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出口のない海
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出口のない海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 1~20 1/5ページ
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戦時若者たちが限りなく死に近い確率で出陣するという今では愚かなとしか言いようのない戦争を 日本人は経験している。特攻隊然り、この人間魚雷回天しかり。まだ人生の楽しみのほんの少し しか知らない若者たちがまさに理不尽な形で死を要求され、自分なりに納得するように努める様は いつ読んでも、いつ観ても涙が止まらない。この作品でも高校野球の優勝投手で、大学野球のスター 投手である並木が、生と死の間で葛藤しながら自分の生きざまを後世に残そうとする姿が感動的に 描かれる。作者が横山秀夫ゆえ、ただ感動だけを起こそうとするのではなく、筋書の巧みさで最後まで エンターテインメントとしても読者を飽きさせることがない。終章で生き残った人間の現代に触れられるが、 切なく感動的だ。遅ればせながら映画も観ないと。 | ||||
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数週間前の新聞のコラムでこの作品の話が紹介されていたのが、きっかけで手に取った。横山秀夫氏の作品はかつて、「半落ち」という作品を読んだことがあり、そのストーリーの描き方には興味深いものを感じていた。 太平洋戦争の時期、野球に青春をかけていた大学生たちにも、その悪夢は襲い掛かる。野球に汗を流す日々も終わりをつげ、学徒動員として、それぞれの土地へ配属されていくことになる。エースだった並木浩二は、海軍へ行くことになるが、そこで待ち受けていたのは「回天」という、いわば人間魚雷としての特攻隊の任務だった。死を選ぶ覚悟を決めるまでの複雑な思い、死を覚悟して出動するものの、機器の故障により任務を遂行できずに帰還する。命が救われてほっとできるかと思いきや、仲間は見事に散って神となったが、おめおめと帰ってきたことに対する周囲からの避難を浴び、悩み苦しむ。なんのために死ぬのか、その意味を自分なりの答えを導き出し、自分を納得させていく。部下の沖田には心を開いてその思いを告げる。己の戦い、自分がこうして命をすてさること、そのような若者が大勢いる現実を何とか後世に言い伝えたい、そう思いつつ、彼は訓練の途中で行方不明となり命を落とす。 飛行機による特攻隊はよく知られているが、海の特攻隊としての「回天」で多くの若者がその尊い命を犠牲にしたことを私たちは語り継がなければいけないと思った。百田尚樹氏の「永遠のゼロ」とともに戦争を語り継ぐ「特攻」というキーワードとして読み伝えたい一冊だと思う。 | ||||
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よく見る戦争系の話は、みんなが国の為に、という考え方が固定概念として設定されているのが多い。しかしこの本は主人公の大学生が、野球か戦争かを天秤にかける姿がとても感動しました。 | ||||
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沢山の横山作品と同様の「県警裏話」を期待して読み始めたが、何とも言えない感動の戦争文学でした。しかし、単なる反戦的な物語ではなく | ||||
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とても切ない作品です。いつか光市訪ねたいと思います。 | ||||
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先の戦争の悲惨さが嫌というほどわかる。特攻で死んでいった、もしくは生涯癒えない傷を背負った若者の悲劇を思うと言語に絶する。 戦争末期、周知の通り、誰もがお国のためにという一心で特攻を志願したわけではない。時代の雰囲気に呑まれて、過酷すぎる道を歩まざるを得なかった前途ある若者たち。教養ある真面目な若者ほど純心で、使命感と正義感が強いがために、悲劇の道をひた走ることになった運命はあまりに残酷。おまけに若いゆえ意固地になりやすいし、プライドだってある。時代が時代とはいえ、うまいように利用されていると知りつつ、自分たちは消耗品でしかないとも冷静に思いつつ、それでも全てを受け止めて命を散らしていった若者も多くいただろうと思うと辛すぎる。 なぜここまで追い詰められる状況を作ってしまったのか、特攻とは戦局打開のための苦肉の策で生まれた戦法(よく言われるように決死の戦法ではなく必死の戦法。死ぬことが前提なのでもはや戦法とは言えない)とは承知している。それでもなぜこんなことが許されてしまったのか。 事実に目を背けず、今を生きる私はこれからも多種多様の先の戦争にまつわる本を読んで考え続けなければいけないと思った。 | ||||
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傷みなく、心地よく読めた | ||||
