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蟬しぐれ
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蟬しぐれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全159件 81~100 5/8ページ
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まず、時代背景は江戸時代の比較的平和な安定期の世の中を題材にした小説。つまり日本史の中ではつまらない時代である。 そのため、つまらなそうだが一応中学の先生もお勧めしたほどの名作らしいからという中途半端な気持ちで手にとって読み出してみたところ続きが早く知りたくて夢中になって読んでしまった。 私は文章や文学に対しては無知なため他の方が書かれているように文章に魅了してしまったというよりは、純粋に主人公の文四郎が健気に青春時代を迎えていくストーリーにどっぷりとつかってしまった。 そのため、書きすぎるのもネタバレになってしまうゆえに自分が真っ先に感じた魅力を十分上手く伝えられないのは大変もどかしいですが、とにかくこの小説の中には、青春、生活、恋愛、社会、友情、苦悩すべてをうまく絡み合わせた物語のセンスと面白さに惹かれしまうことでしょう。 今から読もうとしてしている方は歴史小説だから昔の小説だからという気難しい先入観は一切捨てて、すぐにこの本を取ってみることをお勧めします。 | ||||
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最初のほうは 堅くて読むのに苦労したが だんだん 読み進むうちに 読みやすくなってきます 主人公や父親や友達の 言葉少ない中に 垣間見える 熱さや温かいもの お互いに 思いあいながらも 離れ離れになってしまう初恋のせつなさと 恋を越えた 人と人とのつながり そして かっこ悪くても 欲しいものは 手に入れる 貪欲さ 貪欲であることや 裏切る ということは 悪いことではないのではないか?と考えさせられる 一冊 合わせて 映画も TUTAYAで100円で借りて 見ていただけると 非常に 面白いし きれいです 坂道を 駆け下りてくる 初恋の少女 女であっても ハッとする 描写 結ばれたくても 結ばれない せつなさも ぐっときます 損か得か かっこいいかどうか そういうもの 一切関係なしの 温かい関係に 泣けます 大学で この映画の監督の授業を受けた時に 教科書として使ったもの | ||||
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蝉時雨は、 何かを思い出させる情緒感があるのかもしれません。 好きな女性と結婚することだけが 愛の表現だとは思いませんが、 それを地でいくとなると、どんな心の葛藤があるのか、 幾重にも重なってしまった状況を受け止めつつ 文四郎の男らしさはすてきだなと思います。 しかし、 違う人生もあったのかもしれないと思うと残念です。 そのくらい、心が通じることって、 そうはないと思うのです。 | ||||
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この本を読み返すたび、人生のただ一冊、無人島に持って行く事を許されるただ一冊に選ぶならこの本だなあと思います。 その素晴らしさは多くの方が語っているのでいまさらですが、最近類似性を語られる乙川優三郎作品を読むにつけ、本作の完成度の高さと素晴らしさを改めて思い知らされる感があり、私なりに書かせていただきたくなりました。 冒頭、主人公が茄子畑に水をやるシーンは、下級武士ながら幸せな家族の象徴を思わせます。 それが藩の派閥争いに巻き込まれた尊敬する養父の刑死、それによって暗転する運命を、剣の修行に打ち込む事で乗り越えようとする主人公。そこで身につける秘剣村雨のかっこよさ。 そんな主人公を取り巻く親友たち、特筆すべきはおとなしさの中に心の強さ、美しさを持つヒロインおふくの存在です。 刑死人として誰も手伝わない中、ただ一人父の遺骸を乗せた荷車を引く主人公を待ち受け、無言のまま駆け寄り懸命に手伝う姿。 江戸へ召し出されることになり、最後の日一目主人公に会おうと一人訪ねながら、行き違いでついにとぼとぼと引き上げる背中の切なさ。 このヒロインの姿は、全藤沢作品の中でももっとも魅力的なものの一つなのではありますまいか。 そして父を殺した陰謀がついに主人公自身にも降りかかってきた時、鍛えに鍛えた秘剣村雨をもって立ち向かう戦いは、いまや藩主の側室であり、嫡子の母でもある懐かしいおふくを救うための戦いともなります。 この戦いのカタルシスは、修行時代からのライバルでもある強敵の存在もあいまって非常に面白くスリリングです。 主人公とおふくの恋は、人生をともにすることはできないものの、数十年後のラストシーンにおいて忘れ難い印象を残すあるけじめをもって終わります。