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タナスグ湖の怪物
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タナスグ湖の怪物の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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突拍子もない驚くべき設定で読者を楽しませてくれる英国ミステリー界の異才ミッチェル女史が晩年の1974年に発表した怪作の紹介です。今年2008年は長崎出版から出された「ワトスンの選択」に続いて本書が著者の2作目の紹介になりました。本書は当時流行していたネス湖のネッシー伝説を作品に大胆に取り入れて、非常にわかりやすい物語になっています。著者お馴染みの名探偵で、魔女の血を引くというミセス・ブラッドリーの妖しい魅力は健在で、登場場面はやや少なめですが今回も確固とした存在感を示しています。 スコットランドのタナスグ湖で恐竜の姿が目撃され、サー・ハンフリーが発起人となって遠征調査隊を募ります。偶然ハンフリーの娘が友人だったミセス・ブラッドリーの孫サリーが参加する事になり、滞在する内に湖のざわめきに恐竜の気配を察知します。そしてサリーは偶然に立ち寄った山小屋でメンバーのゴシップ好きの女性の変死体を発見してしまい、いよいよミセス・ブラッドリーが現場である湖へと赴き真相解明に乗り出します。 死体が早くに警察から自殺と判断され、人好きのする人物でなかった為に悲しまれもせずに皆から忘れようとされている状況で、ミセス・ブラッドリーは殺人者の存在を確信し、秘書のローラと共に容疑者達を尋問し一生懸命に追及を続けます。推理の部分では自殺の動機となる手紙等の工夫が見られますが、伏線や手掛りを追って犯人を突き止めるというミステリーの常套を本書に求めるのは難しいでしょう。やはり異世界の生き物である恐竜の登場場面が最大の読み所で、時に微笑ましく時には威厳を持つ神の如き存在として雄姿を見せてくれます。大っぴらに姿を見せるのでなく善意の人々の前にだけ姿を現し世間から隠れて神秘さが保たれる所に好感が持てます。また著者の信念を強く感じさせる部分として、悪人が最後に何故か自ら墓穴を掘って自滅するパターンが本書にも踏襲されています。他に類を見ない新鮮な恐竜ファンタジーの怪作を存分にお楽しみ下さいね。 | ||||
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