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推理作家ものと考えてながら、何となく惹かれて入手した。一読後評価は一変、感動モノだった。各作家ともに単純に定義づけしてはいけないことが認識されました。 | ||||
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永遠のゼロのような派手さは無いが、落ち着いて書かれていた。ただし、野球が必要な要素だったか、野球を除いたらどれだけのものが残るか、と言われたら少し困ってしまうような小説だった。 | ||||
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こんなにも悲しい現実があったことを若い人に知ってもらいたいと思う作品です。 | ||||
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本を手に取ったのは、特攻兵器という生きては帰れぬ兵器に乗ると言うことはどういうことなのか、どういった心情で臨むのかを知りたかったから。 国家存亡の危機を打開すべく、そして国のために死ぬことが当然のように思われた時代。世の考えに自分の考えを締め出され、それを正としながらも、自分が死ぬということを問い続ける内面が強く読み取れた。 特攻兵器が惨めだ、無駄死にだと揶揄するする者はたくさんいるだろう。だが、自分の命と引き換えに特攻に進んだ若者達がいた事は誰にも蔑むことはできない。みなまっすぐで、どこにでもいる青年だったのだ。誰も彼もみな自分が死ぬという事を心の内側で問い続け、それでもそれぞれが掲げる信念をもって出撃していったのだと思う。 会社へ行き、仕事をし、帰宅。その繰り返しのなかで生きる意味を見失いかけた私にとって、この本は生涯かけがえのないものになるだろう。先人の皆様が命を賭して守ってきたこの国で、私もへこたれずにまっすぐ生きよう。 | ||||
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太平洋戦争+野球ものという事で気軽に手に取ったが想像の5万倍位切なくて悲しいお話だった(;Д;)回天という海の特攻兵器の存在は知っていたが、いざこうして活字で見れば見るほど当時の日本全体が狂っていたのかが分かる。20歳前後の若者達が祖国の為に人間魚雷なる恐ろしい兵器の一部になることを積極的に志願し、誰もがそれを賛美した時代が僅か数十年前の日本だったと思うと恐ろしい。特攻は全ての策が尽きた大本営の最後のカードだと思うが、突然「約束された死」の通達を受けた若者達の心情を思うと涙が止まらなかった。 | ||||
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青春時代の中にある戦争という厳しい現実の中で生き抜く者達の姿を見て自分もこれくらい本気にならなければいけないと感じました。これからをどう生きるべきか考えさせられました。 | ||||
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テーマとしては戦争ものによくありがちな感じ。別れ、恋、死、生。 でもそれでも凄く楽しめるし、回天についても知ることが出来る。 横山秀夫は普段は警察小説、警察ミステリーしか書かないので、以外の作品だとこれがクライマーズハイに続いて2作品めではないか。 横山秀夫といえば、「そうだったのか」と唸らせる逆転の描写だが、ミステリーではない為か、その要素はかなり薄く書いている。すなわち、割とストレートな作品であると思う。 主人公の最後の死に方はちょっと戦争ものでは微妙ではあるが、逆にそれが感動させにいっていないと前向きに捉えられる要素でもある。 戦争ものは感動させようとすればいくらでも可能だが、その要素は押さえぎみに書いたのだろう。 この世代というのは、作品をみても分かる通り、実際には戦争を知らない世代とも言える。何も分からず、お国の為と出動していき、敵を見るのは死ぬ一瞬前。そう、戦争を知らない末端世代であるとも言える。私の祖父も生きていたら2018年現在で95歳くらいだが、それでも祖父はやはり知らない世代なのである。 実際に出征もしていないし、したとしても末端であったはずだ。 つまり戦争を知っている世代=指揮を取ったり、仕掛けたり、戦略を練ったり、実際に動かしていて何があったのか、何で戦争したのかをリアルに知っている世代というのは、100歳以上に限られる。ということは、もう殆ど存命ではないということ。 80代~90代半ばの人は、子供時代、青春時代に被害者とし、や、空気として戦時を知っている人はいてもリアルに知っている人はもはやほぼいないのである。 でもって、こういう本などは、そういった、生きてはいたけどリアルを知らない世代の視点での作品になっており、そういう視点で見る戦争ものであるという事だけは認識しておかなければいけない。 つまり、何も分からずに戦争に駆り出された若者=末端側の視点(気持ち)だけでなく、物語では悪く書かれる、教官や上司、指導者、幹部、政府、東条英機などらにも、当時はそれなりの視点(気持ち)というものもあり、もしかしたら殴ってる教官自体も本当はそんなことしたくないのかもしれない、寝る前に1人部屋で泣いているのかもしれない。 そんな事を思うと、戦争ものの作品に、当時の若年層を中心とした物語ばかりが先行しているのは少し危険な気がするというか、あくまで側面として捉える必要はあるように感じる。話はかなり脱線したがそんな事を思った。 | ||||
