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逃亡者



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【この小説が収録されている参考書籍】
逃亡者

逃亡者の評価: 3.32/5点 レビュー 22件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 1~20 1/2ページ
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No.22:
(3pt)

トランペットの歴史

ウィキペディアで調べたら、面白いなぁ。昔の音色を色々想像する時間が、この本のおかげできて楽しい一日でした。

戦争にて失ひし命 時間 
トランペットの高く貴い命の響きよ
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
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No.21:
(4pt)

非常に良い状態の商品を受け取れた。

注文後、予定通りの日数内に、非常に良い状態の商品を受け取れた。とても満足している。
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No.20:
(1pt)

約600ページ 1冊で売り切ろうとした。

上・下の2巻に分けたら下巻は絶対に売れない。そういう出来栄え。版元はそのことが分かっていて1冊にした。商売としては常道だろう。
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4344035933
No.19:
(2pt)

ベテランになるほど素人臭さが増す不思議

作者はかれこれ20年近くのキャリアを持つ。
私が初めて読んだのは、わりと初期の頃に書かれた「掏摸」。
全体としての雰囲気が本作品と似ている事、また、本作品の"B"と酷似した登場人物が出ている事から、掏摸を再度読見直し比較した結果、掏摸の方が明らかに良いという結論に至った(あくまで主観)。
何故だろう、あれから10年以上も第一線で書き続けてきた作家だというのに。
文章もどどこか稚拙に感じた。
意味のよく分からない装飾的な文がいたるところにあり、ストレスだった。
掏摸を読んだ時のようなスルスルっと最初から最後まで読んでいけるような爽快感が全くなかった。
かなりがっかりの作品。。
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
4344035933
No.18:
(1pt)

えーと

お話部分は正直イマイチ。
所々に出て来る歴史のお話(ややアンチ右派)でハッとさせられるところ所はあれど、お話としてはどうなんでしょう?
話広げてる割に回収しないし、それなら無理な設定つけなきゃいいのにとか思う。
過去何冊か読んだけどいい加減これでは次読む気になんない。
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4344035933
No.17:
(5pt)

中村文則さんの集大成

これまで様々な悪を描いてきた中村文則さんの集大成。読後、究極の悪とも言える戦争というものについて考えてみたくなります。
中村さんのファンなら必読です。
初めて読む方にも中村ワールドに入りやすいと思います。
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No.16:
(4pt)

大学生のうちに読めて良かった一冊。傑作

トランペットを主軸とし、数ある物語が収斂されていく見事な構成であった。歴史的背景の叙述の仕方がやや左寄りなので一部読者からは反発がありそうだが、個人的に2020年を代表する傑作であると感じた。

途中、戦時中にトランペットを所有し天才奏者として恐れられていた鈴木の手記が100ページに渡り綴られているのだが、ここだけインパクトが強すぎて大衆小説の中に戦争小説の代表作である大岡昇平の『野火』が袋とじで挿入されているような錯覚を覚えてしまった。現代社会を生きる主人公の政治的思考とトランペットを通じた恋人との出会いや悲劇と、戦時中を生きた鈴木のトランペットを主軸とした恋、キリシタンの対比では受け取るウェイトが違いすぎる。かなり難しい二項対立であるので多くの作家が書くことを憚りそうな構成に挑戦し、上手くまとめあげた中村文則の手腕は見事であったが、個人的に500ページにまとめるのは無理があったのではないかと感じた。あと150ページくらいあれば傑作中の傑作として長きにわたり語られる作品になるのではないかと個人的な意見。

中村文則の初期作品である『銃』、『遮光』と同じ「何かを所有し変化していく」主人公が描かれているが、これまでとは全くテイストが違う。初期作は世の中の不条理に対し、物を所有し内面が変化し狂人と化した主人公が勝てそうにない抵抗を試み、混沌かつ悪徳に満ちた現代社会における本来の純粋さを強烈な物語で炙り出す形であったが、今作はトランペットを所有した上でこれまでと同じく不器用な生き方を貫くことを選択した主人公の物語である。世界を変える人間は狂人か純粋な馬鹿か不器用な人間でしか不可能ではないだろうか。そんな思いが読後頭の中を駆け巡った。
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No.15:
(4pt)

意志を継ぐ者としての思想と信仰の小説。

現時点での彼の最高傑作だろう。

芥川賞受賞の頃から注目していたが、私自身は芥川賞には殆ど興味なく、受賞作にもあまり関心がなかったが、『遮光』を読んで、凄い小説家になると確信し、その後、彼の作品はほとんど読んでいる。

彼のこれまでの作品には再三、ドストエフスキーのことが出てくるが、その影響は作品を読めば明白であり、カミュやカフカなど実存主義と呼ばれる作家の影響も強く受けている。そしてこれらの作家の影響を受けた小説家は数多い。

