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ひとり日和
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ひとり日和の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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フリーターの娘が親戚のお婆さんの家へ転がり込んで、一年間過ごした時の話。 別れて、出会って、また別れて。 吟子さんから何かを学びそうで、でも結局何も変わらなくて。 人間、自分の答えは自分で見つけるしかないし、実際に何かを得て変わるなんてことはあり得ないのかも。 でも、そんな現実が欲しかった訳じゃなくて、これはあくまで本だから…少しは良い刺激が欲しかった。 | ||||
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表紙からしてもう少し心が晴れるような物語かと思って購入してしまった。 平成になりたてくらいの時代のお話か、今読むとだいぶノスタルジックな感じ。 自分がもうどちらかと言えばおばあさんに近いせいかも知れないけど、主人公に感情移入出来なかった。 なんだか口の中に嫌な味が残る食べ物を食べた感じ。早く次の美味しいもので口の中をリセットしたい。 | ||||
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両編ともに20代後半特有の人生や仕事に対する悩みをいろんなかたちで描き、最後の数分のパートで悩みからの脱却・前進をそれとなく描写して終わる。良くも悪くも読んだあとに形容しがたいものが残る | ||||
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第136回芥川賞受賞作。 二十歳の知寿が居候することになったのは、二匹の猫が住む、七十一歳・吟子さんの家。駅のホームが見える小さな平屋で始まる奇妙な同居生活。知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋に心乱され、恋に破れて。 「見知らぬだれか」との同居、という意味では先日読んだ『すみれ』と共通する部分は多々ある。本作の方が先に書かれているということは、こちらで書き切れなかったこと、伝えたかった何か、または、違う視点からの違う何か、を作者は『すみれ』で描きたかったのかな…。 どうなんだろう。 淡々とした日常と描写が逆に内面のざわつきをえぐる。淡々と。じわじわと。 「世界に外も中もないのよ。この世は一つしかないでしょ」。 吟子さんの言葉は、何も経験して来なかった人の言葉ではないことがわかる。 何が楽しくて、年をとってから恋なんかして、何のために生きているのか。淡々と暮らしているだけに見える吟子さんの内に秘めたエネルギーは、知寿のそれには及ばないかもしれない。でも、いつか、知寿は吟子さんのような人間になってゆくんだろうな。 「一人暮らしは、いいものよ」 「若いうちに、家を出なきゃ」 「若いときには、」「苦労を知るのよ」 ひとつしかない世界の中で、私たちはもがき苦しみ、苦労を知り、苦労をして、かなしみ、楽しみ、生きてゆく。 それが、日常。 | ||||
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「芥川賞の偏差値」で偏差値60以上に位置づけられていたので、気になって読んでみた。 のんきなおばあちゃんと悩み多し若者のほのぼのとした生活を描いた物語。 自分よりも何周りも歳上なおばあさんと暮らす主人公。おばあさんの気楽さのようなものに、はじめは反発しつつも、だんだんと懐いていく。 母から独立することでオトナになりたいと思うも、2回の失恋を経験し、自分の弱さに気がつく。それらを経ることで、おばあさんの持つ「気楽さ」が「強さ」だったのだと心づき、自分も歳を取り、今の苦痛からラクになりたいと思い至る。 読後してまず、なぜ評価が高いのか、がわからない。 確かに年頃な女性と年老いた女性、両者の心理描写やは巧いのは分かる。途中で閉じることなく、一気に読んでしまったことも確か。 ただなんだろう、読後にスカッとしたり、物思いに耽ったり、「学び」があったり、することがない。 「純文学だから」と言われれば、返す言葉が無いのだが、自分には合わない小説だった。 | ||||
