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サウスバウンド
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サウスバウンドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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主人公は小学6年生。行動、発言は子供だが、観察力やつっこみはシニカルで大人のレベル。ちびまるこちゃんを読んでいるような気になる。その一方で、女風呂の覗きや中学生との決闘もあり、スタンドバイミーが聴こえてきそうな雰囲気にもなる。さらには、家族揃って西表に移住するシーンはアドベンチャーファミリーを思い出す。 これだけだと以前にも観たり、読んだりしたことがある展開の域を出ないのだけど、両親が元過激派という設定が斬新で面白い。斬新であるのだが、最後までリアリティーがあり、違和感なくストーリーを展開させるのは流石。 現代社会において左翼が翳りゆく中で、元過激派の両親は周りと摩擦を起こし、教育については一般常識からいってかなり無責任なのであるが、最後には息子に向かって明確なメッセージを送る。過激派家族を取扱っているのに悲壮感を感じさせない点も流石。 サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2) | ||||
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暇つぶしに読んだつもりがとまらずぐいぐいと最後まで読ませる圧倒的な面白さ。 テーマ的には、学生紛争とかができてきて時代遅れ・・という印象をうけましたが、 気づいたら最後まで読んでいるという感じでした。 でも、内容的には割とハード感があって読後感は重い感じでした。 | ||||
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こんな話とは思ってもみなかった! 主人公は、東京のど真ん中に住む小学校6年生。 楽しいことも辛いこともあるけど、所詮は平凡な箱庭の冒険? と思ったらとんでもない。元過激派のお父さんがやってくれます! ぶち壊す! なにもかも! そしてお母さんが素敵すぎ(特に沖縄編)。 登場人物たちが素晴らしく魅力的。 ある意味ステレオタイプなのかもしれないけど、それぞれがきちんと役どころを押さえつつ、 その先のさらに突っ込んだところで、人間としてのリアリティや魅力を感じさせる。 その描きこみ加減がとても巧い。 そして思春期突入期の甘酸っぱさもw。 現代の日本において、なさそうでありそうな、こんな冒険してみたい(いや無理)。 夏にピッタリの小説です。 | ||||
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世間一般的に見れば、度が外れた人である上原一郎の、何があっても自分の道を進む強さに感 銘する。「体制に巻かれ、集団に属し、弱い羊の群れとして一生を生きるなら、獅子として一 瞬を生き抜く方がマシだ。」 あるアーチストの言葉を思い出した。 南の島の助け合いの生活は、ある種の理想である。皆が賢人であり、私腹を肥やそうとする人 が一人もいなければ、理想的な社会が築けるかもしれない。 しかし、そこは、それぞれの人の中に、様々なそれまでの人生があるはずであり、すべてから 開放された楽園ではない。つまりは、自分がどうありたいか?どういう風に生きていくかを自己の責任で選択していくことが大事である。 父一郎が息子次郎へ、「お父さんの生き方は極端だ。お前は真似しなくていい。」と語るシー ンが印象的に思えた。 | ||||
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型破りというのか、こんなやついねーよっていう親父さんに振り回される二郎少年の成長物語。二郎くんだけじゃなくて、洋子さん、桃子ちゃんの成長物語でもありますね。 長い物語だけどテンポよく読めます。 | ||||
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早く仕事を終わらせて先が読みたい!!!と思える久しぶりの作品でした。 主人公の小学生二郎、ちょっと(かなり?)変わった父、やさしさの中にも芯の強さを持った母、そしてどこにでもいそうな小学生の妹などなど、出てくる登場人物が皆、キャラクターが立っていて、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。 文章も読みやすく、それでいて簡単すぎずといった絶妙なバランスで小学生から大人までエンターテイメントとして楽しめる作品だと思います。 ちょっと予定の空いた週末にでもぜひ読んでみてください! 読み終わった後には、前を向きたくなるとびきりの心地よさが待っているでしょう。 | ||||
