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用心棒日月抄
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用心棒日月抄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 61~71 4/4ページ
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わけあって脱藩した青江又八郎が、江戸で、口入れ屋の吉蔵からの様々な依頼をこなして生活していく。時代は、忠臣蔵の時代。赤穂浪士の活動をまじえながら、江戸の市井の様子がえがかれている。子沢山の細谷源太夫をはじめ、魅力的な人物が登場する一話完結の依頼が立て続けに収録されている。時間がある時に、さくっと一話読めます。しかし、依頼の内容は一話完結ですが、一話一話又八郎に関してはつながっているので、結局、続けて読んでしまいます(笑)。 | ||||
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この作品の魅力は、なんと言っても主要登場人物の造形によるものでしょう。主人公・青江又八郎も悪くないのですが、口入れ屋の吉蔵や、悪友・細谷源太夫など、「また会ってみたい」と思えるキャラクターと過ごせる時間は、何物にも換えがたい幸せなのもがありました。 作品としては、後の著者の作品と比較すると、こなれていない面も散見されます。文章は硬さが残っていて吸引力が弱い感じがしますし、ご都合主義的展開が目立つ部分もあります。何より、又八郎の雇われ先にいる女性が、揃いも揃って美女ばかりというのでは、少々現実味がなさすぎます。 それでも、1作毎に工夫を凝らした状況設定は見事ですし、「忠臣蔵」の事件を「外側」から描いたドラマという発想も秀逸で、堅牢な構成力も相俟って、安心して楽しめるエンターテインメントに仕上がっています。 時代小説初心者の方はまず、『橋ものがたり』や後期の長編を読んでから、本書を読まれてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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藤沢作品に最初に親しむとすればこのシリーズがお勧めです。時代小説のエッセンスがすべて凝集されていると思います。推理小説としての側面もありながら藤沢氏ならではの人情味あふれる味わいがあり、読後感は爽やかです。読み出すと止まらない。一気に4作を読破してしまうと思います。藤沢周平を読んだことがない方は是非目を通してしてみてください | ||||
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藤沢周平の職人芸を見るような作品。一篇一篇は小粒だがピリリと効いてくる余韻深い連作短編集。 徳川綱吉の時代、故あって国元を出奔し江戸で浪人をする青江又八郎、斡旋屋が紹介する日雇い仕事、時折、用心棒仕事で糊口をしのぐ。 第1話は、富商の妾宅に飼われる犬を襲う輩がいるということでの仕事。犬の用心棒と、なかば腐りながら、犯人を捕まえてみると・・。 短編ながら藤沢周平ならではの人情劇が織り込まれる。国許に残してきた許嫁を思いながら、国許から次々と差し向けられる刺客との決闘、と、全編に張り巡らされた雰囲気、伏線にうならされる・・。また、一話毎にシチュエーションを変えたストーリーが展開するが、話が進むにつれて、又八郎の背後のストーリーに、赤穂浪士による赤穂事件が露になっていく構成が見事。 斡旋屋の主人吉蔵、同じく浪人で用心棒仕事もこなす5人の子持ちの異丈夫“細谷源太夫”、幕府の女隠密(?)“おりん”など脇役も魅力的。 | ||||
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この作品には良質な時代エンターテイメントの要素が豊富にそろっている。 魅力あふれる主人公を個性的な脇役が固め、それを最大限に引き出すさりげない描写。一話々々のストーリー性と、連作全四巻をタペストリーのごとくつむがれひとつの流れを作る登場人物の人生と歴史的事件。 これらの要素が藤沢周平の清々しい風景描写とともに描かれるのだから悪いはずが無い。 これは連作第一巻。基本的には短編一話完結なので、途中でやめてもかまわない。気軽にトライしてほしい。しかし、読み終えれば次をすぐさま読みたくなるでしょう。 | ||||
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血なまぐさい剣を、微塵も血なまぐさいと感じさせない筆致。 残酷とさえ言える刃の切れ味を、美しい輝きに変える描写。 すさまじい生の躍動を見事に描ききった藤沢周平の世界は、 明と暗、愛と死を縦横に駆け抜ける猛虎の世界ですね。 面白さというものが、小説の中での生の体験だとすれば、 読めば生きられる、面白い小説がここにあります。 | ||||
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用心棒シリーズ1作目は、許婚の父親を切って脱藩した剣客青江又二郎が主人公であると共に、赤穂浅野浪人たちの物語でもあります。 そこには忠義と武士道に彩られた美談はなく、ひたすら侍としての精悍な姿が描かれます。最後近くの話に一度だけ現れる人間臭い大石内蔵助が出色の出来、また青江らが吉良邸の外から伺う討入りの様子が迫真で、これまでの忠臣蔵をはるかに越える「忠臣蔵」であると言えます。 そして、最終話に用心棒シリーズ通しての(あるいは藤沢周平の時代物きっての)「いい女」、佐知が登場、次作以降の期待を繋ぎます。 | ||||
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えがった~。なんか癒されます。その上しっかりエンターテイメント。はまりますよ。 あ、あとですね、この本は表紙の手触りが良いですよ。この作品から藤沢周平さんに入れてよかったです。 ちなみにシリーズ2作目『孤剣』、3作目『刺客』、そして最終巻『凶刃』も読了。満足しました。 | ||||
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『用心棒日月抄』シリーズの作品はシリーズ中のどれもが捨てがたい。類型なんだろうけど、それでもキャラクタの造形は数ある藤沢作品の中でもピカイチだろう。食うに困り、生き延びるために用心棒家業をこなし、それでも明日に望みをつなぐ青江又八郎。そこそこ貧乏な独り暮らしの経験があれば今日の米の心配をしながら故郷の食い物を想像する姿に共感を覚えずにはいられないだろう。剣豪でありながら江戸の生活臭がある、移り変わる江戸の四季を感じながら故郷海坂藩の季節に思いをはせる、これは確かに藤沢周平にしかなしえない連作小説だと思う。この1作目は赤穂浪士の討ち入りを縦糸に、又八郎たちの江戸の町で暮らしを横糸に織りなされていくストーリーも見事。連作短編ならではの緊張感が味わえる。 かつて、NHKが「腕におぼえあり」のタイトルでドラマ化したときの村上弘明-渡辺徹-坂上二郎の配役もよくて、読んでるとどうしてもイメージを重ねてしまう。今、ドラマ化するとしたら誰になるのかな。 | ||||
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用心棒日月抄は、まさに藤沢文学の結晶である。主人公の動作の描写、まわりにいる人々の人情、そして赤穂浪士とのからみあい・・・・すべてが完璧である。一度読み始めたら止まらなくなること間違いなしだ。物語を通して、藤沢周平の人間的な暖かみが伝わってきて、心にしみ通る。だからこそ、殺伐とした江戸の生活を書いているのにもかかわらずこの物語は優しく、読後感もさわやかなのだ。文句なしに星5つである。 | ||||
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許婚の父親を誤って切り,脱藩して江戸で浪々の身となった青江又八郎。下町のヘンな口入屋「相模屋」から様々な用心棒の仕事をもらって糊口をしのぐ。子沢山でいじきたないが剣はめっぽう強い浪人,細谷源太夫と相棒を組んで江戸の町を縦横無尽に活躍。しかし藩は青江に次々と刺客を差し向けてくるのだった。しかも不思議なことに,赤穂浪士の影もちらほらと見え隠れする・・・。 人間の暗い情念を時代小説に描いてきた文豪が,初めてユーモアのセンスをとり入れてさわやかに人間を描き世間を沸かせた名作。スイセン! | ||||
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