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緑陰深きところ



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【この小説が収録されている参考書籍】
緑陰深きところ

緑陰深きところの評価: 4.57/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.57pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

哀しく美しく

失礼ながら知らない作家さんでしたが、本屋さんで気になり本書を購入しました。
人々の哀しく、美しく、そして力強い人生が描き出されていて、最初から最後まで物語に引き込まれました。
「誰にだって事情がある」事を改めて思い出させてくれる作品でもあります。
緑陰深きところAmazon書評・レビュー:緑陰深きところより
4093866104
No.6:
(4pt)

美しいラスト

誠に美しいラストでした。久々に心に残る小説となりました。
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No.5:
(4pt)

昭和から令和に貫かれる業の深さと純愛

人を寄せつけない偏屈な老人は半世紀に及ぶ恩讐を抱え、実の兄への復讐だけが生きる目的となっている。そこに登場する若者の割り込みかたがとても強引で最初は「?」なのだが、実はこの若者の抱える闇も深い。

こんなふたりがクラシックカーともいえる日野・コンテッサ(幼稚園の先生が乗っていたなあ)を運転しながら大阪から大分・日田までシリアスなロードノベルを繰り広げる。倉敷、岡山でおのおのの心残りを晴らすべくある意味、人としての誇りを賭けた行動に出るところも読みごたえあり。

たくさんの伏線が張り巡らせてあり、読者としては「最悪の結末」さえ予想するのだが、無駄な記述は一行もなく、この作者に見事に「裏切られる」ラストは必読。骨太で巧い作家さんです。
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4093866104
No.4:
(5pt)

50年前の殺意を胸に抱いた男と、まだ25年しか生きていない男のロードノベル

紘二郎は、兄から2度同じ女を奪われた。1度目は兄が彼女と結婚したとき、2度目は兄が彼女を殺したとき…それから50年。
何もかもなかったように独身のままひとり淡々と生きてきた紘二郎のもとに1枚の絵ハガキが届いた。そこには兄の達筆な文字で漢詩が書かれていた。そのハガキが兄への憎しみと殺意を呼び起こし、紘二郎は兄を殺ししに行くことを決意。そのため自動車を購入し、それがきっかけで出会った金髪の若者・リュウを運転要員として雇い、孫のような青年と復讐心で走り出した老人の旅が始まった。。。

ひょんなことから知り合ったふたりが旅をする小説や映画は多々あるが、その目的が殺人っていうのがインパクトある導入部。ジェネレーションギャップを感じながら憎めない青年・リュウをだんだん愛おしく思う紘二郎の心の動きが丁寧に描かれる旅程。そして隠されていた真実や秘密が全てあらわになってむかえるフィナーレ。読んでいるうちに出てくる人たちがみな愛おしくなってくるいい小説だった。旅するふたりの会話が生き生きしていて、ふたりの車のリアシートに私も一緒に乗って一緒に話して笑っていたい、そう思えるような感じだった。テーマは、人生の厳しい面に鋭くふれるようなものだったけれども、読んで良かった。
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No.3:
(5pt)

緑陰の深さがここに。

遠田ワールドが広がっていく。
血縁、家の格式としきたり、すれちがい。
ぎすぎすとした不協和音のなかで、もがく。
決して忘れることができない過去と凄惨な事件。
ノスタルジックなワインレッドのコンテッサに乗って大阪四天王寺から大分日田までのロード。
道すがら、切なくも、その当時の思いをめぐらせて。
令和から昭和へ。
頑ななシニアとチャラいような金髪の若者。
ひとが寄りつかなくなったところに、真の交情は深まる。
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No.2:
(5pt)

魂にガツンとくる小説世界

大阪から以前暮らした倉敷を経て兄の住む大分県の日田まで旅をする、74歳の老人と25歳のホームレス青年とのロードノベル。
何故日田まで行かねばならないのか、その理由は冒頭で明らかにされる。初めは青年をけなしながらの道中だが、段々お互いに相手を思いやる心が芽生えて行く過程が克明に描かれる。お互いを思いやる心に老若男女の枠はない。
ニコイチ(いわゆる欠陥車)のクラシックカーを購入してまで日田を目指す老人の思いと、今はホームレスだが、欠陥車を売ってしまったことを後悔しているオート店の元店長との珍道中と思われたが、青年は、50年来ある人物への恨みに囚われた老人の頑なな心を溶かしていく。6日間の旅が孤独な爺さんを救う。しかし、青年は過酷な運命を背負っていたのだ。緊迫感のある中、青年の突き抜けた真っ直ぐさは救いだし、どこか温かくホッとする関西弁も心地よい。
過去(昭和)と現在(令和)を行きつ戻りつのストーリーは直木賞候補となった「銀花の蔵」の作者ならでは。
登場人物のうち3人が前後してガンにおかされるが、それを不自然と思うか否かは意見が分かれるところだろう。しかし今や二人に一人はガンになると言われている時代、特に自分は不自然さは感じなかった。
五月の緑の中でこの物語は幕を閉じるが、美しい五月に折しも読了した幸せを思う。とにかく魂にガツンとくる小説だ。以前からのファンだが、ますますこの作家から目が離せない。
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No.1:
(4pt)

愛憎も怨恨も、死さえも、甘い匂いに毒される。

50年前の無理心中事件が単なる無理心中ではなかったことが暗示されるが、それ以上の解明は避けられている。兄弟間の骨肉の憎悪とおぼしき確執にも正反対の惻隠が潜んでいることが暗示されるが、それ以上の解明は避けられている。桃子の出生も、睦子の精神の崩壊も、ただ暗示されるだけで、それ以上の解明は避けられている。となれば、あとは読み手の想像力で物語を補完するしかない。それもまた読書の愉しみというべきか。いずれにせよ、これまでの遠田ワールドとは一味違う後味が残る。
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