ラスト、降るような蝉しぐれの中、乗馬し駆け出す郡奉行となった主人公。 このように本作はファーストシーンとラストシーンの美しさ、逆境に立ち向かう主人公、魅力的なヒロイン、必殺技と強敵の存在という剣技のおもしろさ、など何重もの意味において最高の傑作です。 なおこの作品は幾度か映像化されていますが、テレビは配役に問題あり、映画ははしょり過ぎで村雨修行のくだりがすっぽり抜け落ちているなど原作の良さを十分生かしているとは言い難い作品です。 映像を先に見て本作を見くびらないでいただきたい。 最近東山紀之が何本か藤沢作品の映画化に出ていますが、彼にもう少し若いうちに牧文四郎役を演ってほしかったと思います。 | ||||
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始めて藤沢周平に触れたのは大学1年の夏。 金沢から福島に帰省する6時間の電車の旅のお供に、何の気はなしに「橋ものがたり」を買いました。 「橋」をテーマに人情の機微を描いた作品に感銘を受け、これ以降の帰省の電車の中では必ず藤沢周平を読むようになりました。 そうして大学2年の時に出会ったのが「蝉しぐれ」 北陸本線から長岡で乗り継ぎ、上越新幹線で大宮まで。さらに乗り継いで東北新幹線で福島まで向かう車中、じっくりと「蝉しぐれ」を読み進めました。 福島駅に着く手前、ラストシーンを読みながら新幹線の中で一人鼻をすすりながら泣いていました。 それ以来、年に最低一回は必ず読み返しています。 初めて読んだ日から15年あまり。何年読み続けていても、その読後のたびに新しい感情を覚えます。 他の人達から見れば消極的と見える東北人の「語らなさ」。語らず、主張せず、理不尽な状況ですらただ耐えて、自分や自分に関わる人たちの人生を思いやる。百年後も二百年後もきっと変わらない朴訥な東北人の気質が、この作品の中には表現されています。 幼い頃からの親しい友達、淡い恋心を抱いた幼なじみ、大人になった自分の職責、自分を育ててくれた親への思慕。 美しい情景描写とともに語り進められるこの作品は、日本語という文字が残り続ける限り、私たち日本人の心象風景を普遍的に語るものとして、この先も読み継がれていくと思います。 | ||||
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初めて読んだ藤沢作品。青年藩士の肉体・精神両面での成長、親友との触れあい、そして淡く切ない恋が爽やかに絡み合う、清涼感溢れる青春物語。行間・章間に無駄がないどころか、むしろその適度な余白に心地よさを感じた。細やかな描写に映る日本の社会美・自然美が心に沁み渡る。名作の評判を裏切らない良質な小説。 | ||||
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時は江戸時代。下級武士の家に生まれた文四郎が父の死を乗り越え、恋に友情にと成長していく姿を描いた物語。 淡々とした語り口なのだが、先の展開がどうなるかワクワクさせる完成度の高い時代小説だった。突然の父の死にもめげることなく、剣術修行に勤しみながら自分が家族を守るという文四郎の強い信念には心を打たれた。 また、文四郎を支える親友の逸平、与之助たちとの友情、幼馴染として共に育ち、いつしか恋愛感情を抱くようになったおふくとの恋路など、読み応えが多かった。 | ||||
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何年かぶりに読み返しましたがやはり素晴らしい。 時代小説ファンの方なら、なにを今さらという作品ですので、 時代小説はちょっと、あるいは小説自体ちょっと、という方にこそ読んでほしい作品。 突然の父の死をきっかけに、苦難の日々を過ごすことになる主人公の牧文四郎。 ですがあまり悲壮感を感じないのは、前を向いて進む彼の生き方のためでしょう。 決して超人ではない主人公が強く成長していく姿は爽快で、 彼を取り巻く淡い恋や、篤い友情には心を打たれます。 文章は華美ではなく、むしろ淡々としていて読みやすいと思うのですが、 描き出される情景は非常に豊かで、目の前に思い浮かぶよう。 炎天下、汗を垂らしながら歩いた故郷の道。 読了後は、そんな遠い夏の日を思い出させてくれるような名作です。 | ||||
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実は時代小説は苦手。特に権力闘争のようなものをテーマにしたのはちょっとだめだった。 評価の高さに読んだが良作。主人公が少年から大人になる過程を、季節感をふんだんに感じさせる丁寧な筆致で描写し、鮮烈に脳内再生される。 舞台は架空の江戸藩だがもうひたすらリアル。本当に存在していたかのように思ってしまう。出てくるエピソードも思わず史実かと。 死がごく近い存在であったこの時代、全力で生きた主人公を創り上げた作者の力量に脱帽。 | ||||
