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(短編集)
おまじない
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おまじないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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鷹揚でありたいと思いながら、そうもいかない日常。 もっと、気楽に 「ヘイ ヘイ」「モイ モイ」 と過ごしたいと思いました。 | ||||
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長濱ねる氏が絶賛していて、「私って正直だから」と言いながら、相手に対して単に失礼なだけの人がいる、という趣旨のことを言っていた。その元ネタになったのが、一番反響も大きかったという「孫係」。このタイトル、似たような漢字二つ、共通する意味が続いていて面白い。よい父を演じるが冷めているおじいちゃん、そして周囲と違ってひねくれ者だが良い子や孫を演じてしまう主人公が心を通わす。でもそれでいい。常に正直でいる必要なんかない。 「私たちの体のすべてが私たちの意志で動くわけではないんですよ。何か大きなものに動かされているんだ。それを社会と言うのかもしれませんがね。とにかく、ゆだねられるところはゆだねましょう。私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ」 シェイクスピア「お気に召すまま」を彷彿とさせるセリフ。「世界は舞台のようなものだ。そして人はみな舞台俳優に過ぎない。」 演じることが自分の役割だったり相手への思いやりだったりする。それは全然かまわない。ちょっと難しいなと思うのは、演じているうちに、本当は自分が何をしたいのか?がよくわからなくなってしまうこと。だからそんな簡単な話ではないのだけど、演じている自分に嫌気がさしているという人には、刺さるセリフだと思う。 出産を経験した人でないと書けない臨場感あふれる「マタニティ」。漠然と出産と育児にあこがれていたのに、いざ妊娠してしまうと不安と恐怖にかられる主人公。しかし「ただこのからだで生きてゆくのだという、妙な実感」で幕を閉じる。どんなに理想から遠くても、どうあがいても、出発点は今の自分しかない。(しかもその「理想」とは、社会の期待だったり、もっと厄介なことに、社会が自分に期待していると勝手に思い込んだりしている幻の理想や呪いだったりするのだ。) だったら今の自分を、強さも弱さも含めて認めよう。それは自己肯定感と近いようで異なる、自己受容である。決意という言葉からは程遠いセリフに思える決意ながら、私たちに必要なのは、楽観も悲観もしすぎず、そういう弱い自分、不完全な世界から出発して、少しずつ進んでいこうという勇気なのである。 文庫版の巻末にある長濱ねる氏との対談も面白い。(長濱さんがずっと敬語で、西さんがずっと関西弁ため口なのは??) 「コンプライアンスは素晴らしいが、ずっとコンプライアンスは堅苦しくてやってられない」というのは、多くの人の本音だと思う。何一つ心置きなく話せた時の精神的な解放感。それはすごくわかる。また、コンプラの陰で、何か見逃しているもの、見落としている視点、取り残されている人はないか?という考え方も必要だと思う。 一方で、完全にタガを外して何でも好き放題に話せること、それが「自由」なのかというと、それも違う気がする。乱雑な言葉や悪口を使い続けていると、行動や気持ちまで投げやりで失礼になってくることがある。言霊とはよくいったものだ。そんなことを考えさせられた。 「自分をよく見せるためにうそをついてしまったときに、それがだれにばれてなくても自分が分かっていることは一番つらいじゃない?でも、嘘をつかずに清廉潔白で正直に生きるというのもやっぱり無理だから、「嘘をついてしまった」と言っていく、そういう正直さなら遂行できると思って。」 →おー、西さんでもその程度なのか、それなら安心! | ||||
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最高 | ||||
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「燃やす」 男らしい女らしいを求められるのも その逆をすると変に喜ばれるのも違う。 「私が可愛いことは、悪くなかった。」 という言葉は、繰り返したくなる女性がたくさんいるんだろうと思った。私の好きだった人の事が浮かんだ。 「いちご」 変わらない物を確認したくなったのかな。 浮ちゃんのいちご食べてみたい。 「孫係」 係を務められるだけで確かに偉いと思った。 でもやっぱりそれには素の自分を力まず理由なく好きにならないとダメかなと思った。 「正直な事と優しい事とは別。」 最近少し喧嘩した友達に言いたくなった。自分の思いを説明できる言葉をもらえた。 おじいちゃまとおばあちゃまみたいな素敵な2人になりたいなと思った。優しさで係をちゃんとこなして、2人で悪態ついて、最高だと思う。本当に素敵だと思った。 「あねご」 切なくなった。心臓がギュンとなるくらいに。 笑われるのは本当に辛いな。 「あなたが居てくれて良かった」と言われたい。大切な誰かに言いたい。 「マタニティ」 好きだった人が読んだらどう思うだろう。と考えた。私は女性だけど好きになるのは女性で、子供を産みたいと思った事は一度も無くて。 弱さを自覚する事が、たまに目を背けたりしながらも向かい合う事が、次の自分に繋がる。 急な勢いで妙にテンション上げたり、不自然な凪のように落ち着きはらったり、しなくて良いんだ。揺れても泣いてもそれが自分だ。と思った。 「ドラゴンスープレックス」 私が思う私だけが私。自分で決めていい。当たり前の事がちゃんと伝わって来た。 でも私は私をどうしたいのか、へなちょこで分からなくなる時がある。 だからこそこの言葉を大切にしよう。 全体を通して、 主人公たちが心の中で呟く言葉やそのリズムが自分にはとてもしっくり来た。弱さとかが似てる気がした。みんな汚い言葉や思いを持っている時間があると思うと安心した。また読み返してみたい作品になった。読んで良かった。 | ||||
