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見知らぬ人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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(正確には少し違うが)学校を舞台にした海外ミステリーという点では、同じ年に同文庫から刊行されたホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』に似ている。『このミステリーがすごい!』2022年度版では、『自由研究には向かない殺人』が海外部門の2位、本作は18位にランクインしている。だが個人的には本作の方が面白かった。 英語教師であるクレアはホラー作家R・M・ホランドの研究をしている。彼女は離婚しており、一人娘のジョージア15歳はクレアの元夫サイモンと一緒に暮らしている。10月のある日、クレアの同僚で親友の英語教師エラが何者かによって刺殺される。英語科主任のリチャードやエラの生徒だったパトリックに疑惑がかかるが、やがてそのリチャードもおそらくは同一犯によって殺害される。現場に残されたメモ書きやクレアの日記への書き込みによって、犯人はクレアおよびR・M・ホランドと何らかの関わりのある人物らしいことを、女性刑事ハービンダーは確信するのだが……。 いくつかの章に分かれており、章が変わるごとに話者がクレア、ハービンダー、ジョージアと目まぐるしく移ってゆく。そう書くとややこしそうな印象を与えるかも知れないがそんなことはなく、叙述トリックが仕掛けられているわけでもない。このような構成にした効果や必然性はよく分からないが、いずれにせよ読者は安心して読み進めることができる。 「この犯人は絶対に見抜けない」という謳い文句のとおり、本作の肝はやはり犯人の意外性にあるだろう。確かに意外な犯人ではあったが、衝撃的というほどでもなかったし、動機が少し弱いのではないかと思った。作中作という構成も果たして必要だったのかどうか、それほどの効果を上げているのかどうかは疑問が残る。だが『自由研究には向かない殺人』とは違って想定している読者層が限定されていない分だけ、作品の自由度は高くなっている。単なる好き嫌いの問題かも知れないが、『自由研究……』よりも本作を個人的には推したい。 | ||||
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本書の帯には、「この犯人は、見抜けない。」とありますが、半分程読んだ時点で分ってしまいます。 「物理的に可能」な人物は一人しか、思い当たらないからです。(「動機」は不明なのですが・・・。) にも拘わらず、500ページの長編を最後迄楽しめたのは、勿論原作の構成力が素晴らしい事です。 そして、それ以上に素晴らしいのが、翻訳者の上條ひろみさんの文章なのです。 若し此の作品を原文で読んだなら、恐らく何が何だか分らなかったと思います。 先ずは「シェイクスピア」からの多数の「引用」(イギリス人には『常識』なのでしょうが。私も大学時代に「英文学」の講座で『ハムレット』の有名な独白を幾つか暗唱させられましたが、『テンペスト』は恥ずかしながら未読です) そして章毎に「一人称語り」の「主語」が変ると言う複雑な構成。 英文を漫然と読んでいたら、誰が今語っているのか、「迷子状態」になるのは必定です。 其処を人物の性別・年齢・性格に合わせて絶妙で上質な日本語に置換える「翻訳力」は並大抵のモノではありません。 イギリスの学校(日本では「高校」に当たる)が舞台なのですが、学校のレヴェルで其の後の人生がほぼ決まってしまう(Ox.Bridgeに進めるか、其れ以外か)と言う階級社会が未だに厳然としてある、と言う点も知る事が出来ます。 然し、その一方で、ホロヴィッツの作品を読んだ時も感じたのですが、イギリスでは所謂「少数者の権利」に此処迄気を使わないとミステリーも書けないのか、と言う「またですか」と感じたのも事実です。 只、とても楽しめる作品なので、クリスティ、クロフツ、等の「イギリス本格派ミステリー」が好きな方、ホロヴィッツが好きな方にも自信をもってお勧め出来る上質な作品です。 1,210円以上の「価値」アリです。 | ||||
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作家ホランドの邸宅が現在は学校の校舎になっている。学校関係者が連続で殺害される。本作品は、主に三人の女性の視点で語られる。刑事と関係者のやりとりや娘の行動が異なる視点で語られることで作中の出来事を読者だけが事実を理解できる。この構造が楽しい。でも、事実を理解したところで、犯人が分かるわけでもないのだが、いや、分かるつもりでいたのだが、ものの見事に意外な犯人に驚かされた。犯人が分かってからは、過去の事実の裏に隠されたものが非常におそろしく、身震いした。500ページ超の長い作品であるが、意外にすらすらと読める。 | ||||
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英語教師のクレア・キャシディは、「見知らぬ人」という怪奇小説の作者であるR・M・ホランドの研究を行っている。 ある日同僚のエラが殺害され、現場には「見知らぬ人」から引用されたと思わしきメモが。 犯人は「見知らぬ人」と一体何の関係があるのか。 そこから物語は語り手が変わり、今まで見ていた事件はあくまでクレアの視点に過ぎないことを思い知らされる。 本作は3人の語り手により物語が進んでいく。 語り手を複数人登場させることによって、主観と客観の相違や私たちの持つ先入観が徐々に明らかになっていくも、容疑者は一向に絞られない。 これこそが本作の見どころ。 主観と客観を巧みに使い分けることにより、語り手当事者のみが知る事実と客観視した時に生じる疑惑とが見事に混在し、真相がどんどん遠ざかっていくのだ。 本作の帯には「この犯人は見抜けない」と書かれており、犯人当て小説として手に取る方も多いだろう。 もちろんそういった楽しみ方もできる作品ではあるのだが、中には途中で犯人が分かってしまう方もいるかもしれない。