苦役列車

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評判

苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

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平均点3.84pt

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未読の方はご注意ください

全554件 321〜340 17/28ページ
No.234
(4pt)

一寸の虫にも五分の魂

まず、この本には、
“エピソード”が2つ収録されてます。

どちらも、文体は、思ったより繊細でしたが、
女性への思い込みから来る、言葉選びはとても乱暴で、
初見では、確かに陰気なものに感じるかもしれません。

しかし、その言葉の先にある、威風堂々な主人公の偏屈さは、
開き直って見てしまえば、何だか清々しいから不思議です。

もちろん、主人公の置かれた特殊な境遇もありますが、
突き詰めると、本人が父と同じDNAに嫌悪感を抱くなど、
なんとも「マトモ」な主人公である事に驚きます。

確かに、無駄なプライドばかりで歯止めのブレーキがかかり、
優柔不断のまま、出来事は通り過ぎますが、
その度に、根底にある生命力が、表裏一体となって湧き上がっており、
厚かましくも生きようとするその姿勢は、
人間らしく共感に値するのかもしれません。

きっと読み手は「線路は続くよ〜」の歌のように、
この終わりなきルートを追体験し、どんな間抜けな結果でも、
あたかも自分の荷物のように、心の席に運んでしまうのだと思います。

山手線のように、生活も同じところの繰り返しに不安をいだきながらも、
『生きたい!!』という想いが、日常のプラットホームとしてあるからこそ、
つまらぬ叱咤の戯言も、懐に落ちるものがあるのかもしれません。

それにこの主人公は、いつも悪循環のチケットを握り締め、
「出来るヤツ専用車両」に乗れなかったけれども、
いや、待てよ。本当は、これを読んでいる自分の方こそ、
もっとナーバスで、この列車に乗るべき該当者なのでは無いのか?

と、そんなことまで、考えてしまいそうなのです。

もちろん、読み手側の温度や不健康さも少なからずキーにはなっていて、
そうでなければ、読んだところで、
単なる愚痴と感じるのも同じく納得します。

例えるならば、彼女の居ない寂しいバレンタインの日、
知らぬカップルが、これ見よがしに目の前でキスをしても、
「良いねぇ」などと、余裕の笑みを浮かべる人なら、
たぶん、この本は、オススメ出来ないと思います。

要するに、
苦い薬だが、
役には立つ。

それゆえ、錆びた体には凄く効きそうな潤滑油でもあり、
心のエンジンにゆっくり浸透するには絶好の“闇”である。

少々ポジティブではありますが、
自分はそのように受け止めました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.233
(5pt)

いつもの賢太節が楽しめる

発売になったと聞き、すぐに入手して、読みました。
表題作の「苦役列車」は、女性へのDVがなかったり、10代の時の話なので藤澤清造がでてこなかったり、通常よりもハードさ・ディープさは薄かったが、いつもの賢太節を堪能できました。
西村さんの特徴は、ちょっと古臭い言葉遣いをしながら、トップスピードで西村賢太ワールドへ読者を連れて行ってしまうこと。たとえば、「結句」「どうで」「因である」「ほき出す」「云い条」など。
友人がいない、窮乏している、彼女ができないといった多くの若者が持つ悩みが、露悪的ともいえる手法で描きだされているので、多くの人に共感されていると思う。
これを機会に、「墓前生活」「どうで死ぬ身の一踊り」などの藤澤清造ものにも手を出すひとが増えるとファンとしてもうれしい。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.232
(5pt)

魂が揺さぶられる作品。

魂が揺さぶられる作品。味わいがあり自然と心に響いてくる。

表面的でマトモに内容すら覚えてない小説が多い中、久しぶりにどっぷり小説の世界に入りこみ満喫できた。

過激というよりは、礼儀正しく主人公の暗い部分を見つめているような、
傷ついた人間への深く優しい視線が感じられ、癒されました。

殺伐としたいまの時代にこの作品が発表されことに感謝したいです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.231
(5pt)