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『ひとり日和』 本作を一読するには、イメージ喚起がよくて、とても読みやすいものです。 平穏な日常を精緻な描写に仕立て上げた秀作なのかとは思うのですが、 どうもそれだけではない、何かがそこに潜み込んでいるようです。 恋愛、就職、同居するばあさん。そして主人公の盗癖を含めた或る種の性格。 小説に描かれるエピソードは、どれも淡々と突き放された(ざるを得ない)もの で、それは私鉄沿線のムーブメントに隠喩されるように、長閑さに幾許の思 いを残しながらも、ほぼ自動的に行き過ぎていってしまう、、切ないモノです。 主人公の別れに対する、また社会に対する不安までも、そんな日常に律せられ ながら進んでゆきます。ねえ、いなくなったら、わたしの写真も飾る?” そうたずねる彼女の居候する部屋をぐるり取り囲む猫たちの遺影には、 たった一つ、ばあさんの思い出せる最初の猫の名前しか付けられていません。 出会いも別れも、バイトも、就職も、恋愛も何もかも、、つまりはそんな風です。 それこそが著者には不安なのでしょうか。しかし何ごともそう突き放されて しまえば、それこそが日常、そして人生に他なりません。 どうにもこうにも、彼女の人生を彩るトピックは、それ以上に生じようがない。 そうしてまた彼女も、行き過ぎる他はない。一読の印象はそうしたものです。 しかしそうしたものに芥川賞の選考では石原、村上両氏の高評価が伺えます。 そこで些か極端な読み方をせざるを得なくなります。つまりこの作品には、 潜在的な暴力性が潜み込められているのではないか? そう読むならば、 作中にはそれを伺わせる描写が随所に見出されます。匂うのは不穏な空気。 漠とした不安。そして何もない日常の殻を打開する暴力性は、両氏の表現の 中核でもあることでしょう(選評には両氏とも触れていませんが)。それが、 二十そこそこの女性作家の感性を支える、今時の(悲)才なのかも知れません。 | ||||
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主人公の20歳の女性と、彼女が居候することになった家の71歳のおばあさんとの間で起こる、日常の些末な出来事。はっきりいってドキドキワクワクするような展開はほとんどありません。 そんな平凡な世界を扱いながら、じゃあ何が小説を支えているかというと、人物や場面の描写力なのだと思います。とくにいいと思ったのは、登場人物の性格が悪いこと(笑) 主人公は、怠惰で手癖が悪く、おばあさんに対しても「年寄りはずるいね」などと平気で悪態をつくし、一方のおばあさんもおばあさんで、勝手に主人公の化粧水を使い込んだりして、必ずしも若者の範たるような存在としては描かれません。 ただ、何ていうか、その不完全さがかえって瑞々しい、と思いました。描き方がうまいからなのでしょうか、二人のこれといって面白みもない共同生活や言葉のやり取りが、何だかとても味わい深いのです。 ただ、代わり映えのしない二人の共同生活も、お互いの心にそれなりの変化をもたらしてはいて、物語の最後、少しだけ成長した主人公が、自らの足で一歩を踏み出す姿は、何だかとても輝いて見えます。 エキサイティングな事件などなくても、日々の単調な繰り返しを通じて人は変わっていくし、変われるのだという、そんなことを描いた作品だと思いました。 | ||||
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「20歳の知寿と71歳の吟子さんが暮らした春夏秋冬」 帯のシンプルな言葉に惹かれて。 本屋で偶然手に取った一冊は。 最初から最後まで、さまざまな予感に満ちた一冊だったように思う。 第一に、発表当時24歳という同世代の作家が書く言葉は。 余計な飾りをできるだけ省いたような。 期待していた以上にずっと、素直に伝わってくる文章だった。 受賞から早数年が経ったことを考えてみると。 今はどんな言葉をつないでいるのだろうと。 ただただ率直に気になった。 第二に、今を生きる主人公たちの行き場のない不安が。 ありふれた日常の描写の中から、ありありと伝わってきた。 新たな変化に向けた、ささやかな予感とでもいうのだろうか。 ただしそれは、あくまでも“予感めいたもの”ものでしかなくて。 本の終盤では、少しばかりの消化不良も感じた。 とはいえ、作者の青山さんはまだ20代。 同世代の作家のこれからの活躍に、予感めいたものを感じるとともに。 他の作品もぜひ読んでみたいと、読み終わってみてあらためて感じた。 | ||||
