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出口のない海



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【この小説が収録されている参考書籍】
出口のない海
出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海の評価: 4.21/5点 レビュー 116件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(3pt)

戰後的な感覺で書かれた小說

本書が刊行されてすぐに初版第一刷を讀みましたが、讀み返して見ると当初とは全く印象が異なりました。恐らく、其の頃に讀み合わせた別の資料の内容とごちゃ混ぜになって印象が残ったのでしょう。改めて讀んで見ると幾ら資料を讀んでも戰後世代には此のテーマで小説は書けないな、と納得です。讀み始めた時は阿川弘之の「雲の墓標」を思い出しましたが、実際に海軍に入り少しでも従軍経験のある阿川氏の著作からは程遠いですね。本書の末尾に「参考文献」の一覧が掲載されているものの、何の様に資料を引用したかなど、小說であっても事實關係に就いて最低限明らかにす可き事が何も記載されて居ません。

 都會風の生活と回天での出撃を繰り返し試みる場面とのコントラストを描きたかった様ですが、實際に其の様な事が有り得たのでしょうか。原爆を完成して次の派遣を握るまでは絶対に停戦に応じないルーズベルト政権(ISBN-13 : 978-4106107825、ISBN-13 : 978-4794214089)の下で重なる都市部の非戰闘員への無差別爆撃が續く中、最後に残された手段として特攻が出てきた事を踏まえれば、本作の畫く心象世界は戰後的な感覺で、何が抜けて居るかが見えて來ます。回天の關係者からも取材はしている様ですが、生存者の生の声が反映されているかどうかは別問題です。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.10:
(3pt)

身近に海軍で戦死した人がいるので、興味深く読みました。

非常に興味を持って、読ませていただきました。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.9:
(3pt)

実物を見て来ました。(ネタバレ)

回天のことはなんとなく聞いたことがありましたが、広島・呉市のヤマトミュージアムで実物を見た時には
背筋が寒くなりました。想像より巨大な回天の前にはスピーカーがあり、なんと兵士による出撃前夜の遺書
の朗読が流れていました。(実家がレコード店かなにかで、その時代には極めて珍しい録音機が
あったようです)思わず気をつけして最後まで聞き入ってしまいました。

 横山氏の長編を読むのは初めてでした。しかも青春ものは。
野球少年(青年?)と戦争を絡めたストーリーはややあざといかなとも感じましたが、
最後まで一気によんでしまいました。主人公である並木だけが海の藻屑と散ったのは
なんとも皮肉というか、ちょっと作り物めいたふうではありますが、彼の深い葛藤や、
激しく揺れ動く気持ちには共感せざるをえませんでした。
 漫画化するならやはり、ちばてつやしかないのではないでしょうか。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.8:
(3pt)

あまりバランスがいいとは思わない

テーマの重さと、軽妙な現代風文章や会話がどうにもちぐはぐに思う。
野球ネタはあまり功を奏してはいない。
ラストは結構よかったと思う。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.7:
(3pt)

あっさり感

横山氏の作品にしてはどうもステレオタイプな作品で独特感がなく、
後一歩ぐっと来るものがなかった
仲間や家族、恋人とどうもありがちな描写ばかりで、氏らしい奥深さは
見当たらず、全体的にあっさり
あまり戦争ネタの本を読まない人なら楽しめるかもしれない作品
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.6:
(3pt)

とめどない切なさと物足りなさ

主人公の並木が沖田との会話の中で残した、「回転」に乗ることの意味を述べた言葉が忘れられない。その言葉こそが横山先生のこの作品に込めたメッセージなのだと思う。北が最後に見せた表情や美奈子との別れの場面など、心を打たれるシーンは少なくない。だが、それにしてはである。まず登場人物の描き方が雑だし、内容が薄い。テーマの着眼点も設定もストーリーの流れも話のオチも不満な点はない。しかし、それぞれの人物の描き方の一点が非常に不満だ。もう少し構想を練り、時間をかけて作品化すべきだったのではないか。そう思うと、本当にもったいなくてしょうがない。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.5:
(3pt)

悲劇を繰り返すな!

