ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
評判
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の評価:
4.10/5点 レビュー 228件。 S ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全273件 101〜120 6/14ページ
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の評価:
4.10/5点 レビュー 228件。 S ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
今、北欧ミステリーのブームが静かに続いていて、次々に質の高い作品が紹介されている。
その中には、この「ミレニアム」シリーズよりも以前に書かれた作品も少なくないが、
なんといってもブームの火付け役は、この作品だったに違いない。
「名物に旨いものなし」という言い方があって、本についてもベストセラーはつまらないという説があるが、
しかし世界中で2100万部売ったというこの小説は、文句なし、掛け値なしだ。
もちろん好みや相性もあるだろうし、世間で売れているからといって安心できないのはもっともだ。
だが売れているだけでなく、業界の目利きの褒め方も半端ではない。
たとえば『ライラの冒険』シリーズの原作者、イギリスのフィリップ・プルマン。
日本ならたとえば書評の王様のような故・丸谷才一。
いずれも絶賛である。
つまりこの本を手にとった読者が満足する確率は、相当高いということだ。
面白さにおいて、北欧ミステリーの最高峰というだけでなく、
この数年の世界のミステリーの記念碑的なヒットだろう。
すぐにスウェーデンで、またのちにハリウッドでも映画化されたので、
映画だけご存じの読者もあると思う。
映画の評価も悪くないようだが、映画を見てまあまあとか、あるいは大したことがないと思い、
原作もその程度だろうと思うのならとんでもないと思う。
もしかするとずっと後悔する誤りである。
スウェーデンの辺境の名家で起こった遠い過去の失踪事件。
迷宮入りとなり、忘却の彼方に消えた謎を解き明かす、というのも
ミステリーの王道を行く本格推理の面白さがあるが、
作品の真の魅力は、独特のヒロインの造型にある。
リスベット・サランデル。
これはもう歴史的なヒロインと呼ぶしかない。
謎の過去、抱え込んだ心の闇、異様なまでの反社会性、とんでもない能力、
気持ちの激しさと強さ。
ツッパリでいて子供っぽくもあり、真っ直ぐでいてヒネクレている。
過激さと繊細さの混じり合い、表立った派手さと秘められた影の同居が絶妙である。
むしろ昨今の日本の新しいマンガに見られるようなこの強烈な個性は、
いわば時代の子として広く共感を呼ぶのではないか。
当然のように物語は、
一方でそれ自体興味深い犯罪を解き明かすことを軸にしながら、
同時にそこに関わるリスベットの物語でもある。
謎解きそのものは最初は静かに進行するのだが、
複雑なものを背負ったリスベットへの興味がまずあるのでそれが面白い。
何よりもヒロインが、そしてそれに関わる人間像が魅力的なのだ。
もちろんミステリーとしても一流である。
舞台がスウェーデンという馴染みのない土地であるのも新鮮に感じられた。
3部作のこのシリーズ、本当は5部構成の構想だったそうで、残念ながら作者は途中で突然亡くなったという。
これだけ売れるとも知らず執筆途中で亡くなってしまったのはいかにも気の毒だが、
そう知ってしまうと読者としては、幻の2部の分、損をしたという気持ちもないではない。
だがあえてここで言ってしまうと、次作はさらに、微妙に趣向を変えてヒートアップする。
まだまだ謎めいたヒロインのこともだんだんわかってくるだろう。
こんな物語が三作も読めるというのは、やはりぜいたくな話に違いない。