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(短編集)

東京物語



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【この小説が収録されている参考書籍】
東京物語
東京物語 (集英社文庫)

東京物語の評価: 4.31/5点 レビュー 86件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全69件 41~60 3/4ページ
No.29:
(5pt)

現在に至る奥田英朗の最大の持ち味を、最初に世に知らしめることとなった作品

この奥田英朗初の短編集「東京物語」は、決して派手な作品ではないが、奥田英朗の傑作の一つであるというだけでなく、現在に至る奥田英朗の最大の持ち味を読み取ることができる最初の単行本であるという点においても、注目すべき作品だと思う。 
奥田英朗は、小説家としてのデビュー前に、後に「延長戦に入りました」の題名で単行本化されることになるエッセイを連載しており、そこでは軽妙洒脱な奥田節で、しっかりと笑わせてくれている。彼は、非常に短編の多い人なので、その作風の変化を、単行本化の順番で読み取ることは全くできないのだが、少なくとも、デビュー後の「ウランバーナの森」、「最悪」、「邪魔」では、すっかり影を潜めてしまっている彼の最大の持ち味である軽妙洒脱さと、彼が非常に短編の上手い作家であるということを、最初に世に知らしめることとなった単行本が、この「東京物語」であるとはいえるだろう。 
ここに納められている6作の中では、「レモン」と「バチェラー・パーティー」の出来が最も良いと思う。特に、「レモン」での、デリケートな女心に鈍感で、自分が女の子に好かれていることにも気が付かないという、いかにも、多くの男性が身につまされそうな田村久雄が何とも微笑ましいし、ほんとはすごく繊細な自分を隠すために、わざと乱暴な口をききながらも、終盤では、すっかり恋するかわいい女の子になってしまうという小山江里のキャラクターも、いとおしくて、たまらないのだ。 
ところで、この「レモン」を読んで、物凄く気になったことが、一つある。この「東京物語」は、奥田英朗の自伝的小説とされているのだが、女子学生たちから、「鈍感」、「がさつ」、「デリカシー欠如」と、絨毯爆撃を受ける「田村久雄」と、後に、女心を知り尽くした「ガール」を書くこととなる奥田英朗との間には、あまりに落差がありすぎるのだ。その後の田村青年に、一体、何があったのだろうか? 
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No.28:
(5pt)

青春時代

私は1970年生まれなので著者と11歳年齢差があります。著者の青春時代が私の小学生時代と重なるのですがキャンディーズの解散や夢に終わった名古屋オリンピック等、高度経済成長期からバブルに至るまでの時代背景を懐かしく感じることが出来ました。特に主人公が名古屋から東京に初めて上京した時の一人暮らしの心細さや希望や色々入り混じった感覚は、同じく広島の田舎から上京してきた私の心理と同じで、非常に面白く感じました。是非とも今度は90年代以降の東京物語を読みたいものです。
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No.27:
(5pt)

70年代の青春、名人芸

奥田英朗に駄作無し!
読み始めると止まらなくなるのが彼の持ち味。これは名古屋男子の18歳〜29歳の10年間を綴ったオムニバス作品。これもすべてに「青春」がいっぱい。同世代のせいもあり読み始めるとやめられない。いちばん胸がいっぱいになったのは大学1年になって演劇部に入った回で、彼を慕う同い年の女子との話。読後感があまりにも気持ち良かったのでこの話は将来読み返す確信がある。
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No.26:
(5pt)

中年にきっかけを与える一冊

80年代を青春時代としたわれわれ中年にとって、何かきっかけを与えてくれる一冊である。
作者自身と思える主人公はわれわれと等身大であり、自分自身と重ね合わせて、あのころを思い出してもう一踏ん張りできるかなと思わせてくれる。
40歳半ばの人間が読むのが一番なのだろうが、老若男女すべてにお薦めの一冊である。
奥田英朗って、好きな作家ベスト3には入らないが、好きか嫌いかと問われると必ず好きな作家に入っている作家だと思う。そういう立ち位置にいる作家の面目躍如の一冊。
できうれば、郷田で一冊書いてくれないかな。郷田をサブキャラにしとくのはもったいないと思う。
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No.25:
(5pt)

