■スポンサードリンク
顔のない裸体たち
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
顔のない裸体たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
社会の暗部にいる人を描こうという意欲作ではある。 しかし、ネットにおいての人間関係の希薄さの問題を語ることから、 第二の主人公ミッチーの犯行は必然とは言えないのではないか? 話の運びが雑に感じたし、意図的に少ないと思われる文章では「?」しか 浮かばなかった。 そしてクライマックスは尻すぼみであるし、話としての不幸度も中途半端。 それがネット時代、ひいては現代の特徴といえばそれもそうかもしれないが、 それを説明せずに読者にその特徴を理解させるのも一理あるにはあるが、 内容自体が現実の世界にいくらでもありそうなことを描いているのであるから、 説明がないのは合理的とは思えない。 やはりもう少し掘り下げるなり、より多くの事象を並べるなりすべきではないだ ろうか? ※ちなみに本書は過激な性的描写を含んでいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本は、装丁的にもそうですが過激な性描写やネットの怖さが目に付きます。が、本当に筆力を感じさせるのが「書き手の位置感」。描写における対象と書き手の距離の置き方が絶妙。なので過激な表現でも読者が耐えうるだけの作品に仕上がっています。物語を書こうとする人にとっては参考になる一冊になるかもしれません。他の作品に比べ文章が読み易い(おそらく想定したターゲットにあわせているのだろう)ので「平野啓一郎」の名前で手にとった人にはちょっと物足りないかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
過激な性描写が印象に残っただけで、他は何も心に残らなかった。 バーチャルなネットの世界における危険性や、人間の二面性などを伝えたかったのかもしれないが、私にはひどく質の悪い官能小説くらいにしか思えなかった。 芥川賞作家・平野啓一郎の名前だけで読んでしまった・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ネット社会が、常識化してから、まだ、社会は10年ほどしか経過していない。それだけに、それが後から出来た便利な道具のレベルにしか考えていない熟年層と、まだ、白紙に近い子供の頃から接し、決定的な影響力を受けてきた若い世代とでは、その意味も違う。 いまさらながらに、大きな警告を含めて描かれた本作は、単にネット社会の危険という当たり前のことを警告している、と考える層と、ここに描かれた世界が、いかに、想像以上に危険で、しかも、身近で、当たり前で、一般的な優等生でさえも、簡単に陥る可能性を秘めた世界として間近な恐怖と捉える層とに分かれると思う。 一般に警告といわれるものは、黄色のイメージであるが、ネット社会の危険性は、社会的エリートさえも破滅させる力を持つ赤のイメージがあるし、その身近な危機感が、今回のこの作品を生むことに著者を赴かせたのだろう。過去との徹底的な違いは、安易さであろう。とにかく、簡単、安易に取り返しのつかないことが出来るという点である。 著者にとっては、どうしても描いておきたかった視点の作品だろうし、ただ、物語としては、最後の詰めがもう一工夫欲しかった、という点、4つ星にした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
現実があった。目の前に恐ろしくリアルに見えた。でも、この現実に私もいるのかもしれない。そんな恐ろしさを感じた。48歳にして思うにこの世界は遠いといってくれる人がいるだろうか。もしかして、明日からこの世界の住人に自分が置かれるかもしれない。 まるで、昭和30年代の方たちが大いに筆を振るったときのあの時代を予感させるようなそんな作品に思えた。歌がはやり、映画は明るい時代から影を差すようなそんな予感が・・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は中学校教師、吉田希美子。 彼女は出会い系サイトを通じ、ある男性と付き合い始める。 彼の趣味は、性行為を撮影することだった。 「平野啓一郎」が書いたという、ただそれだけの事実が、 この作品に何らかの付加価値を与え、結果として、 目を通す人も増えるのかもしれない。だが、それだけのこと。 無名の新人がこれと類似した作品を出しても、 見向きもされないような内容だと思う。 話も淡々と進み、無難に終わる(それが悪いと言う訳ではないが)。 今更ながら社会への警鐘を鳴らしたかったのだろうか。 平野氏の作品にしては、難解な表現は鳴りを潜めているので、 読みにくくはないが、長所といえばそれくらいだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出会い系サイト、ウェブのエロサイトへの投稿なんて、道具立てだけはイマっぽくしているけど、結局は、ヒロイン、ミッキーのアイデンティティの崩壊ってありきたりな主題。しかも崩壊してゆく自分をただ眺めるだけの木偶=ネット上のアイドルという位置づけでしょうか。 一方の主人公ミッチーの方はもう最初っから壊れてるよね、こいつ。ただこんな壊れた奴も普通に生活しているのが現代だというのも、ワイドショーで語り尽くされた話。 だから、どうした? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山に捨てられたエロ本を観察したみたいなこの本 ネットやテレクラやSMに投稿ビデオなど、平野くんが一生懸命観察したの? って、冷めてしまう代物です。 日常と性が混同されていく二人の生い立ちに、性癖、ビデオの映像と書いているだけで、そこに狂気は微塵もない。 健やかに執筆活動をしていると、こういうミーハーな観察日記でも書きたくなるのか。ネット社会に潜む歪みもない。 繰り返し「お○○○○」を連呼してるだけのエロス、淋しいほど稚拙だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ノンフィクションであるような感じ。 現代のインターネット事情による日常のあちこちで起こってもおかしくない話。 結構リアルな感じなので、女性も敬遠せずに読んで欲しい一冊です。 本当、これを読むとどこで撮られた写真が出回るかわかりませんね・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平野啓一郎は初読でした。古典ものがどうしても読めず、敬遠していましたが 今作はSEXを扱っている点と文体が読みやすく100Pちょっとで薄めなので 読んでみました。世間での出会い系サイトに関するトラブルといった「読者に好奇心を向けさせる題材」と その裏にある事件を起こした男女が、TVのニュースを見て事件を知る私達と実はなにも変わらないという「共感性」。。 事件も現代っぽいのですがやや唐突な感じを受けました。事件前の心理描写の方がきっとメインなんでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ろっきいのプログ「しばわんこ」にこの小説の書評を載せています。 ご覧ください。平野啓一郎『顔のない裸体たち』[...] 雑誌『新潮』で読みましたが、単行本を手元に置いておこうと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
鮮やかな時代性が感じられるノンフィクションノベル風中篇小説。男と女の「事件」に向かって収束していく展開にリアリティが溢れているのは、生い立ちから遡って丹念に分析的に心情描写を積み重ねているからだろう。「性」という観点から(かなり赤裸々に)人格がどのように形成されていくかを描き、そこにインターネット社会の「匿名性」が絡んだ場合に、どのような作用をもたらすのかが詳述されている。衝撃を受けながらも激しい共感を抱いて貪るように読んでしまった。形而上的なものを論理的な言葉でもって構築していく手腕に驚かされる。短篇「高瀬川」がこのように進化、深化を遂げていくとは思わなかった。著者の確実な手応えのようなものを本作から感じ取った次第。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不思議なことに、私自身、露出の趣味はもちろんありませんし、またネットにはまっているわけではないで、登場人物の趣味には共感できないのですが、とても親近感がわきました。 出会い系サイトで知り合った男性と、性的な関係を持ち、さらに野外で露出することや、恥ずかしい行為を行う女性は、自分とあまり変わらない人間なのではないかという気持ちにさせられたのです。 きちんとした生活を送る自分と、淫らなこともする自分がいるであろうことをはっきり認めることができた、ある意味、気持ちのいい小説です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!