苦役列車

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評判

苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

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全554件 301〜320 16/28ページ
No.254
(3pt)

駄目なものには魅かれるが・・・

駄目人間の仲間の僕としてもすんなりと共感できないほどの駄目さ加減がいい。しかし、その文章表現はとってつけたような・・・昔の小説家やガロ系漫画家達からの影響をつぎはぎしたような“なかなかリズムにノレない”ギクシャク感があって、読むうちに不快感に襲われる。普通に書きゃいいのに・・・と素直に思う。その言い回しというかノレない小栗虫太郎のような底の浅い虚飾に満ちあふれた文章は、秋葉オタク系のような作者の見た目のようではある。

文芸春秋に掲載されている、ある芥川賞選者の選評に「現代のピカレスク」とあるが、果たしてそうだろうか? 裕福な家に生まれた選者の、自身とは真逆の汚さへの憧れというか、もしかしたら内心は侮蔑の様な感想である。裕福なる選者には決して西村氏の様な人間やその精神世界など理解できるはずがない。ものは言いようだが奔放・・・で貞操感のない奇をてらっただけのくだらない性交渉や恋愛にうつつを抜かす物語ばかり受賞する様なイメージがあって芥川賞受賞作なんて読まないのだが、今回は魔が差したのだとため息ばかり。ま、夜読むのはインスマスがいいと言う同受賞のもうひとりの女性作家による「きことわ」を読んでいる途中で、今回の受賞作は2つともこれまでのものとは違うのだな? と少し安心したのです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.253
(4pt)

しょうもない、でも愛すべき男の話

読んでいて何度も、「ほんと、しょうもないな〜」
とつぶやかずにはいられない、
そんなしょうもない19歳の男の話だか、なぜか最後まで
一気に読んでしまい、終わりには愛着まで湧いてくる
そんな不思議な小説だ。

主人公は19歳の男の子。中卒で、日雇いとして働いている。
過去に父親が性犯罪を犯し、引っ越しをしたりして友達と呼べる
存在もなく、日雇いもただその日を食いつないでいくための
手段。夢も希望もなく生きている。
そんなある日、日雇いの仕事中に同年代の、久しぶりに
友達になりたいと思う男の子と出会う。彼に触発され、主人公は
持ち金がなくなれば働く、というスタンスから、毎日のように
働くようになるのだが…

しょうもない彼の、しょうもない話です。
でも、やめられない。
そして、なんか文体がいいのです。古風な文体と言葉遣い。
こんなしょうもない小説、あっていいと思います。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.252
(4pt)

現代無頼私小説家

知り合いになったらすごく付き合いにくそうな人である。ほぼ事実を書いた私小説だという。自分を卑下しているようでいて、どこかで他者を見下している。コンプレックスというのはそうしたものだろうが、それにしてもめんどくさい人だ。
 中学校卒業以来その日暮らしの肉体労働をしてきたという暮らしぶりには圧倒される。そしてそんな無為な日々をやりすごしながら、どこかで一発逆転を虎視眈々と狙っている風でもある。
 かくして、このように有名作家となったなったわけだから、人の一念というのは大したものだ。車谷長吉(近作は私小説ではないが)と双璧を成す現代の無頼私小説家である。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.251
(3pt)

文学の限界

十数年ぶりに文藝春秋を購入してこの作品を読んでみましたが、「えっ、この程度で芥川賞?」というのが率直な感想。

漫画の福本 伸行の「最強伝説 黒沢」に、つげ義春の「無能の人」を混ぜて「畢竟」だの、「陥穽」だのの死語すれすれの言葉を添えてあるだけの作品に思えた。

ま、これが日本の文学の新人賞のであることは間違いないのだから、文学ってこんなものなんでしよう。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.250
(5pt)

この作家の前に 襟をただしたい!

