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(短編集)
空中ブランコ
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空中ブランコの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全281件 161~180 9/15ページ
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「伊良部シリーズ」第二作。増々快調で文句無しに楽しめる。患者の奇矯度は初作より控えめだが、作品の構成は更に巧みになっている。天真爛漫な伊良部とニヒリスト&サディストのマユミのコンビの対照の妙も相変わらず。その対照的な二人が共に注射魔と言う設定も愉快。マユミさん、相変わらずイイ味出してます。 タイトル作「空中ブランコ」は読んでいて思わず声を出して笑ってしまった。奇想天外な設定と小刻みなギャグの連発の中、ストーリー展開は起伏に富んでいて良く練られている。快作と言って良い。「ハリネズミ」はヤクザを特別視しない二人の言動とヤクザの反応が哄笑を誘う。純粋無垢と虚無感の二段責め。「義父のヅラ」は伊良部の"性格は既得権"という言葉が光る。作者も東京都の地図上を捜し回ったかと思うとニンマリする。最後の一行が全体を締めている構成も見事。「ホットコーナー」は私のような野球ファンにとっては題材が身近過ぎてインパクトに欠ける。だが、昔やった草野球を思い出させて郷愁を誘う作品。「女流作家」は普通の業界人には怖くてとても書けない作品。シャレにならない内容なのだが、それを平気で書いてしまう辺り、作者の性格は伊良部並みか ? 最後にマユミが発するセリフが泣かせるが、マユミが普通のセリフを言うのは初めてではないか。無理を承知で書けば、マユミが描いたというイラストを挿絵として挟んでくれたら最高だったのだが...。 何が正気で何が異常か分からない伊良部ワールド全開の、笑いと安らぎに満ちた傑作短編集。 | ||||
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「イン・ザ・プール」の続編。 なので、期待し過ぎた分、物足りなさが残るかも・・・。 しかし、今回、伊良部先生は登場回数が控えめなので、 結構、内容は充実してたような気がします。 こんな精神科医いらっしゃいませんか? 私も癒されたいですわ〜(笑) | ||||
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読んでください。笑い声がとても迷惑です。 精神病になったら、伊良部先生に診てもらいたいです。最近なんだか鬱だという方、ぜひ一読を! ちなみに僕のイメージでは、伊良部先生は三谷幸喜かな?どうですかね? | ||||
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文庫化されたので買って読みました。 伊良部医師がほんとおもしろく、おもわず読みながらにやけてしまう。 電車の中で読むとき注意! 短編が5本収められているが、最後の女流作家が異質。 あの伊良部一郎が大人しくなるマジメな場面がある。 作者のまわりに実際のモデルがいるのでは・・? と勝手に思ってしまった。 個人的には「義父のヅラ」が好き。 面白い短編が読みたければ、この本は間違いなし。 ☆5つ。 | ||||
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落ち込んでるときに読んで、癒されました。 奥田さんの作品の中では一番好きかも。 | ||||
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患者の悩みや障害(病気)を突拍子も無い思考で治癒させてしまうノーベル賞ものの医師! 余り病気をしない方は伊良部先生のキャラが面白く楽しく読めると思います。 一方、話に出てくる一部の障害を経験している方は現代医学では治療が難しい心身障害を 伊良部療法で治してもらいたいと思ってしまうでしょう。 小説の中にも真実ありって感じでした。 ユーモア溢れる伊良部っち、クールなマユミちゃんに治療され、今までの概念が吹き飛んで しまう患者達との話は超一級の笑いです。 思わず笑ってしまいますので電車の中ではご注意を! | ||||