中村はそれら古今の小説家の中にあって、現在では日本人では間違いなく優れた数少ない『意志を継ぐ者』だ。

ドストエフスキーの小説は、特に後期の大作において思想と信仰を主なテーマとしているが、中村の本作もその点で同様であることは明らかであり、また注目すべきだろう。

ただ、作中で言及しているとおり、現在はネット社会であり、思想小説としては、それこそが現在の日本では本質的なテーマのひとつとなり得ることは論を俟たない。

すでにお気づきの方は多いと思うが、村上春樹も彼自ら述べているようにドストエフスキーの影響を強く受けた現代の作家であり、またその筆頭だが、ネットとその中で生まれ、また人びとが強く影響を受けるSNSを含む現在のネット社会の問題に鋭く切り込んでいるのはむしろ中村のほうで、村上春樹はその点においていまのところあまり熱心には思われない。同時に一方で中村自身、自らのルーツとしてキリスト教の影響を強く受けていることも告白しているが、それも本作において非常に重要なテーマであり、そのことは以前の著作からも窺えた。

また、本作の後半部分では戦争とその悲劇の中で自らを失っていくある人物のエピソード語られる。しかし、先の大戦とそれがその後に日本に与えた影響、そして現在の日本が思想の面において、その問題と殆ど切っても切り離せない状況にあり、避けては通れない問題であるのは明らかだ。

確かに本作はその内容からして数多くのテーマを内包しており、思想や信仰以外にも著者の語りたかったことは他にもあった筈だ。しかし、この作品が彼の『いつか書くと決めていた』作品であることは、ついに彼がこの二つのテーマに本格的に取り組むことを決めていた、と受け取ることは可能である。

そしてその点こそ、ドストエフスキーなどの系譜に連なる、意志を継ぐ者としての中村のオリジナリティのひとつでもあり、現在の立ち位置にもなっているといえるだろう。

私自身は大いに楽しめた。今後の作品でのさらなる飛躍を楽しみにしている。
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No.14:
(3pt)

社会派エッセイを無理やり小説にしたような本

かつてのキリシタン弾圧と現在の外国人ヘイト、第二次大戦下の総動員体制と現在の政治状況、大戦中の国柱会と現在の某団体、などなど、日本の過去と現在の様々なことがらを重ね合わせた本作。伝説のトランペット奏者である「鈴木」を通して描く南方戦線の破滅に将来の日本人を、やたら各所で不自然に強調される「吠える犬」に社会に危機が迫っているという警鐘が象徴されているのだろう。

 僕は主人公たちが代弁する作家の政治意識について特にアレルギー反応を起こす者ではないが、星付けが渋い理由は単純に小説としてのデキが不満だからである。まず、主人公の命を追いつめ、もて遊ぶ謎の男「B」の存在が観念的で効いていない。また、ヒロインとのラブストーリーも深みがなくて、下手なラブレターを読まされているような気分だ。

 また、織豊期および徳川初期におけるキリシタン宣教師達が担っていた武器取引や諜報活動については歴史研究がかなり進んでいて、明や日本の植民地支配のための尖兵としての役割を担っていたことが分かっている。高山右近などは領地である高槻の寺社仏閣を打ち壊すなどの宗教弾圧も行っており、往時の日本でキリシタンが一方的に迫害されていた訳ではないので、この作品のプロットは個人的に少し違和感があった。

 最も気になった点としては、登場人物達の台詞や手紙の多くは作家の考えの代弁で構成されているのだが、エッセイのような長文の日本語は、会話や手紙としてはかなり不自然である。そう。社会派エッセイを無理やり小説に仕立て直したような一冊になってしまっているのだ。

 以上のような欠点が目に付いて、中々読み進みにくい作品ではあったが、リベラル派の言論人として名の売れた主人公(小説家)が人々から攻撃される前半は、多分、作家自身のことを描いているのではないかと想像させられる。このパートの不快感とリアリティから作家の漲る覚悟だけは伝わってきたが、「書かなくてはならないことは書く」という作家の信念については、僕は認めたい。
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No.13:
(5pt)

いつまでも読んでいたい

読み終わるのがもったいなくて、ゆっくり読んでます。
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No.12:
(3pt)

混沌とした面白さが続かず

前半は読者を惑わせながらも引き付ける著者ならではの力量を感じさせる内容。
ただ読み進めていっても、登場人物達の立ち位置がイマイチだし、肝心のトランペットの役割が響かない。
エピソード要素が多すぎて、バラバラすぎて、結果的にどれもうまく本筋にハマっていない。
もう少し絞って展開してあれば、読者も置いてきぼりにならないのに。
現代社会の危険性へのメッセージを伝えたいんだろうなとは感じるが、ストーリーとしてはもうひとつ。
大作ではあるけど、無駄な展開を絞って中身が濃いほうが良かった。
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No.11:
(5pt)

