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苦役列車
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苦役列車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全184件 41~60 3/10ページ
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表題作は芥川賞を受賞し映画化もされた誰もが知る名作ですが、同時収録のもう一篇がとても良かったです。 碌に動けない身体の中でのたうちまわる作家の精神が、生々しく伝わって来ました。 | ||||
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訃報を知って読み、圧倒された。私小説として、自らの狡さや汚さや嫌らしさをこれ程冷徹に描写できるというのは凄いと思う。他の作品も読みたい。 | ||||
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下劣で下衆なことを書いてても、表現の巧みさに圧倒されます。文芸とは、芸術の一種なんだと思わされるような。 また、我が子が下劣、下衆な若者になっちゃったので、そうやって息抜きせずにはいられない男子の感じわからんでもありません。 それから、最近の小説で見かけない、リアル感、人間臭さ、体臭を感じます。何か読者に訴えたいことがある時の胡散臭さがない。 今はどっちを見ても損得勘定の嫌らしさで満載だけど、30年前って底辺は底辺でも、計算無しでも、なんとか生きていける仕事があった時代だったな、と懐かしくもなります、、 それを考えると、拡大自殺、他人を巻き込んでの無敵の人による殺人が目立つ今、生きづらさって極まっているのかも。 氏なら今を、どんな風に描いただろうか。 | ||||
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不器用な主人公がつらい生活を抜け出していく一発逆転を狙うさまがかかれています。 ここに、人間のエネルギーというものを感じました。 | ||||
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西村健太さんの作品今でこそ好きで読んでますが、この本を最初に読んだ中学生の時は、あまりの主人公のクズっぷりに最初の5ページくらいで断念してしまいました。しかし、時を経て大学生の頃にこの本を改めて読んでみると、作者の生き様や癖などがひしひしと感じられ、不思議と不快感なく最後まで読めました。この作品(というか作者)の魅力は私小説という自分を題材にしたリアルさ、そして清々しいほどの自虐を面白おかしく書いているところです。また、芥川賞(純文学)という観点に絞ってみると、この(作者の)本は私小説でありながら三人称の立場をとっており、自分自身を客観視できているというのが評価のポイントであるように思えます。善悪の分別はついているのに本能的に、あるいは性犯罪者である父親の宿命的な呪縛から逃れられずにアウトローな今を生き、それを嘆いている。そんな主人公のどうしようもない人生に人間味や文学を感じるのです。 | ||||
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良くも悪くも人間臭いなと思う。 これだけ読みやすければ多少不快な人間だと思っても読めるものですね。 作者が単純に凄いなとは思うけど、普通の人にはあんま勧められないかも。 | ||||
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一人という寂しさを感じました。 日雇い肉体労働と家賃の踏み倒しなど底辺の生活を、 筆者は強調しているが、本当の筆者は私小説の読書家で 神田神保町の古書店街では有名な人物であったらしい。 中卒ということが表に現れているが、本当は格調高い 文章を書く一私小説家である。 私は尊敬している。 | ||||
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学歴社会において日下部とその彼女の態度はありがちなのでしょうか. いろんな人がいることを再認識できました. | ||||
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他の方が仰ってる通り、難解漢字が多用されています。普段本をあまり読まない私にはわからない漢字も多く、しかしその都度読みと意味を調べて理解した上で続きを読みたくなってしまう本でした。気がつけば一気読みしてしまうくらい。 またこの作者、非常に高度な技術を持った筆致です。文章を書くのが上手いとはまさにこのことだと思いました。この作者の他の作品も是非読みたいと思います。 | ||||
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うわーすげー 最後の文でしっかり締りました。 何と言ったらいいんだ。すごくリアルでした。 何も言えない。主人公の人生はこのページ数で全部なんだろうなと思う。なんだか怖くなった。 | ||||
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うわべの飾りが一切ない。本質にある神秘性を余すことなく体現している。 ある意味で、読者を図星に貶める本として本たりえる素晴らしい作品だと思う。 読み込めば読み込むだけ、良さが溢れ出る作品。 | ||||
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前半はみごと。いかにも芥川賞的なヒリヒリする孤独・貧困・コンプレックスに満ちていて、 文章を目で追っているだけでわくわくします。 ただそのぶん、後半が蛇足に感じました。 内容は文壇批評……というより、文壇を内輪ノリで揶揄しつづけているのですが、 いかんせん前半と雰囲気が違いすぎるうえ、この語り手が貫多である必要がまったくないような気がします。 | ||||
