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(短編集)
銀の雨 堪忍旦那為後勘八郎
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銀の雨 堪忍旦那為後勘八郎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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同心の お目こぼして言うのか 相手の身になり情をかけるのですが、 ひとつ 間違えば不信をまねきますが 誰にも文句をいわせぬほど うまいですね。 | ||||
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岡部主馬が小夜に言ってはならぬ暴言を吐いたときは心底悲しかった。しかしラストまで読めばすっきり安心。めでたしめでたし。ひとつ欲を言わせてもらえば、最後の「銀の雨」にはおゆたを絡ませて欲しかった。こんなにジーンとくる小説はそうはありません。 | ||||
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女心の切ないお話がベースではあるが、次々と事件が起きていき、とても楽しく読めた。 いつの時代でも、周りの人とにかかわりが楽しいのだと感じた。 自分にとってどんな人を伴侶として選ぶべきなのか? 勢いでなくてじっくり考えようというメッセージか? | ||||
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下手人に対し寛容で温情厚い対応で知られ堪忍旦那と呼ばれている、 為後勘八郎、その容姿はお世辞にも良いとは言えず、 その勘八郎に似た娘のお小夜も年頃でありながら美人とは言えない。 が、それにもめげず小夜の明るい性格は本作品の軸になっています。 また主人公の勘八郎や小夜を取り巻く小夜の友達のゆたや梅助、子供たちが健気で 様々な辛さを乗り越えて生きる姿は感動しました。 しかし小夜が想いを寄せる同心、岡部主馬に“醜女”と言われ、 傷つき、それ以来、主馬に対して素直になれない様はかわいそうでした。 思春期の女の子は些細な一言で傷つくもの、 しかもそれが好きな男性からの言葉なら尚更です。 宇江佐さんの初期作品ですが、そういった女の子の心の機微と成長、 登場人物がそれぞれ味わい深く魅力ある書き分けはさすが!と 思いました。当初から大物の風格だったのですね。 ラストは主馬との誤解も解け、幸せそのものでとても良かったです。 | ||||
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心がじわーんとしてくる人情物でした。 人それぞれ多かれ少なかれなにがしかの「過去」を持って生きているのですね。 後ろめたい気持ち、過去を振り切りたい気持ち、懐かしむ気持ち、そういうのを心に抱えながら、 また新しい結びつきを求めたり許したりして生きているのでしょう。 温かさを感じる登場人物たちの中で、主馬だけは冷たさが前面に出ているようでした。 顔立ちにコンプレックスを持つ小夜との間は紆余曲折を経て、やっと夫婦に。 私には過ぎ去った若さがうらやましいお話でもありました。 今日、外は静かな銀の雨が降っています。 | ||||
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出版されたのはずいぶん前であるが、タイトル「銀の雨」のきれいな響きに惹かれ手にした。 まさに看板に・・・いやタイトルに偽りなし。いい作品はいつ読んでもいいと感じた。 主人公は堪忍旦那勘八郎であるが、話に絡んでくる娘の小夜や義理の息子となる主馬をはじめ、登場してくる少年少女たちが軸となる。 彼らはそれぞれの事情を抱えながら、けなげに一生懸命生きている姿がなんともせつない。 後半にはありがちな美形な娘ではない、小夜の主馬への想いがせつなくラストに向かってゆく。 主馬が小夜に放った言葉は、美形ではなくとも娘さがりの小夜にとってはつらい一言。 終章はこの二人の不器用な恋物語で、つらいその言葉は別の意味があったようにも感じる。 正直、主馬の心情をもう少し描いてほしいと思ったが、最後はほろりさせられる。 読み終わったあと満ち足りた幸福感を感じる1冊である。 | ||||
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著者の他の作品と比べると、もっと書ける筈という印象を持つ。デビュー3作品目とのことだが、レベルは高い。ことに子供の描写に優れている。お小夜、おみち、おゆた、そして梅助と見事に描き分けている。その小さな胸を思いのたけにいっぱいにした姿は、健気で切なくて愛らしい。そして胸にジーンと来るものがある。一読の価値あり。 | ||||
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作者の3作目とのことだが、とするとこの作品から宇江佐ワールドがトップギアに入ったということか。 5編からなる連作であり、初章の「その角を曲がって」の時点で、これ1本で映画にできそうな秀作と思ったが、読み進んで行くとどれもが映画化・ドラマ化できそうな作品群である。 主人公の同心は、その姿を見ただけで子供も震える“容貌魁偉”の男。 宇江佐小説にはよく出てくる主人公のパターンであり、さしずめその先駆けといえるのだろう。 一人娘の小夜もお世辞にも美形とはいえない容姿で、作中ではそんなことを気にする様子もない無邪気な少女なのだが、 実は内心ではコンプレックスを持っていたことがクライマックスに来て表れる。 当初13歳であった小夜は章が進むにつれて1つずつ年をとり、最終章では17歳を迎え、 捕り物小説の形をとってはいるが、ヒロイン・小夜の成長を描く小説でもある。 内面は成長しているが外面は逆に幼くなっているように感じるところも一興。 余談だが、最終章には事件絡みで雖井蛙流平法の遣い手・麻吉が登場する。 その師匠は宮本武蔵を尊敬しているというが、宇江佐さんの後の作品である「深尾くれない」の主人公・深尾角馬のことだろうか。 | ||||
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ここに登場する人々はみなせつない思いを抱えながらも明るく生きている。繊細な心理描写に触れると、自然と涙が溢れて止まりません。小夜が自決しようととしている主馬に言われた一言はまるで自分に言われたみたいに突き刺さり、泣きながら読んでしまいました。 読む人の心の琴線に必ず触れる一冊です。ラストの情景はじんわりと幸福感につつまれます。 是非!ドラマ化して頂きたいですね。 | ||||
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ほんのりと温かい話が多く 人の気持ちのままならなさもよく描かれています が、なんと言っても、思春期の女の子のブレのある存在感が いいですねぇ。 ホントの主人公は、堪忍旦那の娘「小夜」ちゃんですね。きっと。 宮部みゆきの時代小説が好きな人ならなおさらおすすめ! | ||||
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為後勘八郎という人情派同心を軸に、江戸庶民のドラマが描かれる。男女の恋愛が素材として多く取り上げられている。為後自身もゴツイ面相だが、妙齢のひとり娘「小夜」が、少々ブスという設定が、作品にオリジナリティーを感じさせる。美男美女でない重要人物が、いかにも市井の人々という感じがして良い。 「その角を曲がって」の「おみち」や「魚棄てる女」の「梅助」など、健気な子どもが鮮やかに描かれて印象に残る。 | ||||
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