■スポンサードリンク
(短編集)
空中ブランコ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
空中ブランコの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全281件 241~260 13/15ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「イン・ザ・プール」を読んで次の日にはこれを買ってしまった。本は好きだが、これまで本を読んで爆笑したことはなかった。登場人物がこんなにも生き生きとしたものが今まであっただろうかと自分の読書遍歴を思い起こした。「義父のヅラ」必読です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
五作品の短編集。ギャグ小説だ(笑)。読んでいて吹き出してしまう小説なんて数十年ぶり。「空中ブランコ」スランプに陥るフライヤー。キャッチャーのせいだと勘違いする。自分のせいだと分かり和解する。たった56ページの短編で僕は笑わされ、そして泣きました。直木賞はダテじゃないかも。「ハリネズミ」先端恐怖症のやくざの話。「極道なんてみんな弱いところがあるから、精一杯突っ張ってる訳よ」というセリフに涙が出た。「義父のズラ」「ホットコーナー」「女流作家」高尚ではないけど、これも文学かなあと。「メタファー」とかいう単語が出てくるほうがそれらしいけど、やはり娯楽ですから、「面白くてナンボ」というところもある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
トドみたいな風貌で、少年のような無邪気さというか、無鉄砲さを持った精神科医のシリーズ的な短編小説集です。すごく個性的な精神科医が、訳のわからない言動を以って患者を癒していく。精神科医に係る患者自体が自分のことを訳がわからないと思って来ているのだから、毒をもって毒を制すという印象を受けます。もちろん、作中の患者たちはそんなことは思ってないし、主人公の精神科医もそんなこと思ってないのですが、そういうところが、この作品のいいところかなー、とも思えます。患者たちは一様にすっきりして完治って訳ではないのですが、それなりに、まあ生きていくかー、という気持になることができ、最初に持っていた重い気負いがなくなります。精神病を扱うなんて重い気持になりそうなのに、読後感は爽やかになるってなかなかないと思います。なかなかよかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
珍しく本を読みました。それがこの本です。失礼ながら、この本が有名とも知らずに読みました。少し楽になりたい時に読むととてもいいと思います。1度はやってみたいことを、いっぱいやってくれている本です。ああいう大人になりたいな、と思いました(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の伊良部は、ただのおとぼけなのか・・・?あり得ないだろうと思いつつも、登場人物の患者と同じく、彼のペースに引き込まれてしまいました。読み手をも癒してくれる不思議な精神科医。素っ頓狂な応対に笑いと同時に変に納得もさせられてしまいます。どうぞ、お試しあれ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作の「イン・ザ・プール」と同系列ですが、続編ってわけでも。ひとつひとつの短編が独立しているので、これだけ読んでもOKですね。ただ、私は前作の方が好きです。続けて読んだので、こちらを読んだときにはそろそろ飽きていたというのもあると思いますが、イン・ザ・プールに比べて、こっちはどの短編も似たような感じで。どれも、環境が違うだけで同じような話でちょっと飽きがきます。でも、全体にはおもしろいので・・・退屈は感じません。ちなみに、前作のファンの方、あの濃ゆいキャラたちは相変わらず健在ですよ~!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は子供の頃から注射は苦手でしたが、特に針は恐怖を象徴します。伊良部一郎の診察とは、医学博士のそれからは程遠く、病院へ訪れる少々風変わりな患者の腕に突き刺さる注射針へ注がれます。患者の内に秘める畏怖の念へ差し込むメスでないでしょうが、注射は“水をそそぎかけること。転じて、じっと目をそそぐこと”を意味するそうです。「ハリネズミ」で描かれた劣端恐怖症の治療にある {針, 刺さる, 裂く} 表現は、医者が患者へ{注ぐ}治療よりも強烈な印象を覚えます。診察部屋の情景が、そんな注射の演ずる役割にかき消されそうな程です。主人公らしい伊良部一郎の内面描写は、患者に比べれば皆無といえます。しかし、強烈な個性を放つ患者と比べて、伊良部の発する言葉の鮮やかさに陰りはありません。精神科医にも関わらず体力的な治療の上に患者との接点を築いている点が、違和感無く共感を呼ぶ点も注目に値します。例えば「羊たちの沈黙」に登場するレスター博士扮する解析医と比べて、淡白で精神医学の’せ’も感じない伊良部博士に特別な秘密でもあるのでしょうか。