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覇王の轍
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覇王の轍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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一気に読んでしまった。私は後期高齢者だが、かって大手マスコミで記者をしていた。道警本部、警視庁、警察庁での取材経験もあり、政官財を巻き込んだ経済事件では、その後警察庁長官になる人物の関わりを取材中に、公安筋から私の冤罪情報を流され左遷された。当時、親しくしていた警察幹部から会社に冤罪である旨を証明してやると言われたが断った。この本を読みながら当時の苦々しい記憶がよみがえった。この本は、警察組織を中心に綿密な取材を元に書かれている。実際にあってもおかしくないストーリーだ。今、鹿児島県警察本部の本部長による隠蔽疑惑が表面化して、連日、マスコミが意図的に流された警察情報をあたかも特ダネのように報じている。この様なときに、この本に接することができ、大変感謝している。 | ||||
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贈賄側は2500万円渡したと主張するが、収賄側の使途が確認できたのは1500万円。1000万円の差はどうなったのか? ただそれだけで、起訴が不可能になるとは思えない。 また、収賄を要求した動機が何であれ、贈収賄として捜査2課が立件しない訳はないし、その背景まで解き明かす必要はない。環境衛生上の過失致死と殺人という全く異なる問題を、なぜ2課単独で扱うのか、全く分からなかった。 それにしても、内容は分かりやすく、面白かった。 | ||||
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北海道警と警視庁との贈収賄の合同捜査と、別物と思われていた死亡事故が繋がっているという展開が大変面白い。 〈ここからネタバレ〉 最後のドンデン返しは良いんだが、政権が変わった後の主人公達のリベンジをもっと書いて欲しい。松田官房副長官や北海道警、JE北海道の摘発、また個人的には伊藤への何らかのペナルティ?が読みたい。大部になるだろうから、続編でお願いしたい。あの結末のままではスッキリしない。 | ||||
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最後まで面白く読んだ。国鉄を日鉄、JRをJEと表記してフィクションだと断っているものの、かなり現実をベースにしたお話となっている。読みやすい。リズムも良い。人物造形も素晴らしい。 難点も幾つか。まず、怪しい奴はこいつだな、と中盤でわかってしまうこと。安部元首相だと思われる人物への表層的な批判。同じく、選挙演説ヤジ事件への安っぽい理解など。ストーリーにはまるで関係がなく、著者の浅薄な知識が邪魔だ。 | ||||
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「アンダークラス」や「ガラパゴス」、「不発弾」、「レッドネック」、「震える牛」など、常に同時代の矛盾や理不尽、不公正に対して、決して赦さないという信念をもとに書き上げられている作品群はいつ読んでも共感できるし、もっとこの作者の作品が広く読まれて少しでもこの国がよくなって欲しいと願うばかりです。 また、単に社会に対する正義だけを主張するのではなく、ミステリーとしても、そして人間を描く小説としての完成度も高く、いつも読後感がよく、心に元気と勇気を貰えます。 今回の作品も、組織の論理に抗いながら真実にたどり着いてゆく主人公の姿を応援しながら読みました。 とてもハイペースで出版されていますが、決して書き急ぐことなく一作品、一作品、深く掘り下げてじっくりと良作を紡ぎ続けて欲しいと、ファンの一人として願っています。 でも、次は、「心眼」「サドンデス」が待ってくれています。 今から読むのが楽しみです。 | ||||
