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(アンソロジー)
淑やかな悪夢
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淑やかな悪夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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期待した内容では無かった | ||||
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主に20世紀初頭に活躍した女流作家の怪談を集めたアンソロジー。女流作家ならではの生理的嫌悪感や酷薄さを期待したのだが、全体として平板な出来。 殺人や恋人の裏切りによって悶死した人間が幽霊化する、と言う様式がパターン化されており、しかもそれが登場人物に認知されているので、オドロオドロしさが感じられない。そうした幽霊が家や土地に取り付く、いわゆる地縛霊となって登場人物を驚かす(あるいは呪い殺す)と言うのもパターン化されている。洋の東西を問わず、こうした考え方は共通なのだと思った。怪談と言うより、因果譚である。 その中で、編者シンシアの「追われる女」は小泉八雲を思わせる、定番とも言える怪談のスタイルだが、作品の構成力で一気に読ませる。そして、世評の高いシャーロット「黄色い壁紙」は、繊細なヒロインの心理の細かい変化で展開を繋ぎ、徐々に恐怖感を盛り上げて、えげつないラストに持っていく秀逸な作品。 書かれた時代が古いと言う事もあって、作品も古めかしさを感じるが、それだけに味わいのある怪談を描ける素地があった筈だ。もう少し、捻りや切れ味のある作品が欲しかったと思う。 | ||||
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冒頭「追われる女」は力の抜けるような駄作。アスキスの名前は他のアンソロジーでよく見かけただけに残念。編むだけにして、自分では書かない方が良いのでは? ここでの拾い物は、前評判通り、ギルマンの「黄色い壁紙」に尽きる。 大体において、一人称のミステリアスな短編というのは、主人公の狂気がだんだんと判明してくるという文法がほとんどで、これも手法的にはそのパターンなんだけれど、その女主人公の様態が、○子というか・・・リー○ンというか。 あまりにも有名な和製ホラーのイコン、あるいは同じくハリウッドの悪魔憑き映画のヒロインを彷彿とさせる。(長髪、正気を失ってあり得ない姿勢で・・・と言えば。連鎖的に、例のスパイダーウォークを想い出しました) 今なら小池真理子とか、いくらでも書ける人はいるんだろうけど、この作品が大昔に書かれたというのがやっぱりすごい。ごく普通の、どこにでもいるような主婦が、ただ「気が触れる」だけで世にも恐ろしい怪物になり得るという可能性を見事に突きつけてくれたわけである。シャーリー・ジャクスンの「くじ」もそうだけど、不条理オチそのものに馴染みが薄い当時の人々にはそりゃインパクト大だろう。 蛇足ですがこの作品、現代では専ら歴史的なフェミニズム論のテキストとして使われるらしい。ホラーファン的には実にもったいない使い方だと言いたいが。 他の作品は正直読むのがたるかった。幽霊屋敷騒動を描いた「空地」は、ブラックユーモアが効いていてそこそこ読めたけれど、お金を出して買うほどの価値はないなーというのが総論。 | ||||
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