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江戸時代に生きた下級武士階級の少年剣士の初恋・友情・性・剣術・義・家族愛・社会の悪意・過酷な運命と人の生の悲哀をその心身の成長と共に叙情豊かに清冽かつ力強く描いた深みのある時代小説。 四谷荒木町美舟のマスターに時代小説最高峰と伺い拝読しましたが、文学的価値がどうこうではなく日本人が普遍的に重きをおくエッセンスがこの小説に凝縮しているように感じました。 小説を芸術として大上段に構えずに本書を紐解けば、何が(日本)人にとって大切なのかを再考する良いきっかけを与えてくれるはずです。 | ||||
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私がこの作品と出会って3年。 毎日の少しばかりの休憩時間に、夜の睡眠の前に・・・ 少しずつ読み進めて早くも5、6週目になります。 3年前の高校時代に国語の先生が取り上げたのがこの蝉しぐれ。 本来は学校の教材としてはあまり適さないことが言われていて(先生からの説明) 物語のほんの始まりの部分しかやらなかったので続きが気になって購入しました。 時代物とは無縁な私ですが、この作りこまれた世界観と大人になった今だからこそ理解できる焦燥感というか・・・初恋の頃の苦い思い出のような純粋な気持ちを思い出させてくれた。 そんな今の若い人たちには是非読んでもらいたい名作だと思います。 | ||||
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藤沢文学最高級の青春小説です。正直読んでいる途中、長いなぁと思いましたが、内容がすごく充実して面白かったです。仲間の成長や出世、杯を交わしたり、恋愛要素が含まれていて、時代小説や長編が苦手な人こそこの本を読んでほしいと思いました。 | ||||
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静かな感動がゆっくりと沸き上がる、それが読後の感想です。 映像化されたものは見ていなかったので、本書は真っ新な状態で読みました。若い武士が父の非業の死を乗り越え、固い友情に支えられながら、清廉な生き方を貫いていく、爽やかな成長物語で、その中に淡い恋があり、ストーリーの中心的な出来事と関連していきます。 清々しい若者が、艱難辛苦に耐えつつ、人に恥じないよう生きていくという基本的には爽やかな話ですが、普通なら悲嘆に暮れる状況においても凛々しい振る舞いが要求されたり、外からは分からない自分の心の中だけのわずかな心の動きを恥じてみたり、時代が違うといってしまえばそれまでかもしれませんが、主人公の若いながらもストイックな自身の律し方は、自分勝手を個性と言い換えることが当たり前になっている現代を生きる我々にとっては、非常に新鮮かつ痛快であって、胸を打つものがあります。 名作だと聞いていましたが、本当に期待を裏切らない名作だと思います。 | ||||
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●一度は耳にしたことがあるであろう、 言わずと知れた時代小説の巨匠”藤沢周平”の名作中の名作 「蝉しぐれ」 ●日本人にしかこの繊細な感動はわからないと思う。 DNAの髄まで浸透しているとしか思えない日本特有の美意識。 無常観、儚さ、わびさび。 これら日本特有の美意識がこの小説全体に漂っているのを感じます。 ●決して、「恋空」のようなお涙頂戴の安っぽい感動ではなく、品性を感じさせる感動であり、 また、映画タイタニックのような体を突き抜けるような壮大な感動でもない。 それは心に染み入る、儚い、情緒溢れる、感慨深い作品といった言葉が一番当てはまる気がする。 ●読んだ後は心地よい浮遊感を感じると共に、どこかさびしさを感じる不思議な小説。 | ||||
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現在、映像化の最も高い人気を誇る時代小説の雄・ 藤沢周平 (1997・1・26逝去、享年69歳)。没後13年が過ぎ去った現在もその人気はとどまるところを知らず、 山田洋次 監督による藤沢周平三部作(『 たそがれ清兵衛 』『 隠し剣 鬼の爪 』『 武士の一分 』)や近年でも『 山桜 』(08・5・31公開)や『 花のあと 』(10・3・13公開)など著者原作による映像化が後を絶たず、まるで現在もベストセラー作品を執筆し続けている流行作家のようである。 普段、時代小説に馴染みの薄い読者も虜にする藤沢作品であるが、私も同様、以前映画『 蝉しぐれ 』(05・10・1公開、監督:黒土三男、主演:市川染五郎)を拝見し、今回本書を手にした次第である。 