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あやめ横丁の人々
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あやめ横丁の人々の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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直木賞受賞作家が、これだけ時代考証が出鱈目な物語を書いて良いのか、腹が立つ。 まず、江戸時代の江戸には掛け布団が存在せず、敷布団だけ。貸本屋は江戸時代には店舗を持たず、行商のみ。「月命日」が何度も出てくるが、江戸時代に「月命日」という言葉はない。年に一度の、故人の死んだ月日と同じ月日を「祥月命日」と呼び、毎月の亡くなられた日を「命日」と呼ぶ。「月命日」は昭和時代の、それも、おそらく太平洋戦争以降の造語。 物語の舞台の、あやめ横町のような場所の屋根が瓦葺きのわけがないのに、瓦葺きになっている等、惨憺たるもの。 「凄い」は江戸時代は「ぞっとする」「気味が悪い」という意味なのに「素晴らしい」的な良い意味で使っているし、「庶民」は「庶子(非嫡出子・婚外子・非認知子)の子孫一党・分家」という差別的な意味だが、「一般大衆」の意味で使っている。「大変」は現代と違って「すさまじい凶事」の意味で使うが、現代と同じ使い方。 「檄」とは「自分の主義主張を述べて、同格の同盟者などに同意を求め、決起行動を促す文書」のことだが、これも誤用している。 町奉行所の月番は民事訴訟に関してで、刑事事件捜査は年中無休。月番など存在しないのに、あたかも、あったかのように書いている。 山田浅右衛門が仕えたのは吉宗の頃からだが、家康の頃から仕えていると書いているなど、出鱈目も甚だしい。 その他、時代考証間違いの言葉を列挙していくと、袋小路(有島武郎の造語)、文句・居場所(樋口一葉の造語)、居心地・無駄(国木田独歩の造語)、甲高い(谷崎潤一郎の造語)、必死・説明・厄介・確認・呆然(坪内逍遙の造語)、緊張・展望(森鴎外の造語)、冷静・事務的(徳富蘆花の造語)、理由(山縣有朋の造語)、視界・説教・苦手(夏目漱石の造語)、原因(西周の造語)、心配(河竹黙阿弥の造語)、警護(萩原乙彦の造語)、到底(『新聞雑誌』の造語)、貧乏籤を引く(矢田挿雲の造語)、頑張る(サトウハチローの造語)、移動・興味(井上哲次郎の造語)、普段(若松賤子の造語)、効果(藤林忠良の造語)、駄目(尾崎紅葉の造語)、本格的(勝本清一郎の造語)、興奮(小栗風葉の造語)、馬車(福沢諭吉の造語)、飯場(松原岩五郎の造語)、素っ頓狂(井上友一郎の造語)、反芻(高木卓の造語)、衝撃(里見弴の造語)、突飛(柳川春葉の造語)などなど、いやになるほどある。 | ||||
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命を狙われ、急展開で訳がわからぬ「横丁」に軟禁?状態となった慎之介。 ふらっと横町内を出歩くことはできても、横丁から外へは出られない。 数日、数ヶ月と暮らしていくうちに、この奇妙な横丁に暮らす人々の裏の事情が見えてくる・・・ その慎之介の横丁生活の10編の話から成り立った物語。 話としては面白いです。江戸の人たちの暮らしぶりや言葉遣い、服装なんかもイメージが膨らんできます。 ただ読み終わってみると、最後の『六段目』がいただけない(他の人も書いていましたが)。 「やっつけ仕事」「適当にまとめてケリをつけた大団円」といった感じで、読み終わってもどこかスッキリしません。 宇江佐さんにしては、話しのまとめ方がつたなくて、 「ほろ苦いところもあるけど、一応めでたしめでたし、よかったね」 と、カプセルに詰めて横のまま無理に飲み込んで終わった感があり。残念でした。 | ||||
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あやめ横丁を当然知らない読者と連れてこられた主人公の視点が重なって、次々と横丁の謎が露見していく・・ それらは楽しんで読めた。 しかし、、最後の六段目は、時間経過の表現と辻褄合わせ、強制的な終止符。小説家ならもう少し丁寧に扱えばいい物を、非常にぞんざいな締め方。 毎回残念に思う。 | ||||
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