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(短編集)

二度はゆけぬ町の地図



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【この小説が収録されている参考書籍】
二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)

二度はゆけぬ町の地図の評価: 4.50/5点 レビュー 42件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 41~42 3/3ページ
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No.2:
(5pt)

最低、でも最高の作品集

西村賢太の「二度とはゆけぬ町の地図」を読了。唯一無比の私小説を発表している作者の短編集。ここでも西村節は健在であります。嫌悪感の塊のストーリ。普通の人は目を背けんばかりの記述に溢れています。

でも、私は彼の作品に積極的に触れたいのです。その作品に触れることで、自分の内面を見つめなおすことが出来るからです。自分の内側にもきっとあるのです。この作品に描かれている同じ性根が。そのことに、背を向けるか、正面から対峙するかで、西村賢太の評価は180度変わります。

一度彼の毒牙を体験してみましょう。そこから見えるのはきっと自分の姿です。

だから彼の作品は「最低、でも最高」なのです。
二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)より
4043943865
No.1:
(5pt)

最低を志向する文学

若き日の西村を思わせる「北町貫多」の日常が描かれる
北町は素行の悪さゆえにバイトを解雇されたり
酒や女に溺れて家賃を滞納し、家主と揉めたり
いけ好かない男を暴行し、警察の厄介になったりする

すべての原因は北町の狭量さと身勝手さにあるのだが
北町は他人の所為にしてばかりで、反省しない
だから、北町は成長しない
北町は同様のことを何度も繰り返し
その度に窮地に追い込まれる

だからといって、北町は馬鹿な訳ではない
北町は非が常に自分にあることを意識している
にも拘らず、北町は改めない
それは北町が覚悟をしているからだ
北町には「最低への意志」のようなものがある
それが何故かわれわれの心を動かす

北町は最低だ
その最低さはわれわれを喜ばす
われわれは北町に最低を求めている
「もっと、もっともっと低く」
われわれはそう願いながら、ページをめくる

われわれにも「最低への意志」のようなものがあるのではないか
もしそうだとすれば、北町はわれわれの影である
われわれは北町を笑えない
北町はわれわれだからだ
二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)より
4043943865

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