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元過激派の人が、自分の父親だとしたらどうします? 税金は払わない、会社には行かず働かない。 あげくの果てには「国民やめる!」とまで言い出す父親。 そんな父と家族とのやりとりを描いたのが、この小説です。 個人的にはスラスラと読めた小説でした。 読んでいてストレスも感じさせず、テンポがいい感じだなと思いました。 思春期の悩みや、家族に対する想いなどが読んでいて共感出来る部分があったりと。 父親が本当に面白くて、現代社会に相応しい小説だと思います。 国に対するメッセージなどは、私たち国民が世の政治家に伝えたいことばかりで 納得する部分もたくさんありました。 この小説に出会えて本当に良かった。と、思える一冊です。 今の社会に不満、国民を辞めたいなーと思っている人にはピッタリの一冊だと思います。 | ||||
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久々のおとり置き決定♪ なんていうか、生きていくのって、そんなにがむしゃらにならなくてもいいのだな。 自分の中の、自分で大切と思うものを守るのはとても大変だけど、 それ以外は、どうってことないさと。 実際のところ、父親がこういう人間だと、子供としてはいろいろ大変だけど、 でも、学校よりも大切なことを学べると言うのはとても贅沢なことと思う。 学校が大嫌いだった私には、学校なんて行きたい人だけ行けばよいという家庭は、 サンクチュアリです、はい。 長編ですが、とても読みやすいです。 機会があったらぜひどうぞ。 ま、夢物語・・・では、あるんですけどね(笑 | ||||
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舞台が東京から西表島にがらりと変わり、登場人物の個性が120%発揮される下巻が、特に好きです。最近、沖縄をテーマにしたすばらしいドラマや映画がありますが、その中でもダントツに面白い作品だと思います。自然の中でたくましく生きる父親像、その父を信じて付いて行く母、そして、いつの間にか父と心通わすようになっていく子供たちの姿が、西表島の美しい自然の中で、生き生きと描かれています。残念ながら上映期間は終了しましたが、映画も観て、もう一度、画像で作品のイメージを楽しみたくなるそんな作品です。 | ||||
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すごく面白かったです。 まず主人公の二郎(小六)が大食いで漫画の立ち読みを日課としている普通の男の子なんだけど、友達も多くて、やさしくて、男らしくて、家族思いで、まっすぐで、いい子です。 その子の視点で描かれているので、全体を通してあくまでさわやかです。 上巻は、東京でのお話です。元活動家の親父に振り回され、母の過去や姉のことを心配し、不良な中学生に悩まされ、成長していきます。 そして色々とあって、家も追い出されるような状況で八重山に引っ越すことになります。 下巻は八重山での生活が始まります。上巻:東京編、下巻:八重山編でがらりと変わります。登場する主要人物は同じなんだけど、背景の色や空気が全然違うような感じです。 テレビも冷蔵庫もない家に島の人たちの計らいで住めることになりますが−−といっても人の法律上は他人の土地でこれがきっかけで大騒動になりますが−−、親父が本領を発揮して大活躍の大暴れです(東京でも大暴れはしてたけど)。 個人的に沖縄が好きなので、沖縄についても少しだけど活字で知識を入れたりしていたので「ユイマール」「ウタキ」など、言葉の意味としては知っていましたが、この本を読んで初めて本当の意味がわかったような気がします。そういう意味でもいい本です。しかし、いいなー沖縄、、じゃなくてここは八重山と言っておくか。 難をいえば下巻で親父・一郎が英雄になりすぎのような…。きっと作者も一郎のファンなのでしょう。 | ||||
