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プロジェクトぴあの
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プロジェクトぴあのの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 自ら普通ではない,人間ではないと評しながらも,誰よりも人間らしく映り,輝く, 愛よりも,セックスよりも,科学を,そして宇宙への道を追い求める少女が印象的で, 斬新なステージも,世界をひっくり返す理論も,ブレない情熱に感情を揺さぶられます. また,本人はそれをそれとは認めず,さも当たり前のようにこなしていくのですが, 学術的な部分はまるで解らなかったものの,それが物語への興味を妨げることはなく, ロボットとは違う,限られた生命を楽しむかのように,歌い,実験や理論を語る彼女が, 少しずつ周りを巻き込んでいく様子には,何とも挑発的な冒頭から一気に引き込まれます. それでも,この驚きは始まりに過ぎず,今はまだ火種がチラついているくらいですが, ここからどう燃え上がり,世の中を焼き尽くし,そして最後にはいったい何が残るのか. わずかに触れられる彼女の『その先』にも胸がザワつき,続く下巻が楽しみなばかりです. | ||||
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めっちゃ面白かったです。 『神は沈黙せず』『アイの物語』で有名なSF作家・山本弘先生のジュブナイル(?)SF小説です。 上下巻本なのですが、作中エピソードが全て(今となっては)身近な事柄で統一されているのか、あっというまに読めますね。 実は山本作品は部活小説の『BISビブリオバトル部』シリーズ(創元社文庫)しか読んでいないので、これが初SF体験という……。ビブリオバトルに登場するSF小説蘊蓄ではなく、本当のSFだとどういうテイストなのかなと思って買ったのですが良い意味で裏切られた感じですね。 物理学と天文学の天才少女(JKではない。天才なので学校に行ってない)がアイドル活動の傍ら、新たな物理学の法則を生み出し、太陽系の外宇宙を目指す話……。 なに言ってるかわかんねーと思うがありのままを言うとマジでそういう話だっつかそれだけの話なんだマジで。 本当の本気の本気で《宇宙へ行く方法》をド真剣に探している少女アイドルの超日常を淡々と描いた物語として読みました。 似ている作品としては『トップをねらえ!』とかかなぁ……小道具が似てるだけか。 物凄く非現実的な日常を過ごしているのにガジェットは大体その辺にあるものであふれている。 主人公ヒロインの《結城ぴあの》と彼女をなんだかんだで助けてくれる周りの人々の潔さがすばらしいですね。 だんだん話が大きくなっていくのが「これぞSF」という感じ。 ぴあのは就学せず、グループアイドル活動をして日銭を稼いでいます。 博士キャラ。 頭いい枠。 ですが、さっと連想する『アイマス(シンデレラガールズ)』のしきにゃんのような陽性のキャラではなく、『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希よりな、もっと《らしい》さばさばした女の子です。 このへんにあざとさが薄いのはちょっと玉に瑕でした。エキセントリックな個性をつけても演技として処理すれば良いように思いました。ストーリーが進むにつれ、彼女が人類にかなりうんざりしてるのがわかってくると納得はできるのですが。ちょっと「ビブリオ」のキャラ達に比べて出力が弱い気がします。 作中時間は2025年~と微妙に未来なのですが、宇宙生物がひそんでて日常を侵食するような典型的なSFの空気はなく(物理学の知識は大量に出てくるのだけど私は何一つ理解できない)、奇想天外なアイデアと常識に囚われない行動力で《AR・VR技術による一大変革が求められているアイドル業界に新風を吹き込むお仕事小説》の側面が描写されています。 つーてもスーパーフレアによる大災害のリアル感などは真に迫っており、「マジなの?」となってちょっと家族に飛びついて話したいような気持ちになりますね。 とにかく、ぴあのによる難解な物理学講義が始まっても京極堂の講義のような感じで苦になりません。そういうキャラ萌えを意識すべきでしょう。だからやっぱりキャラが薄いかな。 どこにでもあるちょっとしたことで停滞している業界の嫌味な感じがすごく再現されていて、主人公と彼女の協力者たちによって壁(作中では「箪笥」と表現される)が打ち壊されていく過程が爽快です。 でも、そういったサクセス・ストーリーを重点的に描いてるわけじゃなく……あくまでその奥に潜む衝動(主人公の宇宙への渇望)ゆらめいているのが怖いですね。 読んでるあいだ、何に似てるのかなぁと考えながら読むタイプなのですがちょっと『シュタインズ・ゲート』の日常パートとも似てるんじゃないかと。 これ以上進むとヤバイ領域に突入するスレスレを読み進めていくのが楽しい。 旧単行本のカバー絵は西島大介先生が描かれているのですが、文庫版も良いですね。 ぴあのの膨大な蘊蓄は、作中ではARによる視覚補強がされているのでもう少しわかり易いはずなのですが、わからなくても面白いと思います。 アニメ化とかしやすそうだし、今ヒットしている『Dr.STONE』のような「科学のわかりやすい面白さ」と好対照になっているのでは。 ちょっとスポットが当たらなさすぎですよね? これ2014年の初出なの? 実験的な作品ではあるのですが、これからを生きる人々の直面する課題を細大もらさずつめこんだ凄い物語でした。 おすすめ! | ||||
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