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受賞が数年前なので、まだリーマンショックが起こっていない時期だ。 非正規社員やフリーターの生活が今ほど脅かされていないので、 こうしたぬるい主人公の考えを多くの若者が体現していたのだろうか。 風景描写は絶妙に上手い。 鈍行列車から眺める淡々とした風景を、 時には同じように見えるであろう風景を、 とても美しい言葉で表現してくれている。 頭にもすんなりイメージが湧くので、読み心地も悪くない。 だからこそ、登場人物に魅力がないのが残念だ。 せめて母親の再婚を軸に、もっと親子の人間関係を描いて欲しかったと思う。 ひとりでも良いから、主人公が成長するきっかけとなった エピソードを掘り下げてくれるともっと良くなったのになぁと思う。 ラスト、一見成長したように見えた主人公が なぜまた既婚者を選ぶのか不思議だった。 私には、結局何も変わっていないように感じる。 それを伝えたかったのだろうか。 | ||||
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2007年に第136回芥川賞を受賞した作品(らしい)。 カバーのデザイン・イラストから、著者の“瑞々しい透明感”を伝えようとしているのがわかる。 20歳の知寿は、自分を表現するのが苦手な、 今の時代にいかにもいそうな、そして今の時代の作家がいかにも書きそうな女の子。 一言で言えば、その視点は冷めているし、 それが著者の実体験してきた視点でもあるのだろう。 その知寿が一緒に暮らすことになった吟子は、 つつましやかで落ち着いた女性だが、同年代の男性と恋愛(のようなもの)をしたりもしている。 よくあるパターンでは、この吟子が知寿に対して人生の羅針盤のような役割を果たしたり、 何か標のようなものを与えたりするのだが、 本書ではそんな能動的なアクションは起こさない。 二人はただ一緒に住み、 その暮らしの中で知寿は少しずつ変わり、外に向かい始める。 (70歳の吟子には、ほぼ変化は起きない) 正直、どこが面白いのか、どこを感じ取ってあげればよかったのか、 分からなかった。 著者の“感性”で勝負する類の作品だと思うのだが、 本書においてはものすごい才能は(残念ながら)感じなかったし、 どうも「普通よりもちょっと文章の上手い、普通の子」という印象を超えない。 まあ、確かに(近年の)“芥川賞っぽい”作品では、ある。 | ||||
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芥川賞受賞ということで買っておいたものを、やっと読みました。「知寿」という女の子を視点に物語は展開しますが、これはまぁそのなんだ、あれに似ているなという気持ちにいきなりなって、しかしその肝心の「あれ」が思い出せないことと、しっかり書けていることで、芥川賞が得心できたように思います。いや、皮肉ではなく。「そうやって、知っている人を入れ替えていく。知らない人の中に自分を突っ込んでみる。楽観的でも悲観的でもなかった。ただ、目が覚めるとやってきているその日その日を、一人でなんとかこなしていく。」という「知寿」の自分の守り方も含めて、いい意味にも悪い意味にも「なにか」と「だれか」を思い出す、そんな作品でした。 | ||||
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芥川賞の時、村上や石原が激賞してたけど、そこまでなのかなあ、と。 お母さんとホテルで眠るシーンと壁にかけられた写真の裏に盗んだ物を放り込むシーンくらいしか印象に残っていない。 読んだのは南洋航海している船の上。半年も前ですが。 | ||||
