みしかなかった時代に国家を総動員して大仏建立が進められた背景や都の民・貴人の生活の描写もない。だから次は何かが起こる何かが起こるとずうっと期待しながら読み進めても結局何も起こりません。救われない話だな、という最初の印象が何度も反復され、途中いくつか「箴言」があって、終わり。過酷な環境のなか、一人また一人と周囲の愛する人を失う主人公が慰めを見出すのは・・・。この部分はけっこう肝の部分でもあり内容は書きませんが読んでいて私にはどうにもリアリティを欠く印象。「愛する人を失うのはつらいので最初から愛さないほうがよい」という教えを容れるべきか迷う主人公の心情も含めて感情移入しがたいのは、本書中の描写から得られる主人公の人物・背景情報がどうにも少なすぎる(その反面、大仏建立のテクニカルなプロセスはやけに細かい)からなのでは。すごく面白そうなテーマと思ってたのに、残念です。 | ||||
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タイトルが意味深で、内容はどうかなあと思って読み始めましたが、止まらなくなりました。国人(くにと)を巡る人物の描写が素晴らしい。大仏の建立を題材にして、これほど普通の人を描ききるとは考えもしませんでした。仏を作る人たちが、自らも仏になっていく過程が、そしてラストシーンが感動です。久々に歴史小説に感動しました。 | ||||
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