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(短編集)
温かな手
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温かな手の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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設定ありきの物語なのですが、面白いし考えさせられました。 私も彼らに選ばれるようなきれいな心でいたいです。 | ||||
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異星人の名探偵の兄妹が、宿主(男女)の周りで起きた事件を解決していくという短編集。 ラストの「温かな手」以外は単純に良質な推理物で、他の方が書いた通り「別に異星人を探偵にする必要ないのでは…」という印象を持った。 が、最後の作品を読んで納得した。ラストの「温かな手」だけは確かに異星人が探偵じゃないとダメだと。そして、そのラストのストーリーがかなりの感動作でした。書き方は淡々としていて泣けはしないのですが、じんわり胸の中が温かくなります。 | ||||
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探偵役が人間型の異星人?で、兄妹それぞれが人間と同居しています。 彼らは、生物学の研究者であるヒロインが、ニセクロスジギンポという魚にたとえる、いわば人間に擬態した人間エネルギーの捕食者ですが、余分な栄養エネルギーや過剰な感情エネルギーを吸ってくれるという点での共生が面白い設定です。 それぞれの同居人の身の回りの事件を、彼らは人間以上の明察でさらりと解いてしまいます。 このSFっぽい設定、何のためにミステリに必要だったのだろう、と思って読みすすめました。さいごの「温かな手」では、その謎が解けるかと思いきや、違う方向に泣かされてしまいました。 そこで、疑問はこんどは逆のものになりました。これはSFなのに・・・なぜ、ミステリ部分が必要だったのか? そうしたらなんと著者自身が解説で、ミステリというお約束事の中の「探偵が異常に冷静で、ワトソン役もそれなり平然としている」というツッコミどころに対するひとつの回答として書いた、と述べていました。 これこそ一番すごいミステリの種明かしでした。本書のどの謎解きよりも、びっくりしました。 なるほど、そういう答えもあったのかと。 もしかして「メタ・ミステリ」? 著者は「茶々を入れるのが好きなだけ」だそうですが、してやられました。 たしかに、SFロマンにするには、もう少し兄妹のヴィジュアル描写やキャラクターを出すエピソードがあったほうがいいのかもしれませんが・・・ ・ ミステリでもなく、SFでもない、不思議な作品、もっと読んでみたい、と思うと、すぐあとに東川篤哉の文庫解説で、著者の他の作品が縦横に紹介されています。これも、心憎い仕掛けだと思います。 | ||||
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探偵役が宇宙人(?)というのか、異種生命体のギンちゃんとムーちゃんの兄妹。人のエネルギーを吸って生きている、という奇抜な設定で、ミステリにこの設定がほんとに必要なのか、と思いながら読み始めたが、不思議と違和感はなかった。 人間の持つ弱さを持っていない、という部分が必要だったのかな、と思う。探偵が人間であれば、もっと人間らしさのようなもの、心理描写が必要になってくると思うが、異種生命体ということで淡々と話が進み、だからこそ、殺人という行為の愚かさが際立ってくるように思う。そう思うと、この設定でよかったのかな。 ミステリとしても素晴らしいと思う。論理はしっかりしているし、納得できる。奇抜な設定に目がいきがちだが、二人の推理は奇抜ではなく筋の通ったもので、安心して読める。 どんなにうまく共同生活を営んでいても、いずれは別れがやってくる。人間と異種生命体が結婚できるわけもないし、ずっと寄り添っていきテイクの難しい。どんな風に別れるのか、それともずっとシリーズ化するような含みを持たせて終わるのか・・・と最後まで読んで、納得。人間の感情は理解できないであろうと思っていたギンちゃんとムーちゃんは、人間よりも人間らしい生命体だった。 | ||||
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人間に擬態し、人間の生命エネルギーを糧にする謎の生命体が探偵役、 そして、その同居人がワトソン役をつとめる、ロジック重視の連作短編集。 二組のカップル(ギンちゃんと大学助手の畑寛子、ムーちゃんとサラリーマンの 北西匠)が登場しますが、表題作以外で四人が一堂に会することはありません。 探偵役は、それぞれの同居人が遭遇する事件で、同居人が精神的打撃を受ける ことによって生命エネルギーの味が落ちないようにするため、事件の謎解きをする ――という特異な動機を持っているのが面白いところです。 ※各短編の内容については、「コメント」をご参照ください。 | ||||
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謎の生命体が探偵役という変わった設定の連作短編ミステリ。石持作品は『月の扉』に続き2作目の読了。 謎の生命体ですが、なかなかに面白い設定です。同居しているワトソン役が極めて論理的にポジティブに受け入れているところがまた面白い。 また、設定自体が相当に変わっているものの、ミステリ自体もなかなかよい出来です。別にこういう特殊な設定にしなくても短編として十分いけるんじゃないか。そういう意味で『月・・・』と比べると、ミステリとしての完成度は高いですね。 最終話もふんわりと終わらせる感じになっていて良い感じです。 | ||||
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人のエネルギーを吸い取って生きる異世界の生物(でも姿形は人間と変わらない)を探偵役に、その異性物兄妹(ぎんちゃんとムーちゃん)と暮らす男女との関わりをコミカルに描いた短編集。 石持さんの描く人はどうしても人の汚さが見えてしまうので、小説を読んでいても心から楽しめないところがあったのですが、異性物2人(匹?)の存在がその汚さを客観的に見ている視点があって、結構楽しく読み終えることができました。 一編一編の長さが良くて、ラストの一作の占め方も巧い。もう少し、この2人の活躍が見てみたいなぁとおもいましたが、このラストが良いのかもしれません。 | ||||
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帯に地球最強の名探偵兄妹とか書かれてて「はあ?」とか一瞬思ったけど、著者を信じて購入。 短編7つは連作ですので、最初から読むのがおススメ。いずれも完成度の高い論理展開と鮮やかな謎解きで痛快にさえ感じる。舞台もさまざまで飽きさせない。ともすれば、失笑しかねない設定の探偵役の正体だが、見事に描き切っておりさすがと思わせる。まさに「石持ワールド」か。一度でも著者の作品を読んだことがあれば分かっていただけると思う。 ちょっと棘があるけど、実は温かいみたいな。 以前は、人物の心理描写に独特のものがあり、入り込みにくい部分もあったが、今作ではすんなり入り込めた。素晴らしい。 この設定で、あと何冊かは書けそうな気もするし、実際読んでみたいが、ラストを読むとこれでよかったと思う。 探偵兄妹やそのパートナー2人の心理を思うとじんわりと泣けてくる。ああ、どうか彼らに幸あれと。きっと大丈夫だけど。 この本を読んでちょっと反省した。自分の魂はきれいだろうかと。 作中の畑さんや北西君のようにきれいな魂でいたいと思った。 | ||||
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正統派本格ミステリ短編集、ただし、探偵役が未知の生命体である事を除けば…。 もともと一編一編がしっかりしたつくりの良作ではあるのですが、それだけでは地味だったはず。 しかし、未知の生命体の不思議なキャラが、謎解きをより魅力的なものにしていると思います。 そして真の見所はラストの一編、題名にもなっている『温かな手』です。 なぜ(二体の)未知の生命体を主役に配したのか、作者の意図が、切ない真相とともに明かされます。 書き方によっては、もっと「泣ける」であろうほどの物語を、あくまでも淡々と綴っているところが、個人的には好きな作品です。 | ||||
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