80年代を知らない人にも

80年代の東京を舞台に、大学を卒業した青年(著者の分身?)が大人になっていく様子を描いています。6編の短編からなっているのですが、80年代にはまだ子供で、バブルを知らない私には、最初の5編は懐かしいわけでもなく正直退屈でした。ところが、最後の短編がものすごく良くて、読み終えてからこの本の評価が一気に変わってしまいました。最後の1編はちょっと叙情的かつノスタルジックで、6つの物語をうまくまとめています。それ以前の5編を読んでから最後の短編を読むことで、その良さが余計に引き立つのがまた憎いです。読みやすいので、一気に読みきることをお勧めします。
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No.24:
(5pt)

1980年代の青春

1980年代に20歳代を過ごした者にとっては、大変懐かしい気分になれる小説。
ただの時代背景だけではなくて、主人公の田村、そして周りの人物のセリフや行動が本当に時代を映していて懐かしい気分にさせる。
主人公がロックファンなので、時折話しに出てくるアーティスト(ジョン・レノン、ポリス、ストーンズ、エリック・クラプトン、イーグルス等)が同時代にロックにはまっていた身としてはたまらない。
6編の短編で、年代とともに主人公の成長を描いており、ほろ苦く甘い20代独身男性の心模様を上手くとらえていると思う。
最後の「バチェラー・パーティー」での20代最後の時期の描き方なんて最高に上手い。ちょうどバブルに沸いている時期の話だが、あの時期の空気も上手く表現されている。
90年代に30歳代をどう生きたのか、続編を読みたいと思った。
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No.23:
(4pt)

成長

人間の成長は心と体が同時に進むものではない。
20代にもなればもう立派な大人化と思いきや、
そうではないことだって多々ある。
自分は何も変わっていないつもりで歳だけを重ねていく。
もちろん精神的な歳は連動しない。
そんなアンバランスさが明日への希望を生み出す。
よぼよぼの爺さんがオープンカーに若い女性を乗せて走り回る。
世間一般の常識に縛られるような人生では刺激が少なすぎる。
本当は気付かないだけ、気付かないようにしているだけなのかもしれないけど。
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No.22:
(5pt)

キュンとなる小説

1980年代、地方から東京に出てきた青年の青春記。
何気ないとてもシンプルな文章だけど、本当に自然で素直で上手い語り手だと思う、このような文章は書けそうでなかなか書けない。
音楽他その時代を表すキーワードがちらほら出てくる。
作者と世代は違うものの、私も当時どういう生活を送っていた思い出し、同じ時主人公はこういう生活を送っていたと考えるとなんだか妙な親近感とノスタルジーを感じる。
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No.21:
(4pt)

青春である

名古屋から上京しきた主人公:田村久雄は大学を 中退し,現在小さな会社でコピー
ライターとして働いている。親会社から依頼されているコピー作成の締め切りが迫る中,
社内の雑用を押しつけられたり,友人からの電話に邪魔され,思うように仕事がはかどら
ない。そんな中,「ジョンレノン殺害」のニュースが舞い込む・・・
一人の青年の80年代のエピソードを6編の短編でつづった短編集。30代前半の私にとって
「懐かしい」と言うには,多少語弊があるが,『キャンディーズ解散』『巨人江川の初先発』
『ゴーストバスターズ』『バブル』と言った時代背景を上手く取り入れつつ,1つ1つの短編が
上手くまとめられている。そして,全体では青年から大人へとじょじょに変遷していく様子を
ある哀しみと共に描いている。久しぶりに読後感がすがすがしい作品であった。
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No.20:
(5pt)