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直木賞受賞作。 インザプールの続編で、自分的には前作に増して楽しめました。 先が尖ったものが怖くてしょうがないヤクザに、義父のヅラを取りたくて取りたくて たまらない精神科医。 主人公の神経科医の伊良部はもちろん、 バカなことに神経に悩む患者たちがシュールで笑えるのです。 しかし、パロディーでは終わらず。 笑わせといて、最後温かい締めくくりがたまりません。 特に最後の話の「女流作家」は秀逸。 ラスト付近の言葉には心震わされました。 奥田さんもそう思いながら筆を執っているのかなぁって。 続編の町長選挙が早く読みたくなりました。 | ||||
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知人の社長から進められて、「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」を新幹線の中で読み始めて、笑い声を抑えることに苦労しました。後は、一気に2時間程度で読み切れる、それぞれ5部作のストーリーでした。奥田英朗氏の表現する、伊良部総合病院へ来る患者たちと、伊良部先生の人物描写とその会話のやり取りに、ただただ感心・爆笑するばかりでフィクションとわかりつつ是非あってみたい精神科医の先生です。「イン・ザ・プール」ほどのインパクトがないとの意見が多いのですが、「空中ブランコ」の方が、格段に構成も展開も洗練されています。まさに奥田?伊良部?ワールドにはまってしまいました。 | ||||
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精神科医伊良部が独自の方法で 様々な心の問題を抱える患者に (彼にとってはお客様、あるいは遊び相手か?) 対峙していき、笑いの中で問題を解決していく短編集第2弾。 いかにも「いるいる、こんな人」と 言いたくなるような苦しむ患者達の悩みの原因を 非常識な角度から叩き壊し、 解決に導く伊良部医師の姿を見て 心を癒されているのは ここに出てくる患者ではなくて 読んでいる私達のほうかも知れないと思った。 現代に生きる多くの人を悩ませているのは、 どうでもいい常識や、根拠なく作り上げられた現代風のスタイルや、 「空気を読め」といった流行り言葉なのだろう。 そんなものとは関係なく生きる 究極のKY伊良部医師の姿をうらやましく感じるのは 私だけではないと思う。 もちろん、自分が患者だったら 伊良部総合病院地下1階には決して行きたくないが。 | ||||
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あの伊良部が荒唐無稽に見えない。結構まともに見えて、自分は大丈夫か?と不安になった。 患者の職業が、オーソドックスな会社員以外のものである、という面では、患者はそこそこユニークかもしれないが、主訴や病状は決して荒唐無稽なものではない。 診断名が適切であるかどうかは別にして、全体を通じてなにか些細なことが気になって気になって気になって仕方がない、という点で患者の症状は共通している。 そして、いずれも、30代。責任ある立場になって相応のふるまいをしなくてはという気持ちが強くなっていたり、有能な後輩の出現にこれまでの自信を失いかかっている。 彼らはそろって、自分が中年であることを受容するときに、受容するために、心理的な動揺が引き起こされているのである。 そういった事態には、読者が現実を投影できるアクチュアリティがある。決して、荒唐無稽ではないのである。 したがって、主人公らの行動をそのまま模倣しちゃやっぱりまずいけど、なんとかなるさーというメッセージにリアリティは汲んでいいかも。 不謹慎な破壊力に大爆笑するよりも、なんとなくいい話になっている。ちょっと普通になっちゃったけれども、普通に面白い二冊目だった。 | ||||
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「女流作家」に出てくるマユミちゃんの意外な一面に驚かされた。 案外、直木賞受賞の決め手は、このマユミちゃんの以外な一面にあったのかもと思わされた。 当然、「インザプール」との比較になるが、 正直前作ほどの衝撃はない。 しかし、前作になかったハートウォーミングな結末が多いのがいい。 「ホットコーナー」なんて、ちょっと重松清ぽいし。 でも、一押しは「義父のヅラ」だろう。 ヅラという、ユーモア小説ではある意味禁じ手を使った小説であるが、 面白い上に、うまくまとめていて出色の出来だと思う。 「インザプール」もそうだが、この時期切羽詰っている 大学受験生が息抜きに読むのには最適だろう。 | ||||