平和な世の中なら、勉強に、スポーツにと、毎日の生活を楽しんでいる時期だろう。だが戦争は、並木やその仲間たちを戦場へと送り出す。そして並木は「回天」に乗ることを決意する。それは特攻兵器!一度それに乗って出撃すれば、二度と生きては戻れない。家族や恋人への思い、そして「生」への未練。並木の心は揺れる。その心情が痛いほど伝わってくる。最後まで魔球完成を夢見た並木。その思いを受け止めた仲間たち。戦争の悲惨さをあらためて思う。できれば、マウンドの上で魔球を投げさせてやりたかった。こんな悲劇がもう二度と起こらないようにと、願わずにはいられない。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.4:
(3pt)

人間魚雷「回天」の悲劇

 最近の横山秀夫さんの作風からきわめて異例な印象を受けましたが、実は1996年に刊行されたものを、前面改稿したものということで納得。 まだ無名に近い時代に書かれたもので、現在のストーリーテラー的なものは余り感じられませんが、横山さんが描きたかったのは戦争の悲惨さと、その戦争に運命を翻弄される、ひとりの人間を描きたかったのではと思います。 文体的なものはいつもの横山テイストで無駄を極力省く文体で読みやすく、さくさく進みます。ただそれが難点となり、人物描写に主を置いたため、戦争物の悲壮感は若干影が薄く感じます。ただその時代に生きた人々の心理描写はさすがと言ったところ。自分がその時代に生きたらと少し考えました。 そしてある程度は知っていたつもりの「回天」の悲惨さも、この小説を読むことによってさらに考察が深まりました。そしてもう一つの氏のメッセージであろう、「回天」と言う人間兵器が存在したと言う事実を理解する事が、この小説のもう一つのテーマでしょう。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.3:
(3pt)

中途半端な読後感

横山氏の作品なので 最後まで読みましたが、戦争小説としては、少し物足りなく(個人的には福井晴敏氏のほうが好き)量的にも 不満です。最後は 横山さんらしい、絶望の中にも 少しの光が見えるような終わり方で 後味は悪くないですが・・・。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.2:
(3pt)

精彩を欠く人物造形

太平洋戦争中の「自らの命と引き換えに相手に挑む作戦」といえば、陸軍の「神風特別攻撃隊」が知名だ。その一方で、海軍が隠密裏に行った「人間魚雷作戦」ともいうべき攻撃が「回天作戦」である。本書は、戦史の陰に隠れた殺人兵器回天を、学徒出陣で戦列に加わった大学生並木浩二の視点から描く作品だ。甲子園の優勝投手でA大学野球部に所属する並木浩二。利き腕のひじをいためたため試合の登板すらままならない彼は、「魔球」の完成に自身の野球人生を託す。しかし、日米開戦、ミッドウェーでの敗戦は並木から野球を、大学生からは勉学を奪う。「学徒出陣」で海軍に配属された並木は、やがて人間をもって機械の歯車となす恐怖の殺人兵器「回天」の乗組員となる。一度は装備故障により帰投した並木。しかし、その彼には、意外な運命が待っていた。平和主義的な心持の並木が、軍隊生活の不条理さに飲み込まれながらも最後まで自己の信ずるところを失わないという姿は、読者の共感を呼ぶだろう。だが、「魔球」の完成に取り組む並木をはじめとする登場人物の描き方が表面的で精彩を欠くのは否めない。野球部マネージャーの小畑は内気で喘息もち、捕手の剛原は豪快な気質と大きな声の持ち主、喫茶店「ボレロ」のマスターはいわくありげな赤いチョッキを着た剽悍な人物。「回天」という主題を選ぶ着眼点のよさをもちながら、この類型的で平板に過ぎる人物造形はどうだろう。もし、小説の面白さが、話の展開の妙味とあたかも生けるがごとき登場人物の描写にあるとすれば、本作はその二つを満たしきれいていない。画竜点睛を欠くとは、まさにこのことだろう。「出口のない海」という、実に意味深長で本書の内容に合致した題名も、登場人物の軽薄な存在感に相殺されてしまっているのが残念だ。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793
No.1:
(3pt)

横山秀夫にしては・・・

横山作品が大好きで全て読んでいるが、今回の作品はちょっと・・・。横山秀夫の作品にはミステリとしての面白さももちろんあるが、しかし最大の魅力は、登場人物の「男」として、「人」としての生き様のかっこよさや切なさが描かれていることにあると思う。今回の作品でも、戦時下という特殊な状況下での人々の生き様が描かれており、「死」と背中合わせでの行き方は哀愁を誘うところもあるのだが、なんとなく今までの作品に比べると作者の良さが出ていないように感じた。横山作品が大好きだからこそ、厳しく星3つです。
出口のない海Amazon書評・レビュー:出口のない海より
4062124793

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