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先への一歩を踏み出す前に、他者からの何気ない一言で気づきを与えられる女子たちが主役の短編集。 小学生、モデル、キャバ嬢、演劇スタッフ、ハーフの高校生などの大きな波乱のない日常が描かれている。それぞれの、深刻ではないもののつまづいている感は、誰もが共感を覚えることだろう。タイトルと同名の作品はなく、これはテーマを表しているんだね。 お気に入りは、帰郷した崖っぷちのモデルと変わらぬ人「いちご」、周囲へ合わせてノリで過ごしキャバ嬢になった女子「あねご」、自分嫌いな小学生と祖父の触れ合い「孫係」の三作品。 | ||||
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『燃やす』の焼却炉のおじさん、『孫係』のおじいさん。あなたはそれでいい、何も間違っていない、そう声をかけてくれる人たちです。自分の中の身勝手な部分、計算高い部分ばかりに気がとられて、一歩を踏み出すことを恐れているとき、彼らの言葉ほど頼みになるものはありません。 「あなたは、悪くないんです。絶対に」(『燃やす』) 「それは思いやりの心からくるんです。」(『孫係』) 純粋さを求めるあまり、臆病になりがちな人の背中を、優しく押してくれる言葉です。そして、自分がこの世に必要とされていることを、知られてくれる言葉でもあります。 | ||||
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長濱ねるがインスタグラムで良いというから買った。女性目線の珠玉の短編集だと思う。僕は西加奈子を読むと、いつも西川美和の映画を連想してしまう。 | ||||
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とても良い | ||||
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興味があるったので面白かったです | ||||
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女性として生きることの困難さに思いをはせながら、妻から聞いたこれまでの遍歴に思いをはせながら、娘たちがこれから経験するであろう困難を案じながら、読みました。 とりわけ、前半の「燃やす」「いちご」「孫係」「あねご」は印象に残りました。 ページをめくり進んでいくにつれ、涙があふれてきます。 どうしてもっと優しくしてあげられなかったのか、受け止めてあげられなかったのか、愚かだった男の私自身を呪いたくなります。 どうしようもない私ですが、今となってはかなわない夢かもしれませんが、妻を、娘を、優しく包んで抱きしめたい。 そして、「あなたがいてくれて、本当に楽しいです」と言いたいです。 女性にとって救いになる言葉になると同時に、愚かな世の男たちに気づきを与えてくれる、そんな一冊です。 | ||||
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色々な境遇の少女、女性が、自分自身の弱いところや嫌な部分(と思っているところ)と向き合う姿勢に引き込まれる。 少し変わった人、と周りからは思われるようなタイプの主人公もいるが、自分を真正面から捉えるところは潔いし、ある意味きちんとしている。 自分との向き合い方を教えてもらえる。 | ||||
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西加奈子さんの作品はずっと気になっていましたが、初めてこちらを読みました。文章の書き方がとてもユニークで面白かったです。「孫係」の中にある「 豚汁をきっちり1人分だけ作れる」という文章に惹きつけられました。このたった一文におじいさまがどんな性格であり、どんな人柄なのか、沢山のことを想像させる文章で読んでいて面白かったです。これはどういう意味で作者は付け足したのか?どういう意図があるのか?など、想像力を掻き立てられます。心が軽くなるような魔法の言葉が詰まった本です。 | ||||
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はじめて西さんの作品を読みました。 長編は手が出しづらいなと思っていたので、短編なら読みやすそうと思ったのと、女性をテーマにした作品に興味があったので。 色々な設定の女の子が出てくるけれど、設定や性別が大事なのではなく、それぞれが個としての悩みを抱えている、という書かれ方に西さんの真摯さを感じました。 特に「燃やす」は、つらくて忘れたかった記憶を「あなたは悪くない」と抱きしめてもらって、大丈夫だよ、と言われている気持ちになりました。 その時の自分に必要な言葉をくれる本というのが人生で時々あるけれど、そのうちの一冊になりました。読めて本当によかったし、ありがたかったです。 | ||||
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西さんの作品の中ではずっと『漁港の肉子ちゃん』が一番だったけれど、『おまじない』はそれに並ぶくらい良かった! 「おじさん」が出てくる短編集と聞いて最初は???でしたが、読んでいるうちに『ⅰ』の「自分以外の誰か、それも、自分を愛している誰かではない、ほとんど『世界』に等しい無関係の誰かに『それ』を言ってほしかった」という一番好きな場面を思い出した。 西さんの描く世界はいつも優しいなあ。 一気に読んでしまったけれど、読んだ後にどの作品が好きだったかじっくり他の人の感想も聞いてみたくなる一冊。 私は一番初めの「燃やす」が好きでした。 | ||||
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