高度な知識を宿した彼の内面を覗いたところで、鏡に映った自分の顔しか見えない様な気にさせられます。物事に失敗する事を恐れる私の面持ちを「空中ブランコ」に重ねて読んだのですが、集団の中においても超然とした個性を発揮する伊良部博士はとても魅力的で、彼の様に物事の流れを変えうる存在に近づく事が私の物事の捉える考えを変える術でもあると考えるに至りました。ブックカバーの赤ちゃんが年老いた伊良部博士と映る私は、彼の更なる診察記録/ 日記を読んでみたい一人となりました。空中ブランコというタイトルも、私のお気に入りです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても目に浮かぶから面白い。ただ、今までの「邪魔」などとはまったく違う作品なので、その点では驚かされた。主人公の突拍子もない行動が大変ゆかいだが、展開が同じなのでドラえもんや時代劇が苦手な人は飽きるかも知れない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第131回直木賞受賞作品です。読むまでは何か軽すぎる内容のようで少しばかり抵抗がありましたが、これが何の何のお・も・し・ろ・い!!伊良部総合病院の跡取(?)の精神科医伊良部一郎のその一見ハチャメチャな患者への接し方(=治療)にとにかく笑えます。この本を読んだほとんどの方はおそらく電車で、自宅で、学校で...、それぞれ読み進めた様々な場所でひとりニターッと笑ってしまった経験をお持ちだと思います。しかしそれでいてただのお笑い小説ではないところが流石、直木賞受賞作です。この伊良部先生、果たして完全なる天然ボケなのか、ただの怖いモノ知らずなのか、その5歳児並の行動にはひょっとしたら医者としての摂理と考えがあっての行動ではないのか!いや待てよ、そんな事はない、やはりただのボンクラな2代目なのだ、と思ってしまったりします。さらに短編作品の登場人物が抱える様々な〝イップス〟に接するうちに読んでいるこっちまで何かおかしくなってきた様な気がしたり、とにかく読み進める読者の脳さえも混乱に陥れる凄さを持っているかと思います。この世知辛い世の中はとにかく悩まない事が一番、思った事を言う事が一番、と思わせておいて「いや待てよ」と大人の思考がそれにブレーキをかける、といった事の連続でした。とにかくまだ未読の方、是非是非読まれる事をお奨めします。久しぶりに文句なく★5つ献上です。『空中ブランコ』の最後の場面、伊良部先生のブランコ乗りで首だけヒョイっと回した、というくだりを思い出すたびに今でも笑えてしまう恐怖の作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を読む前、私は育児に仕事に旦那との冷戦状態に・・・と精神的にボロボロでした。知人に紹介された精神科に、カウンセリングをいつ受けに行こうかとずっと思っていました。 ところがそれとはまったく関係なく、「空中ブランコ」が評判になっている話を聞き最近やっと入手でき、内容もまったく知らずに読み始めると・・・。もうゲラゲラ大笑い!!本を読んで声を出して笑うなんて滅多にありません。しかも何回も! 特に義父のズラは最高でした。そのうち、ふっと・・・あっ!私が今求めていたのはこれなんだ!わざわざカウンセリングになんか行かなくてもこの本がこんなに癒してくれる、と。また、レビューを読んでいたら、「インザプール」もお勧めとの事。早速買います!!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
精神科のお医者さんって、ずごーく気むずかしいような印象があるけれど、これはまるで逆。かなりめちゃくちゃなキャラクターの伊良部先生は重たい体にもかかわらず、フットワークが軽い。患者の症状をむしろ楽しんでしまっているような・・・それでいて、そんな伊良部先生の診察は結構治療になっているように思う。看板に落書きするところなんて、面白かったなあ。東大が東犬になったり、大井が天丼になったり。私も看板に落書き、してみたいなあ・・・これで立派な患者の仲間入りか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「よっ、ツルピカ大王!」が頭から離れない・・・。どんな時でも思い出しては笑ってしまいます。電車とかで読んだら、ヤバイかもっ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台は現代の日本。人間は人間社会が形成する周辺環境によって社会化された産物であり、日常生活における自己決定や選択でさえも、その社会性に束縛されることが多い。そして、時に、その社会性は人間から過度に自由を奪い、人間を硬直させ、ゆえに憂鬱に陥れる。“精神科医、伊良部一郎”を訪れるこの作品の登場人物たちは、初めは、伊良部の社会性の希薄さや稚気に圧倒されるが、そんな伊良部との出会いをきっかけに、自らの病を能動的に克服していく。第131回直木賞受賞作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
