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(短編集)
扇野
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扇野の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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主人公にも支える側にも、焦点があるのはいつもながら、 構成が素晴らしくてどの短編も余韻が残ります。 タイトルの話の、扇は、絵の主要なアクセントであり、 また、二人の女性のそれぞれの想いや行動とも重なってるんですよね。 目立たない振る舞いの裏にある、奥ゆかしさやまごころ。 競い勝ち称賛を求める風潮とは異なる視点がいつも考えさせられる。 | ||||
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年のせいでしょうか。一つ一つ読み終えるたびに「ぐぐぐぐ」となるのは、どうしようもないです。 最後の「滝口」と「超過勤務」を除いては、どうしてこんなに泣かせるのかと思うぐらい感動的でした。 一つの言葉でグッときます。おおもわず、本に赤線を入れてしまいます。 例えば、「つばくろ」では、「暖かくなればね、燕も帰ってくるし、母さんも帰ってくる」とか 「扇野」では「心を込めて落としたあの扇子があなたの絵の中に残るのですもの」とか、 「三十ふり袖「」では「わたしが着れば三十ふり袖ですけどそれでもいいでしょ、おばさん」とか きりがありません。 何度でも読み返したくなる短編集です。 | ||||
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この短編集は男女、夫婦間の愛情についての作品が収録されている。 表題作「扇野」は主人公、栄三郎へ一途の愛を捧げるおつるの二人へ、 幸せとなってほしいと願う少女おけいの、心の広い優しさが眩しいばかり である。 そして、ただ一つの現代小説である「超過勤務」は山本周五郎の晩年の 異色作で、その野心の結晶となっている。にほん屋百貨店の輸入品整理部 に勤める副部長代理の木内は、今でいう窓際族で、散々こき使われた 挙句用がなくなればポイと捨てられる、いずれその日が来ることを思い ながら自嘲的に自分を見つめる主人公の悲哀というものを描いている。 | ||||
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先日鳥羽へ観光に行った先の旅館でこの小説が紹介されていました。 鳥羽を舞台にした表題作「扇野」は、絵師栄三郎と芸子おつるの恋愛物語です。二人の愛を見守る少女おけいの告白がこの物語の最もぐっとくる場面です。 男女や夫婦の愛情のすれ違いからくる苦難や葛藤。それらを乗り越えて最後は愛情を再確認するというのが大きな流れとなっていて、一つの愛を貫く尊さが作品全体のテーマとなっています。 他では「三十ふり袖」、「つばくろ」が心の琴線に触れる秀作でした。やっぱり周五郎の作品は良いですね。 | ||||
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断じて、そーなのである。この短編集は、周五郎道の探求者にとって「愛情もの」と呼ばれるジャンルを主に集めたもの。当然、ぐぐぐぐ、おおおおお!と、なるわけである。特に「つばくろ」から「扇野」「三十振り袖」「滝口」の四廉ちゃんはスゴイ!最近乱読しているので並大抵では動じなくなってしまったワタクシだが、これには電車中といわず、昼飯のラーメン屋といわず、即頭がグワングワンして困ってしまった。さて、愛情ものといってもいわゆる恋愛小説といえるのは扇野以降の3本。つばくろまでは夫婦間の思いやりや優しさを描いた(こういうとすごくつまらなく聞こえるが)いわゆる愛情もの。なかでも「つばくろ」のような話はあり得ないと思うのだが、ここではツバメの巣と3歳児大助の存在が光る。恋愛もの3本ではなんと言っても「扇野」いちいち場面が美しいのだ。海での別れのシーンがいい。こんなかっこいいことを言う女が時代小説にいるだろうか?さらにこの一編が深いのはおけいの存在だ。周五郎の作品中でも一二位を争う美しい小説だ。三十振り袖は落語調の人情もの。「滝口」これも深い。おりうのようなファムファタールを江戸時代を背景に描くとは!とてもモダンかつ知的な恋愛小説。すばらしですね。 | ||||
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