最後の一章がなんとなくじんと来た。。。

 最後の主人公が29歳が後1週間で終わる頃に迎えた、ある一日の話を描いた「バチュラー・パーティー」。これが最高に良かった。
 あと数年で自分も同じ境遇を迎える。僕もきっと主人公と同じような、あいまいな感覚でいるんだろうな、と思う。でも、主人公と同じように何か希望を持っていたいと思う。今と同じような感じで。
 「ララピポ」「空中ブランコ」「最悪」なんかとは少し色が違うけど、これはこれでいい。
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No.19:
(4pt)

男子がうらやましくなった

主人公・田村久雄の18歳(1978年)から29歳(1989年)のうちの、ある一日を描いた作品6篇からなる短編集。
その一日とは、予備校に通うため名古屋から上京した日だったり、大学で彼女ができた日だったり、就職したばかりの広告代理店の仕事に忙殺された日だったりする。周りに振り回され、あるいは久雄自身がカラ回り、とにかくフル回転のめまぐるしい一日が切り取られている。そのめまぐるしさやままならなさ、熱っぽさといった若い季節の象徴のようなものが、久雄のおかれた物理的状況に加え、文章そのものから空気のように立ち上ってくる作品だ。
そしてその季節は、最後の一篇「バチェラー・パーティー」中の友人・森下の言葉でもって区切りを迎える。その締めくくり方が鮮やかだ。ほろ苦さと、いくばくかの不安をはらんだ希望を合わせもつ男たちの情景が、いつまでも印象に残る。バチェラー・パーティーが男たちの特権であるのと同様、こんな瞬間は女同士にはあまり訪れない。いくら80年代とは言え、実際には男だってこんなセリフを言う人はいないかもしれないけれど、きっと似たような場面があるんだろうなあとつい憧れてしまう。うらやましくなる。
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No.18:
(4pt)

1980年代

私はこの時代はまだ幼かったのですが、読んでいていつの時代も青春はあるのだなと思いました。ジョン・レノンの死に始まり、江川がプロ野球界に登場、そして名古屋オリンピック。バブル前に青春を味わった人にはたまらなくおもしろい内容だと思います。
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No.17:
(4pt)

私の知らない時代の物語なのに・・・

わたしは1978年生まれなので、この物語で描かれている時代はまだ幼い頃の為記憶にほとんどないのですが、こうゆう時代だったんだぁと
、知らない時代なのにも関わらずなぜか懐かしいような感覚になりました。
特別大きな事件も起きない平凡な話なんですが、主人公がどこにでもいるような青年に描かれている為か、物語に引き込まれました。
この時代を知らない私のような年代の方も、不思議と青春時代がこの頃だったかのような感覚に陥ると思います。
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No.16:
(5pt)

若いということがうらやましい

本書は、田村久雄という主人公の東京上京から30歳手前までの青年時代の生き様を6篇収めてある。時代が1970年後半から1980年代なので、若干わからないところもある。<6篇の話の概略>・あの日、聴いた歌ー大学を中退して、小さな広告代理店に入社して、雑用に追われて忙しく働く。新入社員って、奴隷みたいなものですよね。何らかの雑用をしなければならないからね。・春本番ー名古屋から予備校に通うために東京に上京してからの話。東京という街に戸惑う。私が大学卒業してから就職のために東京に来たときは、なんて広い街だなと思いました。・レモンー大学の演劇部での話。女友達との接し方(特に酒乱の女)にもう少し気を配るべきだろう。仲間ととわいわいがやがやできるのがうらやましいなあと思いました・名古屋オリンピックー仕事にも慣れてきて、他人に厳しいせいか、部下のできの悪さにいらだつ毎日である。私もできないやつを見るといらだってしまうんだよね。しかし、部下を使って仕事をしていかないと、自分は上の仕事にステップアップしていかないんだよ。また、部下の指導は時間がかかるから、何ができていて何ができていないのかをきちんとヒアリングする必要はある。まあ、何でもかんでも仕事を抱え込むのが一番よくないのかもしれない。・彼女のハイヒールーいやいやながらお見合いをさせられた久雄と洋子の1日デートの話。気が強い洋子に翻弄されつつ、次第にお互いを認め合う。・バチェラーパーティーーフリーランスで働いていながら、郷田というクライアントに翻弄される。パーティー会場で、ベルリンの壁の崩壊を見たとき、「もう青春が終わって、人生が始まる」というところが、30代への移行を表しているのかなと思いました。また、30代への旅立ちという意味もあるんでしょう。私も来年で30になりますが、私自身はまだ青春は終わっていないと思っています。だんだんふけていっているんだなとは思います。6篇の話のなかでは、私は名古屋オリンピックが一番好きでした。自分が上達してきたら、新入社員の出来なささを見てついいらだってしまいます。自分にも出来なかったころもあったんだと思って、新入社員にも接しないといけないんですね。また、初心忘れるべからずといって、若いころの気持ちを忘れたらいけない。
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No.15:
(4pt)