インザプールに続くこの作品。さまざまな悩みを抱えた人たちが近くの伊良部総合病院の精神科、伊良部のもとに訪れる。そこには患者もあきれるほどの医者伊良部が待ち受ける。どちらが患者なのかがわからかいとこがおもしろい。治療は伊良部流。しかし本人は特に意識していた治療ではない。伊良部と接する時間によって患者は悩みから開放されるなにかをつかむ。そこまでの過程がこれまたおもしろい。短編なのでインザプールを読んでない人でも伊良部ワールドをすぐに堪能できます。是非あなたも伊良部の世界へ・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いや~、楽しかった。そして、心が少しあったかくなった。満員電車で汗くさいおっさんが背中に張り付いても、許してしまえるほどに。 とにかく主人公の精神科医・伊良部のキャラクターが秀逸です。 大病院の御曹司でありながら、ついでに作られたような地下の診療室にいて、胸の谷間が凄いミニスカ・ボディコン看護婦がいて、注射好きで、カバのような容姿で、どこまでもイノセントで。それでいながら、いつの間にか自分のペースの中で患者が抱える心の問題を解決してしまって。 こうしたあまりにもできすぎの舞台設定は、実は読者を無防備な状態で物語世界に引きこむための道具なのかもしれません。 おそらくあなたも、読み進めるごとに、伊良部先生のファンになり、どこかにこんな先生いないかなぁ、と思い煩う、伊良部狂の患者になることでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本は〝友達がプレゼントしてくれたのですが、最初、主人公が〝精神科医〟なんて言うし、ちょっと読むのを躊躇してしまったのですが…通勤電車の中で読んでいて、思わず笑い出してしまい… 周りの冷たい視線が痛かった。って感じの小説です。でも結構共感なんかしてしまって… 今じゃ伊良部センセの大ファン!伊良部ドクター、何時も訳の解らない事を言っているようでも一理ある。そして何故か納得してしまう。思いっきり笑える。人は皆、ストレスと背中合わせで生きています。だからこそ伊良部ドクターのイタズラ心、思い出してみてください。子供の頃の純粋な心、思い出してみてください。きっと、スーッと肩の力が抜けて気持ちが楽になるはずです。「女流作家」この話を読んで泣いてください。〝人として忘れてはいけない大切な事〟を心に留めて下さい。最後の最後でこの本が単なるユーモア小説でないって事が解ります。心に残る本でした。ちなみに… 涙が出るほど笑える話は〝義父のズラ〟 友達の話によれば、渋谷に〝金王坂〟は確かに存在するそうです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
好奇心旺盛で、人の話を聞かず、注射好きで、患者の職種に興味を持つ精神科医が患者を治療する。私は主人公のトリッキーな設定に抵抗を持ちましたが、いつの間にかなくなり、言動に憧れさえ持つようになりました。患者との会話は読んでいて楽しく。患者の心理描写は丁寧かつ簡潔に書かれてる。患者が自己を見つめ、立ち直り始めるあたりに織り込まれてる軽いメッセージは素直に受け止められた。読後も良い。他では、味わえないバランスが絶妙な5短編をどうぞ。第131回直木賞受賞作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神経科・伊良部先生の診察室に訪れた”患者”それぞれを主人公にした短編5編。主人公の職業はばらばらだけど、共通しているのは「今までしていた仕事が急にできなくなる」神経症に悩んでいること。(『義父のヅラ』はちょっと違うが) 自分は大人だから、プロだから、仕事だからとがんばろうとしてもがんばれない。伊良部先生のはちゃめちゃな治療と対応は、そんな迷路にはまりこんだ人をバカにしてるのかのようだ。でも、読んでいるこっちが、イライラはらはらさせられるうち、伊良部先生の奇妙な世界に引き込まれている。プ、と笑っちゃうところも思わずのどが熱くなるところもある。 本を読んで癒されたいんだけれど、時間も、物語に入り込む心の余裕もないという人には、うってつけの本じゃないだろうか。面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞を機会に,この作品を読みました.悩み多き日本人を正確に描写し,なおかつ,その解決方法を提案しているような作品です.誰もがもつ不安感は,実は普通の事なんだと安心させるようでもあります.精神科医と患者という非日常の空間の中に,自分と普通の人の関係を考えるきっかけを与えるような,そんな作品でした. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『東京物語』など以前から奥田氏の本は何冊か読んでいましたが、ついに直木賞受賞ということでさっそく読んでみました。この『空中ブランコ』も他の作品同様温かみがあるだけでなく、本当におもしろかった!!本を読んで声を出して笑ったのは何年ぶりだろうっといった感じです。伊良部というネーミングからして私は笑えたのですが、登場人物が皆頭の中でイメージできるし、これは傑作としかいいようない。ぜひご一読を! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!