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一言で言えば、面白い作品であった。上下巻という大作であるが、長さを感じることなく、スラスラと読むことができた。 第一部は主人公二郎の家族が元過激派の父親に翻弄され中野から転居せざるを得なくなるまで、第二部は沖縄の西表島に転居後の生活が描かれている。 小学生から見た大人の世界、そして子供同士の世界がうまく書けている。なんと言っても主人公の一郎の人物像が強烈で、自分の身の回りにいたら確実に関わりを持ちたくないタイプの人物であるが、彼の発言・行動は、一見めちゃくちゃでありながら、現代日本の問題点を的確に捉えて筋が通っており、読んでいて面白かった。作者の全ての作品に共通するところであるが、泣かせどころ、笑わせどころを作るのが本当にうまく、楽しめる作品であった。 「最悪」「空中ブランコ」「泳いで帰れ」そして本作と、どの様なジャンルでも面白い作品にしあげてしまう作者は本当にすごい! | ||||
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05年に刊行された単行本を,文庫化して分冊した上巻です. 型破りな父を持つ家族が,小学生の息子の視点で語られており, 序盤こそ,そんな父の突飛な言動に目が行きがちになるのですが, 実際には,その父のことがあまり好きになれない少年の成長物語です. 特に上巻は,家庭や学校など日常生活を中心に描かれていて, 友だちや女の子のこと,時には大人のずるさやケンカに家出と, さまざまな経験をして,大きくなる少年の姿がなんとも頼もしく, 「子供も子供なりに大変なんだ」と言う声が聞こえてくるようです. また,別れと旅立ちでは少しあっさりしたところがあるものの, それが却って,子供たちの『強さ』にも思え,印象づけられます. 少年の視点,また語り口調ということもあってとても読みやすく, 自分の子供のころを思い出したり,大人の視点で応援をしてみたり, 読んでいる側が少年の成長を見守っているような感覚になる作品です. | ||||
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『サウスバウンド』とは『南行き』という意味で、新幹線の電光表示板に出る「〜bound for KYOTO」のバウンドと同じだ。で、この物語の後半まで来ると、そのワケが明らかとなる。前半は「学園もの」といった範疇に入るのだろうか、大都会東京に住む小学6年生のいささか‘ませた'「スクール・ライフ」が綴られる。両親の過去の秘密や家族のこと、更には学校内でのいじめ等々を織り交ぜて、主人公の二郎はいろいろな事件に巻き込まれることとなる。クラスメイト(東京らしく?)との軋轢や友情など、前半にも読ませどころはふんだんにあるものの、ストーリーに俄然躍動感が出てくるのは後半に入ってからだ。 これまでの東京での暮らしとは180度異なる「スロー・ライフ」が始まるわけだが、このあたりの新旧世界の対比がとても鮮やかで、戸惑いが徐々に共感に変化していくところが面白い。更には、新しい生活やまたまた巻き込まれる(!)事件を通して、家族が団結し再生されていくところなどは読み応え充分で、後半は「冒険ファンタジー」といった趣を帯びる。いろいろなことを経験しながら成長する二郎の姿は眺めていて微笑ましく、私のような親父(笑)ではなく同年代の少年少女だったらどんな風に感じるのか、とても興味があり感想を聞いてみたい気分だ。 これまで奥田英朗氏は『イン・ザ・プール』しか読んだことがなく、確かに面白いけれど何かヲタクっぽくてネチネチとした印象があり、次の作品に手が伸びないでいた。今になって大いに反省しているが、いやはやなんとも面白い。特に後半に入ってからのスピード感はどうだ!グイグイと引っ張られあっという間に読み切ってしまったが、久々のど真ん中ストレートだった。無理して一言で表すと『家族の団結と再生を絡めた少年の成長記』と味も素っ気もなくなるが、同様の作品として『母恋旅烏』(荻原浩)を是非ともお薦めしたい。こっちの親父さんもなかなかの人物だ。またスケールの大きなファンタジーとしては『アナン、』(飯田譲治)を挙げておきたい。 | ||||
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元過激派の父の引き起こす騒動を、息子である小学6年生の二郎の目から描いた小説。 上巻は、東京・中野を舞台に、都会の下町の小学生の生活を、いきいきと描いている。友達との関係、ほのかな恋愛感情、中学生の不良との対立、父をはじめとする一風変わった大人たちの行動を、細やかに描写していて読ませる。 下巻は、移住した沖縄・西表島での生活を描く。二郎の成長の様子がほほえましい。ただ父母の行動の顛末は、少々現実離れしている感じもする。 大人でも楽しく読めるが、読書力のある中学生ぐらいの子が読むと、主人公と年齢が近い分だけ、さらに楽しめるのではないかと思った。 なお、「父」は、元左翼過激派という設定だが、別にイデオロギー的な作品ではない。破天荒な父を持つ子供の成長物語であって、特段の政治的メッセージがある作品ではないので気楽に読める。 | ||||
