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(短編集)
家日和
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家日和の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全124件 101~120 6/7ページ
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長く一緒に生活していると、 何かをしてもらうのも当たり前になったり、言葉も足りなくなってくる。 本来、家はもっともくつろげる自分の王国であるはずなのに、 どうしてこんなに居心地が悪いのか。 自分の持っていないものは眩しくみえるものです。 家にいる主婦は家事をすることが当たり前になり、 誰からも感謝も評価もしてもらえない。 家のことをすべて妻に任せっきりだった夫は 家の中でも安らげる「自分だけの場所」が欲しい。 長い間、失っていたものを得た彼らはイキイキと輝きだす。 でも、本当に自分にとって必要なのは・・・。 はずれのない粒ぞろいの短編集です。 どの主人公の心情も理解しやすく、身近に感じられます。 「ああ、わかるわかる!」的なエピソードがてんこ盛り! 特にロハスにハマった妻と困惑する家族を描く「妻と玄米御飯」の辛さといったら! 我が家に「ただいまー」と帰った時に、 窓からこぼれるぬくもりのある明かりと迎えてくれる家族。 幸せの価値は、 失いかけた時にはじめて気づくものなのかもしれません。 自分が持っていない物を数えるよりも、 持っている物を見つめなおすことが幸せの近道なのかも(^_^) | ||||
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家族にはそれぞれの形がある。 この本は、そんな家族のそれぞれの形を奥田英朗の鋭い洞察力をもってして描いた作品です。 ネットオークションの魅力にとりつかれた主婦、職を失い専業主夫になった男の話などなど 今回も前作同様、盛り沢山のテーマでひとつひとつ丁寧に描かれています。 今回は家族がテーマということもあり、まるで家族ドラマを見ているようなそんな錯覚にとらわれます。 どの主人公もイキイキと描写されており、読んでいてとっても気持ちが良いです。 ぜひ、読んでみてください。一読の価値は十分あります。 | ||||
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今回の奥田さんの本は「家族日和」というだけに、家庭が舞台の短編集。 ページをめくり始めたら止まらなかった。 自分の家にもありそうな、隣の家をちょっと覗いてしまったような感じでした。 重いテーマの本に疲れた時なので、すぅ〜っと入ってきた。 そして、ハラハラするよりなごんでしまった。 奥田さんはミステリーも面白いけど、ユーモアのセンスも最高です!! 『マドンナ』、『ガール』や伊良部先生シリーズなどお好きな方は是非どうぞ。 できれば後2編位は読みたかったので−★1個。 | ||||
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奥田英朗さんの著書を初めて読みましたが、かなり面白かったです。他の作品も読んでみたいと思わせるできばえでした。 さて、内容について。 「サニーデイ」 インターネットオークションにはまった主婦の、行動や思考が愉快。あまりに順調に物が売れるので、暗い落とし穴がありそう・・・。ハラハラします。 「ここが青山」 会社が倒産し、主夫となった主人公に対する反応が、家人と他人では全く異なっており、その温度差がユーモラス。 「家(うち)においでよ」 妻と別居することになった主人公が、部屋の大改造を行う様子が描かれる前半と、「男の隠れ家」の様相を呈してきた部屋に同僚が入り浸るようになる後半、トラブルもないのにぐいぐいと読み進められる。こんなにも順調で、幸せそうでいいのか?別居してるのに・・・という疑問は最後に解消します。 「グレープフルーツ・モンスター」 主婦の妄想というか、淫夢に終始している印象を受けてしまうアダルティな話。理想の夢を見るために努力する主人公の姿がコミカル。 「夫とカーテン」 突然カーテン屋を起業することにした夫と、イラストレーターの妻。夫のやることに不安を覚えると、自分の描く絵の出来栄えがよくなることに気づいてから、彼女がどのような行動をとるか目が離せません。自分の絵のために夫をあおって危ない橋を渡らせるのか、それとも? 「妻と玄米御飯」 ユーモア小説の作家である主人公の妻は、まるで宗教を信仰しているかのように”ロハス”にはまっている。それをネタに一本話を書きたいと思うようになるまでの描写が細かいので、主人公の心情に共感できます。 笑いながら読め、読後もさわやかなので、一部を除き、中学生くらいから読んでも楽しいと思います。ただ、活字は小さく、ふりがながないので本を読みなれている子向け。高校生なら問題ないかな? | ||||
