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レオン氏郷
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レオン氏郷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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いつも安部龍太郎の作品は自分が持つ歴史観を変えてくれる。彼の作り上げた氏郷の人間性も独特で面白い。 秀吉による竹ヶ鼻城攻め(小牧・長久手の戦い)のところでは、備中高松城と同じ水攻めを行ったのだが、巨大な堤防を僅か5〜6日で築けたのは、既に西洋から幾何学を利用した三角測量法が伝わっていてそれを利用したことを初めて知った。 蒲生家が近江日野にあったので近江商人を通じた経済観念が強く氏郷に植えつけられていて、伊勢松坂に城下町を築く際に貿易を優位に行える様に有力商家の誘致・町割りを行ったことや楽市楽座の導入、徳政令の未来永劫廃止といった政策を実行したことが氏郷に対する今までのイメージと違うところであった。 その伊勢松坂で氏郷はローマ法王への使節を派遣した歴史的事実は衝撃的だった。彼のカトリックへの信仰の篤さも尋常でなかっただろうし、新しい文化・学問を取り入れようと様々な分野で才能のある家臣を選抜し派遣したというのは、非常に貪欲な彼の一面を見たようであった。 蒲生家が伊勢松坂12万石から陸奥会津42万石に移封されたものの実質は減収であったことにはびっくりした。新領地が全く内陸であったために松坂で行った貿易が出来なくなってしまったためである。 一番大きく歴史観を変えてくれたのは秀吉の朝鮮出兵に対するもの。日本国内で軍事的優位性を構築するには鉄砲に欠かせない硝石・鉛の輸入を独占することが必要で、明を植民地に加えたいイスパニア(ポルトガルは1580年に併合)に協力する必要があった。秀吉の朝鮮出兵(文禄の役: 1592年)はイスパニアが明攻撃を行う為の先兵となったこと。ところがイスパニアに梯子を外された形になってしまった。イスパニアの無敵艦隊が1588年のアルマダの海戦で英国に完敗しており、喪失した制海権を取り戻せず明攻撃が行える体制ではなかった。 ほかにも面白い点が多々あるのだが書き過ぎるのは良くないのでここまでとしたい。 | ||||
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戦国時代の武将”蒲生氏郷”を主人公にした物語です。 大河ドラマでの氏郷という人物は、伊達政宗の当て馬役として扱われますが 実際どんな器量だったのか気になっていました。 本作では、大きく3つの流れで話が進まれてます。 1)信長 天下統一編 : 氏郷は若き有能将校として描かれています。 信長のイスパニアのイエズス会を通じた世界観・統一国家の理想に感銘を受ける氏郷。 2)秀吉 天下統一編 (〜小田原討伐まで): 秀吉の旧主筋の織田家一門として遇されます。 秀吉を信長の後継者とみなして、12万石の大名として支えます。 3)会津若松 大名氏郷の90万石の器量 : この物語の一番の見せ場でしょう。 すでに天下統一を果たした秀吉は氏郷を煙たがります。 そんな中、奥州で一揆が発生。 明らかに氏郷を潰す機会をうかがう秀吉への対策を講じながら 奥州覇者 伊達政宗との息詰まる心理戦。 そして信長を思わせる雷光石化の攻略戦。 90万石。それに値する器量を十二分に証明して見せた氏郷。 一気に読んでしまい、とりわけ政宗との駆け引きは 思わず息を飲んでしまう緊迫感を味わえます。 | ||||
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なかなか氏郷の本格的な小説がなかったのですが、ようやく出会いました。ありがとうございます。 信長配下の頃は躍動感があり清々しいです。また、信長のイエズスとの駆け引きは読み応え十分です。 個人的に氏郷を尊敬しており、苦難に遭っても超然とした氏郷の姿を期待していたので、後半は秀吉に振り回されている感があり、やや残念でした。 | ||||
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