(私も3分の1ほど読んでいて犯人とその動機がなんとなく分かってしまった・・) しかしそれでも本作を充分に楽しめたのは、ミステリーとしてフェアな姿勢と作品に付きまとう不穏さのおかげだ。 犯人が明らかになると冒頭からしっかりと伏線が張り巡らされていたことに気付く。 この一文はこのことを示していたのかと腑に落ちる瞬間はミステリーの醍醐味と言える。 そして何より作中作の「見知らぬ人」が持つゴシックホラーとしての不気味さ、不穏さが現実にも侵食していくかのような展開は見事。 フィクションとリアル、ホラーとミステリー、そして主観と客観の境界線が曖昧になっていき、一体何を信じればよいのか分からなくなっていく。 奇妙さと不穏さを内包しつつもミステリーとしてはどこまでもフェアな本作はMWAを受賞するなど非常に高い評価を受けており、続編が執筆されている。 この唯一無二な読後感を再び味わえる日が早くも待ち遠しい。 | ||||
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賞を取るレベルだけに面白かったです。 ただ、犯人当てで煽ってるわりには犯人が予想しやすく、犯人の心理も乏しかったことは拍子抜けでした。 所々にホランドの短編が挿入されているのですが、途切れ途切れで読まされるので、最後に掲載されている全編を最初に読んでしまった方が物語の理解が深まるかもしれません。 色々書きましたが総じて楽しく読めたので、次回作もまた読みたいと思える作品でした。 | ||||
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重層的と解説に書いてあったが、重奏的でもあった。複数の登場人物の視点から物語でもある。 主要登場人物がみな女性であることにも注意したい。 そして、まさかという犯人。自分の読みは見事に外された! カー刑事の続編、The Postscript Murders の翻訳がとても待ち遠しい。 | ||||
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3人の語り手と日記という4つの視点を配した、凝った構成のミステリです。 ところどころ、各視点で語られるエピソードが重なっているので、このとき相手はこう思っていたのか、この出来事の背景にこんなことがあったのかという、重層的に描かれる物語が本作の読みどころでしょうか。 こう書くと文学趣味が濃厚な読みにくいミステリと思うかもしれませんが、本書の場合、視点人物と出来事の順序さえ間違えなければ、双方の心情や背景が読者に全て開示されるので、内容の理解は容易だと思います。 恐怖小説の見立て殺人というポイントが、物語の焦点からずれているのが残念ポイントですが、視点人物の関係性が事件の進捗に連れて徐々に変化していく際の心理描写の巧みさなど、読みどころも豊富だと思います。 秋の夜長にじっくりと読むのにふさわしいエンターテイメントミステリだと思います。 | ||||
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下敷きとなる(架空の)ヴィクトリア朝時代の小説が存在(横溝正史「悪魔の手毬唄」的な役割)し、教師で母親とその娘、そして殺人事件の捜査を進めるインド系刑事という女性3人の視点をきっちり「公正」に描写する。もちろん登場人物は全員「偏屈で皮肉屋」。 そして鉄則は「登場人物が限定されいて、ながしの犯人は絶対にNG。」であり、「いちばん怪しい人が犯人ではない。」という伝統の決め事があって「シェークスピア、エリオット、ミルトン、チョーサーなどの教養」が織り込まれており、「ハリーポッタ的な幽霊、魔術」も小道具として使用し、必ず「BBCラジオドラマ『アーチャーズ』を聞く」というイギリスのある意味保守的なミステリー。 でもさすがに21世紀なので若い世代はスマホを手放さないし、アメリカ系動画配信を観るあたりでは正直ちょっとほっとした。 | ||||
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以下、少しのネタバレがあります(これが気になる人は、警告なくもっと内容に触れているので、解説は先に読まない方がいいでしょう) 読む前に私が期待していたのは、 ヴィクトリア朝時代の怪奇小説、そしてその作家にまつわる研究が、現代の事件と響きあい密接なつながりを持ってくる話でした。 さらにいえば、せっかく怪奇小説を扱うのだから、超自然的な要素も重要なカギとして出てきてくれればいいなと。 ですが実際には、この怪奇短編や作家のことは、あくまで現代パートで利用される小道具にしか過ぎなかった印象です。 怪奇現象も出てきてはくれたのですが、こちらは完全にメインに絡まないし、大きな意味も持たないただのこぼれ話的なものでした。 むしろ刑事がかつてジェームズ・ハーバートを愛読していたという小ネタの方が、怪奇ファンには嬉しいくすぐりかもしれません。 そういったこちらの勝手な期待こそ外されましたが、ティーンの娘を持つ教師、娘、刑事の三者により、 それぞれにうっすら色眼鏡のかかった視点で物語が進んでいく構成は見事でした。 どちらかというと、ミステリとしてというよりも、現代イギリスの三人の女性の物語として楽しかったなという感想です。 | ||||
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ミステリとしては驚きはありませんでしたが、私は人物描写が好きでした。3人の女性が順番に語るのですが、特に主人公のクレアに好感が持てました。 クレアは英語教師(英文学教師のイメージでしたが)なので本の話を度々します。最近のベストセラーミステリに辛辣なコメントをしたり。モデルのように美しいそうですが、繊細な性格で日記を心の支えにしています。そこから恐ろしいことが起きるのですが。 イギリス人の日常生活がたくさん描かれているのでイギリス好きにお勧めです。連続殺人物ですが、グロテスクな描写はありません。犯人探しはあまり当たらない気がします。しかしヒントは隠されています。 | ||||
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