青春!!

久雄が上京してからの11年を6編で描いている。初めての一人暮らし、大学での恋、仕事で多忙な日、天狗になった日・・・。その中で久雄がいろんな人達と出会い、経験し、成長していきます。とても共感できるし、しみじみさせていただきました。印象的なところ・・・久雄の母が息子を送り出すところ。言葉にはしないけど温かくてとてもジーンとさせられました。あと、もうみていない夢だったはずなのに踏ん切りがつかず苦悩する友の姿でした。悔いが残らないものはないんじゃないかなぁって思った。。。
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No.14:
(5pt)

大いに共鳴!

 主人公が名古屋出身ということもあり、名古屋弁での親とのやり取りも面白いが、主人公の久雄が出会う様々な人達の中にまさに青春そのものを感じる。先輩から子供のような扱いを受けてしまう久雄。あこがれの女子先輩に振り回せれる久雄。仕事の取引先の「大人」から叱られ諭される久雄。バブル期に金の力で人が代わってしまう社長とその悲哀を見る久雄・・・そのすべてを「青春」という言葉では片付けられまい。何者かになりたくて、30近くなっても「将来何になりたいか」を考えている若者たち。あきらめられない若者たち。踏ん切りのつかない若者たち。時代が変わっても変わらない世代というのはあるものだと大いに共鳴した。
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No.13:
(5pt)

奥田 英朗作品で最初に読んだ作品

時代描写やら主人公を取り巻く背景の表現が良い。断片的ではなく、読者をぐいぐいと引き込む流れるような書き口が気に入っている。上京して後楽園の近くでキャンディーズの解散コンサートに出くわすシーンなどは、それが主ではないのだが、BGMのようにストーリー全体を引き立てている。この一冊が気に入り、立て続けに奥田 英朗作品を読んでいるが、伊良部が大活躍する「空中ブランコ」や「イン・ザ・プール」なども毛色が違っておもしろい。「邪魔」も読んだが、上記作品とはまた違うタッチのものになっている。彼はいろいろなポケットを持っているようなので、今後も楽しみだ。
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No.12:
(4pt)

懐かしさを感じました

 自分は著者より10歳ほど年下で年齢のギャップはあるのですが、「自分にもこんな頃があったよなあ」としみじみ感じました。あの頃に戻りたいとは思いませんが、「若いっていいなあ」と思ってしまいました。
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No.11:
(5pt)

生き生き

理想とは左斜め下45度のあたりにいるような現実.そして,慌しい東京,そしてバブルの時代.そんな主人公のやたら忙しい充実した1日を切り取ったよう短編が続いていきます.自分も年に4~5回そんな1日があるが,そういう日の自分は何も考えられなくなってしまします.でも,この主人公は現実に葛藤しつつも,今の自分に信念と責任を持ち,未来の自分が見えてる感じで,すごくかっこいいです.とても勉強になりました.
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No.10:
(4pt)

素直に面白い

80年代に青春を過ごした私にとっては楽しくウキウキと読むことが出来た。少しせつないくらい感情を移入して。ぜひその他のエピソードやその後の主人公を描いて欲しいと思います。★5でもよかったのですが、まだまだいいのがでてくるという期待感をこめてこの評価としました。
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