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ブラックボックス



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブラックボックス
ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)

ブラックボックスの評価: 3.13/5点 レビュー 60件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(4pt)

現代が生み出した物語

変化が加速していく現代において、どちらへ進むべきか正解が分からず、時代に置き去りにされる私(主人公)の葛藤。人は周囲との比較でしか自分を測れず生きづらさを感じる一方で、断片的な記憶をたどると確かに生きてきた証があり、そこには人のぬくもりがある、そんなメッセージを感じました。
最近配信されたNETFLIXの韓国ドラマと似たようなメッセージ性を個人的には感じています。全くジャンルの違う内容ですが、現代が生み出す物語の着地点という感じ。匂いや味、感触と人間の些細な感情が細かく描写されていて、自分の記憶かのように脳裏に鮮明な情景が広がる体験をしました。(夢にもでてきました)
ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)Amazon書評・レビュー:ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)より
4065347432
No.4:
(4pt)

コロナ禍が浮き彫りにしたもの

帯の文章(ずっと遠くに行きたかった〜)が気になり購入。

ロードバイク用語が理解できない等否定的なレビューも散見されたが
理解出来ずともこの作品の根幹を理解する事に何の問題もない。

個人的にこの作品はコロナが浮き彫りにしたものに焦点を当てていると感じた。
端的に言えば本来動物であるはずの人間とその人間が営んでいる社会の不合理さについて。

象徴的な一文がある。
「サクマには、目の前の一つ一つは明確であるにもかかわらず、自分で選び取ったジョブを積み重ねるとゴールではなく破綻が待ち構えているのが不思議でならなかった。-------この疑問が解消されることは、どうもなさそうな気がしている」

作中には変わらない日々を指して「ループ」という単語が頻繁に出てくる。
未来など考えず狩猟生活していた頃と違い、
我々は職業を選択して日々ループしながら生きているが、
この先にあるものが何かわからず多くの人間が不安を抱いていると思う。

主人公サクマは衝動的な人間で、暴力行為を働いて職場を転々としている。
ここだけだと感情移入出来そうにもないが、ただ「ループ」を抜け出したいとも考えている。
主人公に自分を重ねる人は意外と多いのではないか。
読んでみて欲しい。
ブラックボックスAmazon書評・レビュー:ブラックボックスより
406527365X
No.3:
(5pt)

予備知識不要。とにかくポチれ

予めいろいろ頭に入れてから読むタイプの小説ではないと思います。このレビューも読む必要ないです。とにかくポチってアプリを閉じましょう。
ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)Amazon書評・レビュー:ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)より
4065347432
No.2:
(5pt)

予備知識なしがお勧め

途中飽きることなく読み進み、読後は、強烈ではないが、柔らかい余韻が長く続いた。この小説は、物語の背景やあらすじを知らずに読むと、より楽しめると思う。なるべく事前に書評等を見ずに読まれることをお勧めします。
ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)Amazon書評・レビュー:ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)より
4065347432
No.1:
(4pt)

戦場で負傷する話

元自衛隊員で区役所勤務の砂川の真骨頂というところ。

ロシアとの戦闘など言葉通りの「戦場」を描いた作品群の他、「臆病な都市」では都庁勤務の公務員というホワイトカラーを主人公にしていたが、今作はブルーカラーのギグワーカーを主人公にしている。ご本人の現在の仕事はなぐられる税務署員に近いだろうが、肉体労働者の感覚や思考を丹念にトレースした文体で、社会的な転落から再生まで描き切っている。

若い税務署員が笑ってるように見えた、というのがラスコーリニコフの「斧」に当たるのかな。別にロシア軍と歩兵戦をやっているわけでなくても人生は戦場で、ふとしたことで傷を負ったり何かを失ったりする。いまいち仕組みのわからない社会(=ブラックボックス)も戦場だと言えるか。

惜しむらくは選考委員が「プロレタリア文学」なんて言って変な先入観が生まれてしまったのと(津村記久子と同パターン)、バイク便や自転車便の非正規雇用・業務委託の不安定さなんてみんな知ってる話なのと(15年前ならもっと話題になってただろう)、良くも悪くも精緻で語り手と対象に距離のある文体が読む人を選ぶところか。あと、タイトルのつけ方から解釈するなら、作者の意図は「戦場」とか「社会」を描くことにあるので、主人公はあくまでも典型的で無個性な人物になっているのも薄味に感じる人がいる原因かも。
ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)Amazon書評・レビュー:ブラックボックス (講談社文庫 す 52-1)より
4065347432

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