本書は『山形新聞』夕刊(1986・7・9〜87・4・11)に掲載され、東北の小藩「海坂藩」の下級武士の子として育った少年藩士・牧文四郎の淡い恋と友情、そして自分にふりかかる悲運と忍苦を通して成長していく姿を描いた作品である。 藩内で起こった権力闘争に巻き込まれ、切腹するはめになった父・助左衛門の遺志を受け継ぎ、世間の非難を浴びながらも家を守り、懸命に生きる文四郎の姿や同じ道場仲間の明朗な小和田逸平と秀才の島崎与之助との友情、密かに文四郎の事を慕う幼なじみのふくとの運命的再会などを通して日本古来独特の風習が描かれており、自分にとっては初めての藤沢作品体験であったが、読後感としては時代小説の大家である 五味康祐 や 柴田錬三郎 といった同時代の作家が描いた作品を連想させる文体や世界観で今日における藤沢作品の人気の一端を垣間見る思いがした。 最後に少年時代から互いに思いを寄せているにも関わらず、なかなか言葉に表すことができずに互いにすれ違いのまま別々の道へ歩む事となった文四郎とおふくが、20年越しに幼き頃の思いを交わせる事ができてよかったと思いました。 | ||||
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藤沢作品をはじめて読みましたが、これはなかなか面白い時代モノでした。 作者の小説をもっともっと読んでみたいと思う一冊です。 | ||||
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『蝉しぐれ』には、牧文四郎のひた向きに生きる様が描かれている。 淡い恋心、青春時代、過酷な運命、親を想う気持ち、人生を切り開く勇気、修行の行為、そういった生きる醍醐味を、彼は手加減なく経験していく。 尊敬に値する父のいる不自由なき良い家庭に育ち得た青年が、突然、家の不運に襲われる。心ない周囲の行為が彼をさらに傷つける。彼は若くして地獄を見たはずだ。私だったら、きっと潰れてしまう。 現代は、少しぶっちゃける。辛いときには、情けない姿や弱音、そういうものを、ちょっと見せて共感を得る。別にそれで悪くない。頼ってもらえれば「しゃあないなぁ〜」って、味方してあげたくなるし、持ちつ持たれつは、良好な人間関係で、わたしたちは今、そういう時代に生きている。 しかし彼は、潰れもせず、泣きつきもせず。じっと思案し、どうすべきか道を探り、まっすぐに走りだした。ときに竹馬の友や縁ある人々が、文四郎に力を貸そうとする。そんな描かれ方もいい。 彼を見ていると、何があっても彼を支持したい気持ちになっていく。 母をかばい、自らの生きる道を見いだし、志高く生きようとする。そうすることに、一歩も引かなかった。冷静に己を見つめる視点と共に、選んだ剣の道を謙虚に渋く歩み、やがて自信を身につけるに至った。 逆境に負けず、ひた向きに生きて行く。人として大切な姿が描かれた作品である。 | ||||
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父の死、淡い恋、友情、様々な思惑が渦巻く藩内の抗争 …巻き込まれ戸惑い成長していく主人公、牧文四郎の物語。 最終章でお福さまの「文四郎さんの御子が…」という台詞は何回読んでも胸にじーんとくる。 数年前にみたNHKドラマにはまった当時の私の印象では恋愛物語のイメージが強かったが、文四郎をはじめ若い武士たちの活躍を描いた爽やかな物語だと分かった。 | ||||
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美智子皇后様の国際児童図書評議会における基調講演のビデオを一部拝見したことがありました。詳しく活字で読みたいと思っていましたところ今回文庫特装版で出版されたことを知り早速注文しました。本屋さんで探すよりも手軽に手に入ります。送料の関係で「蝉しぐれ」も頼みました。美智子皇后様のお言葉は幼少のころからの読書体験から語られ、現在の深い慈愛に満ちたまなざし、生き方そのものにつながられていることを知り、幼少の読書がいかに大切かを実感させられます。「根っこを与え」「翼をくれ」「悲しみや喜びにつき、思いめぐらす機会をあたえてくれた」と述べられていましたが若いお母様方に是非読んでいただき、お子様を心豊にはぐくんで欲しいと願う本です。 | ||||
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舞台、主人公の年齢設定、心理描写と風景描写、筋書きの芯となる苦難と陰謀、友情と淡い恋、剣と成長。これらを組み合わせたバランスがよい、テンポがよい、無駄がない。 時代小説になじみのない若年層から、歴史もの時代ものをいろいろ読んだ熟年層まで(そういう人はすでに読んでいるだろうが)お薦め対象者を選ばない。 それにしても日本人というのは、うだる夏空の蝉しぐれに包まれると、遠い少年・少女の日に自動的にトリップしてしまう仕様になっているみたいだ。 | ||||
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