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蟬しぐれ
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蟬しぐれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全159件 121~140 7/8ページ
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友達と日が暮れるまで遊んだ日々。それが思い浮かびました。夏の記憶といえばセミの声。そんな意味もこめて「蝉しぐれ」なんでしょうか?←私の単純な思い。 少年期から青年期にかけての一人の男の子のものがたりを雰囲気良く読めました。男の子なら誰でも思いそうなエピソードも多数。そのおかげか、主人公に入り込むのもたやすかったです。 二度、三度と読めばもっと深く味わえると思います。少し時間を置いて試してみます。 | ||||
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この年にして、藤沢周平デビューである。別に時代小説が嫌いなわけではなく、むしろ好きな部類に入る。池波正太郎・吉川英治など大好きである。ただ、藤沢周平に関してはなんとなく読む機会がなかった。ただそれだけのことである。 そして、蝉しぐれである。 さわやかで清涼感にあふれているのだが、一番印象深かったのは「深いなぁ」ということだった。とにかく、書かない。これでもかというほど、行間を読むことを要求してくる。もともと新聞小説だから、読者の興味を翌日まで引かねばならないこととも無関係ではないだろう。 こんなに、読者にゆだねていいのかと思うほどである。 安っぽい恋愛小説ばかり読んでいる人にぜひ読んでもらいたい極上の一品である。 | ||||
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初めて藤沢作品に触れた.この作品,主人公の文四郎の青春を等身大で描いた小説で,父の死,母への気持ち,恋,親友との友情,剣,といったいくつもの場面を,文四郎が感受性豊に行動的に生きていく様が描かれている.そして幼馴染の初恋の人を救い,後年再会し,想いを確かめ合う.電車の中で,涙ぐみそうだった.自分に対して素直な主人公の生き方に共感できる.文章も,なんとも言えない描写の妙があり,読むことを楽しく嬉しくさせてくれる.この歳(30台後半)だからこその感動かもしれないが,良い作品に出会えた感が強い. | ||||
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地方藩の下級武士「文四郎」の物語。藤沢周平の代表作であり、映像化もされた。 読み返して出色なのは、父の遺骸を引き取るシーンである。狐につままれた思いで待つ城内での光景。腑に落ちない藩の処分により切腹した父の遺骸を、大八車で引いて帰る途方もない重さ。それは過酷な現実の重さだ。悲しむ暇もなく、物質と化した父の体を引いてゆく姿を丹念に描き、無念の思いを血肉化している。 友情の描き方がいい。初恋の描写もいい。秘剣をからめた剣戟シーンもいい。藩の権力争いも面白い。新聞連載だけに、テンポがいい。 ただ一点、文四郎の妻だけは、いかにも江戸時代男尊女卑使い捨てキャラクターでかわいそうだ。しかたないけど。 | ||||
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日本の昔の男子は、これほどまでにりりしく、そして大人であったものかなのか、と思わせる作品です。 汚名をきせられ、罠にはまって切腹させられる父親。その父親の遺体をたった一人引き取りに出かけ、謀反者との罵声を浴びせられながらもひたすら歯を食いしばって車をひくまだ十代の文四郎。 互いに心を惹かれあっている幼馴染のお福との切ない別れ。 不動の固い友情で結ばれている3人の若者。 それらの一つ一つが感動させられます。 そして、大人になった文四郎は、殿様のお手がつき「お福様」となった福とともに、再びお家騒動に巻き込まれていきます。 このお家騒動の結末は?文四郎とお福は? さわやかな、一陣の涼風が吹く、すばらしい傑作です。 | ||||
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知人にすすめられて手にしました。時代小説って、ちょっと近寄りがたい、つまらなそうなイメージがありましたが、ぐいぐいと引き込まれて一気に読んでしまいました。 文章の歯切れがよくて、場面の移り変わり、盛り上がり・構成も見事です。 話の内容は詳しくは書きませんが、とてもさわやかでしみじみした気分になります。 | ||||
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「ふくに、殿さまのお手がついたのだそうです」ってとこからはじまる文四郎の心情描写と、 「文四郎さんの御子が私の子で…」ってとこからはじまる、ふくの心情吐露の部分がすごくいい。 鳥肌モン。 | ||||