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この小説は6編の短編で構成されている。 1.サニーディ ネットオークションにはまる専業主婦の話。 2.ここが青山 会社が倒産し、主夫となる営業マン。 3.家においでよ 妻と別居中の夫が、自宅を自分の好みにアレンジする話。 4.グレープフルーツ・モンスター 内職の主婦と斡旋会社の営業マンとの少しエッチな妄想の話。 5.夫とカーテン 会社を退職してカーテン屋をはじめる夫と内職でイラストを描いている妻の話。 6.妻と玄米御飯 夫が直木賞作家になってからは、妻は健康食品にはまりだした話。 どの短編も個性のある家庭を描いていて面白い。 私は、「サニーディ」のネットオークションにはまる専業主婦の話と 「妻と玄米御飯」の直木賞作家と専業主婦の話が面白かった。 著者の奥田英朗は直木賞作家であるので、自分のことも少し書いて いるのではないかと思った。 直木賞作家の大塚康夫は、作家になった理由を会社勤めが神経症に なるほど辛く、一人でやれる仕事はないものかと考えた末にたどり 着いたのが作家である。 そして家族と家のローンを抱えていながら、どうしても会社を辞め たいとなれば、死に物狂いで頑張るものであると話す。 大塚康夫は、作家としての才能があったから成功したのだと思う。 ほとんどの人は、作家になることはできる。 しかし、その収入で生活することは、ほとんどできないと考えて いた方がいいと思う。 それほど世の中は甘くないのである。 この小説は、読み出すとついつい面白くてはまってしまう小説である。 | ||||
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あんまり知られていませんが、 著者は昔、某雑誌にコラムみたいなものを連載していて、 人物や物事を語るということは、お手の物だったような記憶があります。 今作も、著者の近辺の人物をデフォルメしたような話が多く、 身を削って仕事をしているなー感が漂っています。 だからリアリティがとても出ていて、共感出来る話も多く、 のめりこみやすいのかもしれません。 個人的にはロハスが好きで、自分もこの偽善者とよく思っています。 多分、彼らは欽ちゃんが走っているのも、 ”オシャレじゃないわよね”とか言っている気がします(偏見ですが) 個人的には、「最悪」のようなクライム物を早く書いて欲しいのですが、 この路線が売れる限り、続けるのでしょうかね? | ||||
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「サニーデイ」専業主婦が、駄目元で始めたネットオークション。最初は、家の中の不要物を 処分できるという軽い気持ちだったのに・・・。 「ここが青山」十四年勤めた会社が倒産し、主夫になることを選んだ営業マン。 「家においでよ」別居生活を始めた男が、何もなくなった家の中を自分の趣味でコーディネイ トとしていき、やがて同僚達が集まるようになって・・・。 「グレープフルーツ・モンスター」内職をしている主婦が、抱く妄想」とは・・・。 「夫とカーテン」転職を繰り返す夫が次に選んだ職業はカーテン屋だった。 「麦と玄米御飯」夫が文学賞を受賞し人気作家になって、お金の心配がなくなった途端、妻が ロハスにハマってしまい…。 個人的には「家においでよ」かな、肩身の狭い夫としては。 | ||||
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全六篇とも、甲乙付け難い、唸らされる作品ばかりだ。 この中で、私は「家においでよ」に強く共感した。 「家においでよ」では、些細な事から夫婦は別居。 妻の居なくなった部屋に、男はオーディオとホームシアターを揃え、 会社が終わると、好きな音楽とDVDに耽り、会社の同僚のたまり場にもなった。 サラリーマンにとって、何と羨ましい部屋だろう! この作品の舞台はマンションであるが、たとえ一戸建てであっても、男には居場所は無い。 働いて、家を買う金を捻出したのは、男の方であっても、ちょっとした趣味をする場所すら無い。 男は、職場ではストレスにもまれ、家庭では、何故こんなに冷遇されなければならないのか? その答えが、本書を読んで、ようやく見つかった。 家というものは、妻の色に染まるものなのだ。 極論すると、家は妻や子のためにあるのだ。 本書全体から、幸福は家の中にある、と読み取れる。 サラリーマンである男が、幸福を掴むためには、 妻の色に染まった家に、自らも染まらざるを得ないのかも知れない。 少々弱腰過ぎるだろうか? | ||||
