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芋虫
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芋虫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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大好きな丸尾先生の最新作。 しかし…表紙をみた時、買う勇気がなかなかいるなと思いました。発売日から何ヵ月たったことやら。やっと買えました。戦争の悲惨さ、生きること。最後はとても悲しい終わり方でした。涙がでました。買って損はありません。 | ||||
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淫靡で妖しくて、それでいて美しい世界… やはり丸尾末広という人は、読者の期待を裏切りません。この話を、他の誰が画にする事が出来るだろうか…手も足も、声も視界さえも失った夫の「許す」という伝言には、胸が締め付けられる思いでした。くだらない作品が蔓延る昨今、いろんな人達に丸尾末広の作品を読んでもらいたい… | ||||
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一般誌で実現するとは思えなかった江戸川乱歩さんの問題作、まさかの漫画化です。 丸尾末広さんはこの作品を漫画化する為にこの職業に就いたかの様に適任。 内容は、元も子もない描写がひたすら続きます。重度の障害を負って戦場から戻ってきた夫の有様は小説や映画「ジョニーは戦争へ行った」よりもはるかに生々しく、言葉を失います。 特にバナナを寄こせと妻の前で駄々を捏ね、四肢の無い身で寝床から跳ね上がるシーンは鬼気迫る物が有りました。 しかし単なる変態嗜虐物の様に見えて人間の弱さ、哀切さもしっかりと描かれております。傑作です。 丸尾末広さんには既に20数年前、本原作のシチュエーションに近親相姦と身分格差を加えた怪作「腐った夜 エディプスの黒い鳥(短編集「夢のQ-SAKU」収録」)という短編も有り、そちらもお薦めです。 但しお子様にはお薦め出来ません。 | ||||
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前著「パノラマ島奇譚」も素晴らしい作品でしたが、 今回は乱歩最大の問題作「芋虫」とあって、さらに淫靡でおぞましい世界が再現されています。 直接的な表現も多いですが、エログロは丸尾氏の真骨頂といえるでしょう。 あと、ハードカバーになったので、本を手に取った時の質感が上がっています。 | ||||
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『芋虫』を読み終わった時は、しばらくぼんやりしていました。頭を殴られたような衝撃です。本当によかった。 こんなに短いのに、こんなに胸をえぐる作品も珍しい。 面白いと単純に言ってしまうよりは、何かが突き刺さったようなと表現する方が正しい気がする。 夫と妻の微妙な力関係。優越と憐憫。愛憎入り混じる感情。 思わず背筋がぞくりとする「情」というかなんというか。 とにかく、まともな小説じゃない。(もちろん、好い意味で) どくどくと脈打つドロドロした人間同士のぶつかり合いを思いきり見せつけられた。 間違いなく、素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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これぞ、乱歩の世界。彼の嗜好と世界はここに極まれり。彼の創造した世界を思う存分浴びれます。 | ||||
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江戸川乱歩というと、小学校の時の少年探偵団シリーズにはまり、そういったどこか娯楽的なイメージを持っていました。しかし、この芋虫をはじめとしたいくつかの短編は人間の奥深い闇の部分を鋭く抉り出す文学作品です。恐ろしくもはっとさせられる。この芋虫は一番の傑作だと思います。 | ||||
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短編であり主人公も少なく、夫と妻のやり取りがより鮮明に感じる。手足のない、耳も聞こえない、口も利けない夫の面倒―自分がもしそういう立場にあれば、恐らく気が狂いそうな状況である。現実は冷静に描かれている割に、夫と妻の精神世界はとても劇的に、そしてぎゅっと凝縮して描かれているような気がする。この小説の最後の部分で、夫が妻に「ユルス」という言葉を投げかけたのが、とても印象的に心に残った。ストーリの最後の後味ははっきり言って良くはなかったが、まるで映像のように迫ってくる衝撃的なイメージが、いつまでも頭に焼き付いて離れない小説だ。筋(プロット)よりも、乱歩の描く精神世界をより感じてほしい。 | ||||
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江戸川乱歩の短編の中でも傑作だと思う。 傷痍軍人とその妻の話。傷痍軍人は奇跡的に助かったが、四肢を失い喉を失い、自力で動くことも意志を伝えることもできない。妻はそんな夫を何くれとなく面倒を見ており、妻の鑑と評判である。妻の愛がそんな身体になった夫を見捨てないのだと思われている。 しかし、実際に二人の間を繋ぐのは、愛情ではなく世間の目の圧迫と妻のうちに潜む嗜虐性だった。自分の一挙手一投足に怯えた目を向けるしかできない夫を虐げることが妻に暗い愉悦を与えているのだ。 人間の残虐性をテーマにしたかに思われる作品はラストで思わぬ展開を見せる。読後になんとも言いがたい味が残ること請け合いだ。 江戸川乱歩って深い! と思わせてくれる作品。 | ||||
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