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NHKでもドラマ化され、映画化もされました。みなさんが、おっしゃるとおり、とても良い作品です。 私は、悲しい話だと思いました。けど、悲しいけど悲劇ではないのです(意味不明ですいません。読んでみてください。)。私は、最終章の「蝉しぐれ」でのふくと文四郎のやりとりがとても好きです。読んだ後は、さわやかな気持ちになります。 藤沢周平氏の簡潔で無駄のない文章ですが、読んでいると、情景や人物の顔まで浮かびます。 すらすら読める作品だと思います。ぜひ、一読を。 | ||||
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中学校の国語の教科書に冒頭の1章が掲載されており、初めて藤沢作品and時代小説にチャレンジした国語教師です。朝読書の時間で毎日ちょびちょび読んでいたけどやめられなくなり、途中から夢中で一気に読んだ。「すてき!」「さわやか!」そんな気分が続いてる。言葉に無駄がなく、飾り過ぎない。それなのに(それだから?)情景や気分が広がりをもってよく伝わる。江戸時代の話を読んでいるのになぜか新しさを感じる。私が剣道でもやっていれば道場のシーンがもっとおもしろく読めるんだろうなと思うと、NHKのDVDが見たくなる。ああもうこれから私の中に藤沢作品の世界がどんどん築かれていくかと思うとわくわく。教科書に載っているけどこれはやっぱ大人の小説。 | ||||
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若い武士の成長物語。幼なじみふくとの淡い恋の行方、個性豊かな親友との友情、剣の遣い手としての成長、藩政の派閥争いなど、多くの要素が織り込まれている。 そして、常に登場するのが川の流れと蝉しぐれ。 読んでいて、これほど人物の表情や体の動き、声、情景がくっきりと映像のように浮かぶ作品は初めてである。 たくさんの登場人物の輪郭が明瞭で、人間関係の複雑さを感じさせない。作中、いくつかの命が失われるが、一貫して爽やかな作品である。 | ||||
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なんて切ない話なんだろう…これは単純に恋愛の話では なく、人間の不憫で儚く、だけど美しい繋がりをうまく 描写している。友の声や父の思い、そして好きな人の身 を案じる主人公の気持ちがひしひしと伝わって来る!読 み終わった後、映画の主題歌「かざぐるま」の詩が凄く 切なく聞こえる。ただ通り過ぎただけ…そうだったのか も知れない。藤沢周平の本を読むのならこれで決まりで しょう!! | ||||
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時代劇はちょっとと思いつつ読み始めたら一気に最後まで読んだ。 下級藩士の父を藩内の抗争の末,罪人として処刑された文四郎の少年から青年,そしてりっぱに成長し父の名前を継承するまでになった波乱の人生を,友との熱い友情,剣の道を学ぶ道場,そして父を語る何人かの人々に包まれながら,どんな不遇の環境にあっても決して不平を言わず,まっすぐで強い凛とした心のまま生き抜く姿はまぶしくもある。 そして,どんな時も文四郎の心の中に生き続けた「ふく」の存在。隣家の娘がやがて殿の側室となり,その身分は大きく離れることとなるが,藩内の抗争から,ふくとその子を守るため自らの命をかけて立ち向かうことになる文四郎。 身分や立場がどれほど変わろうとお互いを想い続けていた二人の心を「恋」というにはあまりに簡単過ぎるが,他に言葉が見つからない。 これは,時代劇でなく淡い恋の物語だという方もいるが,文四郎はやっぱり武士でなければ表現できない男の生き様だと思う。 映画の中で,罪人として処刑された父を荷車に乗せ,人々の冷たい視線や言葉の中,真夏の炎天下,手の豆がつぶれながら必死に運ぶ文四郎。 その文四郎に手を貸すため必死に走り寄る少女ふく。この場面はいくらぬぐっても涙を止めることはできなかった。 その対局としての文四郎とふくの最後の別れの場面。長い年月が全てのことを受け入れさせ,お互いの心を開き,そして離れゆく二人の心中はふくと文四郎が最後に語った有名な言葉の他は,どんな言葉をもってしても語ることは出来ないと思う。 まちがいなくこれまで読んだ時代劇最高の作品です。 | ||||
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同じ藩の下級武士の家柄どうし、しかも隣家の子。 男と女のちがいが意識される前から互いを見知っていた、ふくと文四郎。 それは、燃え上がるような激しい恋ではない。 それは、ごく淡い思慕であった。 その淡い思いゆえに、文四郎は命を賭けた。 かけがえのない、いとおしさを守るため。 この小説は、人は激情によらずとも我が身を捨てることができるという こと、いとおしいものを守るのは人の誇りであるということを、わたし たちに示してくれている。 日本人の恋の元型がここにある。 凡百の恋愛小説が束になってかかってもかなわない恋愛小説である。 とくに、ラストの切ない爽快感(としか言い様がない)は圧巻。 (NHKドラマのラストシーンほど悲壮感がなく、映画のラストシーンより は艶っぽい。私は、この原作のラストが一番好きだ) | ||||
