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いつ死んだのか?
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いつ死んだのか?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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裁判所判事を務める傍ら法律知識を活かしたミステリーを執筆して活躍した往年の英国推理作家ヘアーが惜しくも57歳の若さで急逝された1958年に著した遺作の紹介です。昔早川ミステリ文庫で読んだ1942年発表の著者の代表作「法の悲劇」は長大で難解だった為に相当苦労した記憶がありますが、その16年後に書かれた本書は200頁もない短さで筋書きが程よくまとまっていて読み易く、今回は打って変わって好印象を持ちました。本書で著者は後期作品の主役ペティグルー弁護士と初期作品の主役マレット警部の二人を共に現役を引退した身で警察の裏方として活躍させています。物語はペティグルーが親子程も年の離れた妻エリナーの勧めで久々に故郷エクスムーアへ夫婦二人で訪れて開幕します。ペティグルーは地元の鹿狩りの日に偶然〈暴走馬の茂み〉と呼ばれる場所で死体を発見しますが、彷徨うポニーに乗って村人を探し出し戻ってみると死体が消えていたという奇妙な事件が起こります。ペティグルーは少年時代にも変死体を見つけた経験があり、今回は何とその2日後に再び死体が出て来た為に、妻からあろう事か未来の幽霊を幻視したのではないかと言われて自信を失くす始末で戸惑いを隠せません。事件は旧家の遺産相続が絡む問題に発展し、後半になると著者の本領発揮のユーモラスな法廷場面が出て来て大いに楽しめます。ペティグルーは警察を引退したマレット元警部と再会し、訴訟の日までは要領を得ず空回りの冴えない日々でしたが、二人でじっくりと話し合う内に基本に立ち返り逆転の発想で遂に驚くべき真相に到達します。本書の良さは推理の素晴らしさは勿論の事、自信喪失した老齢のペティグルーが往年の頭脳の冴えを見せて自信を取り戻し見事に復活する人間ドラマにあるでしょう。不器用で憎めない憐れむべき犯人像も新鮮な英国法曹ミステリー界重鎮の円熟の田園風推理小説をたっぷりとお楽しみください。 | ||||
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