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小説を読んでこんなに笑ったのは久しぶりだ。 人間みんなどこか可笑しなところがあるよね、というユーモアに溢れた人間賛歌。 飛べなくなった空中ブランコ乗り。 尖ったものが苦手な先端恐怖症のヤクザ。 義父である教授のヅラをはがしたくなる医師。 ボールが投げられなくなったプロ野球選手。 過去に書いた小説と同じ小説を書いてしまうのではないかと、気に病む女流作家。 それぞれの登場人物たちは、自分がどこかおかしいのではないかと思って伊良部総合病院の神経科のドアを叩く。 しかしそこにはそんな患者たちよりもっとおかしい精神科医、伊良部がいるのである。 丸々と太った体、子供のような言動。 伊良部に振り回されるうちに、患者たちはやがて、まわりの人たちも自分と同じような悩みを持っていることに気づく。 こう書いてしまうと陳腐かもしれないが、実際狭い世界にいると、本当ならこだわらなくてもいいような部分に固執してしまうのはよくあることだ。 僕自身もしばしばそうなる。 このおかしな医師、伊良部はそんな行き詰った人たちの視界をほんのちょっと広げてくれるのかもしれない。 日常に疲れた人に、ぜひおすすめしたい一冊である。 | ||||
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『イン・ザ・プール』を読んだときほどの衝撃はありませんが、 最高にイカれて、最高にイカした伊良部先生の魅力は健在です。 支離滅裂な理論、思うままに生きる伊良部先生に、 不審を抱き、翻弄されながらもいつしか元気になっていく患者たち。 バカバカしいほど自由な伊良部先生が、 ちょっぴりですが、うらやましいのは、私も同じかも。 個人的には、「女流作家」の伊良部先生のかっとび具合が最高でした。 | ||||
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文庫化になるまで待ったかいがありました。伊良部先生サイコーです。続きが気になり一気読みしてしまいました。通勤の電車の中で読んだのですが、笑いをこらえるのに苦労しました。皆さんこの作品を読むときは電車の中は避けましょう。 | ||||
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文庫になるのを楽しみに待って読んだ。読者のかたの評価もよかったし、シリーズ一作目であり、ともに直木賞候補になった『イン・ザ・プール』と比べ、本書の方が選者の評価が圧倒的に高かったし(本書でめでたく直木賞受賞)。おもしろい小説であることを前提で書くが、個人的にはいささか物足りなかったなあ。むろん、期待しすぎた面もある。 ひとつには、連作の難しさだろう。患者が伊良部のもとを訪れ、トンデモ精神科医に衝撃を受け疑念を抱きつつもペースに巻き込まれ、伊良部は患者のフィールドに無理やり入り込んでやりたい放題、そうしているうちに患者の症状は治まり心に小さな変化が訪れる・・・という定型パターンに、患者のパーソナリティや症状、伊良部の奇行が嵌め込まれ、バリエーションが生まれる連作短編。この枠組みはOK。ただ症状がどうしても似通ってしまって(強迫神経症系が多い)、新鮮味が薄れている気がする。 となると、伊良部の奇行の方に期待が移るのだが、こちらも要求が高くなってしまっていて、ちょっとやそっとじゃ満足できないのだ。『イン・ザ・プール』では伊良部が区民プールの窓枠から抜け出せなくなっただけであんなに笑えたのに・・・ 今やこちらに耐性ができてるため、空中ブランコまでやらなきゃいけない(!?)。できがよくて、よくまとまっていて、欠点が少なくて・・・というよりも、こんなへんてこな話は、多少のアラがあった方がご愛嬌、なんて思ったりも。 三作目の『町長選挙』(未読です)はなかなか厳しい評価もあるようだけど、先細りになりませんように・・・ ますますパンチのある伊良部作品、心から待っています。 マイナストーンのレビューになったが、期待の高さゆえ。おすすめ作品には変わりありません。 | ||||
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娯楽作品として、非常によくできた短編集である。おもしろい。小説に対する感想としてはこれで充分である。以下はとても個人的な付け足しである。まず、主人公の伊良部医師がひまそうであることが重要だ。ひまとは何か。助けを求める人々が接触したときに、「多忙を理由に門前払いを食わせない。診察を断わらない」ことを意味する。実は、患者たちの悩みはかなり深刻なものであり(一見そうは見えないように軽く描かれているだけで)、各々の人生は破綻に瀕している。だから何よりも大事なのは「まずそばにいる時間をとる」ことである。誰かがだれかのためになるための基本は「その人のそばにただいる」ことができるかどうか、である。これはかなり難しい。だから伊良部先生がすぐにビタミン注射をするくらいのことは、大目に見よう。 | ||||
