(短編集)
寒灯
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北町貫多が秋恵との同棲を始めたころからの短編小説4話収録のいわゆる秋恵もの。とても読みやすく、西村賢太氏がまだ芥川賞、受賞前後の作だが、短編とはいえ流れるような続きのような4話だと思いました。何度も読み返したくなりました。単行本「寒灯」の真っ白な表紙が美しい。シンプルな装丁も素敵です。 | ||||
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装丁とは裏腹の内容であった。なんだろう?この文章は?一体何を言いたいのだろうか?そういう疑問を持ってしまう。 | ||||
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貫多による、繰り返す不条理な怒りと言葉の暴力、そして、本当の暴力。 耐える恋人、秋恵さん。この構図がありながら、展開も想像が着くのに 何故か読んでしまう! そして、やっぱりなあ~、んんんんと言いながら、読んでしまう。 不思議な中毒性のある作風で、「暴力変態版の寅さん」という 感じです。今回は、「腐泥の果実」では、冷え行く貫多と秋恵の感じ が読み取れます。 | ||||
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理不尽極まりなくともエクストリーム描写は少なく秋恵の落穂拾いの趣。にも拘らず会話には一際爆笑の四編。 | ||||
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この作家の作品を読むのは2作目、 日本伝統の私小説家、 とはいえないような印象を持っていました。 非常に端正、古典的で折り目正しい文体、 そのなかの端々に自虐の態を装ったユーモアが軽妙であり、 作家のサービス精神に微笑まされます。 さてこの作品、作家が未だに恋慕するある女性との悲しい愛のものがたり。 ということなのですが、読んでいる途中で読者は不思議な感覚におちいるのです。 この作品は実は戯曲であり、読者は劇場のソファーに座りつつ、 その眼前では簡素な舞台装置、スポットライトを浴びながら 俳優が演じる愛の物語をじっと見つめている。 そんな錯覚というか印象を抱きました。 それにしてもこの女性主人公、実に素敵な女性です。 まるで一点の曇りもなく非の打ちどころのない、天使のようではないですか。 それを溺愛しつつも、なぜか不思議に湧きあがってくる攻撃性の荒波に飲み込まれ、 加虐的にいたぶる男性主人公、「なんてひどいやつなんだ」と観客は思うのでした。 しかし、なんと日本的なのでしょうか、この心美しい女性主人公は まるで「鶴の恩返し」のごとく虐待に耐えつつ、収入の乏しい男性を養っていく、 ある意味被虐、日本的マゾヒズムの精髄を観客は楽しむことが出来ます。 男性主人公も、投影同一視的に女性を理不尽にいたぶり攻撃しつつも、 愛の対象を破壊しつくした後に悔悛の涙に泣きじゃくるのです。 はてさて、「鶴の恩返し」であるならば「貴方はけして見てはなりません」 という殺し文句が出てくるはずなのですが。それは何なのでしょうか。 実は、これこそが作家が内に秘めたまま、けして読者に明かさない、 秘中の秘なのです。 「見てはならないもの」が作品中に記されてはいない、しかし何処かに書かれているはずである、と読者。 ですから延々とこの先も、作家はこのモチーフで書き続けることが出来るのでしょう、きっと。 実は、この「秘密」とは読者の心奧に息を潜めつつも、 数世代にわたって継承されしぶとく生き続けてきた何ものかなのですが。 と私的に読後感じたしだいなのです。 男性の加虐性の描写が、どこか作意が目立ちいま一つの感がありました。 その辺を総毛立つほどの迫真性が加われば、さらに魅力的な心の地獄絵図が出来上がるのではないでしょうか。 | ||||
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