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心眼



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【この小説が収録されている参考書籍】
心眼

心眼の評価: 3.00/5点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

時代遅れの捜査法に固執する刑事の成長物語。

警視庁捜査共助課「第二捜査共助捜査共助係」は「見当たり捜査班」と呼ばれ、街頭に立ち、通り過ぎる人々の顔を見続け、指名手配犯を探し出すのが任務だ。その部署に配属された片桐文雄、29歳は、交番の勤務や所轄で成績を上げて、早く本部に採用された。この男、実にバカ真面目だ。
なんとなく、時代遅れの感じを受けるが、コロナ禍の物語だ。とにかく、アナログで指名手配犯を覚える。基本は、目元を覚えていて、マスクをかけていても見つけることができるという。
新たに就任した捜査一課長は、SSBC(捜査支援分析センター)と鑑識課が持つIT技術を駆使した最新の捜査手法で犯人を見つけ出した。監視カメラのデータを分析して、犯人を割り出す。現在は顔認識ソフト、行動様式分析ソフトがあるので、確かに時代遅れなのだ。
本部に顔を見せないが、稲本警部補は次々に重要指名手配犯を発見し逮捕する。普通はチームプレーで捜査するのだが、稲本はあくまでも一匹狼的捜査方法なのである。片桐はどのように指名手配犯を見つけ出したのかを稲本に聞くが、何も教えてくれない。指名手配班のグレードによって、点数が違う。多くの点数を取れば、出社しなくてもいい。稲本は、名画映画館やジャズ喫茶で過ごす。片桐は稲本の居所を割り出して、ジャズ喫茶に会いに行く。遅かったなと言われ、お子ちゃまと軽くあしらわれる。片桐は、稲本の手法を真似て、捜査するが、見つけられない。
稲本は、心眼で見ろと言われていたことを聞く。その人の生い立ちから、全てを把握して探し出すのだ。捜査一課長の見当たり捜査班を廃止するという発言に、係長、稲本は一緒になって反撃する。
個人情報による捜査のあり方を問題にしている。警察は、Nシステムという自動車のナンバーの判別はもはや使われている。監視カメラによる監視社会は、中国でもはや実行されている。個人は特定され、携帯電話はGPSで捕捉されている。こういう職人技の捜査方法は、日本ならではの物語だ。継承の仕方も日本的だ。自分で習得するしかない。まぁ。物語としては、刑事成長物語として楽しめる。
心眼という言葉が気に入った。
北尾吉孝は「心眼には二つの大きな働きがあると考えています。一つは自己すなわち自分自身の本当の姿を見るということです。これは、中国古典で言う『自得』に通ずることです。もう一つの心眼の働きは、自己以外の他を見ることです。この働きは相手の心を読むということです。
この二つ目の心眼は一つ目の「自得」がある程度出来るようでなければ他人の心あるいは様々の物事の真の姿などはっきりと見られるわけがない」という。
いずれにしても、物事の本質をつかみ出して、人を心眼で見抜くということは必要だ。
心眼Amazon書評・レビュー:心眼より
4408538272

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