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限りなくニートなフリーター生活、労働生活の象徴に使われる電車と駅、優秀な女性漫画作家が描くような軽めのモノローグ、崩壊した後の微妙な家庭、3世代に渡る女の恋愛、、etc. 構成がしっかりしていて、ユーモラスで気取らないモノローグ調の文体が、等身大の20代女性の感情の機微を書く。地味でこじんまりとしてるが、技術がある若手作家だと思う。逆に、たとえこじんまりとしてても、この程度までカタと内面描写がきっちりできてれば、今の時代では芥川賞が取れちゃうという目安のような作品。業界が売り出す「新人女流作家」って結局イロモノ的に売り出された人だけが生き残ってるので、この作品と作者の地味なところは好感持てますね。 村上龍がこの作品を褒めていたのは、短期間に一生懸命勉強したことを元に、チェスのコマのように登場人物を配して小説を書く彼には、こういう内面の機微をさらっと描く技術が無いからです。でも、逆に、彼のような小説世界や文章が暴発するようなスピード感は、この小説にはありません。(逆にそこだけが彼の魅力なのだが。)また、読者の人生観や文学観が変わっちゃうような壮大な世界観もそこにはありません。未だ小説にそういうものを求めてしまう僕は、星に3点をつけます。 でも、きっと特に20代の女性には楽しめる良い作品でしょう。この作者は売れっ子エッセイストになるかもしれないけど、安直にそういう道には行ってほしくないですね。 | ||||
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数年ぶりの日本社会復帰に際して、日本適応のための一つとして、 「最近の小説を読んでみる」を実行中。 本作は2007年上半期芥川賞、もはやジャンルとして確立されたという 噂もある綿谷りさ系作品だそうです。 芥川賞対象作品らしく、分量も少なくあっという間に読めました。 都会で、親戚のおばあさんの家で淡々と生きる20代女性の生活を、淡々と描いています。 部分的には会話が非常にリアルだったり、家から駅のホームが見えるおばあさんの 家の描写がはっと驚くほどきれいだったりするのですが、全体的にはあまりにも 淡々としすぎている上に、肝心の主人公の考え方が、30歳の自分にはあまりリアル には思えませんでした。 例えば中学生のとき読んだ、池澤夏樹の芥川賞作品「スティルライフ」の方が、 話自体はかなり現実離れしているし、主人公たちの年齢は当時中学生だった 自分とはだいぶ離れていましたが、非常にリアルに感じられました。 とはいえ、本作も最後の短い章の描写は素晴らしく、読後感は悪くないし、 読んだあと、小さいけど心に何かを残してくれる良作だとは思います。 | ||||
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個人的に好きなタイプの話ではなく、主人公のキャラが鼻につくまま終わったので★2下げましたが、人物描写のうまさに感服しました。 最初の1ページで、すごくうまい人だな、と感じます。 もっとも、一人称が少しひとりよがりで、風景がよくわからない場面もありました。 ただ作者・主人公と同世代ですが、共感はまるでできません。 あまりにも共感出来ないと、話に乗れないです。 主人公以外に共感、もしくは気に入るキャラクターがいればまだしも、それもなく。 ただ最後、主人公が少しだけ成長する所で救われた気がしました。 | ||||
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若い女性の世間に出る間際の視線。この題材はひとつのカテゴリーになっている。最近の話題作に多い。というのは、このカテゴリーに対して芥川賞、直木賞の選考委員が非常に甘いということなのだ。もちろん、内容は面白いが、文学として発展性、広がりがあるかといえば、疑問である。ちまちましすぎてないだろうか。作品の評価としては星4と思うが、傾向への警鐘として星3としたい。 | ||||
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なんとも普通の日常を描いた作品。 20歳の知寿と71歳の吟子さんとの奇妙な同居生活。 そこにあるものは・・・ はて、なんなんだろう? なんだか知寿のやるせない毎日が痛いです。 色んなトラウマがあるんだろう ちょっとした盗癖や 恋人との関係を悪い方悪い方へ考えてしまう癖。 マイナス思考の強い女の子、そんな感じだけど、 吟子さんとの1年間の同居で彼女が得たものは、 何者にも変えがたい者だったような気がする。 結局人は去っていく。 その寂しさを乗り越えて人は生きていかなければならない。 その切なさを改めて思い知らされる作品でした。 | ||||