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父も母も、もと過激派?なんていうコピーに、ひるみがちかもしれませんが、ぜひおすすめします。 上では、お父さん一郎の言っていることが、すごく理不尽にきこえて、 自分のお父さんだったら、二郎と同じくすごく恥ずかしいなぁとおもっていましたが、 下巻にいったら、全然印象がかわりました。 物事の正しい方向とは、何なのかが、一貫していてまったくぶれない。これがなかなかできません! それが、西表の人々の考え方とかさなっていくと、もともと人間とは、こうだったんだとす思いました。 資本主義で、どんどん私利私欲を追求し、平気で嘘をついたり、人を裏切るようになっていったんでしょう。 ほんと、お父ちゃんかっこいいです。ついでにお母ちゃんもかっこいいです。 ちなみにこのアカハチの像は、ほんとに石垣島の大浜地区にあるので、ぜひいってみてください。(この夏にいってきました!) | ||||
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上より下の方が好きです。島の生活っていいなーと羨ましく思いました。島での生活を通して主人公が色んな事を学んでいく様子が描かれていて、読んでいるこっちまでワクワクしました。森を守るために戦う父もかっこ良いです。ただ、ラストは少々納得できませんでした。小学生の子供を置いてっちゃっていいの?と思いました | ||||
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学生運動・過激派の生き残り・・ ^^ けれど、彼の生きかたは潔い。 最初主人公は、小学生のぼく(上原二郎)なのかと思ったが、いやっ どうしてどうして・・ 父親のキャラクターが濃いこと濃いこと。 この役をやるには、よほど人間ができていないとできないのでは(そして野性的な大男でないと)と思った。 八重山諸島のアカハチの末裔・・なんて もし、わたしんとこが、田舎に帰ってこんなに歓待されたらっ なんて (笑)ことも考えてしまった。 沖縄の人の良さや、個人という以上に全体主義のようなおおらかなイキカタも、今の世の中への提言のようで、心地よかった。 一気に読めた一冊でした。 | ||||
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いまや過去の産物となってしまった極左過激派を親に持つ少年の物語です。 上巻は東京における少年の学校生活を中心に進み、その中で父親の言動がシュ−ルに描かれています。 まあ、面白く読めるんですが、ここは普通の出来。 この作品の本領は下巻にあると言って良いと思います。 左翼思想における楽園を求めて西表島に移住した家族の自然に回帰した生活や、 島の人情味は、我々の求めているスロ−ライフそのもので、読んでいる最中 自分も移住したいとも思える、快適さを感じさせるものです。 しかし、そこにも拝金主義の企業が乗り込んで来、またまた父親の大暴れが始まり、 痛快な展開が広がります。 みんなが平等に快適に生活できる楽園。 それは、思想の上にしかないのでしょうか? | ||||
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かなりおもしろいです。過激派の事はよくわかりませんが、一郎はかなり頭のいいひとだと思いました。 二郎もなかなかたくましく好感が持てました。 中野から西表島に引っ越した上原家から目が離せません。 というわけで、下巻に進みたいと思います。 | ||||
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この上巻は、住んでいる土地から言えば、「中野篇」ということになるのでしょうか? 「過激派」という言葉はもう死語かと思っていました。それほど70年安保は遠い昔のことのように思います。 主人公は小学6年生の上原二郎です。この少年の先入観のない目で現代社会を見つめなおして行きます。彼の目は、現代社会と過激派だった両親の語る社会とを、公平に見て行きます。 両親は、盛んに現代の管理社会の弊害に、厳しく反論します。学校においても、社会においても。しかし、その論も激するとアナーキーになって行きます。 この構成に作者の上手さを感じます。両極端な論理を純粋な子供の目でもって中和させ、その上で現代社会の「管理」という魔物に問いかけます。集団になれば、そこに権力が生まれ管理が生まれるということでしょう。 そんな理屈はさておいても、この非現実的な設定からくる面白さが溜まりません。エンターテイメントとして十分に楽しく読める素晴らしい作品です。 | ||||
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