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芥川賞の受賞インタヴューで「そろそろ風俗に行こうかな?と思ってたので。」とコメントして有名になった著者の作品です。 受賞後のインタヴューで物議を醸したのは、この人と田中慎弥氏ぐらいだったと思います。144回の受賞者が著者で、145回は該当なし、146回が田中氏なので、(田中氏はなんか物凄く怒っていて、「くれるなら貰っておいてやる」みたいな態度でした・・・)最近の芥川賞受賞者はぶっとんだ人ばかりだなぁ、とびっくりしたことを思い出します・・・。 今更ですが、芥川賞って何?直木賞との違いは?ってことでちょっと日本文学振興会のホームページを調べてみると、以下のQ&Aがありました。 Q. 芥川賞・直木賞の違いを教えて下さい。 A. 芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。 因みに、日本文学振興会とは、各種文学賞の授与を行ない、文芸の向上顕揚を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする公益財団法人だそうです。各種文学賞とは、芥川賞、直木賞、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞とのこと。 世の中には本当にいろんな団体があるものですね・・・。 閑話休題 著者は芥川賞を受賞したとのことですので、本作は純文学というジャンルに入ると思います。最近はどちらかと言うとエンタメ性の高い小説ばかりで、対して、ニキビ面の青春時代は、訳も無くイライラしながら太宰治、三島由紀夫など、むさぼるように読んだ記憶があるだけに、純文学と言うと少し構えてしまい、なんだか緊張しての読書となりました。(笑) 本作ですが、言葉遣いが独特です。カタカナが結構出て来るかと思いきや、意味さえ分からない古い感じの言葉遣いも多く、かなり調べてしまいました。 いきなり冒頭の文章が、 「曩時北町貫多の一日は、目が覚めるとまず廊下の突き当たりにある年百年中糞臭い共同後架に立ってゆくことから始まるのだった。」 なのですが、曩時って何?もしかして曩時北町って名前??後架って何? 曩時(のうじ)とは昔とかさきの時とかいう意味で、後架(こうか)はトイレのことらしいです。いやー、先が思いやられると思ったものの、後は案外最後まで、結構スイスイ読めました。(もちろん言葉を調べる為に何回かグーグルしましたが・・・) 内容はうーん、ほとばしりますね~。書き手の鬱屈した気持ちが、ギンギンに読み手に訴えて来ます。 北町貫多は中学を出て、その日暮らしの生活を送っている。目標もなく、ただただその日を生きている。金が無くなれば港湾人足をやり、金がある時は、飲み食いするだけ。友達もおらず、常に孤独。言葉を交わす知り合いもほぼいない。本当は、人とのつながりに飢えているにも関わらず、プライドが高く、自身は孤高の人を気取っている。要するに人として付き合うのが究極に難しい人物。そんな人間の内面を著者は見事に描き切っています。 著者はまさに、あの見城徹氏が言う「小説家には、書かなければ救われない、何かがある。上手くても下手でも強い祈りが込められ、膿んだ傷の感触がある。癒すことのできない痛みがあるから、表現をする。彼らは、自分の内部から滲み出る、やむにやまれぬ気持ちを作品化している。」に当てはまると思うのですが、幻冬舎からは一冊も作品を出していません・・・。 西村氏は見城徹氏が言う作家にぴったりな気もするのですが、きっと、(これは勝手な想像ですが、笑)見城氏は脆くて壊れやすい内面が細い感じの商業ベースの天才が好きなんじゃないかな?と言う気がします。西村氏も紛れもなく天才だと思いますが、脆くて壊れやすい感じの天才では全くなく、どちらかというと決してへこたれない、商業ベースなんて糞喰らえ!的に内面が太い人に見えるので、見城氏とは合わないのかもしれませんね・・・。(笑) いずれにしろ、久しぶりの純文学、なんだか胸がいっぱいになりました!ごちそうさまでした! | ||||
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以前にも読んでいた本ですが、また読みたくて購入しました。 自分自身と向き合うきっかけをくれるいい本です。 ありがとうございました。 | ||||
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表現の素晴らしさに圧倒されたり引き込まれてしまうのも文学作品の醍醐味の一つであり、優秀な作家の走らせる多彩な筆裁きによって情景がビビットに、登場人物が物語を生きているそれよりも鮮やかに読者に伝えることができる場合もある。本作品においては、貫多の持つ人生を彩る絵の具の持ち色の少なさや自身の人生において生来ていくことそのものへの辿々しさが文章の中から読み取れて、欠陥人間の機能不全生活におけるリアルを感じることができた。 | ||||
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文才があり構成力がある、そして屑男 なぜこんな典型的な屑人間なのに文才があるのだろうと笑ってしまう 仕事したくない、楽ばかりする、考え方は卑屈で低能 でもなんでこんなに文才を開花させ得るのだろう、芸術の魔性だ 高学歴で高尚な人は冷静に読み解けるかと思う ヒト科でもかなりの屑オスなので女性にはキツイかな 漢字の選択が凄い知的です | ||||
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感性のある人や想像力のある人は前半で読み続けるのが苦痛になる内容だと思う。ここで読むのを中止する人も多いのではないかと思うが、最後まで読まないとかえって不快感が残ったままになる。最後まで続むとその苦痛が無くなり納得する小説だと思う。内容は違うが、小林多喜二の「蟹工船」もそんな感じだったように思う。 | ||||
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生きづらい世の中の底辺の更に下の世界の話だと思う。下の下の、本当にどうしようもない世界を知って何とか生きていけることもある。そんな内容でした。 | ||||
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中卒で父親が性犯罪者、友と呼べるものはおらず人足で日々食いつないでいく貫太。普通に考えたらお先真っ暗な状況でも、どこかで捨てられない男としての矜持が、生きるために彼を突き動かしているよう。貫太が世間の見方を先鋭にして同じ人足や周囲の人間をどこか見下しているのは、自分が他の奴よりも暗い過去を持ち合わせているということが唯一他と差別できる強さでもあるからであろう。 西村氏と友となるのはご免こうむりたいが、小説の中でならもっと見てみたいと思わせる魅力的な人物だと思った。 個人的には表題作より、二編目の話の方が、新潮社の編集者との確執や売れる前の作家の苦悩をありありと描いていて、最後に酒をあおるクライマックスは感動すら覚え、芥川賞を獲った後の西村氏の変化は是非小説で読んでみたいと思わせる良作だった。 | ||||
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期待してた訳じゃなく、最近のぼんやりしたもやっとした小説に飽きて、読んでみて、実体感?と言う言葉は変かもしれないけど、特別でもなく、独特でもなく、主人公の心情の実体が鉛筆書き、それも強く一文字一文字押し付けるように書いたような、今、何処にもないような作品で、凄く自然に入ってきた。 19才の貫多と中年になった貫多の対称のような本の構成も良かった‼ | ||||
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