誰もが求めていない結末

浦上四番崩れの章はとても興味深く、著者が参考にした文献さえも読んでみたい気持ちに駆られた。
浦上崩れからの長崎の原爆押下、そして沈黙する神・・・なるほどなぁと思う。
これらの現実を突きつけられれば、物語のハッピーエンドなど考えられるはずもない。読後に爽快感が残っては、書いた意味がなくなってしまうような・・
ラストがあまりにも素っ気なく、心に残らない形にしたのも、著者の意図のように思える。
ここ数年ぶりにいい小説に出会った。著者に感謝する。
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No.10:
(4pt)

日本の右傾化を危惧する筆者の思い。

最近の筆者の作品は、おしなべて作中に歴史や事件の暗部(真相)を差し込んでくる。
また、登場人物の独白・手紙という形式で色々な思想を挟んでくる。
そういった物語の本筋から少し外れた部分の話がとても面白いので、筆者の作品をよく読んでいる。

 今回も江戸時代から明治維新にかけてのキリスト教徒への弾圧や、太平洋戦争での日本兵の
状況などの史実にページが割かれている。

 それらの史実は、国民(大衆)がいやがおうにも中央政権に翻弄され、苦しめられてきたことを物語ってる。
そして現在、日本は右傾化しており、時の政権が独裁政権となってまた大衆が翻弄されるだろうという筆者の
強い思いが伝わってくる。
 筆者はそれがすぐそこまで迫っているという。本当にそうなのか。私には分からない。
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No.9:
(2pt)

難解

隠れキリシタン、戦時中の話、現代の話題など複雑に絡み合いすぎて難しかったです。大好きな作家だけど今回は読むのが苦しかったです。
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No.8:
(3pt)

難しい

超大作であることは間違いない。キリスト教徒の弾圧や従軍慰安婦問題など、歴史的事実が詳しく織り込まれていて、トランペットをバトンに話が展開していく。黒服から逃げていく作者がどうなるのかワクワクして読み進めていくのだが、頭の弱い自分には難しかった。ただ、戦争の悲惨さや宗教の信じる人達の強さなどは伝わってきた。
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No.7:
(2pt)

残念

内容に一貫性がかけるかな。期待した程のこと無し。
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No.6:
(4pt)

意外に読みやすかった

中村文則さんのご本は初めて読みました。
今月の初めだったか、著者さんの「僕は小説家だからこそ恐れずに言う」ー-安倍政権に疑念投げかける芥川賞作家の信条ーーという東洋経済のオンライン記事を読み、いたく共感して一冊読んでみようと思い、最新刊を購入したのでした。(もちろん、紙の本を!)

かなり気構えていたのですが、読み始めたら意外にもスイスイ読めて、結局、2日で読んでしまいました。
分厚くて重たい本なので、巣ごもり読書にはピッタリかもしれません。

さて、内容ですが。。。
内容も重たいです。これは予想していました。
ミステリー仕立てになっていますので、展開や結末をここでは書きませんが、
著者さんの心意気がひしと伝わってくる物語だったとは言っておきます。

「あとがき」に、ご本人が
「歴史に本格的に取り組みたいと、以前から思っていた。
実は長崎は僕のルーツで、特別な場所でもある。いつか書くと決めていた。
この小説もまた、僕にとってとても大切なものになりました。
ようやく書くことができた、と個人的に思っている」と書いていらっしゃいますが、
渾身のメッセージをたしかに受け取れたと思っています。

終盤406ページに、こんな一節がありました。
「熱狂」という異名のついたトランペットを戦場で吹き鳴らした伝説の日本人トランペッター「鈴木」の手記の中に。

・・・
果たして、皆が喜ぶことだけを、望むことだけを伝えることが、ニンゲンシャカイにとって、いや、その聞かされる個人にとって、本当にいいことなのだろうか。
・・・

この疑問を今の世間に、もしかすると文壇やマスコミにも、投げかけたくて
この本を書きたかったのではないかと推測しました。
受け手の側が、特にネットで呟かれたり囁かれたり、架空の集団で叫ばれたりする情報にいちいち振り回されてはいけないことも含んでいると思いました。これは私自身、肝に銘じようと思っていることです。(ついつい、ネット情報をすぐに信じてしまうので)