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私は、荻原浩からこの奥田英朗に入り、これまでに、どちらの作家も全作読破したのだが、この二人は、読めば読むほど、本当に共通点の多い作家だと、つくづく思う。 コピーライターという前職からくる軽妙な文体、シリアスな作品からユーモア小説まで、どんなジャンルの作品でも書きこなしてしまう器用さということだけでなく、最も出来が良く、読み応えがあるのが、ユーモア小説などの肩の凝らない作品であることまでもが共通していると思うのだ。最後の点については、「真夜中のマーチ」の解説で北上次郎氏が述べているように、「最悪」や「邪魔」のようなシリアスな作品こそが大傑作だとする意見もあるようだが、私は、奥田英朗の本領は、やはり、「伊良部シリーズ」や、「ガール」などにあると思っている。 「伊良部シリーズ」には、この「空中ブランコ」の外に、第1作の「イン・ザ・プール」と第3作の「町長選挙」があるのだが、直木賞を受賞したからいうのではなく、この作品の出来が頭抜けている。 「イン・ザ・プール」は、面白いことは面白いのだが、全体的に、精神科に通院するに至った登場人物たちそれぞれの人間模様の描写が弱く、伊良部の面白さだけが浮き上がっているところがあり、それゆえ、中には、凡作も見られるのだ。また、「町長選挙」になると、シリーズ物の常として、ネタ切れ模様で、特に、どこかであったような話2題は、やたらと理屈っぽく、面白さも半減してしまっているのだ。 それに対し、この作品は、2作目ということもあり、作者の伊良部の活かし方も堂に入ってきており、面白さも全開であるだけでなく、登場人物たちの切羽詰まった人間模様の描写とのバランスが取れており、1作たりとも凡作がなく、全体が、高い水準でまとまっているのだ。特に、「女流作家」の胸が熱くなるようなラスト7ページは出色であり、単なるユーモア小説の域を完全に超えている。 | ||||
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伊良部先生シリーズの第1作の「イン・ザ・プール」がとても面白かったので、早速の第2作の本書を読んだが、第1作を上回る面白さであった。 ストーリー展開は基本的に第1作と同様で、様々な症状の心身症患者が伊良部先生を訪れて、先生の無茶苦茶な行動に振り回される中で、病状改善の糸口を見つけるというパターンだ。 今回は、空中ブランコがうまくできなくなったサーカス団員や、一塁への送球ができなくなったプロ野球の三塁手など、ユニークな症状を持つ患者が5名が登場する。それぞれの症状は外から見ると滑稽だが当人は当然真剣に苦しんでおり、その患者達が伊良部先生のやりたい放題の行動に振り回される姿は実に笑える。ただし本書の面白さはそのどたばたの中で患者達が、心身症になった真の原因に自ら気づいて立ち直りのきっかけを発見するところにあると思う。 5作のどれも面白かったが、個人的に暴力団の若頭が先端恐怖症にかかる2作目の「ハリネズミ」が、無理やり注射を打たれるシーンや、血判状を押すシーンや、対立するやくざの吉安と喫茶店で対決するシーンなど笑えるシーンが満載で一番気に入りました。 | ||||
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お話の中で登場する患者さん達の様々な症状、他人事とは思えませんでした。 自分もパニック発作で心療内科に行った経験があります。 本を読み終えてからは発作が出そうになると伊良部先生が呑気に言います。 「どうせ運動不足なんだから、ちょっとくらい心臓バクバクさせたほうがいいよ」 まったく、他人事だと思って。 身の回りの厄介なことが、少しずつくだらないことに見えてくる一冊です。 | ||||
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2時間ぐらいで読み終えました。 短編集なのでさくさくと進みます。 読んでいるこちらも伊良部に癒されます。 実際にこういう人が居たらやはり「変な人」って一歩ひいてしまうんでしょうけれど。 | ||||
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