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良いものは、良いのです。文句なく。ストイックに長年の思いを胸に秘めという物語は、やはり受け入れちゃいます。古くは「天の夕顔」なんて、作品もありますが、読後感は似ていて非なるものです。こちらの作品のほうが、まさに爽快度では、上回ります。「解説」に『一気に読めてしまう』とありますが、私もそう思います。文四郎のすがすがしくさわやかな男らしさと、おふくのけなげで一途な女らしさが、非常にうまく絡み合っていて本当にお勧めです。 | ||||
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切ないほどに美しく、凛然としてすがすがしい。 若い頃からの剣の修行、淡い恋、逸平や与之助との友情、藩の世継ぎ争いからの父の悲運とも言える切腹、里村家老と稲垣元中老の罠など息をも吐かさぬ話の展開。 その中にあって牧文四郎はどこまでも武士の子として毅然として自らの運命に立ち向かうのである。 二十余年の歳月が過ぎて出会ったふくと文四郎の二人が交わす言葉は遠く過ぎていったあの頃を取り戻したかったかのように響く。 「文四郎さんの御子が私の子で、私の子供が文四郎さんの御子であるような道はなかったのでしょうか」・・・・・・・ 「それが出来なかったことを、それがし、生涯の悔いとしております」 20年ー 人を想い続けたことがありますか? | ||||
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TVで水野真紀がお福の役で出演していたのを見ました。 藤沢周平は「海坂藩」という架空の藩(自分が自由に描ける舞台)を舞台に物語を作り上げています。 主人公は牧文四郎とその幼なじみのお福。貧しい家に育ったお福は江戸に奉公に出てから大きく運命が変わり、世継ぎに絡んで藩の派閥争いに巻き込まれます。お福を守ろうとする文四郎たち。 物語の最後に、二人はそれぞれが思いを寄せていたことを確認します。抱き合って唇を重ねあいますが、二人の立場はそれ以上はいかんともすることができない立場です。この場面の二人の会話が、なんとも切ないのです。一瞬炎が燃えたように時が止まり、やがて蝉しぐれだけが聞こえる静寂へと場面が変わっていくところがいいのです。 藤沢周平の文章は、なんといいますか、ほんのりとした温かさがあります。ストーブやヒーターのような暖かさではなく、陽だまりのぬくもりのような柔らかな温かさを感じます。私はそこが好きです。 | ||||
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映画も公開前に一足先に見て来ましたが、本書を読まずして、観たとはいえないでしょう。このストーリーには昔から関心がありましたが、今、改めて読んでみて、また違ったものを感じた。それは「時間の流れ」の持つ意味である。これは人それぞれ、感じ方は本来は異なるのだが、本作品の締めくくりが、この2人の「感じ方」の一体化にあるのではなかったろうか? | ||||
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純愛ブームなどという言葉が恥ずかしいくらいに、さっぱりとしている恋愛。 そして武士として今から見るとみょうちくりんな気概というものもなく、ただただ日本人としての資質を教えてくれる。その姿勢を感じ、素晴らしいと思える。それがとても嬉しく思える。 | ||||
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何べん読んでも、すがすがしい後味の本です。なんか気分がくさくさしたりした時に、気分転換にわたしは4回読みました。 この頃、「御宿かわせみ」にはまっており、時代物もいいなぁと思っていた時に、この本は系統が違うかもと思いながら読んでみました。捕り物も良いけど、こういう青春ものもいいな、現代の若者にはなかなか経験できないものかもしれないが、こういう人生の浮き沈みの中でも辛抱し、普段の心の持ち様で周りの人の協力も得られ、人生が開けてくる。こういう世の中であって欲しいと望むのは、現代にないロマンがあるからなのか。映画化されるとの事で原作をこわさない内容であって欲しいと思う。 | ||||
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いい加減年を取った,しかも男が言うと,街角インタビューで政治について詳しくコメントしてしまう,一般通行人のようでいやなのだが,「恋はいい」。こんな俺でも胸がきゅんとなるんもんな。 恋とハラハラと爽快感これは,私の中のエンターテイメントに欠かせないもんなのだが,「蝉しぐれ」はすべて100%です。息子が大きくなって,酒が飲めるようになったら,黙って机の上に置いてやりたい一冊です。 藤沢周平さんの作品は,ほとんど読みましたが,自分の中では1番です。というこうとは,今まで読んだ時代小説の1番ということです。 「不憫だ」というコメントが多いですが,私は爽快感というか清々しさでいっぱいになりました。最初から最後まで「清々しく」て「切なく」て「胸が躍る」至極の一冊です。 | ||||
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