ひねた性格、荒んだ日々―それでも残った一縷の希望

本書は、『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を受賞した著者による、中編小説です。

生来のひねくれ根性が、

父親が性犯罪で捕まったことで一層強まった青年を主人公とし、

絶えない周囲とのトラブルや、

それによりさらに屈折を重ねる内面を、味わい深い文体で描きます。

定職も、友人も、恋人もない自身への限りない卑下と

その裏返しともいえる、他者を見下した態度

見下していた友人に恋人がいると知ったことへの反応など

どの場面も、主人公の救いようのない性格が赤裸々に描かれ

とても印象的なのですが、とりわけ心に残ったのは、

そのような主人公がときおり見せる、本への愛着です。

陰気な小人物の鬱々とした日々を描きつつ、

決して重苦しさを感じさせることのない本書。

著者の作品や純文学が好きな方に限らず、

多くの方にオススメしたい著作です。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.230
(5pt)

たくさん書きたいことはあるが

芥川賞作品を文藝春秋が出る前に買い求めて読んだのはこれが初めてである。正直、待ちきれなかった。あと二週間かそこらが、である。
アカの他人であるにもかかわらず、受賞の報せを知ったときは、我が事のように嬉しかった。車谷長吉の直木賞以来の不思議な感情である。正直「もう、メはない」と思っていたから余計と嬉しい。ただし「これで彼は自分の手の届かぬ遠い所へ行ってしまう」。娘を嫁にやるような寂しさも半分ある。
だいたい彼の作品は基本的にはどれも同じと考えていい。悪く言えばワンパターンだが、よく言えば「ぶれていない」。敢えて分類するなら、大きく二つに分けられる。ひとつは藤澤清造が登場する「私」を主人公にした中年同棲もの。もうひとつは藤澤の出てこない「北町貫多」を主人公とするヤング西村もの。(多少の例外あり)。表題作は後者に当たる。私はどちらかというと後者の方を好む。まあ、これは好みの問題だから、たいした意味はない。実際はどっちも好きである。
で、問題の受賞作である表題作の出来だが、「これまで読んだ中では相当素晴らしい部類に属する」。ひょっとしたら、最高傑作かもしれない。だが、本当にどうかといわれると、よくわからない。彼には「今後も」あるからである。自分を徹底的に客観視できる、おそるべき冷徹な目を備えているからである。
もっとたくさん言いたいが、ヘンなことを口走りそうなのでこのへんでやめておく。

と言いながら追記。
腰痛の描写ではじまる併収作『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』は中島敦の『山月記』ばりの凄みを放つ生粋の「純文学」。「彼は文名を上げたかった」といって最後にこけるルーザー小説である。本著により図らずも(?)ルーザーからウイナーと化した作者の今後の行方や如何に?
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.229
(5pt)

もがく主人公

苛烈な環境の中でもがきながら生きる主人公 どうしたら有利に生きる事ができるのか。どうして自分はこのようにしか生きられないのか。それは親や先生、友人や先輩のようなものから学ぶのであろう。その学ぶべき相手がいない場合、人はもがきながら生きるしかないのかもしれない。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.228
(5pt)

止まらなかった。。

読むのがしんどく苦しいのにじっくり読み、最後で「ふうううう」とため息をつきました。少年が感じている生き辛さとか孤独感が息苦しいほど迫ってきます。大人になって女性ともめる作品は「ひどい男だ」と笑えたけど。著者は「自分より最低な奴がいる、と思ってもらえれば」と言ってましたが、それよりも人間の本性剥き出しの少年がとても身近というか自分に重なる瞬間が結構あって、忘れられない小説になりそうです。小説に涙や学びを求めない人にはたまらなくいい作品だと思います。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.227
(4pt)

より広く西村賢太を

芥川賞受賞作ということで、これで初めて西村賢太に触れる人も多いだろうが、ケンタの真骨頂はむしろ どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫) とか 小銭をかぞえる のほうの、同棲している女との関係もののほうにある。併収されている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」のほうが、川端賞落選の周辺を描いて、より嘉村磯多的な私小説世界が展開していると言える。もし「苦役列車」に歉い、という人がいたら、先の二著にも手を出されたいと思う。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.226
(4pt)

生々しい若き日の煩悶を反芻した

描写がリアルである。何にも縛られず、不安と全能感、熱心と怠惰に揺れ、つねに性欲を持て余していた若かった一時期を昨日のように感じることができたのは、作家の描き出す臨場感の力だろう。そこはよい。だが、どう読んだら良いかわからない字が多かったり、一方通行の文芸論など、いただけない部分もある。作家の自伝的小説なのだろうが、よくここまで自分をさらけ出したものだ。これが芥川賞?との疑問も湧くが、評価されたのは前半の臨場感だろう。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.225
(2pt)

これで芥川賞?

