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灰塵の暦 満州国演義 五
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灰塵の暦 満州国演義 五の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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お盆の間に読み始めてここまで来た。 あまりの複雑さと日本の脈絡のなさに、確かにこれを小説にするのは難しいだろうと呆然と史実を眺める。 一つ一つを切り取れば、政治、満州の治安 謀略 馬賊の冒険 そして誰も仕切るものがいない状況でいろんなことを考えいろんな行動をする日本人たち、 天皇とゆう中心はいるのかもしれないが、天皇陛下が裁断するわけではないという。日本の良さであり欠点が生み出すこの無秩序っぷり。 話し合いなど無理で集団の雰囲気で状況を押し動かす右往左往する日本人の怖さを思い知らされた。 あいまいさを作ろうとする政権、極論は言いつのり神学論争を始める左派、極端に走る論理に引きずられる。今に通じる部分を感じる。 流れの中であの時代を眺められる私が読んだ中では初めての小説であり作者の偉大な仕事だと思う | ||||
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迅速、丁寧な対応を有り難うございました。また機会がありましたなら宜しくお願いいたします。 | ||||
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船戸与一氏の小説のファンである。 一連の作品を読みたいと思わせてくれた、数少ない作家の一人である。 砂のクロニクル、蝦夷地別件、猛き箱舟などは吸い込まれるように読みふけったものだ。 しかし、ここ最近の船戸氏の筆致は熱狂とは程遠く、しばしば読む手が止まってしまう。 今も、第6巻も中断中である。 満州建国から日中戦争へ突入するという歴史をなぞる長編だが、史実とストーリーとの融合があまりうまく行っていない様に感じられる。 すべての重要事件があっさりとしており、「え?これで終わり?」というあっけなさである。 煮えたぎる怒り、絶体絶命のピンチ。以前感じたような興奮が何処にもない。 どうしてしまったのだろうか?これが衰えというものなのだろうか?それとも変わったのは私なのか? 知らなかった満州と日本を学ぶという面では非常に興味深いシリーズだが、果たして、シリーズが完結するまでに小説を読む高揚感を味わうことができるのだろうか。 | ||||
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じつはまだ第5巻は読んでいないのだが、第1巻以来、発売されしだいつぎつぎに読み進んでいる。現代世界の辺境を描くこの作者への評価は、強烈なファンがしばしば正確に描くが、今回の満州国演義は、歴史小説としての最高峰に位置しているとわたしは思う。実名の歴史上人物も現れつつ、無名の大衆が本当の意味での歴史舞台でうごめいている。近年あつかましくも一流大学歴史学閥には、科学的歴史観から踏み外れて新しい歴史教科書を編む輩が、平然と歴史を塗り替えようと躍起になっているが、船戸与一の「小説」のほうが歴史を描いて論理的実証的で明瞭である。一部学者文化人が文春新書などに書きなぐる日本現代史では、恣意的に個人的感情から資料を引用するという学問からかけはなれた態度をとっているが、それらには船戸小説のように、思わずさもありなんという歴史がまったくないばかりか、見苦しいまでに個人的感傷の連呼しか感じられない。最終巻に発表されるだろう船戸氏の参考文献はおびただしかろうと思うが、いまからすでに楽しみのひとつである。大東亜戦争はいかにして始まったか。戦争を知らない日本人は船戸与一の満州国から入門するがよい。 灰塵の暦―満州国演義〈5〉 | ||||
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「非合法員」から読んできた。 日本冒険小説の大家は、海外から日本へ、しかしその主題は一貫している。 陽の目を見ることのない少数民族、あるいは虐げられてきた人々が叫ぶ怨恨、意志、失墜、不安、そして、時代時代の現社会体制が内包する絶対矛盾。 それが、満州。というよりも、南京事件を真っ向勝負で描こうというのだ。 興味深いではないか。 主人公の敷島4兄弟のポジション取りが良い。 これまで、虐げられた人々のネガティヴな暗い情熱だけで進んでいくはずの物語が、様々な角度から描かれていく。 初めて、満州をまっすぐに捉えた(であろう)作品であることには違いない。 船戸の進化はどこで折り合いをつけようというのか? きっと、作者ですら分かるまい。 取ってつけた落ちなんか要らない。 時代を撃ってほしい。 「山猫の夏」での、奇跡のように。 | ||||
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