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ここ数年の受賞作のなかにも、たびたび同じ空気を感じることがある。 「時代が持つ閉塞感とか気だるさ」・・・ 多くの人が手を変え品を変え、小説の題材にしているようだ。 たとえば、それを若い言葉で綴ると綿谷りさのようになり、 成熟した表現で綴るとこのようになるのかと思った。 その意味では24歳という年齢にしては、非常に成熟した文章を書く人だと思った。 ただ、面白く読めるのだけれど、あとに何も残らない。 何でもそうだと思うけれど、何かを追究している人の話には説得力がある。 だから、それが自分にはわからない世界のことであっても、いつの間にか聞き入っている。 あとに残るのは専門知識ではないけれど、その専門知識というフィルターを通して 語り手の熱意とか姿勢が伝わってきて胸が熱くなる。 この作品自体にはそういうものは感じられなかった。 しかし、要所要所にさまざまな気配が込められていて、言葉にせずに読む者を納得させる 説得力は強く感じた。そう考えると、平凡な題材をよくここまで・・・とも思えてくる。 賞というのは時代を反映するものだと思うし“今後”に期待して贈るものでもあると思うから これからこの人がどんな作品を書いていくのかちょっと興味がある。 | ||||
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普通の現代小説でした。 他にもいると思いますが、私は石原慎太郎、村上龍が絶賛したと聞き、これは(!)と思い受賞後すぐに読みました。 ですが。。。わからない! 今の人たちはこういう作品を文学と呼ぶのだろうか。 確かに現代人が抱えている孤独感、生きることに対する空虚さがひしひしと伝わってくる作品だった。言葉もきれいで、主人公と同居する吟子さん、中国でがんばるお母さんなど、登場人物の何人かには魅力も感じた。 しかし、、、、今は選ぶ側に回った石原慎太郎が書いた太陽の季節やその他にも歴代の作家が、本でしか表せえない悩み、苦しみ、人間の美しさ、汚さ、青春の輝き、などなどを表現し、読者はそれに同調し感動を覚えるのが、、、本だと思う。という私の意見は決して外れすぎていないと思う。"本”だと期待して読んだ私にはすべてが薄められているように感じた。 現代小説としては十分読めるが、なぜこれほど絶賛されたのかはとても疑問です。芥川賞受賞作とあまり構えないで読んだ方が期待を裏切らないと思う。 | ||||
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タイトルが全てを物語る、まさに「ひとり日和」な小説。 首尾一貫して主人公の一人称視点で描かれていて彼女で目線で世界は切り取られ、表現されている。2時間もかからず読めるので、サラッとどうぞ。 フリーターで20才の主人公、居候先の70才の老婆との邂逅が本作のメインテーマ。その他、主人公の母や、恋人など周辺の人々に刺激されながらも日常は淡々と進む。主人公と老婆の会話はまるで言葉遊びのようにポンポンと進み、その点では心地良い。現実的な感じではないけどね。ところどころ描かれている主人公と老婆の妙なライバル、対抗心は興味深かった。期待しすぎたのかな、芥川賞と構えずに読めば少しは変わったんだろうか。 個人的には芥川賞受賞は「???」だった。 何でもない日常に目を向け、そこに登場するのは特別ではない普通の人。それを卓越した感性で切り取りって表現している。独自の表現と感性…でもその手の作家は近年増えてきている。すでに芥川賞を受賞している伊藤たかみや綿矢りさも同タイプの作家ではあるが、あちらとは読後感が明らかに違う。残念ながら「ひとり日和」は何も残らなかった。 これで芥川賞なら、どうせなら柴崎友香に賞を取ってほしかった。 「わたしは思春期のころから、母の若々しさとかなれなれしさが、心の中ではいちいち気に障っていた。理解されないことではなく、理解されることがなんとなくいやなのだった。」 本文80ページより | ||||
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