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(短編集)
臨場
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臨場の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 101~104 6/6ページ
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初めて横山氏の小説を読みました。「半落ち」は映画を観て、今ひとつといった印象があったのですが、今回「臨場」を読んで、改めて小説で読んでみたいという気持ちになりました。短編が収録されているため読みやすい上、そのミステリアスな事件の内容に冒頭から引き込まれてしまい、時を忘れて読み進めてしまいました。仕事として警察官を務める人々に、突如訪れる事件や知人の死。それを推測ではなく、検視官として物証によって事件の本質を見破っていくこと。この中で出てきたような事件の解決が、唯一、関わった人の思いと死した人の人生を解き放つことができるものなのであると感じることができました。淡々としていましたが、登場人物の息づかいが聞こえてくる小説でした。 | ||||
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タイトル名は「りんじょう」と読み、初動捜査をさす業界用語らしい。後輩たちから校長とまで呼ばれる検視の神様にまつわる8つのストーリー。そのいずれも、思わず唸ってしまう内容で、329頁あっという間に読み終えてしまった。僕が読破した横山秀夫作品は「クライマーズハイ」「半落ち」に続いて、これが3作目で、ありきたりの言葉ですが完成度の高さにいつも驚かされます。横山さんの作品には1つの共通点があると僕は思った。それは、主人公がみな人生の拠り所を持っているということ。だから、主人公はみな熱くなれるのだと。本作の倉石検視官の場合、それは「事件の真実を探求すること」で、「黒星」という作品では、他殺と断定して一敗地にまみれるとわかっていても、元部下の自殺の真相を探ろうとする。横山さんの小説を読んでいると、人生の機微を知ることができて楽しい。 | ||||
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主人公は「終身検視官」の異名を持つ、倉石義男52歳。倉石を表する単語は、「無頼」「一匹狼」など、ハードボイルド感にあふれる。まさに、男が憧れる男像。前々作『影踏み』の設定――死んだ弟が、双子の兄の中耳に宿るというマンガチックな設定についていけなかった人も、この『臨場』にはハマれるはず。『影踏み』の主人公はスーパーマン的に、事件を解決していった。『臨場』の倉石も、スーパーマンのような眼力を持つ。だが、『臨場』の方がグッと現実的な筋立てで、登場するキャラクターに血が通っている感じがする。キャラに魅力があるのは、追い詰められ、保身と矜持の間で揺れ動く描写の巧みさにあると思う。短編連作だが、どの話も、人間描写の巧みさとミステリーとしてのプロットが両立している。ほかの横山作品や、最近のミステリー作品と比べても、おもしろいよ。 | ||||
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章毎に独立した事件に共通の登場人物が拘わる、という形。もっともっと長編にできそうな密度の高い内容が次々と展開する。リアルな設定、人物描写、洞察力。意表を付く仕掛けや展開。なのに突然、顔を出す登場人物の絵に描いたような善人さ。そこで醒めかけるのに、最後はツボにハマって泣かされてしまう。で、結局、数ある新刊の中からいつも真っ先に買っちゃうんですよ。絶対、ハズさない安心感です。でも超個人的には「救われない長編」が読んでみたい。だからこの中では「声」が一番。 | ||||
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