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読んでみて世界観が違うので、想像を豊かに読まないと理解し難い場面なのか本当なのか、平和ボケってこの事なんだろうね。 | ||||
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決死と必死、その差は天と地ほどの差がある。 回天を目にしたときの並木は回天が棺のように見え、「死」が具体的な形をして眼前に現れたと感じる。なぜ北や沖田は志願したのか、死が怖いのは自分だけなのか、自問自答を繰り返し生きたいと願いながらも死を受け入れるためにもがき苦しむ。 沖田に胸の内を伝える場面は胸が苦しくなる。国から強い教育を受けているトシ坊が完全に軍国主義に染まりきっている場面はとても怖かった。 心理描写が秀逸で、搭乗したことがない自分ですらその苦しみにシンクロできる。すべての人に読んでほしい。 並木のような若者たちの死が現代に伝えるものはたくさんある。 今の日本の平和が彼らの死を苗床にしていることを忘れてはならない。 | ||||
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子供にも読んでほしいです。 回天搭乗シーンは息が詰まる様でした。 | ||||
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大学で肘を壊しながらも野球に励み、魔球を完成させると宣言した主人公。しかしその日は1941年12月8日。日本対アメリカの戦争が始まった日。 激化していく戦争の中で兵として駆り出され、青春を捨て、故郷を捨て、そして命までも……。戦争により人生を狂わされた若者達を、人間魚雷「回天」にフォーカスを当てながら描く、といったストーリー。 この本を手に取ったきっかけは、ある企画展で回天に乗った若者達の、最後の写真と手紙を見たからである。 自分と歳のそう変わらない、二十歳前後の若者がお国の為にとか、立派に死んでいきますとか言って死が約束された特攻兵器に乗り込んでいく。 写真を見ると、皆坊主で無邪気に笑っており、高校野球部の少年達のように見えた。そう、中には強張っている者もいるが、皆笑っているのである。 自分が死ぬとして、笑って死ねるかといったら無理だ。 彼らが集団圧力と人生経験の無さが故の無知から、死ぬことが正義と思い込み、死に急ぐと思うと涙が出てきた。 この出口のない海で並木は常に冷静に自分を客観視し、回天隊に入りながらも死という割に合わない行為を辞めようともがいている。 しかし、軍隊生活が長くなるにつれ、それが無くなっていく。気持ち文章も、段々無機質になっていくのがわかる。 当時はこういった若者は数多くいただろう。そう思うといたたまれない気持ちになる。 最後に現代、ブラック企業や新卒就活関連で若者が自殺するのを数多く見受ける。 この本によると昔も間違った集団圧力があったり、根性論を振りかざして上の立場の者が弱者を追い詰めていたようだ。 回天搭乗者の平均年齢は21.1歳だと聞く。現代も今も、若者は冷遇され、社会の構造に殺される。国というのは本質的に変わらないのだなと思った。 これを根本的に変える方法を、私は知りたい。もはや若者が集団となり戦い、下克上をし、若者が国を統一するしかないと思っている。 | ||||
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あの64、半落ち、動機、影の季節、深追い、臨場、第三の時効など刑事物が得意な横山秀夫作品とは思えない、青春ものです。 元新聞記者である経験から、クライマーズハイは作者の経歴をよく表した作品だと思いますし、影踏みでは、珍しい加害者側までもかっこよくハードボイルドに描けるんだと感嘆し、東野圭吾、百田尚樹さんと同じぐらい好きになった作家です。 面白くて、一気に読んでしまいました。 まずは、思い浮かんだのは百田尚樹の名著、永遠の0でした。この作品は戦争に駆り出された青年達の覚悟、心模様を、永遠の0よりもストレートに描いていると思います。 『美しい海、母なる海。だがそれは、二度と陸地を踏むことを許さない、出口のない海でもあった。』 平和な時代に生まれてよかったと、失礼ながら思い、並木、小畑(0の宮部を思い浮かべながら)の姿に自然と涙が出ました。 ラヴェルのボレロの旋律とともに、愛と哀しみのボレロのジョルジュドンの美しい踊りが頭の奥で流れていました。 永遠の0みたいに映画化されると嬉しいです。オススメです。 | ||||
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回天特攻のリアルが伝わってきました。 視界のない状態で敵艦船に特攻する心境は、到底僕には理解できないことなのだろうと思いますが、それを20代前半で行ってきた当時の若者らの精神は何か突き抜けたものを感じます。 | ||||
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