この本の舞台として、キリシタン弾圧の時代の長崎も描かれていました。
棄教や改宗を強要され、多くの聖職者や信者が拷問のうえに殺された時代です。
なかに、あの中浦ジュリアン(天正遣欧少年使節のひとり)が受けた「穴吊り」の様子も書かれていました。
このあたりは、村木嵐さん著の『マルガリータ』で詳しく読んだことがあったので、そのときの衝撃が蘇りました。他の拷問の数々も生々しく描写されていて、『マルガリータ』を読んだときより辛かったです。

総じて、この本は良書だと思います。
特に若い方々に読んで頂きたいです。
これからの歴史を作っていく若者たちに。

ただ、ひとつ、なぜ4つ星にしたかというと、
残念ながら長崎弁に難がありました。
それも、1箇所や2箇所ではなく。
ところどころ、素晴らしい長崎弁の再現もあったのです(たとえば、「ヨシ、改心せねば許さっさんそうじゃ」は正しいです。意味は、「改心せねば、お許しいただけないそうだ」です)が、
「~ば」の使い方がほとんど間違っていました。
この長崎弁は、「~をば」の意味です。つまり、「~を」という目的語を表わします。
なので、たとえば、「こっちに来んでくれ。役人ば見つかれば事じゃ」(p.294)も、「・・・マキさん、そげんことして、さすがに今は腹ば空いたことでしょう」(p.276)も、非常に不自然な長崎弁となっています。

「役人に見つかれば」とか「腹の空いたことでしょう」にすべきところ。

また、こうした間違いに一貫性がなかったのが最も残念でした。たまに正しい「~ば」もあって、読者は混乱するのでは?と思った次第です。

長崎がルーツだと仰る著者さんには特に気をつけていただきたかったです。
方言には文化や歴史が込められていますので。
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
4344035933
No.5:
(3pt)

超大作っぽいけれど、うーん…

伝説のトランペット“ファナティシズム”、謎の黒服の男、ヴェトナム人のキャバ嬢、新興宗教の教祖、「公正世界仮説」、キリシタン、軍楽隊員のフランス語混じりの遺稿、フィリピン密林での消耗戦…。いろいろと期待させる大道具小道具をこれでもかというほど用意しているものの、それらのつながりが不徹底で、紙幅と文章の強度のわりに読後に何も残らない小説だった。突然送られてくる手紙やメール、著者が断片的に綴る原稿、唐突に差し込まれているヴェトナムの歴史、教祖が突然くれたトランペット奏者の手記等が長いト書きのように場面転換に使われている。入れ子構造の小説とだとしても、それぞれの挿入部分の独立性が高すぎて成功していない。とくにトランペット奏者の従軍手記の部分はそこだけでこの作家の筆力を証明する読み応えのあるものだが、この部分だけインパクトがありすぎて浮いてしまっている。著者は戦争の悲惨さや不条理さを書きたかったわけではないだろう。では何が伝えたかったのかというと最後まで不明だった。いくら読み進めても主人公が像を結ばないのだ。読み終わってみて考えるに、その原因はヴェトナム人の恋人の存在だ。彼女はこの小説において何の役割を果たしているのかまったくわからなかった。ドラマや映画だったら「事務所のごり押し?」かと勘繰るところだ。この女性を引き算して書いたなら彼女を登場させるための無理なプロットや不必要な登場人物なども取り除かれて、主人公とトランペットと黒服の男という、この本の基底部にある関係性の上に構築されるストーリーはより堅固で普遍的なものになったように思える。
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
4344035933
No.4:
(3pt)

読みごたえはあり。でも、なにか物足りない。もっと長くてもっと厚い作品になったらよかった。

GWのステイホームで本書を読んだ。読みごたえはあり。でも、なにか物足りない。
隠れキリスタンのくだり、フィリピンでの日本軍の戦いのくだり、は非常に読みごたえがあった。匂いさえ漂ってくるような、臨場感があった。
でも、なにか物足りない。それは、たぶん、服装、髪型、靴、持ち物、声、部屋、音楽、物音、時刻、季節 などの細部の描写に乏しいからではないだろうか。もっと長くてもっと厚い作品になったらよかったのではないだろうか。
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
4344035933
No.3:
(4pt)

作者の「意志」がストレートに現実を穿つ快作

この作品をひとことで言うなら、第二次世界大戦、ダッハウ強制収容所、旧日本軍、長崎隠れキリシタン、外国人労働者、ネトウヨと右傾化、ドストエフスキー、暴力、愛と平和という大問題をすべて包含し物語化し小説として結実させるには相当な力技が必要だが、それを「悪魔の楽器」であるトランペットを登場させ、それを奪って逃亡する主人公が・・・・というサスペンスタッチで見事に昇華させた快作であるといえる。そしてもうひとつが、人間にとってわれわれ一人ひとりにとって「音楽」とは何かをラディカルに問いかける作品でもある。
逃亡者Amazon書評・レビュー:逃亡者より
4344035933

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