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最初のサニーディが一番展開が読めず、面白い。 短編集でいろいろな人物が登場する。 本を読んで、本筋とは関係ないことが、いつまでも印象に残ることがよくある。 今回印象に残ったのは、「グレープフルーツモンスター」の主婦の仕事。 パソコンに住所のデーターを入力する仕事を家でしている。 懸賞に出したはがきを元に、ダイレクトメールのデータを作るのである。 懸賞に年齢・性別を書く欄がある理由が分かった。 ただで貰えるものはやっぱり恐いな。 そして最後の作品、直木賞受賞すると、印税がすごいらしい! | ||||
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「在宅小説」?という意味不明な帯、読み進めるうちに「そっかぁ、家にいる妻や夫をかいてるのね」と納得。ネットオークションにはまる主婦、失業して主夫業にいそしむ夫、内職しながら唯一の社会とのつながりである配達の営業マンとの妄想にふける妻、などなどどこにでもありそうな身近な人たちが見事に笑わせてくれます。 奥田氏の力の抜けた文章も健在で、‘「奥さん、喉渇いちゃった」みのもんたのような口調で言う‘なーんて書いてあると、お茶を啜りつつ「思いっきりテレビ」を見ている私としては、思わず噴出してしまうのです。 最後に収められている「妻と玄米御飯」で奥田氏らしき主人公が登場し、小説を生み出す苦労をさらりと綴っていますが、それすらもなぜか笑えてしまう、「2007年奥田英朗のオンリーワン」のうたい文句には、諸手を挙げて賛成です。 | ||||
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家をテーマにした6編。どの夫婦も、わざとらしいようなラブラブではないし、お互い少し不満もあるけど、でも長年暮らしてきた絆のようなものを持っている。あたりまえの夫婦が、こんな風にユーモア小説になっちゃうなんて、さすが直木賞作家!最後の短編で分身めいたキャラクターが出てきて、それも面白い。私も豚カツは、ヒレよりロースが好きです。 | ||||
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何だか,旨くなってません?愛読者としては嬉しいものです。でも何だかもうひと味足りない。最後に甘いケーキを食べさせられた感じ。もうちょっとほろ苦いあと味にしてくれてもいいような。そうしてくれれば,次の店で,今夜は強いお酒でも飲んでみようか,と思わせてくれるような気分で,本を閉じたあと,実人生へ,テンションをあげて戻っていけるではありませんか | ||||
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奥田英朗、ますますうまくなっていきます。 「家庭」をテーマにした6短編が収められていますが、どの作品も市井の男女の機微にうまく入り込んでおり、心理のひだを巧みにとらえています。 それでいて決して暗くならず、明るい、どこか突き抜けたユーモアがこの作品集の身上でしょう。「サニーデイ」のインターネット・オークションにはまる主婦のかわいらしさ、「家においでよ」のロック好きの夫、誰もが、もう1人のあなたでもある。 現代版新作落語にでもなりそうな話ばかりです。お勧めしますよ。 | ||||
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オークション大好き人間としては一つ目の「サニーデイ」が気になり、 この本を手に取りました。 ”そうそう!””あるある!”と一人うなずきながら楽しく読みました。 二つ目の「ここが青山」はちょっと軽いかなというか、 ダンナさんが仕事を辞めて急に”主夫”になって、 あんなに簡単に家事をこなすものでしょうか。 主婦業をなめてもらっては困ります(笑) 「家においでよ」は、女のわたしでもわくわくするお話でした。 こだわりの部屋がだんだんでき上がっていく様子は、 ホントにうまくできていました。 とにかくどの話も柑橘系のさわやかな感じで、 初夏に読みたい本です。 | ||||