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あくまでフィクションなのでなんでもありなんでしょうけれど、国交省の人が厚労省管轄の仕事をして規定を変えるといってなぜか殺される?工事現場で人が無くなっているのに労基署がなぜか現場に入らない。小説の中でもJE北海道は新幹線を営業するだけと記載しているのに、JE北海道が建設現場を何故か管理している?話が成り立ちにくくなるからだろうけれど、金を溶かすのにわざわざ効率が悪く見つかりやすいホストクラブを使う?ってことは善意だけでなく、やっぱり男遊びをしたかったのでは?って突っ込みたくなりますが・・・。 さらに事故現場のトンネルはシールド工法で掘削していることになっているため、トンネル内の地山が崩れるような危険なリスクが最も無いはずだが、その様なリスクが何故か高いと言っている?建設現場で人が亡くなったら何故か半年は現場が止まる?保険金もどのような仕組みで何に対して掛けていたものが支払われているのだろうとか?ついつい日本国内の設定で現実に近い組織の名前を使って書かれているため、現実と比較してしまって、読み進めると突っ込みどころが多く、私が良く分かっていない警察の部分に関しても、多分、結構ありえない事がちりばめられて書かれているのだろうなっと想像すると、結構、フィクションというのは怖い、現実を良く知らない読者を変な印象へと誘導する力があるのでは?という恐怖を感じました。 | ||||
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鉄道行政を取り巻く臨場感あふれる社会派サスペンス。 巨大組織が絡む悪質な隠蔽案件。 闇から闇へと葬り去られるのか。 50年以上前の轍は呪縛となって今に。 事件の真相究明にキャリアの女性刑事課長が奔走する。 | ||||
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鉄道を巡る深い闇を描く小説。北海道を舞台に壮大なストーリが繰り広げられる。 | ||||
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著者らしいしっかりとした構成で、北海道新幹線をめぐる事件をベースに展開されて読みごたえがある。 意見無関係の事故と思われる出来事が、本筋のストーリに絡んでくる手法は見事。 キャリア女性刑事の立ち位置の揺れ動き方も違和感なく、関係者の思惑が見え隠れする中展開はじっくりと読ませる。 惜しむべきは犯人の手法についての疑問。 全体的には社会問題にも切り込むしっかりした公正なだけに、なおさらこの人だけもっと他にやりようがあるじゃないかという違和感が残ってしまう。 それでも全体を通して魅力的で、余韻がある終わり方も良い。 | ||||
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北海道警捜査二課長に着任したキャリア警官が、公務員の贈収賄事件を指揮しながらも、国交省技官の転落死事件を捜査し、やがて隠蔽された事実を暴き出す社会派ミステリー。 丹念な捜査だけでなく、自らの信念と警察官僚としての立場で葛藤する女性主人公の姿が描かれている。 思いもよらぬ逆転劇で、辛うじて後味悪い終わり方は回避できましたが、もしかしてノンフィクションの部分もあったりしたらと考えると気が滅入ります。 | ||||
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おもしろかったです。 アンダークラスも読み直しました。 | ||||
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中だるみなくイッキに読んだ スケールが大きいね チャンと伏線まであるのに感心した。 この人に ほとんど ハズレがないような気がする。 ぜひ一読あれ 退屈させないこと 請け合います | ||||
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社会派の作家として社会の仕組みの裏側をノンフィクションとして面白くサスペンス的に物語として成立させている相場英雄さんの小説は大好きです。 皆さんもいかがですか・・・ | ||||
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前作「アンダークラス」、本作「覇王の轍」よい社会派推理小説だった。 近頃の推理小説の中では、なかなか無いね。 面白かった。 共通するのは弱い者を救うこころ、正義を貫く姿勢。 「アンダークラス」では「ゼロの焦点」を思わせる箇所があった。 本作も清張作品を思わせる箇所があった。 おっさんにはジ~ンと響きましたよ。 次回作期待してます。 | ||||
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「覇王の轍」というタイトルから本格的な新幹線建設に関するスキャンダルに切り込むのかと思いきや、実際は建設に関する事故の隠蔽と病院汚職のお話しで、予想外れでした。 警察組織の描写も時には詳細、正確でありますが、上司であるはずの刑事部長や本部長がほとんど出てこないのはもの足りません。また、核となる殺人事件の解明(誰がどのように指示したか)がわからなかったです。それでも、最後にはサプライズがあり、460ページを一気によませる筆力はなかなかのものと感服しました。 | ||||