一気に拝読しました。 ほんものの 紛い物でない作品に出会い グサッと 心に落ちて来ました。 生きることは 生きるとは、 今 この日本の若者に是非読んで欲しいと思いました。 無理なく自然体で 自分自身を見つめ対峙していることに、感銘を受けました。ご本人は劣悪な環境と言われていますが、 汚れを感じない、むしろ精神性の高さに脱帽です。芥川賞の全うさを信じました。そして選者の勇気に、日本の失われていない文化圏を感じています。この偉大な作家の作品を 眼を凝らして 読みたいと心から思いました。ありがとうございました。 古代紫
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.249
(5pt)

苦しさを鋭い感性で描いています

自分自身の苦しかった時期を思い出します。そして、これから先何度か再び経験することになるのだろうか・・・。ある意味暗くなりますが・・。
私小説ならば、芥川賞を受賞した後の華やかな人生劇場もぜひ書いて欲しい!ぱーっと明るく?
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.248
(5pt)

周りに読ませて感想を聞きたくなります?

受賞の報は「フーン」という感じでしたが、日曜の日経書評を読んで興味をもち、購入。
個人的には久々ヒットの小説。面白いです。

インパクト文章・ユーモア。笑ってしまいつつ主人公の病理心理が映す現代人の「普通」
に慄然としました。洒脱・・・という言葉の恐らく対極?粘着なのかアッサリなのか
名状し難い筆致で、ホラ!読みやがれ的にどうしようもないライフを読まされてしまう。。。
移動のあいまの1−2時間で読めてしまう小説ですが何とも言えない読後感:寂寥感・
焦燥感・絶望感が残ります。・・・ひとに読んでもらって反応みたくなります。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.247
(3pt)

何ともいえない不思議な文体

口語的に気軽に読めるような文体でありながら、いつの時代の言葉なのというような熟語が現れるという摩訶不思議な文章。そこに綴られた内容は人生を早々に諦めた人間の青春の記録?私小説ということですが、自分をここまで客観的に見つめていられることに著者の力強さを感じます。
 ただ、個人的には朗読できるような文体の小説が好きなので、ちょっと苦手な作風した。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.246
(2pt)

野坂さんはどう読むだろう?

発表と同時にその作品を読むなんてことはこれが初めてである。「限りなく透明に近いブルー」などいまだに読んでない。感想は、大衆文芸誌の性風俗特集小説の一篇としか思えなかった。少年が浮かぶ瀬もなく塵芥(ちりあくた)のように、人生の川を流されてゆくのだが、芥川賞というより、芥側症といった感じだった。こういう「蟹工船」みたいな身も世もない貧乏小説は今時、珍しいのか。社会色の強い「蟹工船」というよりも、「私」小説の復活とでもいうのだろうか。

 彼の性格の悪さや救い難いねじ曲がり方というのは、描写はたしかに正直ではあるが、自分と比べてもそんなにヒドイことはないと思う。たしかに父親が性犯罪者で有名とかいうのは異常というか特殊な環境であるとは思う。だが、特殊な環境でそうなってしまったんなら読む方は「それじゃ無理もないな」と感じてしまう。

 人間の心理心情は特殊な事情を設定しなくても、もっと真っ黒い注連縄のごとくであり、とてもこんなもんじゃない。むしろ一人で悶々とする明日なき心情に一種のユーモアを感じてしまったくらいだ。それが狙いなのかな。読んでいる最中、こいつは誰か殺して終わるのかと思ったが、そういう華々しさはなかった。

 読後感としては、この困った人について特別な感慨はわかなかった。自分が冷淡なのかとも思った。が、これは小説の中だけで生きている主人公だと理解してしまったのかもしれない。恋人のいる親友に対する嫉妬心の描写などは赤裸々なことは認めるが、評判ほど迫真的だとは思わない。苦役列車というタイトルも意味不明だった。ただし、文体は独特であり、この他の作品も読みたい作家ではある。文体の独特な、と言えばあの人、野坂昭如さんはこの作品をどう読むだろうと思った。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.245
(4pt)

