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転がる検事に苔むさず



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転がる検事に苔むさず

転がる検事に苔むさずの評価: 4.20/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(4pt)

リアルで視覚的映画的

検事ものと言えばキムタクか特捜エリートだけど、主人公は子供の万引きとか無線飲食の処理に追われ、嫌な上役の指示に腹を立てても従うことになる一見うだつが上がらないヒラ検事。でも調べは一流。なりたての女性検事と愚直な巡査の3人で不審死の現場から重層的な事件を追う。とにかく捜査や刑事とは違う検事の取り調べ、司法の現場描写がリアル。高価な証拠品の保管手続きまで書いてる。そもそも主人公が区検勤めって、区検知ってる人って警察小説好きでもあんまりいないのでは?著者が新聞記者だからかも知れないけど、余計な修辞がなくて、場面場面が映画的。女性検事と敵役の造形がちょっとステレオタイプだけど、映画と考えるとそれもイイ。誰をキャスティングするかななんて楽しみも。
転がる検事に苔むさずAmazon書評・レビュー:転がる検事に苔むさずより
4093866171
No.4:
(5pt)

中年層なら胸が熱くなるリアリティー

ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが亡くなり気落ちする中、街の本屋を巡ったところ、本書と出会いました。国内ミステリーの棚で平積みされていました。タイトルにストーンズの影響を感じとり、小学館の「第3回警察小説大賞」受賞作と紹介されていたので手に取りました。ミステリーはあまり読んだことがないので、その精緻な構築ぶりを評価する自信はありません。しかし、検察の組織をモチーフにした小説としては圧巻のリアリティーです。「区検」に勤務する検事が主人公。東京地検特捜部で活躍するのを現役検察官の頂点とすれば、窓際もいいところ。本作の出だしでも茶化されています。司法試験に通った明晰な頭脳と、「割り屋」(しっかり取り調べて被疑者も納得する検察官調書を作成できる捜査官)であることに誇りをもっています。なのに組織で報われない。そのことに不満も抱いている。中年層ならとても身近に感じられる職人かたぎの検察官です。地道な捜査の末に少しずつ浮かび上がってくる事象からたぐりよせる犯人逮捕への道のりは、現実性が高い。取り扱っている犯行も実際に起きた事件からインスパイアされているようです。突飛ではない展開がかえって怖い。作者は新聞社に勤務しておられるそうで、小学館のサイト「小説 丸」によると、割り屋の検事に取材を通じて学んだ内容をモチーフにしているとのこと。一般には馴染みのない検察庁内の派閥争い(主人公はなぜか派閥のレッテルを貼り付けられて、割を食っている)や手柄の横取り(主人公はここでも割を食う)、冤罪が生み出される構図など、社会正義を実現するための組織でも起こっているであろう出来事がリアルに表現されています。深い取材経験に基づいているのでしょう。私のような中高年読者なら主人公の悲哀が身に沁みて来るでしょう。とはいえ、地元警察署の警察官たちと心を通わせながら(このあたりの検察、警察の距離感の描き方も見事!)事件解決に向けて熱意を失わない。応援したくなります。一貫して平明な言葉遣いで物語をつづっている点も好感が持てます。エンターテインメントミステリーの本質を最後まで失わない構成もしっかりしています。ストーンズの代表曲「(I Can't Get No)Satisfaction」が主人公の心理描写に正しい訳語で効果的に活用されています。満足しました。本作品が長編デビュー作だそうです。「小説 丸」によると、小学館の月間誌「Story Box」では本作登場のキャラのスピンオフ作品が掲載されているとのこと。こちらも目を通してみたいと思います。いい本でした。
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No.3:
(5pt)

登場人物の造形が秀逸

検事や警察官の職業人としての熱く真っ直ぐな心意気は、泥臭くて好感しか持てない。
根っからの悪人がいないため、それ故に読後は一抹のやるせなさを感じてしまい、著者の術中に嵌る。
随所に散りばめられた巧妙な伏線が、怒涛の勢いでテンポよく回収される後半に唸った。
数多のスピンオフが出ると嬉しい(特に、倉沢と有村の恋?の行方が気になる)。
ドラマなどの実写化にも期待したい。
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4093866171
No.2:
(5pt)

切ない

主人公は四浪の末、司法試験に合格した検事・久我。そのせいで出世には縁がなく、異動先は地方の支部ばかり。しかし、ひょうひょうとしながらも正義を貫く姿は好感が持てます。脇役も悪役、味方ともに個性豊かで楽しめましたが、個人的にはヤメ検の女性弁護士・常磐のファンです。こんな上司のもとで働きたい。
検察制度は馴染みがなく、人事関係の話は最初戸惑いましたが、読んでいくうちにわかってきました。
肝心の謎解きはちょっと切ない。事件自体も久我の生き方も余韻ある終わり方で、心に残る一冊でした。
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No.1:
(5pt)

有村巡査の愚直さが光っています

検察庁という序列社会のパワーゲームの生々しさが圧巻です。
 久我検事は冷遇されているのですが、検察庁内の派閥争いの急所を知っていることから様々な嫌がらせや侮蔑を受けることになります。
 事件はセールスマンの遺体が見つかったことから始まるのですが、久我検事の見立てや有村巡査の地道な捜査で密輸や過去の強盗事件との繋がりが浮かび上がってきます。
 久我が指導する新人検事倉沢はとある秘密を抱えているのですが、事件に対しては猪突猛進。新人だからというエクスキューズがあるにしても、同じ失敗を繰り返すのはちょっと軽率。
 久我も有村も組織内で冷飯ぐらいの立場にあるのですが、周囲に仕事ぶりを評価してくれる上司や同僚がいて、真面目さや愚直さもひとつの才能として描かれています。本庁の検事がそういった美点がゼロなので、それがいっそう際立ちます。
 事件の真相は鮮やかな絵解きがなされておらず、余白を多く残しているのでミステリとしてのインパクトは薄いです。
 セールスマンもその兄も真面目に生きてきたのに報われない結末はやりきれないものがあります。
 検察庁と敵対する元特捜検事でヤメ検弁護士の常磐、有村にチャンスを与えようとする刑事課長の追出、久我と赤提灯で意気投合する本庁検事田中など脇のキャラも魅力的です。
 デビュー作がこれだけ厚みのある作品なのですから、次作も期待しています。
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4093866171

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