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(短編集)
顔のない敵
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顔のない敵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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西澤保彦が紹介していた『暗い箱の中で』(エレベーター内の密室殺人)を目当てに購入しましたが、対人地雷というテーマだけでこんなにバリエーションに富んだ状況、舞台、事件、謎を描いたミステリーが書けるのか、と驚愕した短編集。 少人数の登場人物のなかで緻密にロジックを積み重ねていくタイプの推理も好みでした。 | ||||
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デビュー作と1999-2006年頃に書かれた対人地雷をテーマにした短編6編。舞台はカンボジアだったり、日本だったり、ベルギーだったりロンドンだったりとなかなか楽しい。日本人の対地雷に取り組む人々が主人公になっている。地雷関連の話は連作だが、ちょっとづつテーマも異なっており、あきさせない。最後に収められているエレベーター内の殺人をテーマにしたデビュー作もなかなか読み応えあり。 他の作品も読んだことがあるような気がするが、覚えていない。 他の作品も読んでみることにしようと思う。 | ||||
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対人地雷をモチーフにした連作短編集ミステリーであり、一見すると書き下ろしのように思えるが、実はデビュー前の本格推理に掲載された短編を多く収録した著者の初期短編集である。 いずれも対人地雷を扱った著者らしいやや強引ともいえる論理展開が炸裂する。デビュー前からこの著者ならではの殺人行為に正義があれば、捕まらなくてもかまわない!というややズレた倫理感に支配された世界観はデビュー前からのものであったと分かる。 さらに、世界最小の密室であるエレベーター内での殺人を扱ったオマケもあり、そこで展開されるこれまた特異な動機もこの著者ならではだ。 作家の持ち味はデビュー作で全て出るというのは本当である。 | ||||
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トラップハウスを読んで作者がきになりました どのストーリー展開にい 楽しく読ませてもらいました | ||||
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対人地雷関係の短編六作と著者の処女作を含む。 前者はNGOメンバー絡みの作品と陸上自衛官絡み、両者が絡むもの、 どちらも絡まないものが混在します。 「地雷原突破」はまるで<ビートたけしのお笑いウルトラクイズ>のような 舞台設定で、犯人側の視点に立てば、いかに偽地雷を踏ませずに本物の地雷を 踏ませるかを巧緻な実践的論理で謀っています。 「利口な地雷」はテグス・ロッド・金槌という道具立てによる罠に陥ったかに みえた被害者がじつは犯人の策略で別の殺害方法をとらされており、 物語に逆説的な効果をもたらしています。 「顔のない敵」はカンボジアの対人地雷埋設区域の村に住む代議士の息子が 地雷の被害にあう。頭と手首だけ吹き飛ばされていることを疑問視され 殺人事件と断定。ミステリ的興趣よりも毒をもって毒を制すという考えが招いた悲劇に テーマの重さを痛感します。 「トラバサミ」は緊迫感に欠くものの罠探しのヒントが犯人の心理状態にあり、 一種のゲーム性を帯びている。同時にNGOスタッフとしてこのような擬似テロ行為は 断じて許されないと警鐘を鳴らしている(著者の想像に過ぎないと思うが)。 残る二編はやや質が落ちるような気がして竜頭蛇尾の感は否めないが、 総じて読み応えのある対人地雷ミステリといえるだろう。 | ||||
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対人地雷をテーマにしたミステリー短編+著者の処女作。 舞台やアプローチの仕方がバラエティに富み、本格ミステリーのパターンにもバラエティに富んでいる。 重いテーマーを扱っているが、エンターテインメント性も兼ね備えており読みやすい作品です。 | ||||
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著者の処女作を含む短編集。 ただ、この処女作がくせ者。 他の6編はいずれも対人地雷をテーマとし、登場人物もすこしずつオーバーラップしていて、 短編集として一貫したテーマを多彩な切り口で披露して見せた 高い完成度の申し分のない作品集といえます。 しかし処女作という「暗い箱の中で」がその統一感をぶち壊します。 この作品がそうまでしても収録したいできばえの作品かというと、 確かに動機とかエンディングとかいかにもこの著者らしい片鱗は伺えるのですが、 無理にここに収めるほどの価値があったかどうか疑問です。 この1作を除けば、大変優れた作品集だと思います。 | ||||
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◆「地雷原突破」 踏むとブザーが鳴る音響地雷が大量に埋められた仮想地雷原の 中にある、たった一つの本物の地雷だけを踏ませる方法とは? ◆「顔のない敵」 カンボジアのとある村。 地元選出の国会議員の息子が、地雷によって爆死した。 彼の死体は、頭部が半分吹き飛び、右腕も手首から先がほぼ消失していた。 現場には、彼を慕う、過去に地雷で右足を失った 少年の悲しみに沈む姿だけがあった――。 タイトルの「顔のない敵」とは地雷のこと。 地雷被害者は、無機物によって傷を負わされるため、復讐すべき 相手すら明確ではない、という含意が込められています。 タイトルと現場の状況から《顔のない屍体》パターンを連想しますが、さにあらず。 見事な《見えない人》のアレンジになっています。 その他にも、被害者の地雷に対する逆転の発想もあり、 全篇にチェスタトン風の逆説が横溢しています。 ◆「トラバサミ」 交通事故で死んだ新井は、地雷被害者支援のNGOのメンバーで、過激な思想の持ち主。 彼は死の直前、地雷被害に無関心な「醜悪な日本人」に注意喚起するため、 トラバサミというトラップを、ある場所に仕掛けたというのだが……。 新井の特異な思考をトレースし、トラバサミが仕掛けられた場所を推理する《安楽椅子探偵》ものです。 ◆「利口な地雷」 ◆「未来へ踏み出す足」 頭を地雷除去用接着剤で覆われた技術者の死体は、 報復のため、地雷に見立てられたものなのか? | ||||
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殺人の凶器としての地雷が利用される物語、表題作『顔のない敵』などの 作品は、もちろん悪くは無いと思ったが、やはり残酷過ぎる気がして、 私にはどちらかというと、『銃声でなく、音楽を』などの 地雷に関わる人間の周囲で事件が起こるという作品の方が、興味深く感じられた。 特に、地雷の恐怖、地雷除去NGOの苦労というすぐ思い至る面だけでなく、 人間関係や資金繰りなどのボランティアや開発途上国の醜い現実などにも スポットを当てた作品になっている点が、真実味や怖さ、命の重さを 改めて感じさせられたし、心に残った。 また、処女作は地震で停まってしまったエレベーター内という すぐ犯人が判る中での犯罪に走る犯人の動機はいまひとつだが、 普通の日常で簡単に普通の人が殺人を犯すことが起こり得る怖さを 感じさせられ、なかなか面白く思えた。 | ||||
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