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アポロ18号の殺人
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アポロ18号の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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元宇宙飛行士による"IF小説(オルタネート・ヒストリー)"、「アポロ18号の殺人 上・下 "The Apollo Murders"」(クリス・ハドフィールド 早川書房)を読み終えました。 アポロ17号による月飛行を終えた米国が、1973年4月に<アポロ18号を月へ向かって打ち上げていたら>というもう一つの改変された歴史を紐解くサイエンス・フィクション。タイトルに「殺人」とあるようにそこにはいくつかの殺人事件が引き起こされ、解き明かされ、スリラーとしても納得の行く出来栄えに仕上がっています。主人公は、海軍少佐であり隻眼の元テストパイロット、カズ。そして、アポロ18号に乗り込む3人の宇宙飛行士+α(笑)。 物語はその打ち上げ準備から、打ち上げ、いくつかの謀略に基づく殺人があって、月に降り立つまで、そして地球への帰還へとたどり着くタイムラインに沿って、緻密に、元宇宙飛行士による膨大な知識と知見に裏付けられたインテリジェンスによって描き尽くされているように思えます。(まあ、私の能力と知識ではそれらを逐一検証できるわけではありません(笑))また、私は、サイエンス・フィクションの善き読者ではなく、スリラーの読み手ですので、そのSF的な本書の位置づけについては巻末の中村融さんの解説に詳述されています。 特に、上巻のいくつかの(ストーリー・テリングに於ける)「反転」に驚かされながら、米国対ソ連のしのぎを削る宇宙戦争に上質のサスペンスを感じ取りつつ、結果、優れた国際謀略小説の典型を読むことになったと言っていいでしょう。その上質なエンターテインメントを生み出している要因として、膨大な知識の中から何を残し、何を捨て去るのか、その知識の「捨て去りぶり」にも作家としての潔さを感じ取ることができました。この夏、読むべき一冊だと思います。 | ||||
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