面白いが、先が心配

環境そのものだけをみれば、貫多程度では、
まだまだ底辺には程遠い落ちぶれぶりだが、
若い身空(10代後半)であの境遇に置かれれば、
それはまるで行き先の決まった列車に乗った気分にもなるだろう。

そういう観点からすれば(つまり苦役が主観的なものだとすれば)、
ほとんどの人間が苦役列車に、一度は乗っているはずであり、
誰でも、この小説のどこかしらには、共感を覚えると思う。

ただ、今後のことを考えると、
己の体験が創作の源泉である以上、
ありきたりの生き方では、
面白味のある小説が生み出せないという点が、
この著者の限界であると思う。

無責任な取りまきや読者に乗せられて、
今後も破滅にひらめきを見出し続けるとしたら、
この著者はどうなってしまうのだろうか。
心配だ…。

同収されていた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」は、
貫多40代の話だが、確実に破滅の予兆はあると思うのだが…。
よくある私小説家のありふれた終わり方にならないことを祈る。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.244
(5pt)

私小説初体験

「私小説」というものを初めて読みました。
この小説はひねくれる要素満載の設定で飽きてしまいそうにも見えますが、
こちらの胸ぐらをつかんで離さない力強さがありひきこまれました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.243
(3pt)

この作品だけでは、心に残るものは無かった

芥川賞発表の報で、西村氏を初めて知った。
記者会見やその後のインタビューで垣間見える非常に奥深いキャラクターに興味がわいたので購入。

彼の書いた作品はすべて私小説とのこと。
本作で描かれている事も大部分が事実に基づいているだろうから、
様々な屈辱的な体験や、辛い思いをされたのだろうと察する。

ただ、両親がいて、大学や専門学校に通っている「普通の」学生に対し、
異常な嫉妬心を抱いたり、罵倒するシーンがあったが、これには些か嫌悪感を覚えた。
昔、長淵剛が主人公のドラマなどで特徴的だったが、人気大学や大企業に所属しているだけで、
そこの人間達はエリート意識に凝り固まっているという固定観念を前提にしている作品があるが、
こういったものは表現すべきでないと思う。
そんなことは前時代的でリアリティが欠如しているし、ただの言い掛かりに近いからだ。

こういった主人公やモチーフへの共感の欠如が災いしたのか、
正直、この作品だけでは心に残るものは全く無かった。

ただ、西村氏の作品はすべて私小説ということだから、
他作品を読んで、主人公・貫太を別角度で見てみると味わいも出てくるかもしれない。
文体は非常に特徴的で好みの作家なので、色々と試してみようと思う。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.242
(4pt)

確かに私小説

こういう作品が文学なのかは僕は分からないが、
一気に押し込まれたような読後感がある。
とても印象的な作品だ。
私小説ってこういう小説なんだ、
ということが良く分かった。
私小説だから、
自分の境遇と照らし合わせるとか、
緻密な構成に感嘆するということは、無い。
作中人物のケガれネジれた根性を目の当たりにし、
ぐっと息を呑む。
そういう「娯楽作品」。
ゾンビ映画と同じかなと思う。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.241
(4pt)

ちょっと黒い

最近忘れかけていた、人間のどす黒い部分を感じた。登場人物に共感も反感も感じないが、自分はまだ大丈夫、まだやれる、という気がしてきた。
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4101312842
No.240
(4pt)

これが受賞作であるのならば、もうとっくに・・・。

芥川賞受賞を心よりお祝い申し上げます。

とは言え、この作者が書いた、過去の候補作やその他の作品と比べて、今作がとりたてて優れた作品とは思えない。
むしろ、やや冗長で、プロットも内的緊張に欠けるのではないかというのが、私的な印象だ。
今作より精緻に構成された作品はいくつも公刊されていると、私には感じられた。