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ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&スウィートな(在宅)小説。家庭発信、短編6つのドラマ。 (サニーデイ)ずっと家族からしあわせをもらっていた。 (ここが青山)おれって家に居る方が向いているかも。 (家においでよ)理想の部屋が、今日出来上がるのだ。 (グレープフルーツ.モンスター)別の人生もあったかな。 (夫とカーテン)地味でも安定した日常を望んでいる。 (妻と玄米御飯)絶対にこの輪に入っていけない。 6つの短編小説ですが、どれも、これも登場人物の気持ちがすごく伝わってきます。そしてどの話しもいつまでも読み続けていたい、自分も関わっていたい感じがします。 それぞれが長編で読んでみたい作品です。2007奥田英朗のオンリーワン作品。 (ここが青山)から その後は掃除と洗濯をした。始めると、意外と手間だった。とくに風呂掃除は肉体労働で、浴槽をスポンジでこすったら腰が痛くなってきた。スプレーして水で流すだけで汚れが落ちるという液体洗剤のCMはうそだと思った。ヌルヌルは残るのだ。 とにかく傑作。読んでそんなし。大いにご賞味アレ!! | ||||
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自分はほぼ専業主婦なので、家にいることが多いのですが、 「働くお母さん」に対して、ちょっと劣等感を感じていました。 でも、くすくす笑いながら読んでいるうちに、 自分のくらしも捨てたもんじゃない、っていうか、 自分で充実していると思えるならいいんだよね、って 思えて来ました。 「ロハス」に関しては、作者の本音が出てるのかな? お話の主人公にシンパシーを感じてしまいました(^_^;) | ||||
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新刊が出ると、迷わず買う数少ない作家の一人です。 特に事件があるわけでもないのに、ぐいぐい読ませてしまう、 その力量に今回、うなりました。 軽い、といえば、軽いんだけど、松尾芭蕉のいう「かろみ」に近い世界なのかも。 短編集なので、いろんな人が出てくるのが面白い。 「何でこんなに人の気持ちがわかるんだろう」と何度もうなりました。 特に、私は「家においでよ」で、奥さんと別居中に どんどん自分好みの部屋を作っていく男の人の話に共感を持ちました。 佳作だと思います。 | ||||
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ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな設定。チョッとした毒とユーモア。そしてハッピーエンド。サラッと読めるけどなんとなく心に残る6つの作品が収められた短編集。あえて分類すると、突拍子もない事件が起こるわけでもないが読み終わるといい話だったなぁと感じることのできる「マドンナ」と同じ傾向の作品か。 「マドンナ」を読んだときに初めてそう感じたのだが、本作を読み終わって、奥田英朗は「現代の源氏鶏太(知らない人は無視してください)」なのではという思いが一層強まった。著者の作品としてはアベレージだと思うが安心して読むことができる一冊。 著者には否定されそうだが、奥田英朗は日本を代表する「人情作家(多少苦いが)」なのではなかろうか。 | ||||
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短編のためかあともうちょっと、掘り下げて〜って感じもしたけど、さらさら読めてお手軽な感じ。人にとって家ってなんだろう、とちょっと考えたりして。オークションの話は共感できたなあ。オークヨンで自分のものが売れたときのうれしさったらありません。私はもっぱら買うほうだったので、入札の競り合いに勝って落札できたときの喜びもくせになっちゃうんですよね。うちにもお宝眠ってないかなー | ||||
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この短編集は、6つの短編で出来上がっています。 それぞれ、いかにも今風で、いかにもありそうな家族風景です。 でありながら、凡百の人々でもないのです。 倒産で失職したからすぐに職を求める訳でもなく。 妻との別居も愉しみに変えてしまう。 平凡そうに見えても、平均とはちょっと違う行き方の方が楽しいよ、って言ってるみたいで面白いのですね。 その面白さに拍車を掛けているのが奥田さんの“今”を手中にしている表現力です。 予想以上に美味しい弁当ができた時、主人公に「うっしっし」と言わせたり、 思い通りのソファを見つけた時に、ひとりで小さくガッツポーズをさせたり、 上手くイラストが描けた時の女性イラストレーターの感嘆詞が「ワオ!」だったり、 いかにも今な感じがあふれてる小説。 奥田さんにしか、書けませんなぁ。買って1時間半で読んじゃいましたよ。 しかも、装丁が洒落てます。実際の風景をあたかもミニチュアのようにとるので木村伊兵衛賞をとった本城直季による新興住宅地の写真を使うなんてセンスいいっす。 | ||||
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