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作者は社会的問題点を殺人などに絡めて深部を書いている。 461ページと読み応えのあるボリュームですが、最初から最後まで飽きることなくストーリに魅せられました。最後はいつぞやと同じ展開か?とも思われましたが、希望が持てる終わり方で良かったです。 ガラパゴス、震える牛と共に面白かった。 | ||||
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すっかり “本格” が復権し逆に “社会派” の影が薄くなったと感じる昨今のミステリ界隈にあって、“ゴリゴリの社会派” を貫き独り気を吐いている感のある相場英雄。今回の巨悪はいずれも仮名に変えてはいるものの、JR北海道、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(要は、かつての鉄道建設公団)、そして政権党と多士済々である。北海道警を巻き込んで事故・殺人の隠蔽はするわ、司法権に介入して起訴事実は捻じ曲げるわ、とやりたい放題で、まるでマフィアや麻薬カルテルに支配されたどこかの国のようだ。剝きだしの暴力が出てこないだけに却って怖い。 …で、こんな大変な世界に対峙する主人公は、キャリアの女性警察官で、また強行犯担当の刑事一課でなく知能犯担当の刑事二課長なのであった。読み始めの頃は「なんで?」と思ったものだが、ストーリーの展開上、二課長でなければ具合が悪いわけね。なるほど。 主人公が「巨悪許すまじ」と闘志を燃やし、また義憤に駆られるのは著者の作品ではお馴染みのことながら、本作ではほどよく権力批判の力みを抑えた感じで、エンタテインメントに比重を置くことに配慮しているようだ。 ストーリーは二転三転というか、どんでん返しの連続。大団円かと思いきや主人公が足を掬われ、後味の悪い結末と思えば最後のオチがあるという具合で、流石にちょっと捻りを加え過ぎだろう。そもそも物語の最終盤で暗躍する役人の総元締め・内閣官房副長官が描写されるとおりの影響力を行使できるなら、大掛かりな事故の隠蔽も殺人もなしで事を収めることができたんじゃないの? 登場する悪役の言動や心理描写も些か類型的で、兎角分かり易い善悪の型に嵌めたがる悪癖を感じる。同じジャーナリスト上がりでも、この辺が横山秀夫のストーリーテリングの妙に及ばないところだ。 満点とはいかないまでも、面白い作品に仕上がってはいるので、星4つ。 | ||||
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「覇王の轍」(相場英雄 小学館)を読み終えました。 主人公は、樫山順子。キャリア警官である彼女は急な異動により警視庁本部から北海道警察本部へと異動になり「北海道新幹線」を使って、北海道へ着任します。早速、彼女は歌舞伎町のホストクラブで散在する公務員による贈収賄事件に駆り出されます。その収賄側の捜査と贈賄側の捜査と並行して背後にあるであろう二つの事件・事故が描写され、読者には割とシンプルな贈収賄事件だなと思わせながら、(前半は展開が静かでした)その事件は実は背後にある二つの事件・事故が浮かび上がることによってより大きな<巨悪>の存在を露にしながら発展していきます。丁寧に組み立てられた事件には、我が国の凡百の警察小説を超えた視点が存在しているようで、そのストーリー・テリングに熱中することができました。但し、スリラーである以上その物語の詳細を明かすことはできません。 映画のトレイラー風に、新函館北斗駅、革新と保守勢力が拮抗する地盤・北海道、北海道新幹線延伸工事とフラッシュしてしまっても本当はいけないのかもしれません(笑)。お許しください。また、このスリラーの持つ美点を語ることもできません。 スリラーの読者としていくつか不満を書けば、主人公・樫山はとても清廉でありながら、キャリア警官としての立場をわきまえつつより現実的な立ち回りをする大人のキャラクターとして描写されていますが、敢えて女性である必要があったのかどうか?作者のねらいと私が受け取るべき意義の間に少し乖離があったと言えばいいのか? また、時折インサートされる<巨悪側>のストーリーが弱いため、その<巨悪側>のふてぶてしさが最後まで伝わらない印象が残りました。 しかしながら、そのタイトル「覇王の轍」へと収斂するテーマ性の高さ、巧緻に仕掛けられた事件そのもののアーキテクチャの美しさ(相応しくない言葉かもしれません)、何よりこの国に昔からあって、いつまでたっても無くなることのない既得権益層へのひとつの警鐘が静かに、高らかに奏でられていることに感銘したことを記しておきたいと思います。 「覇王の轍」を手離すことで、この国がより賢明な国であってほしいと願ったりもしました。勿論、私のような個人に何ができるのか?という自戒を含めて。 | ||||
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