併せて収められた作品は、作家生活に入ってからの文学賞落選を巡るエピソード。
これを読んで、驚愕させられたことがある。作家生活を送る、今の「私」或いは「貫太」なる人物に、十代後半と比較して、人間的成長が全く感じられないのだ。
つまり、年齢を重ね、過去の経験を対象化し、作品に結晶化するという体験を積み上げても、人間的には成長できないということなのか。
或いは、作品のネタを拾うために、敢えて自ら成長を止め、だめな人間として自己劇化しているということか。
作品に追い越されたあとの人生はどうなるのか。

時間軸を遡ったり下ったりしながら、パズルのピースを埋めるが如く書き連ねられていく西村作品に、私は、私小説と実生活の連関に関わるある問題が存在するように思えた。
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4101312842
No.239
(5pt)

これぞ文学

西村賢太氏の作品を全て十分に読み込んだ。その上での感想だが、これぞ文学、である。文学というものはどうしたって、作者の経験から描き出すもの。西村文学は、力強い独白で、傷だらけの数奇な生き方を文学として見事に昇華している。人間の弱さ、狡さ、したたかさから目を背けない作品群。こんなに夢中になれる作家と久々に出逢った。
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4101312842
No.238
(2pt)

予想よりもインパクトに欠けました

一歩踏み外しそうな労働者階級の物語ということで、あっちは漫画ですが銭ゲバ思い出しました
ただし私小説という事もあってか?
こちらの主人公さんは人を騙してでものし上がろうとする訳でもなしに
かといってストイックに内面に入り込んだ世界を構築する訳でもなしに

日本で一歩踏み外したらここだよねっていうラインでした
もっと悲惨な情報を知ってしまっていると、ちょっと落ちてる人の日記感覚です
共感できる厭らしい部分もあるのですがズッシリとした重みや深みがないので付き合いきれませんでした

文体がちょっと独特で読めない部分もいくつかありました
後半の一本はコラムみたいで同時収録しなくてもよかったのでは?

ところどころ花村萬月氏の作品を読んだいるような感じがした作品だったので
もう少し著者の他の作品を読んでみないとわかりませんが
賞受賞作品としては弱いと個人的に感じました
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4101312842
No.237
(5pt)

駄目な自分を巧く客観視した作品

西村氏の私小説は内容が凄過ぎる。
犯罪者となった父親、それに絶望し半ば投げやりな人生を送る自分の駄目さを客観視し巧く描いている。
怠惰な日常生活を送り、やりがいのない低賃金の仕事に甘んじている一方で、素敵な女性を欲し、その夢叶わず自慰にふける。
友人は極めて少なく、変にプライドは高い。
真に嫌になるような人生・人物であるがなぜか共感してしまう部分が少なくない。

芥川賞受賞の際に「私小説しか書く気がしない」とインタビューに答えていたが、作品の幅を拡げ今後も益々活躍して欲しい。
歴史に残る作家となる予感がする。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.236
(5pt)

著者の青春時代

受賞後だったか夕方のあるラジオ番組で紹介され私小説だと知った。
青春時代を日雇い労働に費やした日々が綴られ、過去の作品では「暗渠の宿」も読み応えがあった。
著者にとっては受賞までの道のり(作品)がすべて労役(苦役)だったのかもしれない。この作品が転轍機となることを期待したい。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.235
(4pt)

タイトルとのギャップを感じた

「苦役列車」というタイトルで、装丁もいかにも暗い印象をかもし出していますが、
意外にも重苦しさは感じませんでした。

苦役といいながらも、ある意味では自堕落的に、困窮しながらもマイペースに
生きている主人公が描かれています。

それから、性犯罪者を父にもつ人間が書いた私小説というので、
フツウの人たちの次元を超えた内面が描かれているかと思いきや、
そうではなかったこともギャップの一つ。

自堕落的な生活の中に存在する孤独感、嫉妬、劣等感といった負の感情が
素直に表現されていて、そういった感情は特殊な生い立ちである主人公だけでなく、
誰もが持ち合わせてからこその共感があるのではないでしょうか。

個人的に、つげ義春を読んでいるような気になりました。
つげ義春の絵がつけば、そのままつげ漫画になってしまいそうな印象です。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842