稚拙な表現、人物描写も中途半端、亡くなった方を悪く言いたくないけど、読後感はがっかりの一言でした。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.224
(4pt)

描写の巧さに圧倒された

訃報を知って読み、圧倒された。私小説として、自らの狡さや汚さや嫌らしさをこれ程冷徹に描写できるというのは凄いと思う。他の作品も読みたい。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.223
(5pt)

嘘がない、リアル感

下劣で下衆なことを書いてても、表現の巧みさに圧倒されます。文芸とは、芸術の一種なんだと思わされるような。
また、我が子が下劣、下衆な若者になっちゃったので、そうやって息抜きせずにはいられない男子の感じわからんでもありません。
それから、最近の小説で見かけない、リアル感、人間臭さ、体臭を感じます。何か読者に訴えたいことがある時の胡散臭さがない。
今はどっちを見ても損得勘定の嫌らしさで満載だけど、30年前って底辺は底辺でも、計算無しでも、なんとか生きていける仕事があった時代だったな、と懐かしくもなります、、
それを考えると、拡大自殺、他人を巻き込んでの無敵の人による殺人が目立つ今、生きづらさって極まっているのかも。
氏なら今を、どんな風に描いただろうか。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.222
(5pt)

おもしろかったです

不器用な主人公がつらい生活を抜け出していく一発逆転を狙うさまがかかれています。
ここに、人間のエネルギーというものを感じました。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.221
(5pt)

ヒールを自覚することにより生まれる文学

西村健太さんの作品今でこそ好きで読んでますが、この本を最初に読んだ中学生の時は、あまりの主人公のクズっぷりに最初の5ページくらいで断念してしまいました。しかし、時を経て大学生の頃にこの本を改めて読んでみると、作者の生き様や癖などがひしひしと感じられ、不思議と不快感なく最後まで読めました。この作品(というか作者)の魅力は私小説という自分を題材にしたリアルさ、そして清々しいほどの自虐を面白おかしく書いているところです。また、芥川賞(純文学)という観点に絞ってみると、この(作者の)本は私小説でありながら三人称の立場をとっており、自分自身を客観視できているというのが評価のポイントであるように思えます。善悪の分別はついているのに本能的に、あるいは性犯罪者である父親の宿命的な呪縛から逃れられずにアウトローな今を生き、それを嘆いている。そんな主人公のどうしようもない人生に人間味や文学を感じるのです。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.220
(4pt)

人間の汚い部分

良くも悪くも人間臭いなと思う。
これだけ読みやすければ多少不快な人間だと思っても読めるものですね。
作者が単純に凄いなとは思うけど、普通の人にはあんま勧められないかも。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.219
(4pt)

重苦しい雰囲気

一人という寂しさを感じました。
日雇い肉体労働と家賃の踏み倒しなど底辺の生活を、
筆者は強調しているが、本当の筆者は私小説の読書家で
神田神保町の古書店街では有名な人物であったらしい。
中卒ということが表に現れているが、本当は格調高い
文章を書く一私小説家である。
私は尊敬している。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.218
(4pt)

客観的に態度を見直せます

学歴社会において日下部とその彼女の態度はありがちなのでしょうか.

いろんな人がいることを再認識できました.
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.217
(2pt)

あまり受け付けなかった

内容も文章も独特であまり受け付けなかった
ただ情景は思い浮かべやすく、不思議と読み応えはあった
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.216
(3pt)

不错

不错
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.215
(4pt)

面白かったです。そしてとてもリアル。

他の方が仰ってる通り、難解漢字が多用されています。普段本をあまり読まない私にはわからない漢字も多く、しかしその都度読みと意味を調べて理解した上で続きを読みたくなってしまう本でした。気がつけば一気読みしてしまうくらい。
またこの作者、非常に高度な技術を持った筆致です。文章を書くのが上手いとはまさにこのことだと思いました。この作者の他の作品も是非読みたいと思います。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324